家づくりの諸費用の内訳を詳しく解説!費用を抑えるポイントは?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

家づくりの費用には、建築費の他に「諸費用」と呼ばれるものが必要だと耳にしたことはないでしょうか。
「家づくりの諸費用ってどんな費用?どのくらいかかるの?」
「諸費用にも住宅ローンは利用できるの?」

この記事では、こんなふうに諸費用について知りたい方に向けて、家づくりに必要な諸費用の内訳や予算、費用の節約方法や頭金とローンの配分の考え方などについて詳しく解説します。諸費用の項目や費用感を把握して、家づくり全体の予算について無理のない資金計画づくりに役立ててください。

1.家づくりに必要な3つの費用

家づくりにはさまざまなお金がかかりますが、大きく分けて次の3つの費用が発生します。

  • 本体建築費用
  • 「本体建築費用」は、建物を建てるために直接的に必要な材料や施工費などであり、家づくりのおおよそ7割を占めています。

  • 付帯工事費用
  • 「付帯工事費用」は、エクステリア工事や地盤改良工事など、主に建物以外に必要な費用であり、家づくりのおおよそ2割を占めています。

  • 諸費用
  • 「諸費用」は、工事に直接的にかかわる費用というよりは、登記費用や建築確認申請料など、主に事務的な部分で必要な費用です。家づくりのおおよそ1割を占めています。

住宅会社が価格の目安とする、いわゆる「坪単価」は、主に本体建築費用の部分をもとにして、床面積で割り算し計算していることが多く、諸費用は費用項目として展示場に見学に行ってもあまり触れられることがないため、内訳を詳しく理解する機会は少ないかもしれません。この機会にぜひ「このくらいかかるんだな」と概算できるようにしておきましょう。

2.諸費用の内訳

家づくりの費用の約1割を占める「諸費用」は、金融や保険、税金などさまざまな種類に分かれています。

項目 費用の内訳 費用の目安
建築確認申請・検査手数料 確認申請・中間検査・完了検査 約8万円(床面積による)
印紙代 工事請負契約印紙 1万5,000円~(契約金額による)
水道市納付金・検査手数料 宅内で水道を新たに使用するための届出・検査費用 5~20万円(各自治体により異なる)
登記費用 建物表示登記・所有権保存登記 約20万円
地盤調査費用・保障保険 調査費 5~10万円 保障保険 3~5万円 調査費 5~10万円 保障保険 3~5万円
ローン事務手数料・保証料 手数料 3万円~(金融機関により異なる)
保証料 1,000万円あたり10~20万円(金融機関により異なる)
火災保険料 30年とする 約30万円
つなぎ融資手数料 住宅ローン実行時(引き渡し時)まとめて清算 10~15万円
祭事費用 地鎮祭・上棟祭 5~15万円
仮住まい費用 新居が出来上がるまでの仮住まいの家賃 0円~実費(賃貸家賃相当額×仮住まい期間)
家具・家電費用 新居に必要な家具。家電購入費用 50~100万円
引っ越し費用 新居への引っ越し費用 10万円~ 

2-1.建築確認申請・検査手数料

家を建てるときは、必ず役所に設計図書などを添付して、建築確認申請を提出します。役所は建築基準法に沿って建物が計画されているかチェックをし、適正であれば許可が出て初めて建築が可能になります。許可が下りなければ着工はできません。

建物が完成したら、今度は適正に建てられたか検査を受けます。基本は申請、中間検査、完了検査の3つの流れになります。

2-2.印紙代

住宅会社と施主が交わす工事請負契約書には、印紙税がかかります。
契約額により印紙税が定められており、現状は軽減税率が適用されています。(令和4年3月31日まで)

2-3.水道市納付金・検査手数料

自宅内で水道を新たに使用するために届出・検査をするための費用です。自治体によって手数料の金額に幅があり、都市部になるにつれ手数料が高くなる傾向があります。
敷地に既存の水道メーター設備がある場合は、一定額割引されることもあります。

建物が完成したときに建物の図面など情報を登録する建物表示登記と、建物の所有者が誰なのか登録する保存登記があります。住宅ローンを利用するときは、融資を受けた金融機関の抵当権設定の登記も必要です。

一般的には表示登記は土地家屋調査士に、保存登記、抵当権設定は司法書士に依頼することが多いでしょう。コスト削減のために自分で手続きを行う方もいますが、専門的な書類もあるため時間にゆとりを持って取り組む必要があります。

2-5.地盤調査費用・保証保険

住宅を建てる前に、土地の地盤調査を行います。調査方法は依頼する調査会社によって異なります。
また、地盤調査の結果、地盤改良工事が必要であれば指定された方法で施工したあとに、地盤保証保険に加入します。

地盤保証保険は、地盤に適切な改良工事をしたうえで、万一将来的な地盤沈下などが起きた場合に、その保証をするものです。調査の結果、改良工事が必要ではない場合であっても、その調査の結果に対して保証保険に加入できます。

2-6.ローン事務手数料・保証料

住宅ローンを利用する際に、金融機関に支払う費用です。事務手数料と保証料に分かれているのが一般的です。それぞれの費用は金融機関によって異なります。

2-7.火災保険料

建物の損害を補償する火災保険料です。建物の引き渡しを受ける前に加入手続きを済ませます。
なお、建築中は住宅会社が、個々の施工現場に対し火災保険に加入しているのが一般的です。

2-8.つなぎ融資手数料

つなぎ融資は、住宅ローンが実行される前に住宅会社に出来高払いなどが必要なとき、利息を支払って一時的に資金を借りるものです。
最終的に住宅ローンが実行(引き渡し時)されたときにまとめて清算されます。つなぎ融資には、事務手数料と借入利息が発生します。

2-9.祭事費用

地鎮祭、上棟祭などの祭事にかかる費用です。
地鎮祭は基礎、地盤改良工事の前に行われるもので、神社に依頼する場合はお布施代がかかります。
上棟祭は屋根が出来上がった段階で行われるのが一般的で、棟上げ式ともいわれます。上棟祭は簡素に行うか、餅まきをするなど丁寧に行うかで費用が異なります。昔ながらの上棟祭は、職人が屋根に吹き流しを建てて、上から餅まきをするなど盛大に行われていました。近年は、祭事の簡素化が進み、地鎮祭のみを行う施主も増えているようです。

2-10.仮住まい費用

建て替えの場合、建築中は別の場所で生活をすることになります。一時的に転居するには賃貸住宅を利用することになりますが、当然に家賃がかかります。
また、家族が多い場合、今まの荷物をそのまま仮住まいの部屋に納めることがスペースとして困難なことも多く、別途荷物を預けておけるレンタル倉庫を借りることもあります。

2-11.家具・家電費用

新居に必要な、家具や家電の購入費用です。
忘れがちですが、新築を機会に家具や家電を新調する予定がある場合、建築費とは別にある程度の予算を確保しておく必要があります。

2-12.引っ越し費用

新居へ移るときの引っ越し費用です。荷物の容量や移動距離などによって費用が異なります。
仮住まいの場合は、はじめに仮住まいに転居するときも引っ越し費用を見込んでおかなければなりません。

3.諸費用はいくらかかる?

細かな項目が並ぶ諸費用ですが、全体の費用感としてどのくらいかかるのかイメージしてみましょう。

<例:家づくり全体の費用が3,000万円の場合>

  • 諸費用  :全体費用の約1割=約300万円
  • 付帯工事費:全体費用の約2割=約600万円
  • 本体工事費:全体費用-(諸費用+付帯工事費)=3,000万円-(300万円+600万円)=約2,100万円

全体費用が3,000万円あっても、それぞれに分散されてしまうことがわかります。予算を立てるときは、本体以外の費用部分もしっかりと計画することが大切です。

4.諸費用を抑えるポイント

諸費用は保険や手数料など主に事務的な部分に必要な費用ですが、抑えることは可能です。ここからは、諸費用を抑えるポイントをご紹介していきます。

4-1.住宅ローンは複数社で検討

住宅ローンを利用するときは、複数の金融機関の手数料を比較して選びましょう。

住宅ローンの事務手数料や保証料は、金融機関によって異なります。
はじめは、給与などの振り込みに指定している金融機関に相談するかもしれませんが、住宅ローンの流れやおおよその費用を確認する手段として利用してください。できるだけ諸費用を抑えたい場合、他の金融機関も調べて比較し、条件のよいところを選択することをおすすめします。

4-2.火災保険を比較する

火災保険も、複数の保険会社に保険プランを請求して、お得な条件の会社を探してください。
火災保険の保険料は、契約する保険会社によって差があります。各社で保険料率が違うためです。1年単位では少しの差額でも、10年、20年となると、大きな差額になることもあります。

ただし、保険料が極端に安くなる場合は、保障の中身もしっかりと確認する必要があります。
例えば、水災担保がオプション扱いになっているとしたら、未加入に気付かない場合もあります。水災担保に加入したつもりでいた場合、災害時にトラブルにつながる可能性があります。
水災担保は、以前は河川が近くにあるかなどが加入判断のポイントでしたが、近年は集中豪雨による災害が多発しており、平地でも水災に遭うリスクがあると考えられます。
保障内容は会社ごとに必ず確認してください。

4-3.祭事を簡易にする

祭事を簡素化することで、費用を抑えることができます。

地鎮祭や上棟祭は、ひとつの区切りや記念として希望する施主も少なくありません。とはいえ、祭事を丁寧に行えば行うほど、費用がかかります。
特に、上棟式では神社へのお布施代の他、大工さんへのお礼金、餅まきや食事の接待なども行うと20万円以上かかることもあります。

祭事の費用負担を軽減するために、近年は「地鎮祭のみを行う」「上棟祭は行わず、大工さんへのお礼として金銭またはお酒など粗品を渡すだけにする」などの方法があります。簡素化しながらも、家づくりの「節目」となるような祭事を工夫してください。

4-4、家財を整理する

仮住まいへの転居が必要な場合は、建て替え前に既存の家財を整理して、仮住まい中の家財の保管費用を削減しましょう。

家族が多い場合、どうしても家財は多くなってしまいます。しかし、よほどゆとりのある賃貸住宅に仮住まいしないかぎり、すべての家財をそのまま移動させるのは簡単ではありません。
一般的には仮住まいはマンションやアパートになり、既存の住まいよりも狭い空間になります。
家財が多いと、仮住まいに収納しきれないものは、一時的にレンタル倉庫に預けることになります。事前に整理していらないものを処分しておけば、倉庫の容量が小さいスペースで賄えます。家財の容量は引っ越し代にも影響しますので、ぜひ取り組んでみてください。

5.諸費用の資金を準備するには?

諸費用の資金は、どうやって準備すればよいか不安に感じている方もいるでしょう。ここでは、諸費用の資金づくりについて解説していきます。

5-1.住宅ローン

一般的には、諸費用は住宅ローンに含まれないことが多いです。しかし、金融機関によっては、諸費用分を含めて住宅ローンを利用できるところもあります。この場合、諸費用の上限金額を設定している金融機関もありますので、それぞれの条件を比較してみましょう。

また、住宅ローンとは別に、諸費用専用ローンとして利用できる金融機関もあります。手数料、利息などをシミュレーションして何を利用すればよいか、返済プランもあわせて確認することがおすすめです。

5-2.自己資金(現金)

諸費用分を頭金として準備しておけることが理想的です。

諸費用を自己資金(現金)で準備できると、費用を支払うタイミングに左右されることがありません。仮住まい費用や引っ越し代など、諸費用の種類によっては、建築が着工される前に支払いが必要なものもあります。住宅ローンが実行される前だと、支払いのタイミングと合わないこともあるでしょう。

6.諸費用の一部は現金で

一般的には諸費用を住宅ローンに含めないため、頭金として現金で準備することがおすすめです。

諸費用を支払うタイミングは、諸費用の種類によって大きく異なります。
また、住宅会社によっては、諸費用分を会社が一時的に立て替えてくれて、引き渡しのときに最終清算となることもあります。この場合、支払うタイミングは引き渡し時となりますので、住宅ローンの実行時でも間に合います。
住宅会社がどのような諸費用に対してどのような支払いの対応をするかわからないため、事前に確認し、諸費用分のある程度は現金を準備しておけると安心です。

まとめ

いかがでしたか。
家づくりでは、住宅部分の建築費について注目が集まりがちですが、金額として決して少なくない諸費用が必要になることは、しっかりと意識しておかなければなりません。

住宅ローン手数料、仮住まい費用、引っ越し代など、多くの方にとって何らかの項目が該当します。
まとまった金額を現金で準備しなければならない可能性もありますので、早めに必要と想定される費用をまとめて、無理のない資金計画を立て、理想的な住まいづくりを進めてください。

SNSでもご購読できます