
注文住宅を検討している方の中には、あまり予算を多く取れない方も多いのではないでしょうか。そこで、この記事では、安く家を建てるための方法をお伝えします。
- 【外観】できるだけ凹凸を減らす
- 【階数】平屋より2階建て
- 【間取り】壁を減らしたシンプル設計
- 【水回り】1箇所にまとめる
- 【設備】グレードは低めのものを選ぶ
- 【収納】屋根裏のスペースを活用する
- 【外構】家を建てた後に整える
なお、安く家を建てる際には、品質や設備、住み心地に問題が出やすくなるため、事前に注意点や安く家を建てることを得意としたハウスメーカーをチェックしておく必要があります。
- 住宅の建築コストを下げる方法
- 安く家を建てる際の注意点
- ローコストハウスメーカーの選び方
- 建築費用相場(平均・ローコスト比較)
ご紹介するポイントに注意し、安さと住み心地を両立させた注文住宅を建てるヒントにしてください。
家を買うと決めたときに、まずやるべきことが知りたい方は「家を買う」の記事もご覧ください。
1.安く家を建てる7つの方法
安く家を建てるコツは、外観や間取りなどのさまざまな部分に潜んでいます。お得な家づくりを目指すなら知っておきたいポイントをまとめました。
- 【外観】できるだけ凹凸を減らす
- 【階数】平屋より2階建て
- 【間取り】壁を減らしたシンプル設計
- 【水回り】1箇所にまとめる
- 【設備】グレードは低めのものを選ぶ
- 【収納】屋根裏のスペースを活用する
- 【外構】家を建てた後に整える
それぞれのポイントを説明します。
1-1.【外観】できるだけ凹凸を減らす
凹凸のある外観にすると、通常以上に外壁などの資材が必要になります。また、施工の手間が増えるため、工事日数が長引き、その分、人件費が高額になることも多いです。
少しでも安く家を建てるなら、外観はできるだけ凹凸を減らしましょう。凹凸を減らすとコストダウンできるだけでなく、「掃除がしやすくなる」「モダンかつスタイリッシュな外観になる」などのメリットもあります。
1-2.【階数】平屋より2階建て
同じ床面積であれば、平屋の屋根面積は2階建ての2倍程度になります。そのため、資材代が高額になる可能性があります。「平屋は一般的な2階建てより、坪単価が高額になりやすい」といわれているのはこれが理由です。
また、平屋を建てるには広い土地が必要になるため、土地代もかさむでしょう。広大な敷地をすでに持っている場合を除き、安く家を建てたいのであれば平屋より2階建てがおすすめです。
1-3.【間取り】壁を減らしたシンプル設計
建築費用を抑えるためには、外観だけでなく間取りも凹凸の少ないシンプル設計がおすすめです。凹凸が増えると壁が増えるため、資材代がかさむ可能性があります。
また、外観に凹凸がある場合と同様、工数が増えるので人件費が高額になるかもしれません。少しでも安く家を建てたいときは、シンプルな間取りを選びましょう。
1-4.【水回り】1箇所にまとめる
トイレ・洗面所・浴室・キッチンなどの水回り設備は、できるだけ1箇所にまとめましょう。水回り設備がまとまっていないと、配管設備費用がかさむだけでなく配管工事費用もかさみます。
2階や3階にもトイレや洗面所を作るときには、できるだけ上下水管の長さが短くなるように1階の水回り設備の真上に配置するほうがよいでしょう。
とはいえ間取りや床面積によっては、1箇所に水回り設備がまとまっていると不便なこともあります。ハウスメーカーの担当者としっかり話し合って、費用と利便性のベストバランスを見つけましょう。
1-5.【設備】グレードは低めのものを選ぶ
水回りなどの設備は、グレードによって価格に大きな差が生じます。ユニットバスやシステムキッチン、洗面化粧台など、サイズは同じでもグレードによって2倍以上の価格差が生じることも珍しくありません。
他にもエアコン・換気扇・玄関ドアなども、グレードを低めにすることでコストダウンすることが可能です。
また、設備だけでなくフローリングや壁紙などの資材にも注目してみましょう。床や壁は面積が広いので、単価が少し安くなるだけでも合計額は大きく変わります。
1-6.【収納】屋根裏のスペースを活用する
暮らしやすさを実現するためにも、適度に壁面クローゼットやウォークインクローゼット、パントリーなどの収納スペースを確保することは不可欠です。しかし、収納スペースが多いと生活スペースが狭くなる点には注意しましょう。場合によっては、より広い住宅が必要になります。
床面積を増やすと必要な資材や土地も増えるため、コスト増のリスクがあります。床面積を増やさずに収納スペースを確保するためにも、屋根裏や階段下などのデッドスペースになりがちな空間を有効活用しましょう。
1-7.【外構】家を建てた後に整える
外構を後から整えるのも1つの方法です。外構工事を省略することで工期が短くなり、つなぎ融資の借入期間が短縮されて利息が減る可能性があります。
ただし、防犯上早めに外構工事をしたいときや、フェンスや塀などがないと住宅が丸見えになるときは、外構も建物とまとめて工事をするほうが無難でしょう。「門扉のグレードを下げる」「細かい部分はDIYで仕上げる」などの工夫でも、十分にコストダウンが可能です。
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2.安く家を建てる際の注意点
お得に家を建てるためには、次のポイントに注意が必要です。
- 金額ばかりにこだわらない
- ランニングコストを計算しておく
- ライフスタイルの変化を考慮する
- 自分で用意するほうがお得になることもある
それぞれのポイントを説明します。
2-1.金額ばかりにこだわらない
「とにかく安く家を建てたい」という点だけにこだわると、住み心地に問題が生じ、早々に手放したり改修工事の必要が生じたりすることがあります。
安い家にこだわりすぎて後悔することのないためにも、金額だけでなく、家族の希望や利便性も考慮して住宅を建てるようにしましょう。
安さと利便性、スタイルなどをすべて兼ね備えた住宅に仕上げるためには、施工を依頼する前に、過去の実例を丁寧にリサーチしておくことが必要です。例えば、「500万円で家を建てる」や「めちゃくちゃ安い家」などがテーマとなっているブログを閲覧したり、実際に低予算で家を建てた人に話を聞いたり、注文住宅の相談サービスでプロに話を聞いてみたりするのもよいでしょう。
2-2.ランニングコストを計算しておく
初期費用が安くとも、ランニングコストがかかるようであれば、お得な住宅とは言い切れません。
例えば、外壁材の費用を安く抑えるために、断熱性能が低いものを選んだとしましょう。住宅そのものは安く建てることができても、光熱費がかかる住宅では長く暮らすのは困難です。少し割高であっても、外壁材や屋根材などは断熱性能が高いものを選ぶことをおすすめします。
また、ランニングコストを考える際には、ハウスメーカーのアフターサービスもチェックしておきたいところです。アフターサービスが充実していないハウスメーカーを選ぶと、メンテナンスや修理の費用がかさみ、長い目で見ればかえって高くつくことがあります。
2-3.ライフスタイルの変化を考慮する
ライフスタイルの変化に伴い、リフォームの必要が生じることもあります。
例えば、部屋を2つに区切って個室を増やしたり、反対に壁を取り除いて部屋を広げたりするケースもあるでしょう。
当然のことですが、リフォームには相応のコストがかかります。安さにこだわるのであれば、開閉可能な間仕切り壁を最初から取り付けておくなど、リフォームしなくてもライフスタイルの変化に対応できる家づくりを目指しましょう。
2-4.自分で用意するほうがお得になることもある
水回りの設備やエアコン、照明器具、畳などを施主自身が用意すると、費用を抑えられることがあります。
ハウスメーカーの見積書を見て、設備や資材などの単価が高すぎると思えるときは、施主支給も検討してみましょう。
ただし、ハウスメーカーではまとめて設備・資材を購入することで、単価を抑えていることも多いです。施主支給により割高になってしまうこともあるので、工事代も含めて比較してから実施するようにしましょう。
以上が、安く家を建てる際の注意点です。
夢のマイホームを建てるなら「絶対に後悔したくない」ですよね。
こうした失敗・後悔を避けるためにも、ぜひ一度、無料オンライン相談サービス「HOME4U 家づくりのとびら」をご利用ください。
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3.安く家を建てるハウスメーカーの選び方
やみくもに安さだけでハウスメーカーを決めてしまうと、住宅性能に問題があったり、住みにくい住宅に仕上がったりすることがあります。安い家を建てるためのハウスメーカーを探すときは、次の点に注目すると失敗を回避できます。
- 安く家を建てるための工夫を確認する
- 保証が充実しているか確認する
- セミオーダープランがあるか確認する
- 標準仕様が好みに合うか確認する
- 複数のハウスメーカーから見積もりを取る
それぞれのポイントを説明します。
3-1.安く家を建てるための工夫を確認する
安く家を建てるために、ハウスメーカーがどのような工夫をしているのか、公式ホームページやカタログなどで確認しておきましょう。
ハウスメーカー自身が施工を請け負って中間マージンが発生しないようにしている
設備メーカーから大量に購入して単価を抑えている
特に工夫をしているわけではないのにローコストの住宅を建てているハウスメーカーでは、低水準の資材や設備を使っていたり、必要以上に工数を減らしていたりする可能性があります。
なお、ハウスメーカーによっては、「ローコスト」を「適正価格」と表現していることがあります。安心できるクオリティかつ安価な住宅を建てるためにも、安さの秘密を探っておきましょう。
3-2.保証が充実しているか確認する
保証が充実しているハウスメーカーなら、安心して任せられるだけでなく、将来的なコストも軽減できます。ハウスメーカーのホームページで、アフターサービスや保証制度についても確認しておきましょう。
なお、保証が充実している場合でも、保証が適用される条件があまりにも厳しいときはメンテナンスや修理代がかさむことがあります。保証適用の条件についても、事前に確認しておくことが必要です。
3-3.セミオーダープランがあるか確認する
セミオーダープランとは、既定の枠の中で自由にオーダーするプランです。フルオーダープランより割安に家を建てられるだけでなく、選び方によって個性を表現できる点も特徴です。
また、セミオーダープランでは工事内容がほぼ決まっているため、打ち合わせの回数が少ない傾向にあります。その分、人件費も減るので、よりお得に家を建てられます。
3-4.標準仕様が好みに合うか確認する
住宅商品の標準仕様もチェックしてみましょう。標準仕様が好みに合うとオプションを選択する必要がないため、あとから追加費用が掛かるといったリスクを抑えることができます。
標準仕様が好みに合わないときは、別の住宅商品やハウスメーカーの標準仕様もチェックしてみましょう。すべての選択肢において標準仕様を選ぶと、想定されている最低価格で住宅を建てることが可能です。
3-5.複数のハウスメーカーから見積もりを取る
住宅展示場でモデルハウスを見ると気持ちが高まり、契約してしまいたくなることもありますが、どんなに気に入ったハウスメーカーが現れたときでも、必ず複数のハウスメーカーを比較してください。
他のハウスメーカーなら、同じクオリティでより安価に家を建てられるかもしれません。また、価格が同じでもより高いクオリティの家が仕上がる可能性もあります。
価格や品質、デザインにおいて後悔のない選択をするためにも、複数のローコストハウスメーカーから見積もりを取り、比較をしてから依頼するようにしましょう。
4.平均的な家とローコスト住宅の費用相場
見積書を見る際には、平均的な土地代込みの家の費用相場と、ローコスト住宅の費用相場を把握し、提示された金額が一般的にはどのくらいの価格帯なのか判断できるようにしておきましょう。
土地代込み | 土地代抜き | |
---|---|---|
平均的な家 | 4,456万円 | 3,011万円 |
ローコスト住宅 | 2,135万~ 3,325万円 |
680万~ 1,870万円 |
以下より詳しく見ていきましょう。
参考:住宅金融支援機構「2021年度 フラット35利用者調査」
4‐1.平均的な家の費用相場
まずは、平均的な家の費用相場を詳しく見ていきましょう。
- 家の建築費用 3,011万円
- 土地取得費用 1,445万円
まだ土地を持っておらず、土地を購入する必要がある方は、上記を合わせて4,456万円程度が費用相場になります。
なお、住宅の平均面積は111.4平米であるため、坪単価は以下のように計算できます。
【土地代込み】
4,456万円÷約34坪(111.4平米)=坪単価131万円
【土地代抜き】
3,011万円÷約34坪(111.4平米)=坪単価88万円
4‐2.ローコスト住宅の費用相場
一方、ローコスト住宅の坪単価は、一般的に20万~55万円程度と言われています。
住宅の平均面積は111.4平米なので、費用相場は以下のように計算できます。
【土地代込み】
約34坪(111.4平米)×20万~55万円+1,455万円=2,135万~3,325万円
【土地代抜き】
約34坪(111.4平米)×20万~55万円=680万~1,870万円
上記はあくまで参考ですが、実際に見積もりを入手した際には、坪単価が平均より低いかどうか確認してみましょう。
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(ハウツー)
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まとめ
安く家を建てることにこだわりすぎると、住み心地や利便性、家族の満足度などの家づくりの本質を見過ごしてしまうことがあります。価格だけでなく品質や暮らしやすさ、デザインにもこだわって家を建てるようにしましょう。
また、単に安い家ではなく「お得な家」を目指すことも大切です。価格に比べて高い品質か、暮らしやすい工夫がされているか、保証が充実してメンテナンスコストが低いかなどにも注目し、価格よりもお得な住宅を目指しましょう。
この記事のポイント
安く家を建てる際には、いくつかの方法があります。
- 【外観】できるだけ凹凸を減らす
- 【階数】平屋より2階建て
- 【間取り】壁を減らしたシンプル設計 他
「1.安く家を建てる7つの方法」では7つのポイントをご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
建てられます。ローコスト住宅の費用相場は、土地代抜きで680万~1,870万円程度です。
詳しい計算式や、平均的な住宅との比較は「4.平均的な家とローコスト住宅の費用相場」をご覧ください。
平均的な住宅と比べて安い家を建てる際には、いくつかのポイントに注意しなければ、住み心地の悪い家になったり、ランニングコストがかさむ家になったりしてしまいます。
「2.安く家を建てる際の注意点」でポイントを確認し、後悔のない家づくりをしましょう。