マンション売却を検討するなら、最初に見積もりを取らなくてはいけません。
しかし、どのように見積もりを取ればいいか分からずお困りの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、マンション売却時に見積もりを取る方法をわかりやすく解説します。
- マンション売却時に見積もりを取る方法
- 見積もりを取るときの注意点
- 見積もり依頼を成功させるポイント
この記事を読めば、見積もりについて基本的なことが理解でき、不動産会社に安心して売却を依頼できるようになるでしょう。
マンションの売却について基礎から詳しく知りたい方は『マンション売却の流れ』も併せてご覧下さい。
- 「マンションを売りたいけど、どうしたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を
- 「不動産一括査定」なら複数社に査定依頼でき”最高価格(※)”が見つかります ※依頼する6社の中での最高価格
- 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます
1.マンションの見積もりとは?
マンションの見積もりとは、不動産会社に査定をしてもらい、売れる見込みのある価格を算出してもらうことです。
ここでは、マンションの見積もりとはどのようなものなのかを詳しく解説します。
1-1.マンション売却時の見積もりの必要性
前提として、なぜマンションを売却するときに見積もりをとる必要があるのかを確認しておきましょう。
見積もりをとる主な理由は以下の2点です。
- いくらで売り出すのが適当かを調べるため
- 住宅ローンを完済できるか確認するため
マンションの売り出し価格は、相場をもとに設定します。
そのため見積もり価格は、現在売り出しているマンションや、過去の取引データから相場を割り出して決めるのが一般的です。
周辺の相場に比べてあまりに高かったり、逆に安かったりすれば売れ残るおそれがあるため、適正価格で売り出しを開始します。
また、抵当権が残ったままではマンションを売ることはできないため、抵当権を外す手続き(抵当権抹消登記)を行わなくてはいけません。
抵当権抹消登記を行うためには、住宅ローンを完済していることが前提です。
そのため、マンションを売却することで住宅ローンを完済できるか事前に確認する必要があります。
以上の2点を明確にするために見積もりが必要なのです。
1-2.マンションの見積もり方法の種類
不動産会社が行う、マンションをはじめとした不動産の見積もり方法には、「訪問査定」と「机上査定」があります。
それぞれの概要は以下の通りです。
机上査定 | 訪問査定 | |
---|---|---|
算出方法 | 過去の取引事例や路線価など情報だけを元に金額を算出する | 実際に物件に足を運び、外部・内部の状況を調べて見積価格を算出する |
期間目安 | 1~3日程度 | 1週間程度 |
正確性 | 実際の見積もり価格と大幅に乖離する場合もある | 机上査定に比べると正確性が高い |
さらに詳しく解説します。
1-2-1.机上査定
「机上査定」とは、不動産会社の担当者が実地に出向かず、データを用いて大まかな売却価格を算出する方法です。
使用するデータは、類似物件の過去の売買価格や査定時の市場状況、周辺路線価など。
実際の物件を見ずに査定結果を得られることから、「簡易査定」と呼ぶ場合もあります。
机上査定のメリットは、依頼に手間がかからない上に、短時間で見積もり価格を知ることができる点です。
不動産会社に電話やメールで査定を依頼すれば、最短即日、遅くても3日程度で結果を知らせてもらえます。
依頼にあたって、書類を用意する必要もありません。
不動産情報と連絡先などの個人情報を入力すれば依頼が可能です。
一方、デメリットは、実売価格とかけ離れるおそれがある点です。
マンションの売り出し価格は、部屋の傷み具合、リフォームの有無、日当たり、周辺の生活環境などさまざまな点を踏まえて判断しなければなりません。
机上査定は参考値を知るため程度にとらえておきましょう。
なお、マンションの査定だけ依頼したい場合は、マンション査定シミュレーションサイトを利用すると便利です。
1-2-2.訪問査定
訪問査定とは、不動産会社の担当者が実地へ足を運び、物件の状態を確認した上で見積もり価格を出す方法です。
不動産の基本情報や所有者のヒアリングなどの結果も考慮されます。
訪問査定のメリットは、精度の高い見積もり価格が得られる点です。
訪問査定であれば、机上査定よりも、はるかにさまざまな情報を踏まえて査定を行うことができるため、より精度の高い見積もり価格が得られます。
また、不動産会社の対応をチェックできるのも、訪問査定ならではのメリットです。
訪問査定での対応がよかった不動産会社から、実際に依頼する不動産会社を決めるケースは少なくありません。
対面で話をすれば、対応に問題がないかより見極められるでしょう。
訪問査定のデメリットは、結果が出るまでに時間がかかる点です。
用意すべき書類も多いため、手間がかかると感じる方もいるかもしれません。
まずは、机上査定でおおよその見積もり価格を知り、さらなる裏付けを訪問査定で得る形で使うのが望ましいでしょう。
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1-3.マンションの見積もりで重視される要素
マンションの見積もり価格は、さまざまな要素から算出されます。
ここでは、特に重視される要素として、以下の2点について見ていきましょう。
- 築年数
- 立地
1-3-1.築年数
一般的に築年数が浅いほど、見積もり価格は高くなります。
以下のグラフからも分かるように、年数の経過とともに価格の下がり方は顕著です。
出典:公共財団法人 東日本不動産流通機構「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2020年)」
ただし、築年数が古くても以下の要素が備わっていれば、見積もり価格が高くなる可能性があります。
- 最寄り駅から1分など、立地条件が非常に良い
- 駅や大規模なショッピングセンターができる予定がある
1-3-1.立地
マンションの立地も見積もり価格に影響する要素です。
たとえば、以下の施設がマンションの周辺にある場合、見積もり価格は高くなると考えられます。
- 駅、バス停
- コンビニ、スーパー
- 病院などの医療機関
都市圏においては、電車やバスが主要な交通手段となっているため、駅やバス停から近いマンションは高くされやすい傾向です。
最寄り駅から複数路線が使えたり、急行や特急などが停車したりする場合は、さらに高くなる可能性も出てきます。
コンビニやスーパーなど、生活必需品を揃えられる商店や病院などの医療機関が徒歩圏にあるマンションも、その便利さから見積もり価格を高く評価してもらえるでしょう。
1-4.マンションの見積もり依頼時の必要書類
マンションの積もりを依頼する際に、一般的に用意するよう求められる書類をご紹介します。
見積もり依頼時の主な必要書類
- 登記済権利証(登記識別情報)
- 固定資産税納税通知書
- 売買契約書
- 重要事項説明書
- 建物の図面・仕様書
- 管理規約
- 維持費等の詳細情報
- 建築設計図書・工事記録書
マンションに限らず、不動産を売却する際は、登記済権利証(登記識別情報)と固定資産税納税通知書の2点は必須です。
- 登記済権利証(登記識別情報):
登記名義人が対象物件の所有権を保有していることを公的に証明する書類 - 固定資産税納税通知書:
固定資産税納税額の確認や所有権移転登記時の登録免許税の算出に必要な書類
その他の書類の入手先は以下の通りです。
書類 | 入手先 |
---|---|
売買契約書 | 購入時に利用した不動産会社 |
重要事項説明書 | 購入時に利用した不動産会社 |
建物の図面・仕様書 | マンション管理会社 |
管理規約 | マンション管理会社・管理組合 |
維持費等の詳細情報 | マンション管理会社・管理組合 |
建築設計図書・工事記録書 | マンションの施行会社もしくは販売会社 |
紛失したなど手元にない場合は、問い合わせて送ってもらいましょう。
次の章では、マンション査定の注意点をご紹介します。
2.マンションの見積もりに関する注意点
ここからは、マンションの見積もりを依頼する際に注意すべきポイントをご紹介します。
- 見積もり価格が高すぎる
- 見積もり価格が低すぎる
- 実売価格によって費用が変更される
- 仲介手数料の金額を確認しておく
- マンション見積もりにリフォームが影響しないケースもある
- 必要書類を用意しておく
- より精度の高い査定を望むなら「訪問査定」を選ぶ
詳しく見ていきましょう。
2-1.見積もり価格が高すぎる
見積もり価格が高すぎる場合、以下のいずれかの理由が考えられます。
- 得意エリアにある物件なので自信がある
- 媒介契約を取るために高い価格を提示した
不動産会社にとって得意エリアにしている物件の売却であれば、ある程度集客でき、販売につなげられる見込みがあります。
そのため、自信を持って高い見積もり価格を提示してくることも珍しくありません。
このようなケースであればさほど問題はありませんが、そうした背景がないにもかかわらず高い見積もり価格を提示してくる場合は注意が必要です。
単に媒介契約を取るために高く提示している可能性があります。
不動産会社は媒介契約を結ばないと、マンションの売却活動はできず、仲介手数料も受け取れません。
相場より大幅に高い見積もり価格を提示された場合は、必ず査定額の根拠を訊ねるようにしましょう。
2-2.見積もり価格が低すぎる
提示された見積もり価格が低かった場合、以下のような理由が考えられます。
- 受け取れる仲介手数料が少ないので自社で対応したくない
- 競合物件が多く売却活動が長引くと考えている
- プロの視点からも売りづらい物件と判断された
不動産会社は、得られる仲介手数料が少ない物件の対応には消極的になりがちです。
仲介手数料は売却価格によって、以下のように変化します。
取引価格(税別) | 仲介手数料 |
---|---|
200万円以下 | 売却価格の5%+消費税 |
200万円超400万円以下 | 売却価格の4%+2万円+消費税 |
400万円超 | 売却価格の3%+6万円+消費税 |
たとえば3,000万円のマンションを売却したとすると、仲介手数料は105万6,000円です。
しかしマンションの売値が500万円だった場合、仲介手数料は23万1,000円にしかなりません。
金額が大幅に低くなるため、見積もり価格をあえて低く提示し、売主から断わられるよう仕向けることがあるのです。
競合物件が多く売却活動が長引くと考えられる場合も、見積もり価格を安く提示することがあります。
さらに、プロの視点から「売りづらい物件」と判断された場合も、見積もり価格は低く提示されがちです。
- 同じマンション内での売り出しが多い
- もともと集客がしづらいエリアにある
- 周辺エリアで事件があった
上記の事情が背景にある場合、売りづらい物件と判断されるかもしれません。
2-3.実売価格によって費用が変更される
マンションを含めた住宅を売却する際の費用は、実売価格によって変動するため注意が必要です。
一般的に、マンションを売却する際は、以下の費用がかかります。
費用名 | 費用 | 支払時期 |
---|---|---|
仲介手数料 | (売却額 × 3% + 6万円) + 消費税(400万円超の場合) | 売買契約時と決済後 |
印紙税 | 1,000円∼6万円 | 売買契約書の作成時 |
抵当権抹消費用 | 1,000円(司法書士に依頼する場合1万∼5万円) | 移転登記時 |
住宅ローン返済手数料 | 5,000円~3万円 | ローン返済時 |
譲渡所得税 | 所得税額(短期) = 売却益 × 30.63% 所得税額(長期) = 売却益 × 15.315% |
確定申告後 |
ハウスクリーニング費用 | 3万∼10万円 | クリーニング実施後 |
契約書類発行費用 | 300円/枚 程度 | 書類発行時 |
これらの費用は定額ではないので、状況に応じて変化します。
売り出し時点と売却時点で変わることがあるため、注意が必要です。
2-4.仲介手数料の金額を確認しておく
マンションを売却する際は、仲介手数料の金額を確認しておきましょう。
不動産会社が受け取れる仲介手数料は、以下のようにマンションの売買代金により上限が定められています。
取引価格(税別) | 仲介手数料 |
---|---|
200万円以下 | 売却価格の5%+消費税 |
200万円超400万円以下 | 売却価格の4%+2万円+消費税 |
400万円超 | 売却価格の3%+6万円+消費税 |
この金額以上の仲介手数料や一般的な広告費用を出すよう求められても、支払う必要はありません。
宅地建物取引業法によって「規定によらない報酬の受領の禁止」が定められているため、不動産会社が規定外のサービス料を顧客に支払わせるのは違法となります。
2-5.マンション見積もりにリフォームが影響しないケースもある
マンションを売却する際、リフォームを行っても見積もり価格によい影響を及ぼすとは限りません。
「できるだけ安く中古マンションを購入して自分の好みにリノベーションしたい」と考えている購入希望者もいます。
このような場合、リフォーム費用を上乗せするとかえって敬遠されてしまうでしょう。
2-6.必要書類を用意しておく
必要な書類は事前にもれなく用意してください。
特に「登記済権利証(登記識別情報)」や「固定資産税納税通知書」は、どの不動産会社であっても必要です。
なお、登記済権利証(登記識別情報)を紛失した場合は、「事前通知」もしくは「資格者代理人による本人確認情報の提供の制度」を利用します。
- 事前通知:
本人確認のために登記所が郵送にて問い合わせを行うこと - 資格者代理人による本人確認情報の提供の制度:
司法書士などの資格者代理人に本人確認情報を提出してもらうこと
どちらで進めるかは、不動産会社の担当者に相談してみると良いでしょう。
また、固定資産税納税通知書を紛失した場合は、名寄帳(固定資産物件一覧)を取得することで同じ内容が確認できます。
この場合も、不動産会社の担当者に一度相談するのがおすすめです。
2-7.より精度の高い査定を望むなら「訪問査定」を選ぶ
より精度の高い査定を望むなら、訪問査定を選びましょう。
机上査定をしたとしても、見積もり価格はあくまで概算です。
実際の見積もり価格は、物件の状態や周辺環境など、他の要素を踏まえないとわかりません。
まずは机上査定を複数の会社に依頼し、その中から2~3社ピックアップして、訪問査定を依頼するとスムーズです。
複数社に査定を依頼する際は、全国から厳選された2,300社を超える不動産会社の中から、最大6社に査定依頼ができる不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)をご活用ください。
NTTデータグループが運営するサービスなので、安全に、そしてスムーズに不動産会社選びができます。
3.マンションの見積もり依頼を成功させるポイント
マンションの見積もりを依頼し、満足のいく結果を得るためには、押さえるべきポイントがあります。
ポイントを外してしまうと、なかなか売却が成立しなかったり、想定より低い価格で売却することになったりするので、注意が必要です。
ここでは、具体的なポイントとして以下の点を解説します。
- 売却相場を把握しておく
- 複数の不動産会社に依頼する
- 査定価格の根拠を明らかにする
ひとつずつ見ていきましょう。
3-1. 売却相場を把握しておく
マンションの見積もりを依頼する前に、自分で売却相場を調べておきましょう。
提示された価格が高すぎる、あるいは低すぎるかは、相場を知らないと判断できない部分もあるためです。
マンションの売却相場は、以下のサイトで調べることができます。
- レインズマーケットインフォメーション
- 土地総合情報システム
- 物件検索サイト
これらのサイトのうち、レインズマーケットインフォメーションと土地総合情報システムは、実際の取引価格が掲載されています。
前者は不動産流通機構、後者は国土交通省が運営しているため、情報の信ぴょう性も高いです。
この2つをメインで使い、参考情報として物件検索サイトを使うと良いでしょう。
3-2. 複数の不動産会社に依頼する
見積もりは複数の不動産会社に依頼することをおすすめします。
1社のみに依頼した場合、見積もり価格の比較検討ができません。
結果的に極端に高い、あるいは低い見積もり価格を提示していることに気づけず、売却活動が難航するおそれがあります。
依頼する不動産会社を選ぶ際は、次の点に着目してください。
- そのエリアでの実績を豊富に有しているか
- 担当者との相性が良いか
また、大手の不動産会社か、地域密着型の不動産会社を選ぶかも問題となり得ます。
それぞれのメリット・デメリットは、以下の表の通りです。
メリット・デメリット | 大手 | 地域密着型 |
---|---|---|
メリット |
|
|
デメリット |
|
|
複数社に見積もりを依頼する際は、NTTデータグループが運営する一括査定サイト「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」がおすすめです。
「不動産売却 HOME4U」はカンタンな情報を入力するだけで、全国の優良な不動産会社2,100社のなかから、6社を選んでまとめて査定依頼ができます。
ぜひ「不動産売却 HOME4U」で比較して、信頼できる最適な不動産会社を見つけてください。
3-3. 査定価格の根拠を明らかにする
マンションの見積もり価格を提示されたら、必ず根拠を聞き出しましょう。
特に、相場より高すぎる(安すぎる)価格だった場合は、注意が必要です。
相場より大きくかけ離れた価格を提示してくる場合、売り手側にとって不利になる事情が潜んでいる可能性があります。
査定書に書かれている周辺の売買状況、売出・成約事例、周辺環境、用途地域、ハザードマップなどの内容を確認し、「なぜ、この価格なのか」聞き出すことが大切です。
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この記事のポイントまとめ
マンションの見積もりとは、不動産会社に査定をしてもらい、売却可能価格を算出してもらうことです。
売却する際に見積もりが必要な理由は以下の2つです。
- 住宅ローンを完済できるか確認するため
- いくらで売り出すのが適当かを調べるため
詳しくは「1.マンションの見積もりとは?」をご覧ください。
マンションの見積もりを依頼するときは、以下の点に注意してください。
- 見積もり価格が高すぎる
- 見積もり価格が低すぎる
- 実売価格によって費用が変更される
- 仲介手数料の金額を確認しておく
- マンション見積もりにリフォームが影響しないケースもある
- 必要書類を用意しておく
- より精度の高い査定を望むなら「訪問査定」を選ぶ
詳しくは「2.マンションの見積もりに関する注意点」をご覧ください。
マンションの見積もり依頼を成功させるポイントは、以下の3つです。
- 売却相場を把握しておく
- 複数の不動産会社に依頼する
- 査定価格の根拠を明らかにする
詳しくは「3.マンションの見積もり依頼を成功させるポイント」をご覧ください。