地元工務店とは、特定の地域に根ざした建築業者のことです。
地域の気候や地盤などをよく理解したうえで、依頼主に希望に応じた家づくりをしてくれることが多いです。
ただし、依頼した結果、「専門的な知識や技術が不十分だった」「モデルルームがなく完成後のイメージができなかった」などと後悔する声も聞かれます。
この記事では、地元工務店に関する以下の情報をお伝えします。
- 地元工務店を選んで後悔した例
- 地元工務店を含めた各依頼先の特徴
- 地元工務店のメリット･デメリット
ぜひ最後までご覧いただき、大事な家づくりを任せる建築依頼先を探す際の参考にしてください。
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Contents
1.地元工務店や他依頼先の特徴
まずは、家を建てる際の選択肢を把握しておきましょう。
- 地元工務店
- 大手ハウスメーカー･工務店
- 設計事務所
それぞれの特徴を解説します。
1-1.地元工務店
地元工務店は地域に根ざした営業を行っており、地域社会との信頼関係の構築を重視している傾向があります。
そのため、アフターメンテナンスが充実している会社が多いといえるでしょう。
また、その地域の地形や気候を熟知している点や、間接経費を抑えられるために総費用が安く済む点もメリットです。
大手ハウスメーカーが全国で一貫した品質やデザインの家づくりを行うのに対し、それぞれの顧客の要望を反映したオーダーメイドの家づくりを行える点が特徴です。
1-2.大手ハウスメーカー･工務店
大手ハウスメーカーや大手工務店は、自社で生産設備を保有していることが多く、地域にかかわらず一貫した品質とデザインを提供できることを強みとします。
地元工務店同様、アフターメンテナンスのサービスが充実している傾向にあり、会社が倒産するリスクも低いです。
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1-3.設計事務所
設計事務所では、独立した建築家が家づくりのプロセスである設計･施工のうち「設計」を担い、「施工」については工務店に依頼します。
決められた規格は存在せず、依頼主の希望を織り込んだ家をゼロから設計できるので、柔軟な設計やデザイン性の高い家づくりが得意といえます。
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2.地元工務店を選んだ後悔例7選と対策
地元工務店を建築依頼先として選ぶ前に、後悔した例を確認しておきましょう。
- 専門的な知識や技術が不十分だった
- モデルルームがなく完成後のイメージができなかった
- 打ち合わせであまり意見を聞いてもらえなかった
- アフターサービスや保証の説明が不十分だった
- 完成までに時間を要した
- 見積もりが大雑把で追加の支払いがあった
- 建設中に倒産してしまった
それぞれの内容をみていきましょう。
2-1.専門的な知識や技術が不十分だった
地元工務店の中には、昔から続けてきた施工を貫き通している会社も散見されます。
その場合、知識に偏りがあったり、新しい技術を持っていなかったりすることもあるでしょう。
近年はインターネットで容易に情報収集を行えることから、顧客側が「こんな間取り･性能の家にしたい」と考えても、地元工務店が必要な知識や技術を持っていないために、対応できない場合もあります。
地元工務店を選ぶ際は過去の施工事例をチェックし、事前に豊富な専門知識や新しい技術を持っているかどうか、確認しておくとよいでしょう。
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2-2.モデルルームがなく完成後のイメージができなかった
地元工務店は大手ハウスメーカーと違い、モデルルームを持たないこともあります。
それにより、完成後の家のイメージができなかったと後悔している方もいるようです。
ただし、モデルルームを持たない分、建築費用が抑えられているともいえるでしょう。
建築前と建築後でイメージのギャップが生まれないように、その地元工務店が建てた家を見学させてもらえないかどうか、相談してみることをおすすめします。
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2-3.打ち合わせであまり意見を聞いてもらえなかった
地元工務店との打ち合わせで、意見や要望をあまり聞いてもらえなかったという後悔を抱く方もいるようです。
工務店との打ち合わせは、顧客のライフスタイルや家族構成、理想とする暮らしなどを伝えるための重要な場です。しかし、担当者と相性が合わず、思うように要望を伝えられないというケースも少なからず存在します。
工務店を選ぶ際は口コミや施工実績だけで決めるのではなく、契約前に実際に話してみて、その雰囲気を探ってみることも重要です。
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2-4.アフターサービスや保証の説明が不十分だった
アフターサービスに力を入れている地元工務店もある一方で、明確なアフターサービスの内容を定めていない工務店もあります。
そのような工務店を選んでしまうと、完成後の家に住み始めてからトラブルが生じたときに、十分な対応を受けられないこともあるでしょう。
知人の紹介や地元での評判だけでなんとなく契約するのではなく、どのようなアフターサービスや保証を受けられるのかについて、事前に確認することが欠かせません。
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2-5.完成までに時間を要した
家が完成するまでに時間がかかってしまい、地元工務店を選んだことを後悔する事例もあるようです。
大手ハウスメーカーと比べて少ない人数で運営していることもあり、どうしても工期が長くなってしまう傾向にあります。そのため、あらかじめ余裕を持ったスケジュールを組んでおくと安心です。
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2-6.見積もりが大雑把で追加の支払いがあった
見積もりが大雑把で、追加の支払いが生じたことを後悔するケースもあるようです。
大手ハウスメーカーの場合、見積もりに関してもシステム化されており、詳細な見積書を作成してくれる傾向がみられます。
一方、設計･施工･積算のすべてを1人の担当者が行っているような地元工務店では、見積もりが詳細に記載されていない場合もあります。
見積もりを受け取ったら、含まれている工事や建材を確認しておきましょう。
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2-7.建設中に倒産してしまった
施工中に地元工務店が倒産してしまうと、その後の施工や資金面に大きな影響を及ぼします。
また、引き渡し後に倒産してしまった場合も、アフターメンテナンスなどが受けられないという問題が生じるでしょう。
地元工務店の経営状態を把握するのは、容易ではありません。
しかし、ホームページに定期的に施工事例がアップされているか、完成見学会などのイベントが頻繁に行われているかといった点をチェックすることで、受注状況が良好であるかどうかを判断することは可能です。
あるいは無料オンライン相談サービス「HOME4U 家づくりのとびら」でハウスメーカー出身の専門アドバイザーに業界の状況を聞いてみたり、HOME4U（ホームフォーユー）プラン作成依頼サービスで経営状態が安定しているハウスメーカーに絞り込んで比較検討するのもよいでしょう。
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3.地元工務店で家を建てるメリット
ここまで地元工務店を選んだことによる後悔をご紹介しましたが、地元工務店には数多くのメリットがあります。
地元工務店で家を建てる主なメリットは、以下の4点です。
- 臨機応変に対応してもらいやすい
- 建築コストを抑えられる
- 近距離にあるため打ち合わせしやすい
- 地域の気候や地盤に合った家を建てられる
各メリットを解説します。
3-1.臨機応変に対応してもらいやすい
地元工務店のメリットは、臨機応変に対応してもらいやすい点です。
例えば、大手ハウスメーカーの場合、設計図が決定した後の変更はできないことが多いですが、地元工務店ではある程度融通が利く傾向にあります。
間取りについても、規格に沿った形で進める大手ハウスメーカーと違い、比較的自由に決められる可能性が高いでしょう。
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3-2.建築コストを抑えられる
地元工務店に建築を依頼すると、コストを抑えられる点もメリットです。
大手ハウスメーカーではCM広告費や人件費、モデルハウスの維持費用など、住宅以外に多額のコストがかかっているケースが多くみられます。住宅価格には、これらの経費が上乗せされていると考えられます。
一方、地元工務店ではこれらの費用がかからないことがほとんどです。
さらに、施工を自社で行う場合は下請けの会社に支払う費用もないため、建築コストを抑えることが可能です。
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3-3.近距離にあるため打ち合わせしやすい
地元工務店は建築予定地の近郊にあるため、打ち合わせしやすいことも魅力の1つです。
間取りや見積もりについて細かい部分まで気軽に打ち合わせができるため、満足度の高い家づくりが実現しやすくなります。
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3-4.地域の気候や地盤に合った家を建てられる
地元工務店の強みは、その地域の気候や地盤、地域の建築規制などに精通している点です。
例えば、強い日差しや多湿な気候に合った建材の選択や風通しのよい設計など、地域にフィットしたマイホームが叶うでしょう。
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4.地元工務店で家を建てるデメリット
地元工務店に依頼する主なデメリットは以下の3点です。
- 注文住宅の品質は工務店によって左右される
- 知識や技術がアップデートされていないことがある
- 家づくり初心者へのサポートは期待できない
それぞれの内容を解説します。
4-1.注文住宅の品質は工務店によって左右される
技術力や提案力が非常に高い地元工務店もある一方で、そうではない地元工務店もあるのが実態です。
そのため注文住宅の品質は、依頼した工務店によって大きく左右されてしまいます。
地元工務店を選ぶ際は、地域における評判や施工実績などを総合的に考慮する必要があるでしょう。
4-2.知識や技術がアップデートされていないことがある
住宅業界では新しい技術や設備が次々と開発されているものの、最新の技術や知識に関するアップデートを行わないまま、頑なにこれまでの建設方法を貫いている地元工務店も存在します。
情報収集に熱心でない工務店は、建築デザインや提案力にもあまり期待はできません。
過去の施工実績などから、積極的に最新の技術や知識を取り入れている地元工務店かどうかをチェックすることが重要です。
4-3.家づくり初心者へのサポートは期待できない
地元工務店によっては家づくり初心者へのサポートは期待できないことも、デメリットとして挙げられます。
十分なサポートを行うのに必要な人員が確保されている工務店は、少ないのが実情です。
大手ハウスメーカーで行われているような住宅ローンの勉強会や、家づくりに関する助成金申請の案内などは、地元工務店ではないことが多いでしょう。
これらの細やかなサポートを受けられない分、自分でさまざまなことを調べたり、積極的に行動したりすることが求められます。
5.地元工務店に依頼する前にチェックすべき項目
地元工務店に家づくりを依頼する前にチェックすべき項目は、以下のとおりです。
これらのチェック項目を押さえることで、家づくりの後悔を避けやすくなります。
それぞれの項目について解説します。
5-1.施工事例や実績数
評判のよい地元工務店は、施工事例や実績が豊富にあると考えられます。
理想の家づくりが叶う地元工務店かどうかを見極めるために、必ず施工事例や実績数を確認しましょう。
Web上の情報だけでなく、近隣の施工事例があるかどうかを調べ、足を運んで確認することもおすすめです。
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5-2.アフターフォローの充実度
アフターフォローの充実度も、よい地元工務店を選ぶ際に欠かせないチェック項目といえるでしょう。
建てる前よりも建てた後の期間のほうが長いため、アフターフォローのサービスの制度が確立されているか、保証内容や期間は十分かなどを調べることが重要です。
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5-3.地元での評判
工務店のホームページやパンフレットで比較検討しようとしても、注文住宅はプラン内容が1邸ごとに異なるため、情報をまとめるのが難しいです。
このような状況で注目したいのが、地元での評判や口コミです。
地元工務店はその地域に根ざしているため、地域内での評判や噂が広まりやすいです。
地元の知人や親戚などに、おすすめの工務店について尋ねてみるとよいでしょう。
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5-4.倒産のリスク
倒産のリスクの有無も、必ずチェックすべき項目です。
年間の施工件数が明らかに減っていたり、ホームページへの施工事例のアップが定期的に行われていなかったりする場合は要注意です。
工務店のホームページの中の新築案件の施工例のチェックは、怠らずに行いましょう。
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5-5.建築コストの相場感
工務店を比較検討する際は、建築コストの相場感もチェックしましょう。
地元工務店は、大手ハウスメーカーに比べてコストがかからない傾向にあります。
それでも会社によって建築コストの価格帯は異なるため、何社かの見積もりを比較して決めてください。
なお、多くの場合、モデルハウス見学をしたのち、その場で営業担当者と話をし、住宅プラン提案や見積もり作成をハウスメーカーに依頼することになります。
しかし、これから住宅展示場へ行く方の中には、「各社の費用相場や大まかな予算を把握しておきたい」「展示場の回り方を押さえておきたい」という方もいらっしゃるでしょう。
すでに住宅展示場に行った方の中には「〇〇だけが気に入らなかったけれど、妥協すべき…？」とお悩みの方もいるかもしれません。
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まとめ
地元工務店を選択した場合によくある後悔としては、専門的な知識や技術が不十分であったり、完成までに時間を要したり、見積もりが大雑把であったりすることなどが挙げられます。
一方で、高い技術力や提案力を誇る地元工務店もあります。
また、自由度の高い間取りの家を比較的リーズナブルな費用で建てられるといった点は、地元工務店ならではの魅力です。
家の品質は依頼した建築会社によって大きく左右されるため、「自分のこだわりに沿った建築依頼先はどこか」吟味することはとても大事です。最初から1社に決めるのではなく、必ず複数社のプランを比較検討しましょう。
時には無料サポートサービスも活用しながら、効率よく建築依頼先を比較検討してみてくださいね。
ハウスメーカー・工務店探しの基礎知識
