家の建て替えの流れと具体的な手順|住宅ローンや準備のポイントは

「持ち家に住んでいるけど、老朽化に悩んでいる」
「実家を建て替えて、親との二世帯住宅を建てようと計画している」
「親から不動産を相続したので、建て替えて住み替えたい」

家の建て替えを検討する理由や目的はさまざまです。しかし、いざ建て替えを検討していると、「建て替えの流れや期間は?」「どのような住宅ローンが使える?」「建て替え前に押さえたいポイントやコツは?」といった疑問が出てきます。

今回は、家の建て替えを行いたい方に向けて、以下のポイントを解説していきます。

  • 建て替えの流れとかかる期間の目安
  • 建て替えで使える住宅ローンと活用方法
  • 建て替え前に準備しておくべき5つのポイントとその手順

家の建て替えを行う際には、新築住宅の購入計画だけでなく、現在建っている家の取り壊しも並行して計画する必要があります。

効率のよい建て替えを実現させるために、事前に建て替えに関する基礎知識を身に着けておきましょう。ぜひ最後までご覧ください。

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1.建て替えの流れとかかる期間の目安

ハウスメーカーに建て替えを依頼する流れと期間
流れ 期間の目安

(1) 家を建て替える計画を立てる

  • 建て替えの目的や優先順位をはっきりさせる
  • 建て替えの資金計画を立てる
2~3か月

(2) 建て替えを依頼するハウスメーカーを探す

  • 住宅展示場に行く
  • インターネットで探す

(3) 気に入ったハウスメーカーとプランを相談

  • ハウスメーカーに相談する内容を整理しておく
  • プランを比較する項目を把握しておく

(4) 住宅ローンの相談や仮住まい探しを行う

  • 住宅ローンを相談する
  • 仮住まい探しと家の片づけを行う
3~4か月

(5) ハウスメーカーと工事請負契約を締結

  • ハウスメーカーと本契約を結ぶ
(6) 仮住まいへの引っ越し
(7) 家の解体工事を開始(着工) 1週間~1か月
(8) 地盤調査・地盤改良工事 半日~1週間
(9) 新築住宅の工事を開始 4~6か月
(10) 新築住宅の引き渡し

この章では、解体を含めた建て替えの計画を立て、ハウスメーカーに依頼し、新築住宅の工事が完了して引き渡すまでの「建て替えの流れ」を、「かかる期間の目安」とともに解説します。

家の建て替えにかかる全体の日数はだいたい10か月~1年2か月ほどかかるといわれています。流れに沿って、各工程を詳しく見ていきましょう。

1-1.(1) 家を建て替える計画を立てる

家の建て替えを決めたら、まずは家を建て替える計画を立てます。実際に行動する前に計画をしっかり立てておくことで、複雑な工程をスムーズに遂行することができます。

家の建て替え計画を立てる際には、次の2つのポイントを押さえておきましょう。

  • 建て替えの目的や優先順位をはっきりさせる
  • 建て替えの資金計画を立てる

ポイント:建て替えの目的や優先順位をはっきりさせる

家の建て替え計画を立てるには、建て替えの目的や優先順位をはっきりさせる必要があります。

建て替えの目的とは、以下のようなものが挙げられます。

    【建て替えの目的例】
  • 老後を考え、バリアフリーに特化した家に建て替えたい
  • 親から相続した実家や不動産を、自分のライフスタイルに合った家に建て替えたい
  • 両親と同居するために、二世帯住宅に建て替えたい
  • 新築に建て替えることで不動産としての価値を上げていずれは売却したい など

上記のような目的が浮き彫りになったところで、新居となる注文住宅のオーダーに関する優先順位を整理します。オーダーの優先順位が分かっていれば、注文住宅の見積額が予算よりも上回った際、何を削るべきかが明確になり、よりスムーズに計画が進められます。

オーダーの優先順位を整理する際には、以下の項目を決めておきましょう。

    【注文住宅を建てる前に決めておきたい項目】
  • 家の外観イメージ
  • 間取りのイメージ
  • 駐車スペースの有無、車の数
  • 断熱性や防音性などの性能の有無
  • 省エネ機能の有無
  • バリアフリー化の有無、対象箇所

小さなお子さんがいる方は、子どもの足音や夜泣きなどに配慮した防音性の高い家づくり、中・高齢者の方は将来を見越したバリアフリーに特化した家づくりなど、新居での自分のライフスタイルを想像しながら考えるとわかりやすいです。

また、同居する家族全員が注文住宅の要望を紙に書いてみるのもおすすめです。全員の意見を「見える化」し、それぞれの生活に配慮した家づくりが可能になります。

バリアフリー住宅に建て替える!間取り実例と注意点、ローンの選び方は?

ポイント:建て替えの資金計画を立てる

建て替えの目的や優先順位をはっきりさせたら、それに沿って資金計画を立てます。ここでのポイントは「建て替えに必要な費用を把握すること」、そして「住宅ローンのシミュレーションをすること」です。

建て替えに必要な費用項目一覧

建て替えの場合は、新築住宅の購入のほかにも、現住まいの解体費用やその他諸費用がかかるので、どのような費用がかかるのか事前に把握しておきましょう。

建て替えに必要な費用項目は主に以下のとおりです。

【建て替えに必要な費用項目】
  • 新築住宅工事費
  • 上下水道取り出し工事費
  • 現住まいの解体工事費
  • 空調設備工事費
  • 外構工事費
  • 地盤改良工事費
  • カーテン・ブラインド工事費
  • 各種登記費用
  • 印紙代
  • 住宅ローン保証料・手数料
  • 抵当権設定費用
  • 火災保険料・地震保険料
  • 地鎮祭・上棟式費用
  • 仮住まいの家賃
  • 引越し費用(2回分)
  • 家具・家電購入費 など

建て替えに必要な費用について、もっと詳しく知りたい方は、以下の関連記事をご参照ください。

家の建て替えにかかる費用と相場|注意点や節約のコツも解説

住宅ローンの月々返済額・借入可能額の「シミュレーション」をする

資金計画で最も重要なのが、住宅ローンのシミュレーションです。住宅ローンを組む際には、「いくらまで借りられるか」ではなく「いくらなら返せるか」という観点で借入額を決めることが大切です。

また、住宅ローンを組めば、頭金なしでもお金を借りられる場合がありますが、入居後の家計の負担を考えると、自己資金はなるべく多く用意したいところです。両親の援助などを期待できるとかどうか、具体的に確認してみましょう。

建て替えで利用できる住宅ローンについては2章で詳しく解説しますが、入居後の返済額のことも念頭に置き、自己資金と住宅ローンのバランスを考えて資金計画を立てることが重要です。

しかし、資金計画は建て替えのなかでも最も複雑な部分といっても、過言ではありません。大体の費用を把握したい方は、「家づくりのとびら 予算シミュレーション」などの費用シミュレーションツールを活用してみてください。

「<a href="https://house.home4u.jp/promotion/index_01_01?dlp=begin&ad=oirh_4h_99" target="_blank">HOME4U 家づくりのとびら</a>」予算シミュレーションの画面

なお、上記ツールの利用方法については、関連記事「注文住宅の費用シミュレーション|具体例や便利な無料サイトもご紹介!」にて詳しく解説しています。

1-2.(2) 建て替えを依頼するハウスメーカーを探す

資金計画を立てたら、建て替えを依頼するハウスメーカーを探します。契約を決めたハウスメーカーとは、入居後も末永く付き合うことになるパートナーとなります。

ポイントとしては、自分に合ったハウスメーカーに依頼するために、ハウスメーカーは必ず複数社比較することが大切です。

親しい人からの紹介以外でハウスメーカーの探す場合は、「住宅展示場に行く」「インターネットで探す」「無料プラン作成依頼サービスを活用する」といった3つの方法があります。

住宅展示場に行く

大手ハウスメーカーのほとんどは住宅展示場にモデルハウスを展示しています。住宅展示場へ行けばさまざまなハウスメーカーの商材を体感することができるので、楽しみながら複数のメーカーを比較できるうえ、注文住宅を建てることのモチベーションがより高まります。

ただし、モデルハウスは、実際に建てられる家よりも大きく作られていることが多いです。「サイズ感だけは一回り小さくなる」ということを念頭に置いておくとよいでしょう。

インターネットで探す

インターネットで探す際は、まずはハウスメーカーを比較したまとめ記事やポータルサイトで探すことがおすすめです。有名なハウスメーカーが多く掲載されているので簡単に比較できます。

気になるハウスメーカーがあれば、公式ホームページを覗き、具体的な住宅商品をチェックします。住宅商品を見る際は、デザインや構造・性能だけでなく、アフターメンテナンスの手厚さや、実際に建てた方の口コミや感想についても確認しておきましょう。

建て替えで人気のハウスメーカー19選|安さ・こだわり・性能別に紹介

無料プラン作成依頼サービスを活用する

「自分で探すのが面倒くさい」「ハウスメーカーをどう比較すればよいかわからない」という方は、まず無料のプラン作成依頼サービスをご利用することをおすすめします。

特におすすめなのが、「HOME4U 家づくりのとびら プラン作成依頼サービス」です。ご希望条件からハウスメーカーを絞り込み、さらに間取り・費用プランの作成まで複数のハウスメーカーに依頼することができます。

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実際のプランを目の前に置くことで、わかりやすく比較することが可能です。

新築の住宅プランとはどんなものなのかを知りたい方、住宅展示場に行く前にハウスメーカーの下調べをしたい方、ご自身の希望条件や予算に合うハウスメーカーがなかなか見つからない方にもおすすめのサービスです。

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1-3.(3) 気に入ったハウスメーカーとプランを相談

気に入ったハウスメーカーが見つかったら、メーカーの担当者とプランの相談をします。プランを相談する際には、相談する内容と、プランを比較する項目をあらかじめ整理しておきましょう。

相談する内容とプランを比較する項目は、以下を参考にしてみてください。

ハウスメーカーに相談する内容
  • 予算(自己資金と住宅ローンの借入金を整理しておく)
  • 要望(優先順位を整理しておく)
  • 質問(わからないことを整理しておく)
プランを比較する項目
  • 間取り(部屋数、各部屋の広さ、収納 など)
  • 仕様、内装(水回り設備、建具、壁材、床材、窓 など)
  • 外装(外観デザイン、屋根、壁材 など)
  • オプション(太陽光発電、浴室乾燥機、食器洗浄機、床暖房 など)
  • かかる費用

「ハウスメーカーを比較する基準をもっと詳しく知りたい」という方は、関連記事「ハウスメーカー・工務店の選び方!満足いく注文住宅のためのチェックポイント」をご参照ください。

ハウスメーカーとのプラン打ち合わせでの注意点

一般的に、契約前のハウスメーカーとの打ち合わせは、5回前後行うといわれています。

このときに気を付けたいポイントは以下の通りです。

譲れない条件や要望を担当者に伝えること

事前に決めておいた建て替えのイメージをしっかりと営業担当者に伝えましょう。特に譲れない項目や優先したい事項については、しっかりと理解してもらうことが大切です。

はじめのうちに方向性が固まれば、担当者からよりよい提案を受けられるかもしれません。

間取りや外観にこだわりが多い場合は、イメージ写真を用意しておくと話がスムーズに進みます。

打ち合わせの内容はメモなどを残しておく

打ち合わせを行うことで、わからない単語や新たな課題、改善点も見つかります。後から確認できるように、打ち合わせの内容を録音したり、小まめにメモを取っておいたりするとよいでしょう。

取っておいたメモや記録を見返すことで、契約後のトラブル防止にもつながります。

間取りがしっくりこない・・」「不安な点がある」「営業担当者と合わない」という場合は、本契約を結ぶ前に、違うハウスメーカーにも話を聞いてみることをおすすめします。
優良なハウスメーカーから、家を建てたいエリアや希望条件で絞り込みたい方は「HOME4U 家づくりのとびら プラン作成依頼サービス」がおすすめです。

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1-4.(4) 住宅ローンの相談や仮住まい探しを行う

ハウスメーカーとプランを決めたら、住宅ローンの相談を進めると同時に、仮住まい探しも始めます。

住宅ローンの相談

まず、住宅ローンの相談を行うために、住宅ローンの金利タイプについて把握しておきましょう。
住宅ローンの金利には以下の3タイプがあります。

【住宅ローンの種類】
  • 固定金利型(返済開始から完済まで金利が変わらないタイプ)
  • 変動金利型(返済期間中、定期的に金利の見直しがあるタイプ)
  • 固定金利期間選択型(固定金利期間と変動金利期間があるタイプ)

家の建て替えで使える住宅ローンについては2章で詳しくご紹介しています。

また、自分に合っている住宅ローンを見極めるには、以下のようなところに相談をします。

【住宅ローンの相談先】
  • 金融機関の相談窓口
    銀行の専用コンサルタントが無料で相談に答えてくれます。ただし、他社金融機関との比較ができない点には要注意です。
  • 住宅金融支援機構
    住宅金融支援機構は、住宅ローンについてのセミナーや相談会を開催しています。ただし、セミナーや相談会は参加人数や時間に縛りがあるので、なかなか都合が合いにくいかもしれません。
  • ファイナンシャルプランナー
    ファイナンシャルプランナーは一人ひとりの人生にあった長期的な返済計画を立ててくれます。ただし、上記2つと異なり相談料がかかります。

「住宅ローンについて相談したい」「無料で住宅ローンの相談ができるところはないの?」という方には、「HOME4U 家づくりのとびら プラン作成依頼サービス」がおすすめです。

厳選した優良ハウスメーカーに間取り・費用プランの作成依頼ができ、さらに住宅ローンを含めた費用計画についても、ハウスメーカーの担当者に相談することができます。

質の高いハウスメーカーばかりのため、住宅ローンに関する最新情報から、月々の返済シミュレーションまで、小さな疑問やお悩みもひとつずつ丁寧に答えてくれます。ぜひお気軽もご利用ください。

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仮住まい探し、家の片づけ

建て替え工事中、家が完成するまでの期間に住む仮住まい探しと、現住まいの片づけを行います。

仮住まいとして候補にあげられるのは、主に実家や賃貸マンション・アパートです。実家であれば家賃はかかりませんが、今まで使っていた家具や家電を建て替え後の新居でも使うのであれば、収納するためのレンタル倉庫の費用がかかり、処分するのであれば、処分費用が掛かります。

賃貸物件に引っ越す場合は、のちに工事中の注文住宅の様子を見に行くことも考慮し、なるべく現場の近くで探すのがおすすめです。

1-5.(5) ハウスメーカーと工事請負契約を締結

次に、ハウスメーカーと工事請負契約を締結します。工事請負契約とは、本契約ともいわれており、本見積もりが提出された段階で結びます。

工事請負契約(本契約)時に確認しておくべき点は以下のとおりです。

【工事請負契約(本契約)時の確認事項】
  • 工期(着工日、完成日、引き渡し日といった工事のスケジュール)
  • 代金支払い(支払いのタイミングと金額)
  • ローン特約(ハウスメーカーの提携金融機関でローンを利用していない場合は、契約書への明記を依頼)
  • 違約金(本契約後にキャンセルした場合の、違約金の金額)
  • 保証(工事中、災害や事故の影響で工事が中止となった場合の補償内容)
  • アフターサービス(引き渡し後、不具合があった場合の瑕疵担保)
  • 遅延損害金(引き渡しが遅延した場合の、遅延損害金の有無や金額)
  • 見積もりの総額(プラン内容や請負代金に誤りはないか)

工事請負契約書を確認する際には、特に「一式」と表記されている箇所がないか確認しましょう。該当箇所があった場合は、ハウスメーカーの担当者に内訳を明確に説明してもらうことをおすすめします。

お家のいろは コラム
解体と新築建築は一本化したほうがよい?解体業者に頼むのはNG?

家の建て替えを効率よく進めるには、解体工事と新築住宅の工事を一本化し、どちらもハウスメーカーに依頼するのがおすすめです。

コストを抑えるために、新築住宅の購入は気に入ったハウスメーカーに頼み、現住まいの解体は解体業者に頼むという方法もありますが、新築工事と解体工事を別の会社に依頼することはあまりおすすめできません。

なぜかというと、何かトラブルがあったときに対応が遅れたり、別途費用が発生したりするなど、トラブルが起こりかねないからです。また、ただでさえ専門知識のいる計画を2つの業者と契約し、打ち合わせ重ねるのもなかなか大変ですよね。

家の建て替えで失敗するリスクを軽減するためにも、ハウスメーカーに一元化して、計画をスムーズに進めましょう。

1-6.(6) 仮住まいへの引っ越し

仮住まいへの引っ越しを行います。このとき、しっかりと近隣へのあいさつをしておくと、工事中のトラブルを防ぐために大切なポイントです。

また、解体工事の際にはガスや電気は不要となるため、事前にライフラインは止めておきます。ただし、水道だけは工事中に現場で使用するため、止める必要はありません。工事中の水道代は業者が負担してくれる場合があるため、事前に確認しておきましょう。

1-7.(7) 家の解体工事を開始(着工)

仮住まいに引っ越したら、家の解体工事が始まります。

解体工事にかかる期間は、一般的な30坪ほどの2階建ての場合、木造で1週間~2週間ほど、鉄骨・鉄筋コンクリート造で3週間~1か月ほどといわれています。

1-8.(8) 地盤調査・地盤改良工事

解体工事が終わると、地盤調査を行います。調査の結果、必要な場合は地盤改良工事を行います。

地盤調査とは、家を建てる土地の調査のことで、専用の機械を使って試験します。調査にかかる時間はおよそ半日です。そして、地盤調査の結果により、地盤が弱いと判断された場合は、地盤改良工事を行います。

地盤は弱いままだと、もしもの地震の際、土地が液状化して傾くことさえあります。また、地盤が弱い土地に家を建てると、家が劣化しやすくなる傾向にあります。工期はおよそ1日~1週間かかります。

また、解体工事中、地中に埋設物が見つかった場合は、埋設物撤去も行います。ここで注意しておきたいのは、埋設物撤去には追加費用がかかることです。

費用は埋設されていたものにより異なりますが、2tトラックが必要な場合で1万8000円以上かかるといわれています。詳しくは業者に確認しましょう。

1-9.(9) 新築住宅の工事を開始

ここでようやく、新築住宅の工事を開始します。工期の目安は、およそ4~6か月です。工事の安全をお祈りする「地鎮祭」を行う場合は、新築工事開始前に行います。

工事中は以下のような点に配慮すると、より理想に近い家づくりに近づけることができます。

【新築工事の際のポイント】
  • 定期的にスケジュールの確認を行う
  • 現場への差し入れ、職人とのコミュニケーションを図る

当初予定していたとおりに工事が進んでいるか定期的に確認しておけば、万が一工事の遅延がおきた場合にも安心です。

また、現場の職人とコミュニケーションをとるのも大切です。作業の邪魔にならない程度であれば、基本的には現場への見学は自由に行ってよいといわれています。ただし、時期によっては危険な工事を行っているときもあるので、ハウスメーカーに前もって見学のタイミングや注意事項を確認しておいたほうが無難です。

1-10.(10) 新築住宅の引き渡し

新築工事が完了したら、いよいよ新築住宅の引き渡しです。新築住宅の引き渡しと同時に行うのは、以下のとおりです。

【新築住宅の引き渡しと同時に行うこと】
  • 住宅ローンの手続き
  • 各種登記手続き
  • 鍵の引き渡し
  • 引っ越し

新築住宅の引き渡し、引っ越しは待ちに待ったビッグイベントですが、まだ気は抜けません。引き渡し当日には、新築住宅の引き渡しや引っ越し以外にも、住宅ローンの手続きや各種登記手続きを行わなくてはいけないからです。

一般的にはハウスメーカーの担当者、金融機関の担当者、司法書士が同席し、手続きを行っていきます。手続きには以下のものが必要となります。不動産会社の担当者にしっかりと確認しておき、用意しておきましょう。

【引き渡し当日に持参するもの】
  • 本人確認書類
  • 住民票
  • 実印
  • 印鑑証明書
  • 預金通帳
  • 銀行取引印
  • 登記費用や司法書士に払う報酬
  • 固定資産税の精算金 など

2.建て替えで使える住宅ローンと活用方法

建て替えに住宅ローンを活用する場合は、工事請負契約を締結する前に、金融機関の審査に通らなければなりません。段取りよく進めるためにも、しっかり理解しておきましょう。

建て替えで選ぶべき住宅ローンとは?つなぎ融資や頭金の使い方、注意点も解説

2-1.建て替えの資金計画と住宅ローン

まず、家を建て替えるときの資金計画について考えていきます。具体的な建て替えの資金計画を立てる前に、自己資金と住宅ローンの全国平均を統計データから確認しておきましょう。

家の建て替えにかかった資金総額の全国平均

引用元:国土交通省「PDF令和2年度 住宅市場動向調査 報告書

国土交通省の「PDF令和2年度 住宅市場動向調査 報告書」によると、家の建て替え時に住宅ローンを活用した人が用意した自己資金の平均は1,715万円、住宅ローン借入金の平均は1,340万円自己資金比率は、56.1%という結果が出ています。

「自己資金をそんなに用意できるか不安…」と感じたら、自己資金を増やす方法を考えてみてはいかがでしょうか。可能であれば、以下の方法を検討しましょう。

家を建てるための資金計画について詳しく知りたい方、また建て替えをきっかけに40代で住宅ローンの利用を検討している方は、以下の関連記事を合わせてご参照ください。

家づくりの資金計画を立てる|予算の立て方と費用の内訳【初級編】
40代で住宅ローンを組む方法!頭金や審査、借入額の平均データ、注意点を解説

2-2.つなぎ融資や親子リレーローンを活用する

次に、家の建て替え時に活用できる便利な住宅ローンについて解説していきます。各ローンの特徴を表にまとめたので、見てみましょう。

つなぎ融資

特徴 住宅ローンが実行されるまでに必要な支払いを融資してもらうことができます。住宅ローン実行前までは利息を支払い、住宅ローン実行後は、住宅ローンを使って清算していきます。
メリット
  • 自己資金が少なくても家が買える
注意点
  • 金利が高い
  • 住宅ローンと別に、手数料・利息がかかる
  • この融資分は住宅ローン控除の対象外となる
活用するタイミング
  • 着工金や中間金を支払うとき
  • 新居の引き渡し時、住宅ローンの実行が間に合わなかったとき

(10)新築住宅の引き渡し」で触れたように、住宅ローンは家の引き渡し後、手続きが完了した時点で融資が開始されます。つなぎ融資がある住宅ローンであれば、ハウスメーカーとの契約後、住宅ローンの融資が実行されるまでの間にも必要な資金を借りることができます。

住宅ローン以外に借りるローン「つなぎ融資」について知っておくべきこと

親子リレーローン

特徴 親子二世代で契約し、ローンを引き継ぐことで返済期限を長く設定できるローンです。親子でなくても親族や配偶者と組むことができる金融機関もあります。
メリット
  • 高齢者でもローンが組める
  • 親と子の両者が住宅ローン控除を受けられる
  • 親と子の両者の年収を合算することで、マイホームの選択肢が広がる
  • 月々の返済額による負担を減らせる
注意点
  • ローンを引き継ぐ人は、引き継ぐ前であっても別の住宅ローンが組みにくくなる
  • 親が予定額を返済する前に亡くなった場合、残債が子に上乗せされる
活用するタイミング
  • 売買契約を締結したとき

一般的な住宅ローンだと、契約者は満80歳までに完済する必要があり、この制限に沿って月々の返済額が設定されるので、高齢であればあるほど月々の返済額が高くなってしまいます。
親子リレーローンを活用すれば、契約者が高齢であっても、次にローンを引き継ぐ人の返済期間を足すことができ、全体の期限を延ばすことができます。

二世帯住宅で失敗しないコツとは?間取りと費用を徹底解説!

2-3.住宅ローンの残債がある場合の対処法

今建っている家の住宅ローンに残債があっても、建て替えのために新たな住宅ローンを組むことは可能です。

住宅ローンを組むときは、今建っている家の抵当権を外す必要があり、抵当権を外すには住宅ローンを完済しなくてはいけません。しかし、金融機関の住宅ローン商品のなかには、現在返済している住宅ローンの残債と、建て替えのために借りるローンをまとめることができるものがあります。

建て替えの融資と残債をまとめることができるローン商品があるかを金融機関に確認してみましょう。各ローン商品によって契約条件や金利が異なるため、必ず複数比較して決めるようにしましょう。

資金面や住宅ローンに関して、疑問や不安な点がある時には、完全無料の「HOME4U 家づくりのとびら プラン作成依頼サービス」のご利用がおすすめです。

優良ハウスメーカーの中から、建て替えにかかる費用や住宅ローンの活用方法、さらに間取りの工夫・考え方まで、さまざまな疑問に答えてくれるパートナーを探すことができます。

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3.建て替え前に準備しておくべき5つのポイントとその手順

ここまでは建て替えの際の流れや活用できる住宅ローンについてお伝えしてきましたが、建て替え前にも準備しておきたいことや検討しておきたいことがあります。

  • 「建て替え」と「リフォーム」を検討する
  • 土地の確認をしておく
  • 仮住まいの手配と手続き
  • アフターメンテナンスの比較も大切
  • 建て替えの目的に応じて新築住宅の相談先を選ぶ
  • 上記5つのポイントに分けて、見ていきましょう。

    3-1.「建て替え」と「リフォーム」を検討する

    家の建て替えを検討する際、「リフォームとはどう違うの?」と気になっている方は多いかもしれません。両者を検討する場合は、メリットとデメリットを比較することが大切です。

    建て替えとリフォームのメリット・デメリットを以下にまとめたので、比較する際の参考にしてみてください。

    建て替えとリフォームのメリット・デメリット
    メリット
    建て替え
    • 間取りの自由度が高い
    • 新しい性能・設備が取り入れられる
    • 多額の住宅ローンが組める
    リフォーム
    • 低コストに抑えられる
    • 工期が短い
    • 必要な部分のみの改修(数年おきの改修)が可能
    デメリット
    建て替え
    • コストがかかる
    • 工期が長い
    • 建て替えが法律により不可能な場合がある
    リフォーム
    • 改修できる範囲が限られる
    • 老朽化が著しいと、メンテナンスや補修の費用が高くつく
    • 間取りの自由度が低い
    • 地盤の改良ができない

    建て替えを検討する際には、特に「建て替えが法律により不可能な場合がある」という点に着目しましょう。今の家が、建て替えが法律で禁止されている「再建築不可物件」の場合は、建て替えができないことが多いです。

    逆に、今後の住宅により安心して住みたい方は、建て替えが適しています。リフォームは比較的コストが抑えられますが、地盤調査や地盤改良工事ができません。

    「リフォームだけで対応できるのか」また「長期間にかかる経費を考えるとどちらが得なのか」をしっかりと検討して決めることで、後悔のない建て替えにつながります。

    建て替えとリフォームの比較する方法についてもっと詳しく知りたい方は、以下の関連記事を合わせてご参照ください。

    【比較】建て替えとリフォームはどちらが得?経験談と5つの判断基準を解説

    3-2.土地の確認をしておく

    現住まいが「再建築不可物件」PDF既存不適格建築物が建っている土地ではないかどうかを確認します。これらに該当する場合、建て替えを行うことや、現住まい同様の大きさの家の建て替えができない可能性があるため、注意が必要です。

    再建築不可物件が立っている土地かどうか

    再建築不可物件が立っている土地の場合は、家の建て替え自体ができません。再建築不可物件かどうかは、役所の窓口に相談することで調べることができます。

    下記のうち、1つでも当てはまるものがあれば、再建築不可と判断される可能性があります。役所に行く前に、まずは自分で以下の点を確認しておきましょう。

    再建築不可の土地の例

    • 所有する土地の前にある道路幅が建築基準法の道路の条件(4メートル以上ある)を満たしていない
    • 道路と間口の接道部分が2メートル以上あるかどうかを確認する
    • 土地があるエリアが市街化調整区域に指定されていないかどうかを確認する

    最終的には役所で調べる、または業者に依頼するなどして再建築不可物件かどうかを明らかにし、該当する場合は対処法がないかを確認しましょう。役所の窓口で調べる際には、以下の書類を持参する必要があります。

    • 登記事項証明書(手数料480~600円程度)
    • 公図(手数料430~450円程度)
    • 建物図面(手数料450円程度)
    • 地積測量図(手数料400円程度)

    既存不適格建築物かどうか・建て替え後の建物が違反しないかどうか

    既存不適格建築物が立っている土地の場合は、解体後、以前と同様の大きさの家が建てられない可能性があります。なぜ既存不適格建築物が存在するのかというと、建築基準法や都市計画法は日々改正・変更されているからです。

    また、建て替え後に計画している建物が法令に違反する可能性も考えられます。日影規制から建てられる建物の高さに制限がある場合など、事前に知っておくとスムーズに計画を進めることができるはずです。具体的に該当するケースは以下のとおりです。

    • 日影規制に引っかかる
    • 北側斜線制限に引っかかる
    • 変更された用途地域に引っかかる
    • 改正された新耐震基準によって引っかかる など

    3-3.仮住まいの手配と手続き

    建て替え前には、仮住まいの手配と手続きも行っておきます。仮住まいへの引っ越し前にやることを以下にまとめたので、ぜひ参考にしてください。

    仮住まいに引っ越す前のやることリスト
    No 項目 手配・手続き先
    1 解体する家の電気・ガスの停止 利用している電気・ガス会社
    2 仮住まいの水道・電気・ガスの新規申し込み 利用する水道・電気・ガス会社
    3 郵便物の転送届 郵便局
    4 固定電話の移設・休止 利用している電話回線会社
    5 住民票の異動 最寄りの役所
    6 住基カードの住所変更
    7 健康保険証の住所変更 最寄りの役所や勤務先
    8 運転免許の住所変更 警察署・運転免許更新センターなど

    3-4.アフターメンテナンスの比較も大切

    建て替え前にハウスメーカーを選ぶ際には、アフターメンテナンスやアフターサービスの内容の比較も行います。

    家は住み始めてからの時間が最も重要です。アフターメンテナンス・アフターサービスが手厚いと、入居後、万が一住まいに不具合があった場合にも安心です。

    ハウスメーカーのアフターメンテナンスやアフターサービスを比較する際には、以下のポイントを確認します。

    【アフターメンテナンス・アフターサービスの比較ポイント】
    • 必須の瑕疵担保責任保険への加入はあるか
    • 定期点検の年数や頻度はどうか
    • 不具合があったときすぐに対応してくれそうか
    • 独自アフターサービスはあるか など

    ハウスメーカーのアフターサービスや保証期間について詳しく知りたい方は、以下の関連記事を合わせてご参照ください。

    ハウスメーカーの保証期間・アフターサービスの比較ポイント3つ!おすすめ9社を紹介

    3-5.建て替えの目的に応じて新築住宅の相談先を選ぶ

    「二世帯住宅にしたい」「バリアフリー化したい」など、建て替えの目的に応じて、ハウスメーカーを選ぶのも重要です。

    しかし、一口にハウスメーカーといっても、「省エネ住宅が得意」「断熱性に優れた家が得意」「間取りの自由度高い家が得意」など、特徴はさまざまです。目的と合致し、自分の要望をしっかり実現してくれる家を建ててくれるハウスメーカーを選びましょう。

    家の建て替えを依頼するハウスメーカー選びは建て替えで最も大事な要素といっても過言ではありません。ハウスメーカーの選定に自信が持てない方は一度、無料の「HOME4U 家づくりのとびら プラン作成依頼サービス」を活用してみてください。

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    • 建て替えたい家のエリア・ご希望条件をもとに、ハウスメーカーの絞り込みが可能
    • 提携するのは実績豊富な優良のハウスメーカーばかりだから安心!
    • 間取りプラン・資金プランを一度に比較することができる

    細かな点を相談しながら、しっかりとした間取り・予算プランを作成してもらえるため、初心者の方も安心して建て替えをすすめることができます。

    ハウスメーカーの比較や絞り込みにお困りの場合は、ぜひ一度「HOME4U 家づくりのとびら プラン作成依頼サービス」をご利用ください。

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    まとめ

    建て替えの際の流れや期間の目安、建て替えで使える住宅ローンと活用方法、建て替え前に準備しておくべき5つのポイントを解説してきました。最後におさらいをしましょう。

    まず、建て替えにかかる全体の期間の目安は10か月~1年2か月程度と言われています。

    建て替えの流れとかかる期間の目安は以下のとおりです。

    ハウスメーカーに建て替えを依頼する流れと期間
    流れ 期間の目安

    (1) 家を建て替える計画を立てる

    • 建て替えの目的や優先順位をはっきりさせる
    • 建て替えの資金計画を立てる
    2~3か月

    (2) 建て替えを依頼するハウスメーカーを探す

    • 住宅展示場に行く
    • インターネットで探す

    (3) 気に入ったハウスメーカーとプランを相談

    • ハウスメーカーに相談する内容を整理しておく
    • プランを比較する項目を把握しておく

    (4) 住宅ローンの相談や仮住まい探しを行う

    • 住宅ローンを相談する
    • 仮住まい探しと家の片づけを行う
    3~4か月

    (5) ハウスメーカーと工事請負契約を締結

    • ハウスメーカーと本契約を結ぶ
    (6) 仮住まいへの引っ越し
    (7) 家の解体工事を開始(着工) 1週間~1か月
    (8) 地盤調査・地盤改良工事 半日~1週間
    (9) 新築住宅の工事を開始 4~6か月
    (10) 新築住宅の引き渡し

    また、建て替えをする際には、以下のポイントを押さえておきます。

    建て替えで使える住宅ローンのポイント
    • 建て替えで住宅ローンを使う際に、自己資金が足りない場合には「つなぎ融資」を活用し、住宅ローンの融資が始まる前の支払い分の用意をしておく
    • 契約者が高齢の場合、同居する子どもや親族と親子リレーローンを活用すると、月々の返済額を抑えることができる
    • 住宅ローンの残債がある場合は、現行している住宅ローンとまとめることができるローンを検討する
    建て替えを行う前に準備しておくべき5つのポイント
    • 建て替えを検討する前には、低コストで抑えられるリフォームも検討することで後悔のない家づくりを行う
    • 現住まいが「再建築不可物件」や「既存不適格建築物」ではないかを確認する
    • 仮住まいに引っ越す前の手配と手続きをチェックする
    • ハウスメーカーを選ぶ際は、アフターメンテナンス・アフターサービスも比較する
    • 建て替えの目的に応じて、自分に合いそうなハウスメーカーを選ぶ

    しっかりと準備を進めておくことで、効率よくスムーズに進み、結果としてトラブルのない建て替えにつながります。今回の記事を参考に、失敗しない建て替え計画を立ててくださいね。

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