
快適で暮らしやすい住宅を手に入れるには、住宅の性能に目を向ける必要があります。その中の1つが「断熱材」です。
断熱材選びが住宅にとって大切な理由は、以下の3つです。
- 生活の快適さが大きく変わる
- 冷暖房費のコストを削減できる
- 家が長持ちする
しかしながら、断熱材はあまり馴染みのあるものではないため、詳しい性能がわからない、何を比較して良いかわからない方も多いでしょう。
そこで本記事では、住宅の断熱材11種の特徴や比較ポイントについて解説します。
大まかに断熱材について把握できれば、ハウスメーカー選びはもちろん、その後のハウスメーカーとの打ち合わせの際にも役に立ちますよ。
家づくりを検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
1.断熱材の比較項目3つ
断熱材の難しいところは、比較項目が専門的であり、どのように比較して良いかわからないところです。
そこで本章では、断熱材の比較項目についてわかりやすく解説します。
まず、断熱材でチェックしなければならないポイントは以下の3つです。
- 熱伝導率
- 断熱材の厚み
- 熱抵抗値
数値の高い低いだけではなく、項目の組み合わせによっても性能が異なります。
以下より、それぞれ詳しく解説します。
1-1.熱伝導率
熱伝導率とは、熱の伝わりやすさを表す数値です。
数値が高い | 数値が低い |
---|---|
熱が伝わりやすい つまり 断熱性が低い |
熱が伝わりにくい つまり 断熱性が高い |
熱伝導率の単位は「W/m・K(ワット毎メートル・毎ケルビン)」で表されます。
数値が高いほど熱伝導率が高くなり、低いほど熱伝導率が低くなります。つまり「熱が伝わりにくい=断熱性が高い」となり、熱伝導率が低い断熱材ほど、断熱性が高いのです。
1-2.断熱材の厚み
住宅の断熱性能を高めるためには、熱伝導率の低さだけでなく、断熱材の厚みも重要です。
いくら熱伝導率が低くても、断熱材自体の厚みが薄いようでは、熱が外に逃げやすいため、断熱性が高いとは言えません。熱伝導率の数値が同じでも、厚みが異なる2つの断熱材では、断熱性が変わってくるのです。
ただし、中には、断熱材の厚みを薄くしながらも高断熱をかなえる仕組みを持つハウスメーカーもあります。
1-3.熱抵抗値
熱抵抗値とは、断熱材の熱伝導率と厚みから、実際に熱の伝わりにくさを表す数値で、計算式は以下のとおりです。
熱抵抗値(m2・K/w)= 断熱材の厚み(m)÷ 断熱材の熱伝導率(w/m・K)
例えば厚みが100mm、熱伝導率0.038w/m・Kの断熱材があったとしましょう。この場合計算式は、以下のとおりです。
例:0.1m÷0.038w/m・K=2.631m2・K/w
また、同じ熱伝導率で厚みが50mmの場合は、断熱効果が半減します。
例:0.05m÷0.038w/m・K=1.315m2・K/w
「5.断熱材の性能や高断熱で評価の高いハウスメーカー4社」では、上記3項目を比較し、各ハウスメーカーの特徴をまとめているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
2.断熱材11種類を比較!それぞれの特徴を解説
住宅の断熱材には数多くの種類があり、それぞれに異なる特徴があります。
一概に、「どれが一番良い」と言えるものではないため、それぞれの特徴を把握し、ご自身の予算を踏まえたうえで決めましょう。
以下の表では、各断熱材の熱伝導率・厚み・熱抵抗値の最低水準、また価格傾向を比較しています。
断熱材 | 熱伝導率 | 厚み | 熱抵抗値 | 価格傾向 | 工法 |
---|---|---|---|---|---|
グラスウール | 0.050 | 50 | 1.00 | 安価 | 充填 |
ロックウール | 0.038 | 50 | 1.31 | 安価 | 充填 |
セルロースファイバー | 0.040 | 100 | 2.50 | 高価 | 充填 |
インシュレーションボード | 0.050 | 50 | 1.00 | 高価 | 充填 |
羊毛※ | 0.039 | 60 | 1.50 | 高価 | 充填 |
炭化コルク※ | 0.034 | 25 | – | 高価 | 充填 外張り |
ポリエチレンフォーム | 0.042 | 25 | 0.59 | 普通 | 充填 |
ビーズ法ポリスチレンフォーム | 0.043 | 10 | 0.23 | 普通 | 外張り |
押出法ポリスチレンフォーム | 0.040 | 10 | 0.50 | 普通 | 外張り |
硬質ウレタンフォーム | 0.024 | 7 | 0.29 | 高価 | 充填 外張り |
フェノールフォーム | 0.026 | 15 | 0.58 | 高価 | 充填 外張り |
参考:国土交通省「表示・評価方法基準(省エネ)における検討方針」
※「羊毛」「炭火コルク」の数値は目安です。
各ハウスメーカーではこの数値をベースに、より性能に優れた高断熱住宅を提案しているケースがほとんどです。
以下からは、各断熱材の特徴を、系統別に解説します。
2-1.無機繊維系の断熱材
繊維系断熱材の1つである無機繊維系は、布団のような材質で、細かい繊維の中に空気を閉じ込めることで機能します。
鉱物などを原料にしており、取り扱いや施工が容易なことから、最も一般的に普及している断熱材です。
無機繊維系の断熱材には、以下のようなものがあります。
- グラスウール
- ロックウール
2-1-1.グラスウールの特徴
特徴 |
|
---|---|
熱伝導率 | 0.050 |
厚み | 50 |
熱抵抗値 | 1.00 |
工法 | 充填 |
価格傾向 | 安価 |
グラスウールは、木造住宅で使われる最も一般的な断熱材です。
ほかの断熱材と比べると熱伝導率は大きく優れているわけではありませんが、単純に厚みを持たせることで断熱性を高められるので、非常に扱いやすいのも特徴です。
また、原料がガラスであるため燃えにくく、シロアリなどの被害を受けにくい点もメリットです。
ただし、湿気に弱く、吸水すると断熱材が重くなってズレ落ちるデメリットもあるため、施工技術の高さで性能に差が出ます。
2-1-2.ロックウールの特徴
特徴 |
|
---|---|
熱伝導率 | 0.038 |
厚み | 50 |
熱抵抗値 | 1.31 |
工法 | 充填 |
価格傾向 | 安価 |
ロックウールは岩石やスラグといった鉱物を原料としており、燃えにくい性質を持ちます。
グラスウールと性質がよく似ているのですが、ほかの断熱材と比べて軽く、グラスウールよりも価格は少し高めです。
ヨーロッパの住宅で利用されることが多く、日本ではグラスウールのほうが多いようです。
2-2.木質繊維系の断熱材
繊維系断熱材の1つである木質繊維系は、木片などの天然素材を圧縮して作ります。
自然の素材を使用しているため、家づくりにおいて素材にこだわりたい方にはおすすめの断熱材と言えます。
吸音性や吸放湿性に高い効果を発揮しますが、無機繊維系の断熱材よりも値段はお高めです。
木質繊維系の断熱材は、以下のとおりです。
- セルロースファイバー
- インシュレーションボード
2-2-1.セルロースファイバーの特徴
特徴 |
|
---|---|
熱伝導率 | 0.040 |
厚み | 100 |
熱抵抗値 | 2.50 |
工法 | 充填 |
価格傾向 | 高価 |
セルロースファイバーは、新聞紙などの古紙、段ボール、おがくずなどが原料です。
木質であるため、耐火性や害虫に対して弱いイメージがありますが、原料にホウ酸や難燃剤を組み合わせて作るため、耐火性や防虫効果に優れています。
また、防音材としても使用されており、ある程度の防音性にも効果を発揮します。
なお、施工の際には専門会社に依頼する必要があるため注意してください。
2-2-2.インシュレーションボードの特徴
特徴 |
|
---|---|
熱伝導率 | 0.050 |
厚み | 50 |
熱抵抗値 | 1.00 |
工法 | 充填 |
価格傾向 | 高価 |
インシュレーションボードは木材を細かく粉砕し、はっ水加工をしたボード状の断熱材です。
木材の断熱材には多くのメリットがありますが、1つひとつ質の高さが異なります。しかし、インシュレーションボードは木材を加工して作るので、一定の質を保ちながら木材の良さを引き立ててくれます。
吸音効果や調湿性にも優れていますが、セルロースファイバーと異なり、ホウ酸などを練りこんでいないので、シロアリ被害に合う場合もあります。
2-3.天然素材系の断熱材
自然生まれの天然素材を利用したのが、天然素材系の断熱材です。
天然素材系の断熱材は価格が高いものの、全体的に調湿性能が高く、健康住宅などで利用されるケースが多いです。一般住宅ではあまり使われないこともあり、取り扱っているハウスメーカーは多くありません。
天然素材系の断熱材は、以下のとおりです。
- 羊毛(ウールブレス)
- 炭火コルク
2-3-1.羊毛(ウールブレス)の特徴
特徴 |
|
---|---|
熱伝導率 | 0.039 |
厚み | 60 |
熱抵抗値 | 1.50 |
工法 | 充填 |
価格傾向 | 高価 |
羊毛(ウールブレス)は羊の毛を使っているため、湿気を吸い取り、乾燥すると吐き出すといった性質があります。
雨が降った日など、湿度が気になる日には羊毛が湿気を吸収し、晴れた日には羊毛に溜まった湿気を放出するため、自然な調湿が行われるのが特徴です。
しかしながら、熱伝導率の面ではそれほど優れていないため、コストパフォーマンスとしては他の断熱材よりも劣ってしまいます。
2-3-2.炭化コルク
特徴 |
|
---|---|
熱伝導率 | 0.034 |
厚み | 25 |
熱抵抗値 | – |
工法 | 外張り |
価格傾向 | 高価 |
炭化コルクは、ワインの栓やコルクボードに使われているコルクを、炭化させて固めて作っています。
木材由来の調湿性能や防虫効果に優れており、接着剤不使用のものも多いため、アレルギーが気になる方にもおすすめです。
ただし、良質なコルクが少ないことや、材料費がかさむことから値段が高い点には要注意です。
2-4.発泡プラスチック系の断熱材
発泡プラスチック系の断熱材は、プラスチック素材の中に、細かい泡が閉じ込められている断熱材です。この泡の中に空気やガスを閉じ込めることで、熱を伝わりにくくしています。
発泡プラスチック系の断熱材は、以下のとおりです。
- ポリエチレンフォーム
- ビーズ法ポリスチレンフォーム
- 押出法ポリスチレンフォーム
- 硬質ウレタンフォーム
- フェノールフォーム
2-4-1.ポリエチレンフォームの特徴
特徴 |
|
---|---|
熱伝導率 | 0.042 |
厚み | 25 |
熱抵抗値 | 0.59 |
工法 | 充填 |
価格傾向 | 普通 |
ポリエチレンフォームは、ポリエチレン樹脂に発泡剤を加えて作っています。
入り組んだ場所にも敷き詰めやすく、取り扱いやすい断熱材で、耐水性や吸音性に優れている点も特徴です。
ただし、耐熱温度は80度程度であるため、熱には弱いです。
2-4-2.ビーズ法ポリスチレンフォームの特徴
特徴 |
|
---|---|
熱伝導率 | 0.043 |
厚み | 10 |
熱抵抗値 | 0.23 |
工法 | 外張り |
価格傾向 | 普通 |
ビーズ法ポリスチレンフォームの「ポリスチレンフォーム」とは、発泡スチロールのことです。
英語で「Expanded Poly Styrene」ともいい、略して「EPS」と呼ばれることもあります。
発泡スチロールのため非常に軽量で水を吸わないうえ、年月による劣化も遅いですが、耐熱・耐火には劣るため、メインではなく一部の断熱材として使用されることが多いです。
2-4-3.押出法ポリスチレンフォームの特徴
特徴 |
|
---|---|
熱伝導率 | 0.040 |
厚み | 10 |
熱抵抗値 | 0.50 |
工法 | 外張り |
価格傾向 | 普通 |
押出法ポリスチレンフォームは、ビーズ法ポリスチレンフォームと同じ原料を使いますが、作る工程で発泡剤や難燃剤を混ぜ合わせ、押し出してボード状にします。
英語で「Extruded Poly Styrene」といい、「XPS」と略されることがあります。
切断しやすく施工性が広いことから、さまざまな場面で利用されます。
また、EPSよりも断熱性に優れており、安価ですが、性能の低下は早い点には注意です。
2-4-4.硬質ウレタンフォームの特徴
特徴 |
|
---|---|
熱伝導率 | 0.024 |
厚み | 7 |
熱抵抗値 | 0.29 |
工法 | 外張り |
価格傾向 | 高価 |
硬質ウレタンフォームには、工場でボード状に作られたものと、現場で吹き付けて使うものの2種類があります。
近年需要が高いのは、後者の、現場で吹き付けるタイプの断熱材です。
高い断熱性に期待でき、接着力も強いため、経年による劣化は遅いですが、燃えると有毒ガスが発生したり、シロアリにも弱いといったデメリットもあります。
2-4-5.フェノールフォームの特徴
特徴 |
|
---|---|
熱伝導率 | 0.026 |
厚み | 15 |
熱抵抗値 | 0.58 |
工法 | 外張り |
価格傾向 | 高価 |
フェノールフォームは、フェノール樹脂に発泡剤と硬化剤を混ぜて作ります。
熱にとても強く、万が一火が付いたとしても、有毒ガスをほとんど出さないので、防火性を重視したい方にはおすすめです。
また、断熱性が高いことに加え、耐水性に優れ、劣化速度が遅いといった複数のメリットがあり、人気の高い断熱材です。
ただし、断熱材の中でもかなり高価な断熱材であるため、検討する際にはしっかり予算を見て判断してください。
以上が、住宅で使われる主な断熱材の種類です。
最適な断熱材は、住宅のそのほかの性能や造りによって異なるので、家づくりのプランを総合的に見て判断する必要があります。
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3.断熱工法3種類:それぞれの特徴と違い
断熱材によってさまざまな特徴がありますが、断熱性能は断熱材だけではなく、施工方法によっても差が出ます。
断熱材の施工方法は、大きく分けて以下の3つです。
施工方法 | 断熱材例 |
---|---|
充填断熱 (内断熱) |
グラスウール ロックウール セルロースファイバー インシュレーションボード 羊毛 ポリエチレンフォーム |
外張り断熱 (外断熱) |
炭化コルク ビーズ法ポリスチレンフォーム 押出法ポリスチレンフォーム 硬質ウレタンフォーム フェノールフォーム |
付加断熱 |
それでは各施工方法について、詳しく見ていきましょう。
3-1.充填断熱(内断熱)
充填断熱とは、柱や壁の間などに断熱材を敷き詰める断熱工法で、内断熱とも呼ばれています。
壁の内側を利用するため、新たに断熱スペースを作る必要はなく、後述の外張り断熱と比較するとコストを抑えた施工が可能です。
ただし、施工時には柱部分を避けながら断熱材を敷き詰めるため、断熱材が途中で途切れ、気密性を確保しにくいデメリットもあります。
主に充填断熱で利用されることが多い断熱材は、以下のとおりです。
- グラスウール
- ロックウール
- セルロースファイバー
- インシュレーションボード
- 羊毛(ウールブレス)
- ポリエチレンフォーム
3-2.外張り断熱(外断熱)
外張り断熱とは、建物構造躯体の外を断熱材で包み込む断熱工法で、外断熱とも呼ばれます。
柱などで途切れることなく断熱材で家を包み込めるため、充填断熱よりも断熱性能が高い特徴があります。
ただし、充填断熱よりもコストが高いことに加え、経年劣化の影響を受けやすい点には要注意です。
なお、外張り断熱で利用されることが多い断熱材は、以下のとおりです。
- 炭化コルク
- ビーズ法ポリスチレンフォーム
- 押出法ポリスチレンフォーム
- 硬質ウレタンフォーム
- フェノールフォーム
3-3.付加断熱
付加断熱とは、充填断熱と外張り断熱の両方を行う施工方法です。
内側と外側から断熱するため、断熱性は高まるものの、コストも増えてしまいます。
以上が断熱材の主な施工方法ですが、住宅の断熱性能は、断熱材や施工方法のほかに、ハウスメーカーの施工技術によっても大きく左右されます。断熱材や断熱工法を最大限活かすためにも、施工技術の高いハウスメーカーに依頼してください。
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4.住宅に合った断熱材を選ぶ際の注意点
住宅に合った断熱材や工法でなければ、費用をいくらかけても、思うような断熱性能が発揮されないこともあるでしょう。
住宅に合った断熱材を選ぶ際には、以下の2つのことに注意してください。
- 施工技術が影響する
- ハウスメーカーや工務店によって提案が異なる
それぞれ解説します。
4-1.施工技術が影響する
断熱材の効果をしっかりと発揮させるためには、断熱材を隙間なく施工する必要があり、施工技術が重要になります。
当然のことに思えますが、隙間なく施工するのは、断熱材の種類や施工方法によっても難易度が異なります。施工するハウスメーカーが普段から取り扱っている断熱材を用いるのであれば問題ありませんが、慣れない断熱材では、不十分な施工になってしまうこともあるのです。
充分な断熱性能を発揮するためにも、施工を依頼するハウスメーカーは、利用する断熱材や実施する施工方法を得意とするメーカーを選んでください。
4-2.ハウスメーカーや工務店によって提案が異なる
おすすめの断熱材や、施工方法の提案は、依頼するハウスメーカーや工務店によって異なります。
建物の構造や工法といった、さまざまな要素の組み合わせによって、提案内容は変わってくるのです。もちろん、その地域の気候など、エリアごとの要因もあるでしょう。

“鉄骨造より木造のほうが断熱性に優れている?”
次章より、断熱材の性能や高断熱で評価の高いハウスメーカーをご紹介しますが、住宅の断熱性について調べていると、「鉄骨造よりも、木造のほうが断熱性に優れている」という話を聞いたことがあるかもしれません。
これにより、木造を扱うハウスメーカーに絞ってハウスメーカーを探している方もいることでしょう。
確かに、一般的な木造住宅は鉄骨住宅よりも断熱性に優れているというメリットがあります。
しかし、各ハウスメーカーでは高断熱・高気密への取り組みを積極的に行っており、鉄骨造であっても断熱性や気密性に優れた住宅を提供しているハウスメーカーはたくさんあります。
詳しくは「鉄骨造ハウスメーカー」「木造ハウスメーカー」の記事も参考にしてみてください。
5.断熱材の性能や高断熱で評価の高いハウスメーカー4社
ここでは、「1.断熱材の比較項目3つ」でご紹介した比較項目をもとに、断熱材の性能や高断熱で評価の高いハウスメーカー4社を比較してみましょう。
ハウスメーカー | 断熱材 | 熱伝導率 | 厚み | 熱抵抗値 |
---|---|---|---|---|
ミサワホーム |
|
0.38~0.51 | – |
|
三井ホーム |
|
窓:0.016 |
|
– |
アイフルホーム |
|
0.020 | 70 | 3.5 |
一条工務店 | 高性能ウレタンフォーム | – |
|
– |
※プランにより異なる
以下より各ハウスメーカーの特徴を解説するので、ぜひハウスメーカー選びの際の参考にしてみてくださいね。
なお、対応エリアについては公式HPに記載されていないことが多いので、気になる方はHOME4U 家づくりのとびらで聞いてみてください。
また、「ハウスメーカーの数が多すぎて比較が難しい」と感じたら、HOME4U 家づくりのとびら プラン作成依頼サービスであらかじめ自分に合ったハウスメーカーを絞り込んでおくのもおすすめです。
スマホからの簡単な入力だけで自分に合ったハウスメーカーがわかるので、ぜひご活用ください。
5-1.ミサワホーム
ミサワホームの家は、標準仕様で「省エネルギー基準」に対応可能で、収納力や設計力の高さも特徴です。
鉄骨造と木造の住宅商品を扱っています。
断熱材 |
|
---|---|
熱伝導率 | 0.38~0.51 |
厚み | – |
熱抵抗値 |
|
※プランにより異なる
高品質の断熱材と工場生産により、安定した高断熱を実現
ミサワホームの断熱材は工場生産のため、安定した品質に定評があります。
また、適材適所で断熱材を使い分けており、壁・床・屋根にはグラスウールを、天井にはロックウールを採用しています。
断熱材以外にも高断熱性能へのこだわりがあり、1階床の裏側の接合部分を強固に接合したり、壁・天井の下地材にバリア石膏ボードを採用したり、断熱中ブタ付きタイプの床下収納庫を用意したりと、さまざまな工夫で1年中快適な住み心地を実現しています。
引用元:ミサワホーム 公式HP
5-2.三井ホーム
三井ホームは、デザイン性と性能のどちらにも定評があるハウスメーカーで、木造住宅を扱っています。
断熱材 |
|
---|---|
熱伝導率 | 窓:0.016 |
厚み |
|
熱抵抗値 | – |
※プランにより異なる
独自の断熱材や工法が叶える、業界トップレベルの断熱性
壁・床には、一般的なロックウールより約1.3倍も高い断熱性を得られる素材を採用しています。※
屋根には、ビーズ法ポリスチレンフォームを強固に接着。独自の「ダブルシールドパネル」を採用し、高断熱・高耐力かつ、環境にも配慮した家づくりを提案しています。
ほかにも、「アルゴンガス入り高遮熱Low-E複層ガラス」を採用するなど、多くの工夫で業界トップレベルの高断熱住宅を実現しています。※
※メーカー調べ
引用元:三井ホーム 公式HP
5-3.アイフルホーム
アイフルホームは、ローコストハウスメーカーとしても人気があるメーカーで、ネット上で家づくりのプランが進められる安価なプランもあります。また、あらゆる建材や設備機器をグループ会社の商品で揃えられる点も特徴です。
断熱材 |
|
---|---|
熱伝導率 | 0.020 |
厚み | 70 |
熱抵抗値 | 3.5 |
※プランにより異なる
世界最高レベルの熱伝導率が叶える高断熱
独自の高性能断熱パネル「HQP(ハイクオリティパネル)」は、高性能グラスウール(10k)を使用した際と比べ、同等の性能を確保しつつ厚みを半分以下に抑えることができます。
また、HQPの熱伝導率は世界最高レベルの0.020W/m・K。圧倒的な高断熱を叶えてくれます。
住宅の気密測定を標準仕様で実施している点も安心です。
引用元:アイフルホーム 公式HP
5-4.一条工務店
一般的に住宅展示場のモデルハウスはハイスペックに設計されているものが多く、現実的でないプランで建てられていることが多いのですが、一条工務店のモデルハウスは、完成時のイメージが付きやすいよう「標準仕様」で設計されています。
断熱材 | 高性能ウレタンフォーム |
---|---|
熱伝導率 | – |
厚み |
|
熱抵抗値 | – |
※プランにより異なる
断熱材をダブルで重ねる独自の構法を採用
一条工務店では、高性能ウレタンフォームを外壁・天井・床に採用しています。高性能ウレタンフォームは、一般的なグラスウールに比べ、約2倍の断熱性能を誇ります。※
また、高性能ウレタンフォームは湿気にも強く、変形しにくいため住み始めてからの安心が永く続くのもうれしいポイント。
自社グループの工場で生産しているため、一般的に難しい最大140mm厚の製造も実現しています。
内側に140mm、さらに外側に50mmの断熱材を重ねる「外内ダブル断熱構法」を採用し、快適な室内温度を確保します。
※メーカー調べ
引用元:一条工務店 公式HP
以上が、断熱材の性能や高断熱で評価の高いハウスメーカーですが、ほかにも断熱性に優れたハウスメーカーはたくさんあります。
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まとめ
本記事では、住宅の断熱材を比較する際に着目したい項目3点と、断熱材11種の特徴、工法の違いなどについて解説しました。
断熱材には複数種類があり、それぞれに特徴があります。断熱性の高い住宅を建てるには、住まいに合った断熱材を選び、適切に施工しなければなりません。
自分に合った断熱材やハウスメーカーを見極めるのが難しい場合は、無料オンライン相談サービス「HOME4U 家づくりのとびら」や「HOME4U 家づくりのとびら プラン作成依頼サービス」を活用し、効率よくプランを立てていきましょう。
この記事のポイント まとめ
熱伝導率とは、熱の伝わりやすさを表します。熱伝導率が低い断熱材ほど、断熱性が高いです。
詳しくは「1-1.熱伝導率」で解説しています。
セルロースファイバーは木質繊維系の断熱材区分することができ、調湿性能や防音、害虫対策に効果を発揮します。
ほかの断熱材と比べると、価格帯は高い傾向にあります。
詳しくは「2-2-1.セルロースファイバーの特徴」をご覧ください。
断熱材は種類によって価格帯もバラバラです。
一般的に、グラスウールやロックウールは安価な傾向にあり、セルロースファイバーやインシュレーションボードは高価な傾向にあります。
そのほかの断熱材の価格傾向については。「2.断熱材11種類を比較!それぞれの特徴を解説」をご覧ください。
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