するの?しないの?すべきなの?不動産売却の確定申告全知識

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マンションや戸建などの不動産を売却した後、最後の仕事に確定申告が待っています。
確定申告は、どのようにすべきかよく分からない方も多いと思います。

不動産売却における確定申告は、「しなければならない人」と「しなくても良い人」、「した方が良い人」の3つのパターンに分かれます。

特にマイホームを売却した場合は、特例が多いため、多くの方が確定申告は「しなければならない人」もしくは「した方が良い人」に分類されます。

そのため、マイホームを売却する場合には、確定申告はするつもりで心構えをしてください
但し、自分がどの特例を使えるかについては、事前に知識をしっかりと習得しておく必要があります。

そこで今回の記事では特にマイホームの売却を中心に、不動産を売却したときの確定申告について詳しくお伝えいたします。
この記事をお読みいただき、ぜひ売却後の確定申告に役立てていただければと思います。

1.不動産の売却における税金の基礎知識

不動産は、買ったときも、持っている間も、売ったときも税金が発生すると言われますが、売ったときの税金だけは少し特殊です。
不動産を売却だけは、必ず税金が発生するものではないということです。

個人の方が不動産を売却すると、以下の計算式で表される譲渡所得が発生しますが、
計算の結果、譲渡所得がプラスであれば税金が発生し、ゼロ以下であれば税金は発生しません

譲渡所得

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用

譲渡価額とは不動産を売却した売却価額になります。

取得費とは以下のものになります。

  • 土地の購入価額
  • 建物の購入価額から減価償却費を控除したもの
  • 購入の際の仲介手数料
  • 購入の際に支払った立退料・移転料
  • 購入時の売買契約書に貼付けした印紙税
  • 購入時の登録免許税や司法書士へ支払った登録手数料
  • 購入時の不動産取得税
  • 購入時の搬入費や据付費
  • 購入時の建物等の取壊し費用

取得費が不明の場合には概算取得費というのを用います。
概算取得費は譲渡価額の5%です。

譲渡費用とは以下のものになります。

  • 売却の際の仲介手数料
  • 売却のために要した測量費
  • 売却時の売買契約書に貼付けした印紙税
  • 売却に伴い支払った立退料
  • 売却時の建物の取壊し費用

譲渡所得がプラスであれば、所得税および住民税が発生します。
税額は、譲渡所得に税率を乗じたものとなります。

税額 = 譲渡所得 × 税率

尚、税率は売却した不動産の所有期間によって異なります。
所有期間が5年超の場合、長期譲渡所得と呼び、所有期間が5年以下の場合、短期譲渡所得と呼びます。

所得の種類 所有期間 所得税率 住民税率
短期譲渡所得 5年以下 30% 9%
長期譲渡所得 5年超 15% 5%

2.確定申告の必要性

2-1.確定申告とは

確定申告とは1年間で得た確定した所得を税務署に申告することです。
良く勘違いされますが、年末調整のことではありません。

個人の所得には、給与所得の他、譲渡所得や不動産所得、事業所得、山林所得、退職所得、利子所得、配当所得、一時所得、雑所得と言った10種類があります。

このうち、サラリーマンがもらっている給料は給与所得に該当します。
給与所得だけをもらっている人は、会社側に源泉徴収義務があり、会社が税務署に「この人はいくらの給与所得があります」と情報を伝えていますので確定申告を行う必要がありません。

一方で、給与所得以外の所得が発生すると、会社が把握していない所得が存在することになるため、個別に税務署に対して「給与所得以外にこんな所得がありました」と申告する必要があります
これが確定申告です。

税務署

不動産を売却して譲渡所得がプラスの場合、給与所得以外の所得が発生しることになるため、税務署に対して確定申告する必要があります。

確定申告は、不動産を売却した翌年の2月16日~3月15日の間で行います。
確定申告の直前シーズンになると、各市区町村役場で税理士による個別の無料相談があります。

初めて確定申告する人は、何をどう書けばいいのか、良く分からないと思います。
無料相談では、地元の税理士さんがボランティアで親切に書き方を指導してくれますので、機会を逃さず個別相談会には参加するようにして下さい。

2-2.納税するための確定申告

確定申告は、原則として譲渡所得が発生した場合に行います。
計算の結果、譲渡所得がマイナスであれば確定申告は原則として不要です。

確定申告の必要性を判断するには、譲渡所得をしっかりと計算することが重要になります。

個人の方が、更地やアパート、区分ワンルームマンション、店舗、倉庫等のマイホーム以外の不動産を売却する場合は、まずは譲渡所得がプラスかどうかを確認してください。

尚、マイホーム以外の不動産であっても、同年中に2つ以上の不動産を売却し、不動産Aの譲渡所得がプラスで、不動産Bの譲渡所得がマイナスの場合、この2つは合算することができます。

この譲渡所得と譲渡損失を合算することを損益通算と言います。
損益通算は確定申告によって行います。

マイホーム以外の不動産であっても同じ年に譲渡所得と譲渡損失が存在する場合には、例外的に譲渡損失が発生した場合でも損益通算のために確定申告を行う場合があります

2-3.特例を使うための確定申告

譲渡所得に関しては、節税ができる特例があり、そのような特例を使う場合には確定申告が必要となります。

特に、マイホームのような居住用財産には、5つの特例があり、譲渡所得がプラスであってもマイナスであっても使える特例があります。

マイホームを売却した場合、発生している譲渡所得を減額する特例や、税率を下げるような特例があります。

また、同じくマイホームの売却では、譲渡損失が発生しても給与所得で支払った源泉徴収税額の還付を受けることができる特例があります。

それぞれの特例には要件がありますが、要件に当てはまっているのであれば、特例を使った方がお得です。

一方で、マイホーム以外の更地やアパート、区分ワンルームマンション、店舗、倉庫等の不動産の売却には、このような特例が原則ありません。

マイホームは個人が持っている最も一般的な不動産であるため、国の方も売却によってなるべく税金が発生しないように配慮してくれています。
譲渡損失が発生して税金が戻ってくるような特例は、マイホームの売却だけです。

他の更地やアパート、区分ワンルームマンション、店舗、倉庫等の不動産は、資産家が持っているようなケースが多いため、譲渡損失を配慮するような特例はありません。

マイホームを売却する人は、特例の存在と内容を十分に把握することが重要です。
特例を知らずに、使わないままでいると、使っている人よりも損をしてしまいます。

自分が使える特例を十分に確認し、その特例を使うために確定申告を行うようにしてください。

3.マイホームを売却したときの5つの特例

3-1.居住用財産とは

マイホームは、税法上、居住用財産という言葉で表現されます。
居住用財産とは以下の要件に当てはまる不動産になります。

  1. 現に居住している家屋やその家屋と共に譲渡する敷地の譲渡の場合
  2. 転居してから3年後の12月31日までに、居住していた家屋やその家屋と共に譲渡するする敷地の譲渡の場合(この間に貸付や事業用に供していても適用となる)
  3. 災害などにより居住していた家屋が滅失した時は、災害のあった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに、その敷地だけ譲渡する場合
  4. 転居後に家屋を取り壊した場合には、転居してから3年後の12月31日までか、取壊し後1年以内か、いずれか早い日までに譲渡する場合(取壊し後にその敷地を貸し付けたり、事業の用に供したりすると適用外となる)

マイホーム

良く勘違いされるのが、「賃貸アパートや賃貸マンションも居住用財産か?」という点です。
賃貸アパートや賃貸マンションは本人が居住しているわけではないため、居住用財産ではありません

また、居住用財産は戸建であっても、マンションであっても、上記の条件を満たせば居住用財産です。

居住用財産とは、要は、マイホームということになります。

尚、居住用財産の特例は、以下に示す特定の親族や同族会社への売却では適用できません。

  1. 配偶者、直系血族(親、子、孫など)生計を一にする親族、譲渡後にその家屋に居住する親族
  2. 本人、配偶者、直系血族や生計を一にする親族が主催している同族会社

また、居住用財産特例が適用できるのは3年に1度だけになります。

3-2.特例の種類

以下に5つの特例を示します。
それぞれの特例は、譲渡所得が発生した場合の3つの特例と譲渡損失が発生した場合の2つの特例に大別されます。

(譲渡所得が発生した場合の特例)

1.3,000万円の特別控除
2.所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例
3.特定の居住用財産の買換え特例

(譲渡損失が発生した場合の特例)

4.居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
5.居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

それでは、ひとつひとつ見ていきましょう。

3-2-1.「3,000万円」の特別控除

3,000万円特別控除とは、居住用財産を売却した場合、譲渡所得を計算する上で3,000万円を引いてくれるという特例です。

特例を適用しない場合の譲渡所得は、以下の計算式となります。

特例を適用しない譲渡所得

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用

一方で、3,000万円特別控除を適用した場合の譲渡所得は、以下の計算式となります。

特例を適用した譲渡所得

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 3,000万円

この特例を適用した結果、譲渡所得がマイナスと計算された場合には、譲渡所得はゼロとして扱われることになります。

また、取得費が不明で概算取得費を用いる場合にもこの特例は使えます。
概算取得費を用いた場合は、以下のようになります。

概算取得費を用いて特例を適用した譲渡所得

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 3,000万円
     = 譲渡価額 - 概算取得費 - 譲渡費用 - 3,000万円
     = 譲渡価額 - 譲渡価額×5% - 譲渡費用 - 3,000万円
     = 譲渡価額×95% - 譲渡費用 - 3,000万円

3,000万円特別控除の効果はとても大きく、仮に概算取得費を用いたとしても、譲渡所得をかなり圧縮できます。
郊外の中古住宅では、概算取得費を用いても3,000万円特別控除によって譲渡所得がゼロになる物件も多数あります。

非常に効果が大きく、一番重要な特例ですので、売却の際はぜひ3,000万円特別控除が使えないかを検討してください。

尚、3,000万円特別控除は、長期譲渡所得(所有期間5年超)や、短期譲渡所得(所有期間5年以下)に関わらず適用することが可能です。

3-2-2.所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例

所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例(以下、「10年超の軽減税率の特例」と略)は、譲渡所得の圧縮ではなく、税率を下げてくれるという特例です。
所得税および住民税は、以下の計算式で計算されます。

税額 = 譲渡所得 × 税率

3,000万円特別控除が譲渡所得を減額してくれる特例であったのに対し、10年超の軽減税率の特例は税率を下げる特例になります。

この特例の適用要件は以下のようになります。
所有期間が10年超であるという点がポイントです。

個人がその年の1月1日において所有期間が10年を超える次の居住用財産を譲渡した場合に適用できます。

  1. 現に自分が住んでいる住宅
  2. 以前に自分が住んでいた住宅で、自分が住まなくなった日から3年後の12月31日までに譲渡したもの
  3. 1や2の住宅及びその家屋とともに譲渡された敷地
  4. 災害によって滅失した1の住宅の敷地で、その住宅が滅失しなかったならば、その年の1月1日における所有期間が10年を超えている住宅の敷地(ただし、その災害があった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡したものに限る)

10年超の軽減税率の特例は3,000万円特別控除とも併用できます
つまり、保有期間が10年超の居住用財産の売却では、譲渡所得も税率も下げることができるということになります。

特例を適用しない場合と10年超の軽減税率の特例を適用した場合の税率は以下のようにあります。

(特例を適用しない場合)
所得 所有期間 所得税率 住民税率 合計税率
短期譲渡所得 5年以下 30% 9% 39%
長期譲渡所得 5年超 15% 5% 20%
(10年超の軽減税率の特例を適用した場合)
所得 所有期間 所得税率 住民税率 合計税率
6千万円以下の部分 10年超 10% 4% 14%
6千万円超の部分 10年超 15% 5% 20%

10年超の軽減税率の特例では、譲渡所得が6千万円以下か6千万円超かで税率が分かれます。
この6千万円は、3,000万円特別控除の適用後の譲渡所得を用いて構いません

居住用財産の売却では、よほどの高級物件でない限り、3,000万円特別控除の適用後の譲渡所得が6千万円を超えるようなことはありません。

もし、6千万円を超える場合には、超えた部分に対してのみ長期譲渡所得と同じ税率がかかります。

3,000万円特別控除を適用しても、譲渡所得がプラスとなってしまう人は、ぜひ10年超の軽減税率の特例も検討するようにして下さい。

3-2-3.特定の居住用財産の買換え特例

特定の居住用財産の買換え特例は、買換えを行う人なら使える特例です。
買換えとは、今の家を売却し、別の家を購入することを指します。
「買い替え」と同じことですが、税法上では「買換え」という表記になります。

買換えでは、売却する家の価格を譲渡価格、購入する家の価格を取得価格と表現します。
所得税等が課税されるかどうかについては、以下のように譲渡価格と取得価格の関係で決まります。

買換え資産の関係 課税の有無
譲渡価額>取得価額 課税される
譲渡価額≤取得価額 課税されない

前節で紹介した「3,000万円の特別控除+10年超の軽減税率の特例」と「特定の居住用財産の買換え特例」は、有利な方を選択することができます。

例えば「3,000万円の特別控除+10年超の軽減税率の特例」では税金が発生してしまう人でも、「特定の居住用財産の買換え特例」を適用したら税金が発生しないような人であれば、「特定の居住用財産の買換え特例」を選択しても構いません。

「特定の居住用財産の買換え特例」を適用するには、売却する居住用財産と、購入する居住用財産には以下のような要件が必要となります。

売却する居住用財産の要件
  1. 現に自分が住んでいる住宅で、居住期間が10年以上であるもの
  2. 以前に自分が住んでいた①の住宅で、自分が住まなくなった日から3年後の12月31日までに譲渡されるもの
  3. 1や2の住宅及びその敷地
  4. 災害によって1の住宅が滅失した場合において、その住宅を引き続き所有していたとしたならば、その年の1月1日における所有期間が10年を超えるその住宅の敷地
  5. 譲渡にかかる対価が1億円以下のもの
購入する居住用財産の要件
  1. 譲渡資産を譲渡した年の前年の1月1日から譲渡した年の12月31日までの間に居住用の住宅やその敷地を取得すること
  2. 譲渡資産を譲渡した年の翌年12月31日までの間に、取得した住宅を居住の用に供すること、または供する見込みであること
  3. 取得する住宅は、床面積が50m2以上であること
  4. 買換え資産が中古の耐火建築物である場合には、その中古耐火建築物が新築後25年以内であるか、または新耐震基準に適合することが証明されたものであるか、もしくは既存住宅売買瑕疵担保責任保険に加入していること
  5. 取得する敷地は、その面積が500m2以下であること

尚、「譲渡価額>取得価額」となった場合には、譲渡価額のうち、取得価格に充てた部分については譲渡が無かったものとして税金はかかりませんが、取得価額を上回る部分についてだけ、譲渡があったものとして課税されることになります

課税される場合の計算式は以下のようになります。

 収入金額 = 譲渡資産の売却代金 - 買換資産の購入代金等
 取得費及び譲渡費用 = (譲渡資産の取得費 + 譲渡費用) × (イの収入金額÷譲渡資産の売却代金)
 課税譲渡所得 = 収入金額 - 取得費及び譲渡費用
         = イ - ロ

この場合、税率に関しては、以下の原則税率が適用されます。10年超の軽減税率の特例は併用して適用することはできません

所得の種類 所有期間 所得税率 住民税率
短期譲渡所得 5年以下 30% 9%
長期譲渡所得 5年超 15% 5%

3-2-4.居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例(以下、「譲渡損失の買換え特例」と略)については、譲渡損失が発生したときに使えるお得な特例になります。

通常、更地やアパート、区分ワンルームマンション、店舗、倉庫等の居住用財産以外の不動産を売却については、譲渡損失が発生しても他の給与所得等とは損益通算をすることができません。

居住用財産以外の不動産の売却で損益通算ができるのは、同じ年に2つ以上の不動産を売却して、他の不動産の譲渡所得にぶつけることができるときだけです。

ところが、居住用財産に限っては、譲渡損失が発生した場合、他の所得に損失をぶつけることができ、損益通算をすることが可能です。

つまり、売却して損を出すと、給与所得から損失分を引くことができ、給与所得で支払っていた源泉徴収税額を取り戻すことができます。
マイホームを売却するだけで節税ができるというとても優れた特例です。

居住用財産を売却した際に発生する譲渡所得にかかる損失額は、以下のように譲渡所得を計算した場合に発生するマイナスです。

譲渡所得にかかる損失額 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 < ゼロ

確定申告では、給与所得等の他の所得から譲渡所得にかかる損失額を控除して、譲渡損失の金額を求めます。

譲渡損失の金額 = 他の所得金額 - 譲渡所得に係る損失額

例えば、給与所得が800万円で譲渡所得に係る損失額が1,000万円だったとします。
この場合、譲渡損失の金額として、▲200万円の損失がまだ残ります。

残った▲200万円は、翌年も繰り越して給与所得から控除することができます。
残額については、3年間繰り越すことが可能です。
つまり、大きな損失を出して売却した場合は、数年間、給与所得で支払った所得税等を節税できることになります。

給与所得が800万円で譲渡所得に係る損失額が1,000万円のケースでは、初年度は所得がゼロとみなされるため、その年に支払った所得税額が全額戻ってくることになります。

戻ってくる源泉徴収税額は、金額的にはボーナス一回分くらいの金額になりますので、結構お得な特例です。

譲渡損失の買換え特例の適用に当たっては、売却資産と買換え資産(購入資産)が以下の要件を満たす必要があります。

売却資産

平成31年12月31日までの間に譲渡される自己の居住の用に供する家屋またはその敷地で、その譲渡した年の1月1日において所有期間が5年を超えるもののうち、次の1から4のいずれかに該当するものであること

  1. 現に自分が住んでいる住宅
  2. 以前に自分が住んでいた住宅で、自分が住まなくなった日から3年後の12月31日までの間に譲渡されるもの
  3. 1や2の住宅及びその敷地
  4. 災害によって滅失した1の住宅の敷地で、その住宅が滅失しなかったならば、その年の1月1日における所有期間が5年を超えている住宅の敷地
    ただし、その災害があった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡されるものに限る。
買換え資産
  1. 譲渡資産の譲渡した年の前年の1月1日から翌年12月31日までの間に取得される自己の居住用に供する家屋またはその敷地
  2. その家屋の居住部分の床面積が50m2以上であること
  3. その取得の日から取得した年の翌年の12月31日までの間に自己の居住の用に供すること、または供する見込みであること
  4. 繰越控除を受けようとする年の12月31日において、買換え資産に係る住宅借入金等(返済期間10年以上のローン契約等によるもの)の金額を有していること

尚、譲渡損失の買換え特例を適用しても、新しく購入する買換え資産に対して住宅ローン控除を適用することが可能です。

3-2-5.居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例(以下、「居住用財産の譲渡損失の特例」と略)は、基本的には前節で紹介した譲渡損失の買換え特例と同じです。
但し、買換えを要件としていないことが異なります。
売りっぱなしで譲渡損失が出た場合は、居住用財産の譲渡損失の特例を使います。

居住用財産の譲渡損失の特例では、譲渡損失が繰越の対象になるわけではありません。
居住用財産を売却した際、住宅ローン残高の方が売却額を上回るオーバーローンのときに、残債をオーバーしている部分が損益通算できるマイナス額になります

損益通算できるマイナス額は、繰越控除等限度額と呼ばれます。
繰越控除等限度額は、以下の式で計算される額になります。

繰越控除限度額

繰越控除等限度額 = 住宅ローン残高 - 譲渡価額

譲渡資産の要件は以下の通りです。

平成31年12月31日までの間に譲渡される自己の居住の用に供する家屋またはその敷地で、その譲渡した年の1月1日において所有期間が5年を超えるもののうち、次の1から4のいずれかに該当するものであること

  1. 現に自分が住んでいる住宅
  2. 以前に自分が住んでいた住宅で、自分が住まなくなった日から3年後の12月31日までの間に譲渡されるもの
  3. 1や2の住宅及びその敷地
  4. 災害によって滅失した1の住宅の敷地で、その住宅が滅失しなかったならば、その年の1月1日における所有期間が5年を超えている住宅の敷地
    ただし、その災害があった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡されるものに限る。
  5. その個人がその譲渡にかかる契約を締結した日の前日においてその譲渡資産に係る一定の住宅借入金等の金額を有すること
  6. 繰越控除する各年分の合計所得金額が3,000万円以下であること
  7. 譲渡先が、その個人の配偶者その他特別の関係がある者ではないこと

この特例は、単純に譲渡損失が発生したとしても、オーバーローンであるということが必要です。
アンダーローン(住宅ローン残債が売却額を下回っていること)の場合には、譲渡損失が発生しても適用はできません。

アンダーローンで譲渡損失が発生した場合には、所得税は発生しないため、確定申告そのものが不要です。

3-3.特例を受けるために確定申告に必要な書類

それぞれの特例において、確定申告では以下の書類が必要となります。

3,000万円の特別控除
  1. 除却住民票
  2. 譲渡所得計算明細書
所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例
  1. 除却住民票
  2. 譲渡資産の登記事項証明書
  3. 譲渡所得計算明細書
特定の居住用財産の買換え特例
  1. 除却住民票
  2. 譲渡資産の登記事項証明書
  3. 買換え資産の登記事項証明書
  4. 新しい住民票
  5. 譲渡所得計算明細書
  6. 買換え資産で築後年数要件に該当しない場合は耐震基準適合証明書等
居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
  1. 除却住民票
  2. 譲渡資産の登記事項証明書
  3. 買換え資産の登記事項証明書
  4. 新しい住民票
  5. 譲渡所得計算明細書
  6. 買換え資産の住宅借入金の残高証明書
居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
  1. 除却住民票
  2. 譲渡資産の登記事項証明書
  3. 譲渡所得計算明細書
  4. 住宅借入金の残高証明書

確定申告の前に、しっかり準備をしておきましょう。

4.確定申告をしなかった場合どうなるか

確定申告は、以下の2つの場合は不要です。

  1. 居住用財産以外の売却で譲渡損失が発生している場合(但し他の譲渡所得と損益通算する場合は除く)
  2. 居住用財産の売却で譲渡損失が発生しても特例を適用しない場合

ただ、売却したのに確定申告をしないと、「本当にこれで良いのだろうか」と思う方も多いと思います。

少し気持ち悪いかもしれませんが、問題ありません。

実は、税務署はあなたが申告をしなくても、あなたが不動産を売却したという情報をほぼ把握しています
税務署は、法務局と登記簿謄本で所有者が変わった情報に関して共有しています。

また、他の人の確定申告の情報がありますので、不動産の取引相場もなんとなく把握しています。
そのため、購入時期と売却時期から、「あれ、この人、ひょっとして譲渡所得が発生しているのでは?」という推測することができます。

税務署は確定申告をしていない人の中で、気になる人に対しては、「お尋ね」と呼ばれる書類を送付していきます。
お尋ねは、売却価格等を答えるアンケートになります。

お尋ねが来ても、別に怖がる必要はありません。
税務署も取引価格までは把握していないので、淡々と事実のみを回答すれば問題ないです。

お尋ねは、あくまでも「一応の確認」というレベルです。
事実、譲渡所得が発生していない場合には、別に悪いことをしているわけではないため、きちんと回答すればOKです。

もちろん、お尋ねは来ない人もたくさんいます。
来なければ、税務署も譲渡所得が発生していないだろうと認識しているということです。

このように、税務署は確定申告をしなくても、あなたの取引を知っています。
確定申告をしないままというのが少し気持ち悪いと感じる方もいらっしゃいますが、不要であればしなくても大丈夫ということになります。

まとめ

いかがでしたか?

不動産売却における確定申告について見てきました。

確定申告は「しなければならない人」と「しなくても良い人」、「した方が良い人」の3者に分かれます。
まずは譲渡所得を計算して、確定申告の必要性を判断してください。
確定申告が不要の人はしなくても問題ありません。

また特に居住用財産を売却する人は、特例が5つもありますので、自分が利用できる特例がないかしっかりと確認するようにして下さい。
譲渡損失が発生する人でも特例を適用するために、確定申告をした方が良い場合があります

居住用財産を売却する人は、特例を上手に使いながら損をしない売却を心がけましょう。

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