家と土地を売却する基本的な流れ!費用や税金、売却を成功させるコツも解説

家と土地を売却する基本的な流れ!費用や税金、売却を成功させるコツも解説

と土地を売却する際には、手順や費用、税金について把握することが重要です。適切な知識がないと、売却手続きがスムーズに進まず、予期せぬトラブルや出費が発生する恐れがあります。

本記事では、建物や土地の売却の流れや、売却で発生する費用などについてわかりやすく解説します。

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この記事を読むとわかること
  • 建物と土地の売却の具体的な流れ
  • 建物と土地の売却の具体的な流れ
  • 不動産会社の選び方と売却成功のコツ

1.建物と土地の売却の流れ

建物と土地の売却の流れ

建物と土地の売却は複雑そうに思えますが、正しい手順を踏めばスムーズに進められます。ここでは、自分で相場を調べる段階から確定申告を行うまでの一連の流れを解説します。

建物と土地の売却の流れについては、「不動産売却に必要な9つの知識|失敗や損をしない売却のポイント」でも詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

1-1.自分で不動産の相場を調べる

建物と土地を売却する際の最初のステップとして、不動産の相場を自分で調べることが重要です。これにより、自身が所有する不動産の適正な価格がどれくらいなのかを知ることができます。

ただし、不動産の価格は地域や物件の状態に大きく左右されるため、正確な相場を把握することは簡単ではありません。

国土交通省が提供する「不動産情報ライブラリ」や、実際の成約事例が見られる「レインズ・マーケット・インフォメーション」といった複数の不動産情報サイトを併用し、同じエリア内の類似物件の価格を参考にしてみましょう。

1-2.不動産会社に査定を依頼する

自分でおおよその相場を把握したあとは、不動産会社に査定を依頼しましょう。不動産会社は専門知識と豊富な経験を持っているため、正確な査定を期待できます。

ただし、不動産会社によって得意分野が異なるため、査定額にばらつきが出ることもあります。したがって、複数の不動産会社に査定を依頼し「比較」することが重要です。

査定を依頼する際には、雨漏りやシロアリなどの被害状況、リフォームや増築などの修繕履歴といった物件に関する情報を伝えましょう。情報が詳細であるほど正確な査定が可能になります。

複数の査定結果を比較し、物件の市場価値を確認することで、最適な売却価格を設定できるでしょう。

1-3.不動産会社と媒介契約を結ぶ

査定が終わったら、不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約とは、不動産の売買や賃貸を依頼する際に、不動産会社と結ぶ契約のことで、専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3種類です。以下の表を参考にして、それぞれの特徴を理解しましょう。

項目 専属専任媒介契約 専任媒介契約 一般媒介契約
複数の不動産会社との契約 × できない × できない ◯ できる
自分で買主を探す直接取引 × できない ◯ できる ◯ できる
不動産会社からの活動報告 1週間に1回以上 2週間に1回以上 法令上の定めなし
レインズ(※)への登録義務 媒介契約から5日以内 媒介契約から7日以内 法令上の定めなし
契約期間 3か月以内 3か月以内 法令上の定めなし
(行政指導では3か月以内

※レインズとは、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているコンピューターネットワークシステムのこと

不動産会社と希望に合った媒介契約を結ぶことで、スムーズに売却活動を始められます。

媒介契約について詳しく知りたい方は、「高く!早く!手間なく不動産売却 3つの媒介契約をとことん比較!」をご覧ください。

1-4.売却活動を始める

媒介契約の締結後、不動産会社が売却活動を開始します。具体的には、インターネットに広告を掲載したり、新聞の折り込みチラシやポスティングを行ったりして、買い手を見つけます。

売却期間を長引かせないために、不動産会社と定期的に連絡を取り、売却活動の進捗を確認するようにしましょう。

反響が少ない場合は、売り出し価格を見直したり、広告掲載の写真を増やしたりといった工夫が必要です。売却活動を積極的に進めることで、早期の売却が可能となります。

売り出し価格の決め方について、詳しくは「不動産の売り出し価格の決め方と失敗しないコツ|査定価格との違いは?」をご覧ください。

1-5.売買契約の締結

買い手が見つかったら、売買契約を締結します。売買契約書は、物件の売買条件や価格、引き渡し日などを明記した正式な契約書です。

契約内容について理解不足や不備があると、後々トラブルになる可能性があります。契約書の内容を十分に確認し、不明点があったら必ず不動産会社に確認しましょう。

契約締結後には、室内の家具・家電の片付けや抵当権抹消登記の手続きなどを経て、売買代金の支払いと物件の引き渡しが行われます。

1-6.決済・引き渡し・名義変更

売買契約が締結されて物件の引き渡し準備ができたら、決済・引き渡し・名義変更を行います。買い手から売買代金を受け取り、残りのローンがある場合は一括返済を行うことを決済と言います。その後、物件の引き渡しを行い、名義変更の手続きをする流れです。

売却時に必要な書類は多岐にわたるため、分かりにくいこともあるでしょう。スムーズな手続きができるように、不動産会社や司法書士などの専門家のサポートを受けることが重要です。

1-7.確定申告をする

売却によって「売却益」が発生した場合は、不動産を引き渡した年の翌年の2月16日~3月15日の間に確定申告を行います。確定申告は、売却益を申告し、納税を行うための手続きです。

確定申告の手続きは煩雑なため、税務署や税理士に相談し、正確な申告を行いましょう。必要書類を事前に揃えておくことで、スムーズな申告が可能となります。

2.建物と土地の売却で発生する仲介手数料

建物と土地の売却で発生する仲介手数料 

不動産会社を介して建物と土地を売却する際には、仲介手数料が発生します。仲介手数料とは、売却活動にかかる広告費用や契約書類の作成、法律関係の手続きのサポートなど、不動産会社が提供するさまざまなサービスに対する対価です。

仲介手数料は不動産の売却金額に応じて決まり、売却額が高ければ高いほど手数料も高くなります。ただし、手数料の上限は法律で定められており、一般的には、売却価格の3%に6万円を加え、消費税を足した金額です。

下表は、売却価格ごとの仲介手数料の計算方法です。

売却価格 仲介手数料の計算式
200万円以下 売却価格 × 5% + 消費税
200万円超~400万円以下 売却価格 × 4% + 2万円 + 消費税
400万円超 売却価格 × 3% + 6万円 + 消費税

出典:“宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額”. 国土交通省. (2024-06-10)をもとに、お家のいろはが独自に作成

仲介手数料については、「不動産売買の仲介手数料とは?上限額と計算方法も解説」でも詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

3.建物と土地の売却にかかるそのほかの費用

建物と土地の売却には、仲介手数料以外にもさまざまな費用がかかります。例えば、以下の3つです。

  • 売買契約を締結する際に必要な印紙税
  • 不動産登記の変更にかかる登録免許税
  • 売却益が出た場合の所得税

これらの費用を事前に把握しておくことで、売却後の資金計画を立てやすくなります。

印紙税は契約金額に応じて決まります。以下は、印紙税の料金表です。なお、2014年(平成26年)4月1日から2027(令和9年)年3月31日までの間に作成される不動産売買契約書については、印紙税の軽減措置があります。

契約金額 本則税率 軽減税率(※)
10万円~50万円以下 400円 200円
50万円100万円以下 1千円 500円
100万円~500万円以下 2千円 1千円
500万円~1,000万円以下 1万円 5千円
1,000万円~5,000万円以下 2万円 1万円
5,000万円~1億円以下 6万円 3万円
1億円~5億円以下 10万円 6万円
5億円~10億円以下 20万円 16万円
10億円~50億円以下 40万円 32万円
50億円~ 60万円 48万円

出典:“No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置”. 国税庁. (参照2024-06-10)

さらに、売却に際しては不動産登記の変更時に必要な「登録免許税」がかかります。登録免許税は、登記の種類や不動産の評価額によって異なります。

加えて、売却益が発生した場合には、所得税の申告も必要です。特に、所有期間が5年以下の場合は短期譲渡所得として高い税率が適用されるため、注意が必要です。

売却計画は、仲介手数料以外に必要な費用を踏まえたうえで立てましょう。必要な費用をあらかじめ明確にし、予算内でのスムーズな売却を目指すことが大切です。

印紙税については、「不動産売買契約書の印紙代はいくら?不要になる条件や誰が負担するのかも解説」でも詳しく解説していますので、参考にしてください。

4.利益が出た場合は売却後に税金が発生する

所有していた不動産を売却して利益が出た場合、売却益に対して「譲渡所得税」が発生します。譲渡所得税は、売却益から必要経費を差し引いた額に対して課されます。間違った計算をしてしまうと、本来支払わなくてもよい税金を支払うことになる恐れがあるため、注意しましょう。

譲渡所得税を計算するためには、まず譲渡所得を計算します。譲渡所得は、売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いた金額です。

  • 売却価格:建物と土地を売った価格
  • 取得費:売却した建物や土地を購入した際の価格や諸費用(仲介手数料、登録免許税など)
  • 譲渡費用:売却にかかった費用(仲介手数料、解体費用など)

以下の例で計算してみましょう。

・売却価格:5,000万円
・取得費:3,000万円
・譲渡費用:200万円

譲渡所得 = 5,000万円 -(3,000万円 + 200万円)= 1,800万円

この場合、1,800万円に対して譲渡所得税がかかります。

なお、マイホームを売却する場合は、譲渡所得から特別控除(詳しくは後述)となる3,000万円を差し引いた金額が課税譲渡所得となります。

・譲渡所得:1,800万円
・特別控除額:3,000万円

課税譲渡所得 = 1,800万円 - 3,000万円 = 0円

この場合、特別控除が適用されると課税譲渡所得がゼロになります。

また、譲渡所得税は、売却する建物や土地の所有期間によって税率が異なります。

  • 長期所有(5年超):譲渡所得税15%、住民税5%
  • 短期所有(5年以下):譲渡所得税30%、住民税9%

※2037年(令和19年)までは特別復興所得税として各年分の基準所得税額の2.1%が加算されます。

出典:“No.3208 長期譲渡所得の税額の計算”. 国税庁. (参照2024-06-10)
“No.3211 短期譲渡所得の税額の計算”. 国税庁. (参照2024-06-10)をもとに、お家のいろはが独自に作成

なお、上記の例では課税譲渡所得がゼロなので税金は発生しませんが、仮に特別控除を適用できない場合の計算は以下のとおりです。

・課税譲渡所得:1,800万円

・長期所有の場合:譲渡所得税 = 1,800万円 × 15% = 270万円、住民税 = 1,800万円 × 5% = 90万円

・短期所有の場合:譲渡所得税 = 1,800万円 × 30% = 540万円、住民税 = 1,800万円 × 9% = 162万円

不動産売却の節税について詳しくは、「不動産売却時の税金を節税する11の方法を解説!かかる税金の種類とは」をご覧ください。

4-1. 3,000万円特別控除を利用する

「3,000万円の特別控除」という制度は、所有していた自宅を売却した場合に適用され、一定の条件を満たすと売却益から3,000万円を控除できます。これにより、譲渡所得税の対象となる金額を大幅に減らすことが可能です。

特別控除の適用条件には、所有期間や使用状況などが含まれます。具体的な条件などは下表のとおりです。

<3,000万円特別控除の詳細表>
項目 内容
自分が住んでいる家屋を売る

(注)住んでいた家屋または住まなくなった家屋を
取り壊した場合の要件(1)と(2)

自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること。
以前に住んでいた家屋や敷地等の場合には、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。

(1)その敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、
かつ、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
(2)家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、
その敷地を貸駐車場などその他の用に供していないこと。

売った時期 売った年の前年および前々年にこの特例(「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例」によりこの特例の適用を受けている場合を除く)。
またはマイホームの譲渡損失についての損益通算および繰越控除の特例の適用を受けていないこと。
買換えや交換の特例の制限 売った年、その前年および前々年にマイホームの買換えやマイホームの交換の特例の適用を受けていないこと。
他の特例の適用制限 売った家屋や敷地等について、収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと。
災害によって滅失した家屋の場合 その敷地を住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
売手と買手の特別な関係の有無 売手と買手が、親子や夫婦など特別な関係でないこと。
※特別な関係には、生計を一にする親族、家屋を売った後その売った家屋で同居する親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含む。

※特例の適用制限(特定増改築等)または、住宅借入金等特別控除については、入居した年、その前年または前々年に、このマイホームを売ったときの特例の適用を受けた場合、その適用を受けることはできない。

また、入居した年の翌年から3年目までのいずれかの年中に、(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の対象となる資産以外の資産を譲渡し、この特例の適用を受ける場合にも、(特定増改築等)住宅借入金等特別控除の適用を受けることはできない。

出典:“No.3302 マイホームを売ったときの特例”. 国税庁. (参照2024-06-10)

例えば、建物と土地を売却して5,000万円の売却益が出た場合、3,000万円の特別控除を利用すると、課税対象となる売却益は2,000万円になります。これにより、支払う税金が大幅に減少します。

・売却益:5,000万円
・特別控除:3,000万円

課税対象額:5,000万円 - 3,000万円 = 2,000万円

この特別控除を利用するためには、確定申告時に適用を申請する必要があります。適用条件を満たしているかどうかをあらかじめ確認し、必要な書類を準備しておきましょう。

4-2.建物には消費税がかかる

個人が居住用の建物を売却する際には、売却価格に対して消費税はかかりません。これは、居住用建物の売却が非課税取引とされるためです。

土地についても消費税はかからないため、居住用の建物と土地を一緒に売却する場合、消費税の心配はありません。ただし、事業用や賃貸用の建物の売却には消費税が適用されることがあります。

例えば、事業用建物の売却価格が2,000万円であれば、適用される消費税率10%により200万円の消費税が発生します。この消費税は売却益から差し引かれ、最終的な手取り額に影響を与えます。

事業用不動産の売却を考える際には、事前に消費税の計算をし、予算に組み込んでおくことが重要です。売主の物件によって、消費税が発生するかどうかが変わることを知っておきましょう。

5.建物と土地の売却を成功させるには不動産会社選びが大切

建物と土地の売却を成功させるには不動産会社選びが大切

建物と土地の売却を成功させるためには、適切な不動産会社を選ぶことが非常に重要です。どの不動産会社に依頼するかで、売却の期間や価格に大きな影響があります。

しかし、不動産会社を選ぶ基準や、具体的な選び方についてはあまり知られていないのが現状です。信頼できる不動産会社に出会うためには、以下のようなポイントを押さえましょう。

  • 過去の売却実績が豊富な会社を選ぶ
  • 地域の相場や特性を詳しく理解している会社を選ぶ
  • 問い合わせへの対応が迅速で説明が丁寧な会社を選ぶ

下記チェックリストをぜひご活用ください。

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まとめ

建物と土地を売却する際の流れや税金について具体的に説明してきましたが、最も重要なのは信頼できる不動産会社を選ぶことです。不動産会社の選び方1つで、売却の成功が大きく左右されることを理解しておきましょう。また、税金や費用についてもしっかりと把握しておくことで、予期せぬ出費を避けることができます。

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