注文住宅で予算3,000万円台は、土地代を別に考えると全国でも平均的な価格帯です。
この記事では、すでに土地を持っており、土地別(家の新築のみ)で3,000万円台を予算に設定している方や、これから土地を買い、土地込み(総額)で3,000万円台を予算に設定している方の2パターンに分けて、建てられる注文住宅のイメージを解説します。
また、住宅ローンの返済シミュレーションや目安となる年収、費用を抑えるコツ、おすすめのハウスメーカーも併せて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 土地別、土地込みの2パターン別 予算3,000万円台の家の特徴
- 土地別、土地込みの2パターン別 間取り例・費用内訳・返済シミュレーション
- 3,000万円台の注文住宅を購入するのに必要な年収・頭金
- 予算3,000万円台の注文住宅で建築費用を抑えるコツ
- 予算3,000万円台でおすすめハウスメーカー
「この予算で作れる家ってどのような家?」、「子どもが2人いる場合、どのような間取りが良いの?」など、家づくりに対する疑問・質問は適切なハウスメーカーに相談してすり合わせることで、理想的な家の実現に近づきます。
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Contents
1.注文住宅で予算3,000万円台、どのくらいの家が建つ?
まずは、3,000万円台でどれくらいの家が建つか、土地別(家の新築のみ)で予算3,000万円台のパターンと、土地込み(総額)で予算3,000万円台のパターンに分けて解説します。
1-1.土地別・予算3,000万円台の注文住宅は平均的
国土交通省の「令和4年度住宅市場動向調査報告書」によると、注文住宅の建築資金の全国平均は、土地別で3,935万円です。
また、住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査(2022年度)」によると、注文住宅の建築資金の全国平均は、土地別で3,715万円となっています。
近年、注文住宅の建築資金は上昇傾向にあるものの、土地別・予算3,000万円台の注文住宅は全国でも平均的といえるでしょう。
参考:
令和4年度住宅市場動向調査報告書|国土交通省
フラット35利用者調査(2022年度)|住宅金融支援機構
土地別・予算3,000万円台で建てられる家のイメージは、以下のとおりです。
項目 | 特徴 |
---|---|
デザイン | シンプルを中心にモダン・和風などのテイストをプラスできる |
構造 | 木造が多いが鉄骨造も検討できる |
住宅性能 | 耐震性や断熱性、気密性などの機能性はハウスメーカーによるが、高めることも可能 |
間取り |
|
設備 |
|
1-1-1.ある程度凝ったデザインが可能
予算3,000万円台の場合、シンプルなデザインのなかにモダンや和風、ナチュラルなど、自分好みのテイストを付け足すことが可能になり、外観デザインはある程度、凝れるようになります。
1-1-2.構造は木造が多いが鉄骨造も可能
鉄骨造よりも木造のほうが坪単価は安くなる傾向にあるため、木造住宅を検討する方が多い傾向です。
しかし、耐震性や耐火性を重視するのであれば、鉄骨造も十分検討の余地があります。
1-1-3.住宅性能はハウスメーカーによる
家を建てる際には最新の建築基準を満たす必要があるため、住宅は価格に関係なく最低限の耐震性や断熱性を備えています。ハウスメーカーによっては、そこからさらに耐震性や断熱性、機密性などの機能性を高めることも可能です。
土地別・予算3,000万円台の注文住宅では、すべての住宅性能を高めることは難しいといえますが、必要なものを選択して取り入れることは可能です。
1-1-4.間取りは4LDKほどが目安
間取りは3~4人程度の世帯が余裕を持って暮らせる、広いリビングを含む4LDK(30~35坪程度)が一つの目安です。建築を依頼するハウスメーカーや、デザイン、構造、住宅性能によっては、二世帯住宅を作ることもできるでしょう。
世帯人数が少ないのであれば、広々とした空間を演出できる平屋もおすすめです。
1-1-5.設備はハイグレードタイプを選択可能
キッチンやトイレ、お風呂、洗面などの設備に関しても、土地別・予算3,000万円台の注文住宅ならハイグレードタイプを選ぶことが可能です。
ハウスメーカーによっては、パントリーや床暖房、食器洗い乾燥機、二重窓といった、需要の高い設備が標準プランになっていることもあります。また、全館空調の実現も可能です。
なお、標準プランに含まれていない設備や外構に関しては、ハウスメーカーと相談して決めていくことになります。
1-1-6.土地別・予算1,000万円台~5,000万円台の注文住宅との比較
以下は土地別・予算1,000万円台~5,000万円台の注文住宅の特徴を比較したものです。予算によって変わるポイントをチェックしておきましょう。
本体価格 | 特徴 |
---|---|
1,000万円以下~1,000万円台 |
|
2,000万円台 |
|
3,000万円台 |
|
4,000万円台 |
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5,000万円台・以上 |
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1-2.土地込み・予算総額3,000万円台の注文住宅の特徴はシンプルな仕様
住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査(2022年度)」によると、土地付注文住宅の建築資金の全国平均は4,694万円です。
参考:フラット35利用者調査(2022年度)|住宅金融支援機構
土地込み・予算総額3,000万円台の注文住宅は、全国平均の価格帯を下回り、ローコスト~ミドルコスト住宅に該当するといえます。
注文住宅の土地代は、エリアや面積、形状などによって費用相場が異なりますが、1,000万円~1,500万円程度が相場と認識しておくとよいでしょう。土地込み・予算総額3,000万円台の場合、土地代に1,000万円~1,500万円をかけるなら、家自体にかけられる費用は2,000万円~2,500万円程度ということになります。
そのため、土地込み・予算総額3,000万円台で注文住宅を建てるなら、建築費用を抑える必要があるのです。
家づくりにかかる費用は、大きく分けて本体工事費、付帯工事費、諸費用に分けられます。費用内訳は以下が目安です。
費用内訳の項目に関しては、「3.注文住宅3,000万円台の費用内訳と住宅ローン返済シミュレーション」で解説しますが、家自体にかけられる費用(本体工事費・付帯工事費)は家づくり全体の費用の8~9割程度なので、以下のように計算できます。
2,000万円~2,500万円×0.80~0.90=家の費用1,600万円~2,250万円
家の費用1,600万円~2,250万円程度の家の特徴については、前述の「【比較表】予算別・注文住宅の特徴」の1,000万円以下~1,000万円台、2,000万円台を参考にしてください。
予算内で理想の家を建てるなら、注文住宅のプロに相談!
予算がある程度決まっている場合、注文住宅のプロに予算や完成のイメージを伝えることで、自分の理想にあった家づくりを実現できます。将来的な家族構成も併せて相談することで、より長期的に住みやすい家に仕上げることも可能です。
2.【パターン/坪数別】注文住宅3,000万円台の新築間取り実例
予算3,000万円台の代表的な間取り例を、土地別(家の新築のみ)で3,000万円台、土地込み(総額)で3,000万円台の2パターンに分け、さらに坪数・階層別で、以下のように合計4つ紹介します。
- 土地別3,000万円台/30坪|2階建て注文住宅の間取り
- 土地別3,000万円台/40坪|3階建て注文住宅の間取り
- 土地込み3,000万円台/35坪|2階建て注文住宅の間取り
- 土地込み3,000万円台/35坪|平屋注文住宅の間取り
2-1.【土地別3,000万円台/30坪】2階建て注文住宅の間取り
想定世帯 | 4人程度 |
---|---|
間取り | 4LDK(+土間収納+ウォークインクローゼット) |
延床面積 | 約30坪 |
1階にLDKと和室、2階に居室を配置したシンプルな間取りです。
玄関から入ったすぐ横には土間収納があり、アウトドアグッズや家族の靴、コートなどを収納できます。
また、2階には大きなウォークインクローゼットがあるので、家族のものをすべてまとめて収納することも可能です。
2-2.【土地別3,000万円台/40坪】3階建て注文住宅の間取り
想定世帯 | 3人程度 |
---|---|
間取り | 3LDK(+ビルトインガレージ+ウォークインクローゼット+シューズクローク+2バルコニー+納戸) |
延床面積 | 約40坪 |
2階にLDKを配置した3階建ての間取りです。
1階の洋室は、テレワークスペースや受験勉強中の子ども部屋、二世帯住宅の場合は親世代が使える部屋になります。
2階のリビングから3階にかけては吹き抜けになっているため、心地良い日差しや開放的な空間を享受できるでしょう。
2-3.【土地込み3,000万円台/35坪】2階建て注文住宅の間取り
想定世帯 | 3~4人程度 |
---|---|
間取り | 4LDK(+2ウォークインクローゼット+ウッドデッキ+バルコニー) |
延床面積 | 約35坪 |
廊下を極力減らす、水回りをまとめるなどの工夫をすることで、4LDKの間取りが叶います。
玄関から入ってすぐ和室があるので、客間として使えばプライベート空間を見られることなく室内に通すことが可能です。
玄関が吹き抜けになっているので来客時の印象も明るく、気持ちの良いおもてなしができるでしょう。
2-4.【土地込み3,000万円台/35坪】平屋注文住宅の間取り
想定世帯 | 3~5人程度 |
---|---|
間取り | 4LDK(+ウォークインクローゼット+パントリー+デッキ+スキップフロア) |
延床面積 | 約35坪 |
多くの部屋に陽光が差し込みやすくなるよう、居住空間の中央に中庭を配置したコの字型の平屋の間取りです。
道路からは見えないよう配置されているので、晴れた日にバーベキューやホームパーティーをするのにも便利です。
収納が少なく感じますが、リビングにスキップフロアが配置されており、下の空間を収納に使えます。
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3.注文住宅3,000万円台の費用内訳と住宅ローン返済シミュレーション
ここでは、土地別(家の新築のみ)で3,000万円台、土地込み(総額)で3,000万円台の2パターンに分けて、費用内訳や住宅ローン(35年ローンと20年ローン)の返済シミュレーションを紹介します。どのような項目にどのくらいの費用がかかるのかを把握し、資金計画を立てる際の参考にしてください。
なお、組める住宅ローンの上限金額を借りるのではなく、毎月無理なく返済できる金額を検討しましょう。
3-1.土地別・予算3,000万円台の注文住宅
土地別・予算3,000万円台の注文住宅の場合、費用内訳は以下のとおりです。
本体工事費 | 2,800万円 |
---|---|
付帯工事費 | 490万円 |
諸費用 | 210万円 |
土地代 | 1,000万円 |
総額 | 4,500万円 |
※家づくりのとびら「注文住宅予算シミュレーション」で計算
本体工事費とは、建物自体のメインの工事にかかる費用です。付帯工事費は、外構工事や車庫の取り付けなど、本体工事費に含まれない項目の費用、諸費用は印紙税や手数料など事務的な費用を指します。
ここからは、住宅ローンの返済シミュレーションを、35年ローンと20年ローンに分けて紹介します。なお、いずれもあくまで目安のため、本格的に資金計画を立てる際にはさらに綿密に費用を計算していく必要があります。
3-1-1.35年ローンの場合
頭金 | 800万円 |
---|---|
金利 | 1% |
返済年数 | 35年 |
毎月の返済額 | 10万円 |
※家づくりのとびら「注文住宅予算シミュレーション」で計算
3-1-2.20年ローンの場合
頭金 | 800万円 |
---|---|
金利 | 1% |
返済年数 | 20年 |
毎月の返済額 | 17万円 |
※家づくりのとびら「注文住宅予算シミュレーション」で計算
3-2.土地込み・予算3,000万円台の注文住宅
土地込み・予算3,000万円台の注文住宅の場合、費用内訳は以下のとおりです。
本体工事費 | 2,000万円 |
---|---|
付帯工事費 | 350万円 |
諸費用 | 150万円 |
土地代 | 1,000万円 |
総額 | 3,500万円 |
※家づくりのとびら「注文住宅予算シミュレーション」で計算
次に、住宅ローンの返済シミュレーションを、35年ローンと20年ローンに分けて紹介します。
3-2-1.35年ローンの場合
頭金 | 800万円 |
---|---|
金利 | 1% |
返済年数 | 35年 |
毎月の返済額 | 7万円 |
※家づくりのとびら「注文住宅予算シミュレーション」で計算
3-2-2.20年ローンの場合
頭金 | 800万円 |
---|---|
金利 | 1% |
返済年数 | 20年 |
毎月の返済額 | 12万円 |
※家づくりのとびら「注文住宅予算シミュレーション」で計算
3-2-3.予算内で理想の家を建てるなら、注文住宅のプロに相談!
予算がある程度決まっている場合、注文住宅のプロに予算や完成のイメージを伝えることで、自分の理想に合った家づくりを実現できます。将来的な家族構成も併せて相談することで、より長期的に住みやすい家に仕上げることも可能です。
4.3,000万円台の注文住宅を購入するのに必要な年収・頭金は?
ここでは、3,000万円台の注文住宅を購入するために必要な、年収と頭金の目安を紹介します。
4-1.年収の目安
住宅ローンの年間返済額は、手取り年収の25%以内を一つの目安とします。例えば、借入額が3,000万円なら、手取り年収は450万円~550万円ほどが目安になります。
手取り年収とは、額面年収から、税金や社会保険料などの控除される額を引いたものです。手取り年収のおおよその額は「額面年収×0.75~0.85」で計算できます。
住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査(2022年度)」によると、利用者の世帯年収は400万円以上600万円未満が最も多く、約4割を占めています。土地別・予算3,000万円台の注文住宅が全国平均であることを考えても、この年収の目安は妥当といえるでしょう。
参考:フラット35利用者調査(2022年度)|住宅金融支援機構
4-2.頭金の目安
国土交通省の「令和4年度住宅市場動向調査報告書」によると、注文住宅の建築資金のうち、自己資金は全国平均で1,177万円、自己資金の割合は全国平均で29.9%です。
自己資金とは「頭金+諸費用」のことですが、ここでは頭金の目安として自己資金について取り上げます。
また、住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査(2022年度)」によると、注文住宅の建築資金のうち、自己資金の割合は全国平均で17.3%となっています。借入額が3,000万円の場合、自己資金はおよそ519万円です。
自己資金は住宅価格の2~3割ほどが目安といわれており、借入額が3,000万円なら600万円~900万円となります。これらのことから、500万円~1,000万円程度が自己資金の妥当な額といえるでしょう。
なお、最近では多くの金融機関で、物件価格の100%まで住宅ローンを組むことが可能になっており、自己資金0円でも購入自体は可能です。SUUMOリサーチセンターの「2022年首都圏 新築分譲一戸建て契約者動向調査」によると、全体の25.6%が自己資金0円で購入しています。
もちろん、自己資金を用意したほうが借入額を少なくできるため、利息をプラスした総支払額も少なく済みます。自己資金0円での購入は、購入時の年齢や適用される金利なども考慮し慎重に検討しましょう。
参考:
令和4年度住宅市場動向調査報告書|国土交通省
フラット35利用者調査(2022年度)|住宅金融支援機構
2022年首都圏 新築分譲一戸建て契約者動向調査|SUUMOリサーチセンター
5.予算3,000万円台の注文住宅で建築費用を抑えるコツ
ここでは、予算内で家を建てるために、建築費用を抑えるコツを8つ紹介します。
- シンプルな形状の家にする
- 屋根・外壁・内装などの素材を考える
- 延床面積を小さくする
- 空間の仕切りを最小限にし、部屋数を無駄に増やさない
- 水回りをワンフロアにまとめる
- 後付けオプションを入れない
- 外構を抑える
- 住宅性能に影響がある部分の費用は削らない
5-1.シンプルな形状の家にする
一般的な箱型・キューブ型の四角い家と比べ、外観に凹凸が多いなど形状が複雑な家は、壁や屋根に必要な資材が多く、施工の際の作業工数も増えます。そのため、建築費用も高くなりがちです。
建築費用を抑えるなら、一般的な箱形・キューブ型のシンプルな形状の家にするとよいでしょう。
また、家全体の形状だけではなく、屋根も「片流れ」などシンプルな形状にすることで、さらに費用を抑えることが可能です。
5-2.屋根・外壁・内装などの素材を考える
使用する素材によっても建築費用は大きく変わります。例えば屋根材の場合、安価なスレート材は1平米あたり4,000円ですが、高価な瓦材は1平米あたり16,000円と価格差があります。
費用面以外のメリット・デメリットも、使用する素材によって異なるため、今後のメンテナンスのことも考えながら素材を選ぶとよいでしょう。
5-3.延床面積を小さくする
延床面積とは、各階の床面積を足したものです。土地面積いっぱいに家を建てると、その分、基礎工事や資材が必要になるため、建築費用が高くなります。
延床面積は固定資産税の算出にも用いられるため、不安な場合はハウスメーカーと相談をしながら決めるとよいでしょう。
また、同じ延床面積の家なら、平屋より2階建てや総2階建てのほうが建築費用を抑えられます。2階建ては基礎も屋根も平屋より小さくでき、総2階建てなら、基礎も屋根も平屋の半分で済むためです。
基礎や屋根はコストがかかる部分なので、建築費用を抑えるなら、先述の家の形状も併せて考えるとよいでしょう。
5-4.空間の仕切りを最小限にし、部屋数を無駄に増やさない
壁やドアを増やすと、その分、必要な資材や施工の際の作業工数も増え、建築費用が高くなります。
LDKを壁で区切らず1つの部屋として扱う、パントリーのドアを付けない、子ども部屋は広くとり、子どもが大きくなったら家具で仕切るなど、壁やドアを省くことで建築費用を抑えることが可能です。
5-5.水回りをワンフロアにまとめる
水回りをワンフロアにまとめることで、家事動線をスムーズにするだけではなく、建築費用を抑えることも可能です。
例えば、2階建て住宅で2階にトイレを設置する場合、トイレ本体の費用のほかにドアや照明、配管の工事費用などがかかります。
特に、配管の長さが長いほど費用が高くなるため、水回り設備はできるだけ近くにまとめたほうがコストを抑えられます。2階にトイレを設置する場合は、1階のトイレの真上にするなど、配管をつなぎやすくすることでコストを抑えることも可能です。
なお、一般的に2階にトイレを設置する場合、トイレのグレードや種類によっても異なりますが、50万円~100万円の費用がかかります。
5-6.後付けオプションを入れない
吊戸棚や小屋裏収納などのオプションによっては、「付けたけれど使わなかった」といった例が多々あります。オプションは本当に必要なものなのかどうか、吟味して付けることが大切です。
5-7.外構を抑える
門や塀、車庫など、建物の周りの外構(エクステリア)は、費用を抑えやすいポイントです。
外構は家の顔になる部分でもあるため、家の周りをコンクリートにする、フェンスで囲う、人工芝を敷き詰めるなどの工事を希望する方は多いものです。しかし、外構工事費用は通常、建物の工事費用とは別になるため、外構を広い面積で採用するほど費用が高額になります。
外構を必要な箇所のみに設置することで、費用を抑えられます。
5-8.住宅性能に影響がある部分の費用は削らない
建築費用を抑えたいときでも、構造躯体など、住宅の耐久性に影響する部分のコストは削らないことが大切です。
構造躯体とは、基礎や土台、壁、柱など、建築構造の骨組みにあたる部分で、あとから交換できる設備や内装とは違い、やり直しができません。
特に、一代だけでなく子や孫の代まで長く住める家を作るなら、構造躯体など住宅の耐久性にかかわる部分には費用をかけ、強度を保っておくべきだといえます。
予算内で理想の家を建てるなら、注文住宅のプロに相談!
予算がある程度決まっている場合、注文住宅のプロに予算や完成のイメージを伝えることで、自分の理想に合った家づくりを実現できます。将来的な家族構成も併せて相談することで、より長期的に住みやすい家に仕上げることも可能です。
6.予算3,000万円台の注文住宅でおすすめのハウスメーカー3社
ここからは、予算3,000万円台の注文住宅を建てる際におすすめのハウスメーカーを3社紹介します。
6-1.積水ハウス
積水ハウスでは、標準仕様で十分なグレードの住宅性能を用意しています。そのため、おしゃれなデザイン作りにとことん注力することが可能です。
1960年の創業以来、累計建築戸数は250万戸以上と世界一なので、高いデザイン提案力や設計力にも期待できます。
6-1-1.モダンで都会的なデザインが得意
積水ハウスは木造と鉄骨造の両方に対応しており、モルタルや部分的な木材を活かした、モダンで都会的なデザインを得意としています。
水平ラインの屋根や軒、アーチやピロティなど、個性を生み出す設計の実績も豊富なため、細かい要望にも応えてくれるでしょう。
6-2.ミサワホーム
ミサワホームは注文住宅のほか、医院や病院、介護施設、保育施設などさまざまな建築実績を持っているため、バリアフリー住宅や子育て世帯向けの住宅などの提案にも期待できます。
6-2-1.「シンプル・イズ・ベスト」で収納力の評価も高い
ミサワホームはデザイン思想として「シンプル・イズ・ベスト」を掲げています。過去には多くの住宅や住宅関連部品でグッドデザイン賞を受けており、特に、主力商品である「蔵のある家」の収納力には定評があります。
6-3.パナソニック ホームズ
パナソニック ホームズは多層階を得意とするハウスメーカーで、都心に住む方や狭小地での新築を考えている方におすすめです。初期保証が35年あるいは20年と、長期にわたり安心が続くのも魅力です。
6-3-1.高級感あるオリジナル外壁タイル
外壁には、独自の外壁タイル「キラテックタイル」を採用しています。光触媒を表面に焼き付けることで、セルフクリーニングを可能にしているため、掃除やお手入れの手間、塗り替えの必要がありません。永く美しい外観を保つことができるでしょう。
カラーバリエーションはアースカラーやモノトーン、ブラウン系など豊富なので、好みのテイストに寄せられます。
どこに依頼をするか悩んだら、一気に複数社を比較するのがおすすめ!
ハウスメーカーによって、得意な工法や気密性・耐震性といった特徴が異なります。ハウスメーカー選びの際には、複数のハウスメーカーから間取りを取り寄せ、比較することで、より自分の理想に合った家づくりが可能です。
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まとめ
予算3,000万円台の注文住宅では、ある程度凝ったデザインが可能で、鉄骨造も検討可能です。住宅性能はハウスメーカーによりますが、設備はハイグレードなものを選択できるでしょう。
予算が土地別・土地込みどちらかによって、費用内訳や住宅ローンの返済額は異なりますが、注文住宅予算シミュレーションによると、毎月の返済額は7万円~17万円程度と予想されます。また、3,000万円台の注文住宅を購入するのに必要な手取り年収の目安は、450万円~550万円、頭金の目安は500万円~1,000万円程度です。
建築費用をなるべく抑えるには、シンプルな形状の家にする、延床面積を小さくする、外構を抑えるなどの工夫が重要ですが、構造躯体などの住宅性能に影響がある部分については削らないよう注意しましょう。
この記事のポイント
本体価格の予算3,000万円台で注文住宅を建てる場合、以下のイメージが目安となります。
- デザイン:シンプルを中心にモダン・和風などのテイストをプラスできる
- 構造:木造が多いが鉄骨造も検討できる
- 住宅性能:耐震性や断熱性、気密性などの機能性はハウスメーカーによるが、高めることも可能
- 間取り:広々とした4LDKが可能で、間取りによっては二世帯住宅も可能
- 設備:キッチンやトイレ、お風呂、洗面などの設備はハイグレードタイプを選択可能。ハウスメーカーによっては、パントリーや床暖房などが標準プランになっていることもある
詳しくは「1-1.土地別・予算3,000万円台の注文住宅は平均的」で解説しています。
国土交通省の調べによると、注文住宅の建築資金の全国平均は土地別で3,935万円です。また、住宅金融支援機構の調べによると、注文住宅の建築資金の全国平均は土地別で3,717万円となっています。
家だけで3,000万円台の注文住宅を建てる場合、土地代を含む総額は4,500万円前後と想定しておくとよいでしょう。
詳しい費用内訳や、住宅ローンのシミュレーションは「3-1.土地別・予算3,000万円台の注文住宅」をご覧ください。
建築費用を抑えるポイントは以下のとおりです。
- シンプルな形状の家にする:凹凸が少ない箱形などシンプルな形状にする
- 屋根・外壁・内装などの素材を考える:使用する素材の価格と、費用面以外のメリット・デメリットを考慮して素材を選ぶ
- 延床面積を小さくする:土地面積いっぱいに家を建てない、平屋より2階建てや総2階建てにする
- 空間の仕切りを最小限にし、部屋数を無駄に増やさない:壁やドアを省くことで材料費や施工費を抑えられる
- 水回りをワンフロアにまとめる:配管が長いほど費用が高くなるため、できるだけ水回りの設置箇所をまとめる、2階のトイレは1階のトイレの真上に配置するなどする
- 後付けオプションを入れない:吊戸棚などのオプションは吟味して選ぶ
- 外構を抑える:コンクリートやフェンス、人工芝などは広い面積で採用するほど高額になるため、必要な箇所のみに設置するようにする
- 住宅性能に影響がある部分の費用は削らない:長く住める家を作るなら、構造躯体など、住宅の耐久性に影響する部分には費用をかけるべき
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