ベタ基礎とは、家の土台となる基礎工事の一種です。布基礎と違い、底版一面が鉄筋コンクリートになっています。
この記事では、ベタ基礎について次のような点を詳しく紹介します。
- ベタ基礎と布基礎の違い
- ベタ基礎と布基礎のメリットやデメリット
- ベタ基礎と布基礎を選ぶ際のポイント
ぜひご覧になり、住宅建設の参考にしてください。
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Contents
1.ベタ基礎と布基礎との違いとは?
住宅の基礎は、建物の重さである荷重や、風や地震の揺れなどの外部から加わる力をバランスよく地面に伝える役割を持ちます。住宅の基礎工事に用いられる主な方法には、ベタ基礎と布基礎の2つがあります。
コンクリートと鉄骨(鋼材)を使う点では共通していますが、違いは材料の使い方と荷重の支え方です。それぞれの特徴を見ていきましょう。
1-1.ベタ基礎の特徴
ベタ基礎は建物の下全面に鉄筋コンクリートを施して、丈夫な面で支える基礎工事の方法です。さらに立ち上がり全体にも鉄筋を通しています。建物の下に鉄筋コンクリートでできた箱のような構築物が入っているイメージです。
建物の荷重は全体に分散されますが、基礎部分は大きく重量があるため、地盤への負担も大きくなります。
1-2.布基礎の特徴
布基礎は、点や線で支える基礎工事の方法です。最下部にはフーチングと呼ばれる土台を施し、その上に地面と垂直な線や面である立ち上がりを打設します。
立ち上がり以外の面は地面がむき出しの場合もあります。「押さえコンクリート」と呼ばれるコンクリートを敷く場合もありますが、ベタ基礎の底面よりは薄く、鉄筋も通しません。
2.ベタ基礎のメリットとデメリット
ベタ基礎は、1990年代半ば以降に普及した基礎工事の方法です。現在は多くのハウスメーカーが採用している方法ですが、メリットとデメリットの両方があります。どちらも理解した上で、布基礎と比較しながら自分の家に合った基礎工事の方法を選びましょう。
2-1.ベタ基礎のメリット
ベタ基礎の主なメリットには、以下の点があります。
- 耐震性に優れている
- 地盤改良費用が抑えられる
- 布基礎に比べて不同沈下しにくい
- 湿気やシロアリに強い
地面に対して、線や点ではなく面で支える基礎であり、底面に厚いコンクリートを打設することがベタ基礎の特徴です。ベタ基礎のさまざまなメリットを見ていきましょう。
2-1-1.耐震性に優れている
ベタ基礎のメリットの一つが、耐震性の高さです。ベタ基礎の底面は鉄筋の入っている丈夫な面です。建物を基礎全体で支えるため、特定の箇所のみに荷重が集中することがありません。
広い面から建物にかかる力を効率よく地面に伝えられるため、建物の傾きや損傷が発生しにくい傾向にあります。
2-1-2.地盤改良費用が抑えられる
特定の箇所に荷重が集中する布基礎に比べると、ベタ基礎は不同沈下しにくいとされています。これはベタ基礎のほうが地面と接する面積が広く、荷重が分散されるためです。
同じ地盤でも、「布基礎なら改良の必要があるが、ベタ基礎なら不要」という場合もあります。布基礎の場合は、より大きな荷重に耐えられる強い地盤が必要です。
2-1-3.布基礎に比べ不同沈下しにくい
ベタ基礎で地盤改良費用が抑えられる理由の一つに、不同沈下の発生のしにくさがあります。不同沈下とは、地盤のゆがみや強度のばらつきなどにより地盤が沈むことであり、傾きを伴う場合も少なくありません。
布基礎は基礎を施す点や線に荷重が集中するため、地盤の強度が十分でなければ不同沈下を起こしやすいものです。
しかし、ベタ基礎は面で支えるため、荷重が全体に分散され、箇所ごとにかかる荷重は小さくなります。そのため、不同沈下が起こりにくい方法です。
2-1-4.湿気やシロアリに強い
ベタ基礎では建物の下全面を厚い鉄筋コンクリートで覆うため、湿気が建物に上がってくるのを防止できます。そのため、湿気を好むシロアリの発生や、シロアリによる建物の食害への対策にもなります。
布基礎でも地面と建物の間にコンクリートを打設する場合はありますが、ベタ基礎よりは薄く鉄筋も通っていません。ベタ基礎のほうがコンクリートの厚みがあるため、湿気やシロアリ対策により効果的です。
どちらも湿気やシロアリの被害が発生する可能性はゼロではありませんが、ベタ基礎のほうがリスクは低いといえます。
住宅の湿気対策としては、対角に窓を設置する、窓や扉の位置を考慮し通気環境を良くする、扇風機やサーキュレーターを利用する、全館空調を導入するといった様々な方法があります。
2-2.ベタ基礎のデメリット
ベタ基礎には多くのメリットがありますが、以下のデメリットもあります。
- 布基礎に比べコストが高い
- 寒冷地には不向き
面で支えるベタ基礎は材料が多く、地中に基礎を収めるためにより広い範囲を掘削する必要があります。これらによるデメリットを、それぞれ詳しく見ていきましょう。
2-2-1.布基礎に比べコストが高い
ベタ基礎は布基礎に比べて、多くの材料が必要であり、そのぶんコストもかさみます。ベタ基礎で必要な鉄筋の本数やコンクリートの量は布基礎の2倍ほどといわれており、コストの差がうかがえるでしょう。
さらにベタ基礎では、大きな構築物である基礎を地中に収めるために、建物の下全体を掘削する必要があります。掘る面積が広いほど残土も多く出ます。掘削にかかる人件費や残土の処理にかかる費用など、材料以外のコストも無視できません。
2-2-2.寒冷地には不向き
家を建てる地域が寒冷地の場合は、ベタ基礎よりも布基礎のほうが向いています。寒冷地の場合は地面が凍り、土が膨張するため、基礎を圧迫します。面で支えるベタ基礎は土に接する面積が広いため、そのぶん凍結による膨張の影響を受けやすいです。
また寒冷地では、凍結の影響を抑えるために一定以上の深さに基礎を設置しなければなりません。建物の下の面で支えるベタ基礎は、全面を一定の深さまで掘削する必要があり、コストや手間がかかります。
一方の布基礎では、立ち上がりの下の部分であるフーチング部分のみの掘削で済みます。そのため、寒冷地では布基礎を選ぶことで凍結への対策が取りやすいでしょう。
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3.布基礎のメリットとデメリット
布基礎は昭和初期から採り入れられ始めた基礎工事の方法であり、現在も多くのハウスメーカーによって採用されています。ベタ基礎との違いは、面ではなく点や線で支えることです。
面で支えるほうが強いというイメージを持つ方もいるかもしれませんが、一概に布基礎のほうが弱いといえるわけではありません。布基礎のメリットとデメリットを押さえましょう。
3-1.布基礎のメリット
布基礎のメリットには、以下の点があります。
- 基礎工事のコストが抑えられる
- 部分的な強度が高まる
ベタ基礎と比べると掘削する範囲が狭くて済み、上からの荷重に強いのが布基礎です。メリットをそれぞれ詳しく見ていきましょう。
3-1-1.基礎工事のコストが抑えられる
布基礎は立ち上がりの下部分のみを掘り起こせばよく、建物の下の全面を深く掘削する必要がありません。
人件費や手間を削減でき、残土も少なくなります。
工事に必要な鉄筋やコンクリートなどの材料も少なくて済むため、ベタ基礎に比べると手間やコストを抑えられる方法です。
3-1-2.部分的な強度が高まる
基礎の立ち上がりが長いほど、上からの荷重には強いものです。布基礎では土台となる点や線に荷重が集中するため、荷重に耐えられるように立ち上がりが長く設計されており、部分的な強度が高くなっています。
ベタ基礎で同様に立ち上がりを長くしようとすると、建物の下全面を深く掘る必要がありコストもかさみます。この理由から、荷重の大きな鉄骨住宅の場合は布基礎を用いることが一般的です。
3-2.布基礎のデメリット
布基礎には以下のデメリットもあります。
- 地盤の強さが耐震性に影響する
- シロアリ被害のリスクがある
面で支えるベタ基礎と比べると支える面積が狭いぶん、一つひとつの基礎に荷重が集中するのが布基礎の特徴です。そのため布基礎には強い地盤が不可欠です。
また、ベタ基礎のように地面を厚いコンクリートで覆うわけではないため、シロアリや湿気による被害の可能性は比較的高くなるでしょう。
3-2-1.地盤の強さが耐震性に影響する
布基礎の耐震性は、基礎を設置する場所の地盤の強さに影響を受けます。ベタ基礎とは異なり荷重が集中するため、基礎を設置する部分の地盤が弱ければ地盤沈下や不同沈下が発生する可能性は高まります。
これを防止するには地盤の強化が必要であり、基礎工事前の工程がより重要です。
3-2-2.シロアリ被害のリスクがある
布基礎では、建物と地面との境目にコンクリートを入れない場合があります。「押さえコンクリート」と呼ばれるコンクリートを入れる場合でも、ベタ基礎の底面よりは薄いものです。そのため、ベタ基礎と比べると建物へ湿気が昇ってきやすい傾向にあり、シロアリの被害を受けるリスクも高まります。
ただし、ベタ基礎であれば湿気やシロアリの被害に遭わないというわけではありません。どちらを選んだ場合でも、定期的な点検は必要です。
このように住宅の基礎にはそれぞれのメリット、デメリットがあります。専門家の知識や判断があることで、安心して家づくりを進められるでしょう。
どんな工程、どんな材料を使用するかなどによって、どの程度の建築費用になるかは、見積もりをしないとわからないのが実際のところです。複数のハウスメーカーや工務店から見積もりを取り、間取りや費用を比較してから依頼することが必要です。
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4.ベタ基礎と布基礎どちらを選ぶ?チェックポイント
ベタ基礎と布基礎のメリットとデメリットを踏まえて、自分の家にはどちらが適しているかを考えましょう。チェックすべき主なポイントは以下の5点です。
- コスト
- 住まいの構造
- 耐震性
- シロアリ対策
- 地域の気候
ベタ基礎と布基礎は、どちらかが絶対的に有利というわけではありません。さまざまな条件を加味して、適切な方法を選びましょう。
4-1.コスト
「基礎工事が重要であることはわかっているけど、コストが気になる」という方も多いでしょう。材料にかかるコストに関しては、布基礎のほうが少なく済む傾向にあります。
しかし、近年ベタ基礎が普及し、両者のコストにそれほどの差はないというハウスメーカーも増えてきました。エリアや設計の内容によってもコストは異なります。
とくにコスト重視の場合やどちらを採用しても問題ない場合は、ベタ基礎と布基礎の両方の見積りを取り、比較して判断するといいでしょう。
コストと性能のバランスを考慮することが、理想の注文住宅実現には大切ですね。
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明確な数字を確認したうえで、予算オーバーしないよう着実に家づくりを進めていきましょう。
4-2.住まいの構造
基礎工事の方法は、住宅の構造も考慮して決めることが好ましいです。一般的には、荷重の大きい鉄骨住宅は布基礎、荷重の小さい木造住宅はベタ基礎が適しているとされています。
荷重の大きな建物を支えるためには、立ち上がりの高さが必要です。ベタ基礎と比べると布基礎のほうが立ち上がりの高さを出しやすいため、荷重の大きな建物では布基礎が採用される傾向にあります。このような構造の問題も、判断材料の一つにするといいでしょう。
4-3.耐震性
基礎工事を考える上で、耐震性は重要です。面で支えるベタ基礎のほうが、一般に耐震性に優れているといわれています。しかし、布基礎でも、地盤の強度が高ければ十分な耐震性を保つことは可能です。
ほかにも、建物そのものの構造を強化する、地盤を強化するなど、耐震性を高める方法はあります。基礎のみで耐震性を考えるのではなく、建物や地盤など、住まい全体で耐震性を判断しましょう。
4-4.シロアリ対策
一般的に、底面を厚いコンクリートで覆うベタ基礎のほうが、シロアリの被害を防ぎやすいとされています。理由としては、物理的にシロアリの侵入を遮断できることと、シロアリの好む湿気が建物に昇ってくるのを防止できることです。
しかし、ベタ基礎であってもシロアリの被害を完全に防止できるわけではありません。布基礎の場合は2~3年に1回、ベタ基礎の場合でも10年に1回、それぞれ定期的にシロアリの被害がないか点検すると安心です。
4-5.地域の気候
家を建てる地域の気候も、基礎工事の方法を判断するには重要です。とくに寒冷地では、より広い面を深く掘削する必要のあるベタ基礎よりも、ポイントを絞って掘削できる布基礎のほうが手間やコストは少なくなります。
これは地面が凍結することによって地中の基礎が圧迫されるためであり、地面に広く接するベタ基礎のほうが影響を受けやすいことが理由です。
凍結の影響を最小限にとどめるためには、布基礎のほうが凍結の影響を受けにくい深い部分に基礎を設置しやすいため選ばれやすい傾向にあります。このように、家を建てる地域の気候も考えて選びましょう。
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まとめ
ベタ基礎と布基礎は構造が異なるため、それぞれ別の強みを持っています。そのため、メリットやデメリットも異なります。
両者の優劣は一概にいえず、住宅の構造による向き不向きも踏まえて決めることも大切です。住宅の種類や家を建てる地域に合った基礎工事の方法を選びましょう。
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