坪単価とは?新築注文住宅の坪単価相場と費用を抑えるコツ

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坪単価_計算

注文住宅を新築するにあたり、気になるのが「いくらかかるのか」ではないでしょうか。
家づくりの費用を知る目安のひとつに「坪単価」があります。坪単価はおおまかな建築費用を知るにはとても便利です。しかし、坪単価だけでは実際にどのような家が建つのか、比較することはできません。
この記事では、注文住宅を新築しようと計画している方に向けて、

  • 坪単価とは何か
  • 坪単価から建築費用を概算する方法
  • 地域ごとの平均的な坪単価や施工会社ごとの坪単価の違い
  • 坪単価を抑えるコツ

などについて詳しく解説します。坪単価の仕組みをしっかりと理解して、理想の注文住宅建築を実現してください。

1.坪単価とは?坪単価の考え方と計算方法、注意点

「実際に家を建ててみたら、事前に計算した坪単価より高くなってしまった」という、家を建てた人の意見を聞いたことがあるのではないでしょうか。なぜこのようなことが起きるのでしょうか。
まずは坪単価とは何か、実際にかかる建築費となぜ違いが生じるのか、詳しく解説していきます。

1-1.坪単価とは?

「坪単価」とは、一般的には「建物の建築価格」を「延床面積(坪)」で割ったものです。1坪あたりどのくらいの建築費がかかるかを判断する基準になります。

坪単価の「坪」は伝統的な日本の単位で、畳およそ2枚分の広さを表します(畳の大きさは地方により異なる)。一般的には1坪=一辺182cmの正方形の面積であり、約3.3平米となります。

ただし、坪単価を算出する際、「延床面積」ではなく「施工面積」を使う場合もあります。そのため、ハウスメーカーや工務店、設計事務所などそれぞれの会社によって坪単価の基準が異なっている可能性があります。
「事前に計算した坪単価より高くなった」という人の場合、計算の元になった面積を間違えていた可能性もあり得ます。坪単価だけを単純に比較することは避け、「延床面積」と「施工面積」のどちらで算出されたものなのか、確認することをおすすめします。

1-2.坪単価の計算例

ここでは一般的な坪単価の求め方で計算してみましょう。

坪単価=建築価格÷延床面積(坪)
1坪=約3.3平米

(例)建築価格2,000万円・延床面積40坪の住宅の場合
坪単価=2,000万円÷40坪=50万円

延床面積が広い方が坪単価は安くなりますので、例えば同じ土地に一階建ての平屋を建てた場合と二階建ての家を建てた場合では、二階建てのほうが坪単価は安くなります。

1-3.坪単価の注意点と確認事項

すでに説明したとおり、坪単価の算出方法には明確な定義がないため、どの数字を用いて計算されているか注意と確認が必要です。

1-3-1.面積基準

一般的には坪単価の計算には「延床面積」が使われますが、「施工面積」を使う会社もあります。
「施工面積」には、通常は延床面積に含まれない吹き抜け部分などが含まれます。そのため、延床面積よりも面積が大きくなる=坪単価は安く算出されます。

1-3-2.建築費用に含まれるもの

「建築費用(本体工事費用)」に何の工事を含めるかで、坪単価は異なります。
「坪単価」には、一般的には「建物本体の工事にかかる費用は全て含まれている」というイメージを持ってしまいがちです。しかし、こちらも会社によって仮設工事を含めなかったり、一部の住宅設備を含めなかったりと基準はさまざまです。
本体工事費用の一部を含めないことで建築費用が低くなる=計算上は坪単価が安く表示されます。

1-3-3.坪単価に含まれないもの

坪単価には、冷暖房工事や地盤改良工事、電気・水道・ガスの引き込み工事などの「付帯工事」といわれる部分の費用は含まれていないことがほとんどです。

付帯工事とは、本体建築工事とは別途必要になる工事です。本体工事の費用ばかりに注目してしまいがちですが、付帯工事には10万円を超える工事もあり、まとまった費用となります。これが坪単価に反映されることはほとんどありません。

以上のように、「実際に家を建ててみたら坪単価をもとに計算した価格より高かった。なぜ?」と思う場合、「坪単価」のもとになっている本体工事費用に含まれているものの差が出ている可能性があります。
坪単価だけで家づくりの費用を判断するのではなく、坪単価はあくまで目安としてとらえ、最終的な費用全体を見て予算との比較をしながら進めることがおすすめです。

2.坪単価相場の平均

主な地域ごとの坪単価相場については、2019年度のフラット35利用者調査結果では以下のようになっています。

地域区分 建築費用(万円) 面積(平米) 坪単価(万円)
全国 3,454 125.8 90.6
首都圏 3,772 125.2 99.4
近畿圏 3,555 125.3 93.6
東海圏 3,522 127.8 90.9
その他地域 3,276 125.6 86.0

※住宅金融支援機構「2019年度 フラット35利用者調査(p10、p12)」より注文住宅坪単価を計算

この調査によると、注文住宅の建築費用の全国平均は3,454万円で、住宅面積の平均は125.8平米、平均的な坪単価は約90.6万円となっています。
この建築費用はフラット35で融資を受けた方を調査対象としているため、実態とは差がある可能性があります。また費用の中には本体工事費以外の付帯工事なども含まれているかどうかは不明です(一般的に使われる坪単価は本体工事費のみで計算されていることが多い)。
あくまでもひとつの調査結果による平均値ですが、ひとつの目安としてください。

3.施工会社による坪単価の違い

坪単価は、地域ごとの違いもありますが、家を建てる会社によっても違いがあります。

3-1.大手ハウスメーカーの坪単価

大手ハウスメーカーは、一般的に坪単価は高めになる傾向があります。成約情報などから想定される一般的な坪単価は、約87万円(77万円から97万円)が目安と考えるとよいでしょう。

有名ハウスメーカーは、住宅性能にも力を入れているところが多く、新しい技術を取り入れています。日々の研究開発に経費がかかること、その他、宣伝広告費や展示場などにも予算を割いていることなどが坪単価にも影響していると考えられます。その分、住宅性能や設備、耐久性や耐震性などについては、各メーカーとも自信をもって製品をすすめています。
また、価格が高い分、メンテナンスや定期点検、ハウスオーナーへの長期的・付加的なサービスなども充実しているところが多いようです。

3-2.ローコストメーカーの坪単価

ハウスメーカーの中には、坪単価の安さをアピールしているローコスト住宅の会社もあります。メーカーや仕様にもよりますが、中には坪単価30万円~50万円程度で建てられるものもあり、建築費用を抑えることができます。
平均的な坪単価よりかなり安いことから、住宅性能面で不安を感じる方も少なくないですが、基本となる建築基準法はクリアされています。また、要望があればオプションで耐震性を強化することや、その他の設備などを追加することも可能です。
ただし、オプションをつけることで追加の費用がかかるため、結果的に坪単価がかなり高くなってしまう場合もあります。

ローコスト住宅が坪単価を安くできる理由として、「材料費の無駄が出ない効率的な設計」「同じ仕様の住宅で統一することにより、材料や設備の大量仕入れでコスト削減に取り組んでいること」などが挙げられます。また、広告費や展示場を少なくしていることも影響しています。

3-3.工務店の坪単価

工務店の坪単価は会社や地域によって幅があります。おおよそ60万円前後が目安になることが多いようです(仕様による)。
工務店は多くが地域密着型で、建てたあとのアフターサービスも、近隣ならではのきめ細かい対応が期待できます。また、基本的には自由設計に対応してくれるため、予算に合わせた家づくりが可能です。
ただし、材料や設備の仕入れコストがかかる場合、大手ハウスメーカーよりも結果的に割高になることもあります。

3-4.設計事務所の坪単価

設計事務所は、基本的に本体工事は自社で施工することなく、外注します。設計事務所の利益は「設計料」という形で坪単価に反映されますので、工務店より割高になる傾向があります。坪単価よりも、デザインから施工、完成までの全体プランと、それにかかる総工費のバランスを確認する必要があります。

設計事務所の注文住宅は「オリジナル設計」「デザイン性の高さ」が魅力です。外観や間取りにこだわりを持つ方にとっては、坪単価が割高になっても依頼先の候補のひとつとなるでしょう。

4.構造・工法による坪単価の違い

「どこに家づくりを依頼したか」だけではなく、構造や工法によっても、坪単価は変わります。
2×4工法 木造在来工法の図
<木造工法の一例>
(1)「木造軸組工法」:工務店などが一般的に採用している、いわゆる「在来工法」。柱と梁、筋交いで家を支える。間取り変更の自由度が高い。坪単価50~90万円程度が目安となる(記載した金額は一例)
(2)「2×4(ツーバイフォー)工法」:木質パネルの「面」で壁をつくり支えるため耐震性が高いとされている。気密性が高く断熱性もよいが、換気や手入れを怠ると虫害や腐食が発生する場合がある。輸入住宅やローコスト住宅なども採用することが多い。間取り変更などの自由度は低い。坪単価30~90万円程度と幅がある

このほか、「鉄骨軸組工法(軽量鉄骨造・プレハブ工法とも)」は大手ハウスメーカーでの取り扱いが多く、坪単価は木造より高めとなっています。
また、ハウスメーカーでは、例えば「鉄骨軸組構造」と「木造軸組工法」、両方取り扱う会社もあります。
予算、そして何よりそれぞれの工法の特徴を確認して自分たちに合うものを選択するようにしましょう。

5.坪単価を抑えて理想の家に近づける4つの方法

予算内で家づくりをするために、坪単価を抑えたい場合のポイントをご紹介していきます。

5-1.外観をシンプルに

坪単価を抑えるには、外観をできるだけシンプルにすることが効果的です。具体的には、建物の形は凹凸の少ない長方形などの箱型が理想的です。
屋根の形状は、「片流れ」だと屋根面積が少なくなり、施工費も削減できるためコストを抑えられます。

片流れ,切妻,寄棟,方形の図

5-2.「とりあえず」の間取りを避ける

間取りの要望をまとめるときに「とりあえず和室」など、「本当にその居室が必要かどうか」をあいまいにしないことが大切です。

例えば、「書斎があればいいな」と漠然とした憧れをもっている人も多いでしょう。しかし実際には、書斎を作ってみたものの、ふだん使わなくなり物置にされているケースもあります。
一方で、新型コロナによる在宅ワークの浸透により、落ち着いた在宅環境で仕事がしたいから家を新築する場合は、書斎は必須とも考えられます。
優先順位として高いものなのか、もう一度しっかりと検討してみてください。

コスト削減のために床面積の削減は有効な方法のひとつ。安易に床面積を広げすぎず、しかし必要な部屋や設備は取り入れる、メリハリのある間取りを計画しましょう。
ただし、構造上どうしても難しい間取りもあります。担当の建築士に要望は伝えて、できることとできないことを理解し、自分の建てたい家と間取り、予算に近づけましょう。

5-3.住宅設備・仕様のバランスを図る

坪単価が高くなる要因のひとつに、住宅設備のグレードが高すぎるケースがあります。
例えばシステムキッチンやユニットバスは、グレードアップしたりオプションを加えたりすることで、意外と費用が高くなりがちです。ショールームで見学したときに気に入ったからと気軽にオプションを加えて、後で概算をみたら驚いたというのはよくある話です。
家づくりにはさまざまな費用がかかります。建築中に「ここに収納棚を増やしたい」「ここに窓を取り付けたい」など、追加工事が出てくる可能性もあります。
設備・仕様の要不要を精査し、全体の費用のバランスを考え、そのうえでほしい設備や作りたいデザインを追求しましょう。

6.坪単価だけで施工会社を選ばない

ここまで見てきたように坪単価は家づくりの費用の目安を知るうえで参考になりますが、坪単価をどのような基準で計算しているかで、費用全体が大きく変わります。中には坪単価を安く見せるために、あえて建築費用から工事を抜いて計算する会社もあるかもしれません。また、坪単価だけでは、どのような家が建つのか全体像を知ることは難しいでしょう。
坪単価はあくまでも、住宅を建てるためのひとつの「目安」です。

実際にその坪単価で建てられる家の費用感を把握するには、いろいろな展示場などを見学し、間取り・住宅設備・使われる素材・構造と工法などを詳しく知ることが重要です。
さまざまな住宅を見るうちに、「このくらいの家ならばこの程度の坪単価になる」「この仕様でこの坪単価では割高かもしれない」など、徐々に自分なりの「相場感」がつかめるようになるでしょう。
まずは、住宅展示場で気になる住宅メーカーのモデルハウスの見学や、工務店などの施工した実際の住宅見学ツアーに参加するなど、「家」を五感で体験してみてください。

まとめ

新築注文住宅の費用の目安となる坪単価について、概要や地域ごとの坪単価の違い、依頼先や構造などで坪単価の異なること、坪単価を抑えるポイントをご紹介しました。
これから家づくりを進める方はぜひこの記事を参考に、信頼できるパートナーとなるハウスメーカーを選んで、理想的な家づくりをスムーズに進めてください。

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