住宅ローンの限度額は?年収・年齢別の目安や借入額別シミュレーション

注文住宅を検討する際、多くの方が住宅ローンを組みますが、最適な組み方は人それぞれです。

しかし、自分と同じような状況の人たちがどのように住宅ローンを組んだかがわかれば、1つの指標となり、資金計画を立てやすくなるでしょう。

そこでこの記事では、年収・年齢による住宅ローンの借入額の目安・動向を解説します。

この記事でわかること
  • 年収による住宅ローンの借入額の目安
  • 年齢による住宅ローンの動向
  • 借入額別の住宅ローンシミュレーション

ぜひ最後までお読みいただき、無理のない注文住宅の資金計画に活かしてください。

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住宅ローンを組む際の全体像を把握しておきたい方は「住宅ローンの流れ」の記事もご覧ください。

1.住宅ローンを借りるのに適した年齢とは?

住宅ローンを借りるのに適した年齢とは?

金融機関によっても住宅ローンの利用条件は異なりますが、年齢については20歳以上で借りられることが一般的です。

ただし、完済時の年齢はさまざまで、75歳程度の住宅ローンもあれば、85歳までと定めている住宅ローンもあります。

完済時の年齢は85歳までと定めている場合でも、定年退職までに完済できるように組むケースが多いです。
給与収入よりも年金収入のほうが低くなる傾向にあるため、給与がある時期に返済することで家計を圧迫せずに済みます。

住宅ローンの返済期間を30~35年とすると、定年から逆算すると30代ごろに開始するパターンが多くなります。
実際に、土地付き注文住宅を建てるためにフラット35を利用する方の平均年齢は38.5歳です。

借入額が多くなりそうなときや、月々の返済額を低めに設定したいときは、30代までに住宅ローンを借りるのがよいかもしれません。

以下より2つのポイントを確認し、自分はいつ住宅ローンを借りるのがベストなのか考えてみましょう。

  • 完済時年齢はほぼすべての住宅ローン審査で確認される
  • 注文住宅を建てる方の平均借入額は2,758万円

1つずつ解説します。

参考:住宅金融支援機構「2021年度 フラット35利用者調査

1-1.完済時年齢はほぼすべての住宅ローン審査で確認される

住宅ローンの審査基準については、どの金融機関でも明らかにされていません。

しかし、確認される項目は明らかです。

多くの金融機関で確認される住宅ローン審査の項目
項目 確認する金融機関の割合
完済時年齢 98.7%
健康状態 97.9%
借入時年齢 97.2%
担保評価 96.1%
勤続年数 93.2%
連帯保証 93.1%
返済負担率 93.0%
年収 92.9%
金融機関の営業エリア 90.7%

表中の返済負担率とは、年収に占める年間返済額の割合です。

例えば、フラット35では、年収400万円未満の方の返済負担率は30%以下、400万円以上の方は35%以下と基準を定めています。

年収500万円の方であれば年間の返済額が175万円(500万円×35%)以下になるようにローンの返済計画を立てる必要があります。

参考:国土交通省「令和4年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書

1-2.注文住宅を建てる方の平均借入額は2,758万円

国土交通省の住宅市場動向調査によれば、注文住宅にかかる資金は平均3,935万円です。

内、2,758万円は住宅ローンで、1,177万円(自己資金比率29.9%)は自己資金で調達しています。

なお三大都市圏に限ると、住宅資金は4,504万円、住宅ローンの平均借入額3,037万円、自己資金比率は32.6%です。

住宅資金を全額借りることも不可能ではありませんが、3割程度は準備してから住宅を建てる人が多いと考えられます。

参考:国土交通省「令和4年度 住宅市場動向調査 報告書

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2.年代ごとの住宅購入の動向

年代ごとの住宅購入の動向

年代によって、住宅購入に対するスタンスが変わることがあります。

ここでは、年代ごとに多いと考えられるライフスタイルの変化や、住宅購入の動向について見ていきましょう。

2-1.【20代】住宅購入を考え始める年代

20代は変化の多い年代です。

学校を卒業し、社会人になり、仕事にも慣れてくると後輩や部下を指導するようになります。
また、結婚や独立を機に住宅購入を考える方もいるでしょう。

20代で住宅ローンを組むと長期ローンを組みやすくなるため、高額を借りやすくなることもあります。

例えば、28歳で35年ローンを組むなら、完済は63歳です。
まだ現役で働いている可能性もあり、年金のなかから返済するよりも負担を感じにくいかもしれません。

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2-2.【30代】住宅購入する方がもっとも多い年代

30代は住宅を購入する方がもっとも多い年代です。

20代と比べると年収が高くなっていることも多いため、借入可能な金額が増えることもあります。

30代で住宅ローンを組む場合も、前半であれば30~35年ローンでも定年までに完済できるかもしれません。

また、共働き世帯であれば、夫婦のどちらもがローンを組むペアローンも検討できます。

借りられる金額が増えるだけでなく、返済期間も短縮でき、教育資金や老後資金の計画も立てやすくなります。

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2-3.【40代】建て替える方も増える年代

40代も住宅を購入する方が多い年代です。

子どもが小学校や中学校に進学するのを機に、賃貸から持ち家に変えるケースもあります。

また、20代や30代で住宅を建てた方のなかには、家族やライフスタイルの変化にあわせて建て替えを検討する方もいるでしょう。

40代で住宅ローンを組む場合は、毎月の返済額を少し多めにして返済期間を30年以下に調整することが一般的です。
定年までに完済するように返済計画を立てることで、経済的に余裕のある老後生活を送れるようになるでしょう。

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2-4.【50代】長期ローンは難しくなる年代

50代で住宅を建てる場合、20代、30代と比べると自己資金比率は高くなる傾向にあります。

住宅ローンで借りる金額よりも自己資金が多いケースも多く、住宅ローンによる資金をメインにして住宅を建てるというよりは、自己資金で不足する分だけを借りるといったスタンスになります。

50代で住宅ローンを組む場合は、定年も間近に迫っていることから長期ローンが困難になる点に注意が必要です。

月々の返済額を多めに設定し、返済期間は20年以下に調整するほうがよいでしょう。

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2-5.【60代】老後に備えた間取りを検討する年代

60代で住宅を建てる場合もあります。

例えば、老後に備えてバリアフリー住宅を建てたり、子世帯と同居する二世帯住宅を建てたりすることがあります。

60代で住宅ローンを組む場合も、50代と同様、自己資金で不足する分だけを借りるため、借入額は少なめです。

また、月々の返済額を多めに設定して返済期間を短くしたり、親子リレーローンや親子ペアローンを利用したりすることもあります。

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3.世帯年収ごとの住宅ローンの状況

住宅金融支援機構がフラット35の利用者を対象に実施した調査によれば、土地付き注文住宅を購入する場合の住宅資金の平均は年収の7.5倍でした。

頭金なしの場合と10%・20%・30%の自己資金比率の場合の年収別の借入可能額については、以下の早見表を参考にしてください。

年収別 借入可能額早見表
年収 頭金なし 自己資金10% 自己資金20% 自己資金30%
400万円 3,000万円 2,700万円 2,400万円 2,400万円
500万円 3,750万円 3,375万円 3,000万円 2,625万円
600万円 4,500万円 4,050万円 3,600万円 3,150万円
700万円 5,250万円 4,725万円 4,200万円 3,675万円
800万円 6,000万円 5,400万円 4,800万円 4,200万円
900万円 6,750万円 6,075万円 5,400万円 4,725万円
1,000万円 7,500万円 6,750万円 6,000万円 5,250万円

夫婦でローンを借りるときは世帯年収、どちらか1人が借りるときはローン契約者の年収をベースにします。

ただし、すでに別のローンを借りている場合は、希望する金額を借りられないこともあります。
より詳しい情報については、直接金融機関に相談してください。

以下からは、世帯年収別に住宅ローン利用者層の傾向を解説します。

参考:住宅金融支援機構「2021年度 フラット35利用者調査

3-1.【世帯年収600万円台】住宅ローン利用者のメイン層

年収600万円は、住宅ローンを借りる方が最も多い層です。

住宅購入資金が年収の7~7.5倍の場合、4,200万~4,500万円程度の住宅を購入できます。

頭金として20~30%程度の自己資金を準備する場合は、住宅ローンの借入額は2,940万~3,600万円です。

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3-2.【世帯年収800万円台】住宅ローン利用者も多い

年収800万円の場合、ペアローンを組んだり、配偶者を連帯保証人にしたりするケースもあります。

住宅購入資金が年収の7~7.5倍なら、5,600万~6,000万円程度の住宅を購入できます。

頭金として20~30%の自己資金を準備する場合は、住宅ローンの借入額は3,920万~4,800万円です。

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3-3.【世帯年収1,000万円台】返済負担率を下げやすい

年収が1,000万円の場合は、返済期間を30年以上にしなくても返済負担率を下げやすく、金額にもよりますが住宅ローン審査にも備えやすくなるでしょう。

住宅購入資金が年収の7~7.5倍なら、7,000万~7,500万円程度の住宅を購入できます。

頭金として20~30%の自己資金を準備する場合は、住宅ローンの借入額は4,900万~6,000万円です。

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4.借入額別住宅ローンシミュレーション

借入額別住宅ローンシミュレーション

住宅ローンを組むときは、借入額も重要ですが、毎月の返済額や返済期間も大事です。

毎月の返済額が多すぎると家計が厳しくなりますが、反対に少なく設定すると返済期間が長引き、利息が高額になってしまいます。

ここでは、借入額ごとの返済プランシミュレーションを紹介します。
返済しやすいローンプランの参考にしてみてください。

使用したシミュレーションツール:住宅金融支援機構 シミュレーション

4-1.【借入額2,000万円】返済プランシミュレーション

土地をすでに持っている場合やシンプルかつ小ぶりな住宅であれば、2,000万円台で購入できることがあります。

シミュレーション条件
  • 借入額2,000万円
  • 全期間固定型:適用金利1.5%
  • ボーナス返済なし
  • 元利均等返済方式
シミュレーション結果
返済期間 毎月の返済額 総返済額
20年 9.7万円 2,317万円
25年 8万円 2,400万円
30年 7万円 2,485万円
35年 6.2万円 2,572万円

返済期間が長ければ長いほど毎月の返済負担は軽くなりますが、返済期間20年と35年では、総返済額には255万円もの差ができてしまいます。

注文住宅は大きな買い物になるので、金銭感覚が麻痺して「たいしたことない」と感じるかもしれませんが、255万円もあれば、設備や建材をグレードアップできるので、慎重に考えましょう。

4-2.【借入額3,500万円】返済プランシミュレーション

頭金がない場合でも、3,500万円の住宅ローンを組めば、住宅を購入できることがあります。

シミュレーション条件
  • 借入額3,500万円
  • 全期間固定型:適用金利1.5%
  • ボーナス返済なし
  • 元利均等返済方式
シミュレーション結果
返済期間 毎月の返済額 総返済額
20年 16.9万円 4,054万円
25年 14万円 4,200万円
30年 12.1万円 4,349万円
35年 10.8万円 4,501万円

返済期間を35年にすると、利息だけでも1,000万円を超えてしまいます。

少しでも利息を減らすためにも、無理のない範囲で返済期間を短縮してください。

4-3.【借入額4,000万円】返済プランシミュレーション

土地付き注文住宅でも、広さやエリアを選べば4,000万円台で購入できることがあります。

シミュレーション条件
  • 借入額4,000万円
  • 全期間固定型:適用金利1.5%
  • ボーナス返済なし
  • 元利均等返済方式
シミュレーション結果
返済期間 毎月の返済額 総返済額
20年 19.4万円 4,633万円
25年 16万円 4,800万円
30年 13.9万円 4,970万円
35年 12.3万円 5,144万円

住宅ローンは借入額が大きいため、金利や返済期間、毎月の返済額を少し変えるだけでも総返済額が大きく変わります。

返済しやすい住宅ローンを組むためには、住宅ローンについての知識も必要になってきます。

しかし、注文住宅は考えないといけないことがたくさんあるため、自分たちだけで費用周りの難しい情報を整理しながら収集するのはとても大変です。

注文住宅を検討する際には、無料の相談窓口を利用することも視野に入れておきましょう。

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また、専門アドバイザーは全員ハウスメーカー出身のベテラン。これまでの経験から具体的かつ的確なアドバイスをくれますよ。

営業トークは一切ないので、ぜひ一度相談してみてください。

まとめ

住宅ローンの借入額や返済プランは、年収や年齢の影響を受けます。

資金計画を立てる際には、家づくりのことだけでなく、子供の教育資金や老後資金も考えながら無理なく返済できる住宅ローン計画を立ててくださいね。

この記事のポイント

35年ローン組めるのは何歳まで?

住宅ローンの返済期間を30~35年とすると、定年から逆算すると30代ごろに開始するパターンが多くなります。
実際に、土地付き注文住宅を建てるためにフラット35を利用する方の平均年齢は38.5歳です。

詳細は「1.住宅ローンを借りるのに適した年齢とは?」で解説しています。

年収いくらあれば家が買える?

3.世帯年収ごとの住宅ローンの状況」では、世帯年収ごとの自己資金や住宅ローンの割合、住宅購入資金の目安をお伝えしています。

家は年収の何倍?

住宅金融支援機構がフラット35の利用者を対象に実施した調査によれば、土地付き注文住宅を購入する場合の住宅資金の平均は年収の7.5倍でした。

詳しくは「3.世帯年収ごとの住宅ローンの状況」をご覧ください。

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