家の売却に関する相談はどこに?状況別の相談先と無料相談を紹介

家を売却するときには、不動産取引や登記、税金など専門的な知識が求められます。

家の売却で失敗する事態を防ぐためにも、必要に応じて専門家に頼ることが大切です。専門家に相談する際には「誰が、どのような強みを持っているのか」を確認しましょう。

こちらの記事では、家を売却するときの相談相手を解説します。家の売却で失敗するリスクを軽減したい方は、参考にしてみてください。

この記事を読むとわかること

  • 家を売却するときの相談相手
  • 各相談相手の専門領域や得意分野
  • 家を売却する際の基本的な流れ
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1.家売却に関する相談先一覧

家を売却するなら、不動産会社に相談するのが基本です。
ただし、売主の悩みや不動産の状態によっては、他の専門家への相談が適切な場合もあります。

以下で、状況事に合わせた適切な相談先を確認していきましょう。

1-1.不動産会社:売るための相談全般

家を売るための全般的な相談に関しては、不動産会社に行います。

不動産売却での不動産会社の役割は、売却を仲介することです。
買主の発見から、契約の締結、引き渡しまで、売却活動を全面的にサポートしてくれます。
ほかにも、実際に売り出す金額を決める際の材料となる査定や、売り出したあとの販売戦略に関するアドバイスも提供してくれる存在です。

いわば「売却をさせる専門家」なので、売却のために必要な情報は適切にアドバイスしてくれます。
例えば、不動産に売却できない事情や問題がある場合は、それについての解決策等も教えてくれるでしょう。
ただし、不動産会社の業務はあくまで仲介であるため、それら問題の解決は別途、他の専門家への依頼が必要になる場合もあります。

なお、売るための情報は当然教えてくれますが、売主が個別に抱えている悩みや要望に関して、すべての不動産会社が親身になってくれるとは限りません。
そのため、複数の不動産会社に相談して、信頼できる不動産会社を見つけることをおすすめします。

不動産会社への相談はまず査定から。不動産の現状を理解してもらうためにも、複数社に査定を依頼しましょう。
NTTデータグループが運営する不動産一括査定サービスの不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)なら、全国から厳選された2,300を超える不動産会社の中から、最大6社にまとめて査定依頼ができます。
優良不動産会社だけを簡単に比較できるので、信頼できる不動産会社も見つけやすくなります。ぜひご活用ください。

1-2.金融機関:住宅ローンに関する相談

借入中の住宅ローンの返済に関する相談は、融資を受けた金融機関へ行います。

金融機関では、住宅ローン残債の確認や売却に際しての住宅ローンの返済方法、不動産に設定されている抵当権の処理に関する相談が可能です。

前提として、家を売却するには住宅ローンの完済と抵当権の抹消が必要です。
家の売却金額を決済する際に住宅ローンを完済することもできますので、その点も不安があれば聞いてみましょう。

住宅ローンのある家を売却する段取りは、もちろん不動産会社も熟知しています。
ただ、債権者である金融機関に相談し、売却の意思を伝えることは、非常に誠実な対応とも言えます。

一方で、住宅ローンが完済できない状態での売却を考えている方は、最初に金融機関へ相談しないようにしましょう。
不動産を売却しても住宅ローンが完済できない場合は、任意売却という方法をとりますが、金融機関との交渉が必要になるため、任意売却に強い不動産会社へ事前に相談することをおすすめします。

1-3.土地家屋調査士:土地の境界などの相談

土地の境界を確定したいときや境界があいまいなときなどは、土地家屋調査士へ相談します。
土地家屋調査士は、土地や建物に関する調査と測量を行う専門家です。

敷地の境界線を確定させる測量や登記をはじめ、土地の一部を売りたい場合の分筆や、建物の現況が一致していない場合の増築登記などの相談、依頼ができます

不動産の売却前に土地の測量等が必要になるかどうかは、まず不動産会社に相談することをおすすめします。
不動産会社は測量を行えませんが、現地での査定や登記情報の確認を行うため測量の必要がありそうなら、アドバイスをもらえます。

土地家屋調査士への依頼は、費用が高額になる場合もあります。
例えば、境界線の確定測量を行う場合は35万円~80万円の費用がかかりますので、不動産会社と相談しながら慎重に決めていきましょう。

信頼できる不動産会社をスムーズに探したい方は、最大6社にまとめて査定依頼ができる不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)をご活用ください。

1-4.司法書士:登記手続きに関しての相談

家の登記手続きに関する相談は、司法書士に行いましょう。司法書士は登記や供託の手続きを行う専門家です。

不動産売却では、抵当権抹消登記所有権移転登記に関する依頼をする方がほとんどで、他にも家の権利証や登記識別情報通知を紛失してしまった場合の本人確認情報の作成についても相談できます。

抵当権を抹消する手続きを司法書士に依頼した場合の費用は2万~3万円程度、所有権移転登記の手続きは5万円程度が相場です。
なお、所有権移転登記に関する司法書士への報酬は、買主が負担するのが一般的です。

1-5.税理士:税金に関する相談

税金や確定申告に関する内容は、税理士に相談しましょう。

税理士には、家の売却に伴う税金についての相談の他、確定申告の代行も依頼できます。

不動産の売却益と、売却益にかかる税金の計算は、初めて不動産を売却する方にとっては難しくも感じるでしょう。
確定申告書の作成から申告までを代行してもらうことで、売却にかかわる手間を大きく減らせます。

ただ、最近ではe-Taxを使ってオンラインで簡単に確定申告ができます。
国税庁の確定申告書作成コーナーで確定申告書を作成すれば、指示通りに情報を入力するだけで、税額の計算までが自動で行えます。

税理士への相談は相談料が発生するほか、確定申告の代行には家の売却金額に応じた報酬が必要になるため、まずは自力で調べてみることをおすすめします。

1-6.弁護士:相続・離婚やトラブルに関する相談

相続や離婚が絡んだ売却に関する悩みやトラブルについては弁護士に相談しましょう。
弁護士は相手方との交渉裁判での手続きなどを行えます。

遺産相続協議や離婚時の財産分与が円滑に進まなかった時、隣地所有者や買手との間に起きたトラブル解決時など、弁護士が間に入ることで解決しやすくなるでしょう。

弁護士事務所の中には、無料相談を受け付けいている場合もあるので、まずは電話等で気軽に相談してみましょう。
無料相談以降は、各種費用がかかります。
相場として、相談料が1時間1万円ほど、着手金が10~30万円、また成功報酬として依頼者が得た利益の20~30%程がかかります。
不動産が関わるトラブルに強い弁護士を見つけたら、必要な費用を見積もってもらいましょう。

2.相談先に困ったら宅建協会の無料相談がおすすめ

全国の宅地建物取引業協会では、不動産に関する無料相談を行っています。
相談先も分からないような悩みを抱えている方は、まず宅地建物取引業協会に相談してみましょう。

無料相談で解決できない問題がある場合は、土地家屋調査士や税理士など、誰に相談すべきか教えてくれます。

全国宅地建物取引業協会連合会では、不動産全般に関する無料相談のほかに、以下のような相談が可能です。

内容 相談方法
一般相談 不動産に関するさまざまな相談に専門の相談員が対応 電話または都道府県宅建協会へ来所
不動産税務に関する電話無料相談 不動産に関する税金全般の相談に税理士が対応 電話のみ(03-5821-8181)
不動産契約書及び重要事項説明書に関する電話無料相談 不動産契約書および重要事項説明書書式に付随(ふずい)する内容について相談員が対応 電話のみ(03-5821-8111)
弁護士による宅建業に係る無料電話法律相談(宅建協会会員限定) 宅地建物取引および付随する法律事項について弁護士が対応 電話のみ(完全予約制)

“無料相談”.全国宅地建物取引業協会連合会(参照2024-06-25)』をもとに、お家のいろはが独自に作成

各都道府県の宅地建物取引業協会によっては、不動産鑑定士による相談(物件調査のポイントや重要事項説明書作成の相談)や一級建築士による相談(建築一般、住宅の現状の検査などの相談)にも対応しています。

お住まいの地域の宅建協会でどのような相談を行っているのか、各都道府県の宅地建物取引業協会ホームページを確認してみましょう。

3.相談前に知っておきたい家売却の基本

家の売却には、不動産についての権利や契約が関わるため、非常に難しい印象を持たれる方も多くいます。
ただ、不動産会社のサポートがあれば、不動産の知識がなくとも売却は可能です。

1章で解説した専門家への相談を考える前に、売却についての簡単な基礎知識を知っておくと、そもそも相談が必要かどうかを判断できるかもしれません。
以下では、家売却の基礎である「家の売り方」「家を売るまでの流れ」「利益が出た場合の確定申告」について簡単に解説します。

3-1.家の売り方

家の売り方として以下の3種類が挙げられます。

  • 仲介:不動産会社が買主を見つけて売却
  • 買取:不動産会社に直接売却
  • 個人間売買:不動産会社を通さずに売却

3つの売却方法

上記のうち仲介が最も一般的な売却方法です。

仲介では、購入希望者を募集する売却活動から、買主と結ぶ契約、引き渡し・決済にわたって不動産会社がサポートしてくれます。
そのため、売主に不動産の知識は必要ありません。
仲介手数料がかかりますが、売り出し価格で募集をかけて購入希望者を募る仕組みのため、市場価格で売却できます。

買取は、不動産会社に直接売却する方法で、仲介で売却した場合の金額と比べると7~8割ほどの価格で取引されます。
現金化までが早く、購入希望者を募集する手間がありませんが、一般的な方法ではありません。

個人間売買には、不動産に関する専門的な知識が必要で、かなり難しい売却方法と言えます。
親族や知人への売却、専門知識を有する個人の売却で利用されることがありますが、一般的ではありません。

3-2.家を売るまでの流れ

不動産会社に仲介を依頼する場合、家を売り出してから実際に売るまでの流れは以下のとおりです。

全体の流れと家を売るのにかかる期間

個人で不動産を売却するノウハウがない場合は、不動産会社への相談が必要不可欠です。
まずは、不動産会社に査定を依頼して、家の正しい価値を知るとともに、相談がしやすい信頼できる不動産会社を選びましょう。
この時、不動産一括査定サービスの不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)を利用するなどして、複数の不動産会社を比較しておくことをおすすめします。

売却を頼みたい不動産会社を選んだら媒介契約を結びます。
媒介契約は、不動産会社に売却の仲介を依頼するために必要な契約です。

売り出しが開始されると、不動産会社が購入希望者を募集します。
順次内覧の予約が入りますが、必ずしも売主が立ち会う必要はありません。積極的に売却活動に参加したい方は、内覧に立ち会いましょう。

購入希望者の購入意思が固まると、売主へ買付証明書が送られます。
買付証明書は、購入の意思表示となる役割の他、購入希望者側の希望価格が記載されるなど、価格交渉のきっかけにもなります。

お互いが条件に合意できたら、購入希望者は晴れて買主となります。
不動産会社が作成する売買契約書の確認と捺印を済ませたら、買主は売主へ手付金を、売主は不動産会社へ仲介手数料(半金)を支払います。

売買契約時に定めた引き渡しの日程になったら、売買代金の決済と引き渡しを行います。
決済と引き渡しは同日に行われることが多く、売主が住宅ローン返済中であれば、この住宅ローンの完済も同日中に行います。

引き渡しが無事に完了したら、売主は不動産会社へ仲介手数料(残りの半金)を支払います。

3-3.利益がでたら確定申告と納税が必要

家の売却で利益が出ると譲渡所得が発生するため、確定申告と納税を行う必要があります。
譲渡所得には、所得税(復興特別所得税を含む)と住民税がかかり、この2つを併せて譲渡所得税と呼ばれることがあります。

譲渡所得税は家の所有期間により異なり、5年以下なら39.63%5年超なら20.315%となります。

確定申告は個人でも行えます。
国税庁が運営するe-Tax、確定申告書等作成コーナーを利用すれば、パソコンなどからオンラインで確定申告書の作成と申告が行えます。
確定申告に不安がある方は、税理士に申告書の作成から申告を依頼しましょう。

なお確定申告は、売却益が出た場合は義務ですが、売却益が出なかった場合は任意となります。
確定申告をすることで申請できる特例制度もあるため、売却後の状況で、確定申告をすべきか改めて判断しましょう。

まとめ

家を売却する際には、専門家への相談が必要な場面が出てきます。
不動産会社をはじめてとして、司法書士や税理士など、それぞれの専門領域を踏まえたうえで相談しましょう。

専門家に頼ることで、トラブルを未然に防ぎつつ、スムーズに家を売却できる可能性が高まります。
また、宅地建物取引業協会なら無料相談ができるので、判断に迷う場合は利用を検討してみてください。

家の売却を成功させるためには、専門家との相談だけでなく信頼できる不動産会社選びも大切です。
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