マンション売却で手元に残る金額はいくら?計算方法や手取り額を増やす方法

マンション売却で手元に残る金額はいくら?計算方法や手取り額を増やす方法

マンション売却をする際には諸費用や税金がかかるため、売却額がそのまま手元に残るわけではありません。

本記事ではマンション売却で手元に残る金額の計算方法や、手取り額を増やす方法などを解説します。手元に残るおおよその金額を把握しましょう。マンション売却を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

簡単60秒入力
あなたの 不動産 いくらで売れる?
STEP1
STEP2

1.マンションを売却した際、手元に残る金額の計算方法

マンションを売却した際、手元に残る金額の計算方法

はじめに、マンションを売却する際、どのくらいのお金が手元に残るのかを計算していきましょう。

マンション売却時の手取りは以下の式で算出できます。

マンション売却時の手取り = 売却代金 -(諸費用 + 税金 + 住宅ローン残債)

具体的には下図のようなイメージです。

マンション売却時の手取り

このように、売却代金から諸費用や税金、住宅ローンを利用している場合はローン残債を差し引きます。その結果、残ったお金が手取り額、つまり売却した方の手元に残ります。

諸費用や税金などの算出方法については、シミュレーションなどを利用して詳しく解説します。

2.マンション売却にかかる手数料

マンション売却の手数料

マンションを売却する際にかかる主な手数料は以下の3つです。

それぞれの手数料について解説します。

2-1.仲介手数料

不動産売買における「仲介手数料」とは、仲介業務を行った不動産会社に支払う手数料のことです。

成功報酬であるため、不動産会社が査定や営業活動を熱心にしてくれたとしても、売買契約が成立しなければ支払う必要はありません。

仲介手数料については宅建業法で定められており、売却価格によって手数料の上限額が異なります。以下が仲介手数料の速算式です。

【仲介手数料の速算式】
不動産の売却価格 手数料の上限
200万円以下 売却価格(税抜) × 5% + 消費税
200万円超~400万円以下 売却価格(税抜) × 4% + 2万円 + 消費税
400万円超 売却価格(税抜) × 3% + 6万円 + 消費税

例えば、マンションが3,000万円で売れた場合、仲介手数料は以下のように計算します。

仲介手数料 = 3,000万円 × 3% + 6万円 + 消費税10% = 105万6,000円

このように、速算式で計算すると、3,000万円でマンションが売れた場合の仲介手数料は105万6,000円(税込)となります。

2-2.司法書士への報酬

住宅ローンが残っているマンションを売却する際には事前に「抵当権抹消登記」をする必要があります。

この際、登記の専門家である司法書士に登記申請を依頼するのが一般的です。

抵当権抹消登記費用は、不動産1個につき1,000円であり、 司法書士に依頼した場合は16,000円程度の司法書士手数料がかかります。

なお、抵当権とは、住宅ローンなどを借りるときに、金融機関などが借主に対して、購入する不動産を担保とする権利のことです。返済が滞納した場合、金融機関は担保物件を競売にかけて売却し、その代金から債権を回収します。

したがって、抵当権付きのままでは買い手が見つからないため、金融機関の承諾を得たうえで登記手続きを行います。

2-3.住宅ローンの一括返済の手数料

抵当権抹消登記を行うには、金融機関に住宅ローン残債の一括返済をしなければなりません。

その際にかかるのが住宅ローン一括返済の手数料です。

金融機関によって手数料には違いがありますが、主要銀行の手数料は以下のとおりです。

金融機関名 窓口 インターネット
みずほ銀行 3万3,000円(税込) 無料
三井住友銀行 2万2,000円(税込)
※三井住友銀行の専用パソコン
は1万1,000円(税込)
5,500円(税込)
三菱UFJ銀行 3万3,000円(税込)
※テレビ窓口は2万2,000円(税込)
は1万1,000円(税込)

1万6,500円(税込)

出典:「“ご利用中の契約内容変更の手数料一覧 ”. みずほ銀行.(参照2024-06-07)」
“ローン手数料(住宅ローン等)”. 三井住友銀行.(参照2024-06-07)」
“期限前完済”. 三菱UFJ銀行.(参照2024-06-07)」をもとに、お家のいろはが独自に作成

各金融機関では、窓口よりもインターネットでの手続きのほうが手数料を抑えられます。みずほ銀行の場合、インターネットでの一括返済は無料です。

マンション売却をお考えの方は、NTTデータグループが運営する「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」をぜひご活用ください。

マンション売却査定

3.マンション売却にかかる税金

マンション売却にかかる税金

マンションの売却時には、以下のような税金が課されます。

ここではそれぞれの税金について解説します。

3-1.印紙税

印紙税とは、売買契約書など「課税文書」にかかる税金のことです。

税額は書面に記載された契約金額によって異なります。

不動産の譲渡に関する契約書で、2027年(令和9年)3月31日までの間に作成されるものについては印紙税額が軽減されます。具体的な税額は以下のとおりです。

【不動産を売却した際の印紙税額】
売却価格 本則税率 軽減後の税率
10万円超 50万円以下 400円 200円
50万円超 100万円以下 1,000円 500円
100万円超 500万円以下 2,000円 1,000円
500万円超 1,000万円以下 1万円 5,000円
1,000万円超 5,000万円以下 2万円 1万円
5,000万円超 1億円以下 6万円 3万円
1億円超 5億円以下 10万円 6万円
5億円超 10億円以下 20万円 16万円
10億円超 50億円以下 40万円 32万円
50億円超 60万円 48万円

出典:「“「不動産譲渡契約書」及び「建設工事請負契約書」の 印紙税の軽減措置の延長について”.国税庁.(参照2024-06-07)」

例えば、1億円以下のマンションを売却する場合、軽減税率が適用されている期間の印紙税は本来の半分の税額となります。

3-2.登録免許税

登録免許税は、登記を受けることによって発生する利益(対抗力)に対して課される税金です。

買主は購入した土地や建物の所有権を記録することで、自分が所有者であることを公的に主張できます。

登録免許税法(第三条)では、以下のように規定されています。

登記等を受ける者は、この法律により登録免許税を納める義務がある。この場合において、当該登記等を受ける者が二人以上あるときは、これらの者は、連帯して登録免許税を納付する義務を負う。

出典:「“登録免許税法 第三条”.e-Gov法令検索.(参照2024-06-07)」

と定めています。

したがって、納税義務者は売主と買主双方といえますが、通常は登記による利益を受ける買主が納付します。

登録免許税額は、原則として次のように計算します。

登録免許税額 = 課税標準(※不動産の価額)× 税率
※不動産の価額とは、固定資産課税明細書に記載されている価格(評価額)

マンションの場合も戸建てと同様、土地と建物それぞれの評価額に以下の税率をかけて算出します。

売買された不動産の種類 本則税率 軽減税率
土地 2.0% 1.5%
※適用期限:2026年(令和8年)3月31日まで
住宅用の建物 2.0% 0.3%
※適用期限:2027年(令和9年)3月31日まで
※特定認定長期優良住宅であるマンションの場合は0.1%

出典:「“登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ”.国税庁.(参照2024-06-07)」
“特定の住宅用家屋の所有権の保存登記等に係る登録免許税の税率の軽減措置に関するお知らせ”.国税庁.(参照2024-06-07)」をもとに、お家のいろはが独自に作成

例えば、以下の条件の条件で計算してみましょう。

マンション全体の評価額:3,000万円
土地評価額:1,000万円
建物評価額:2,000万円
売却日:2026年(令和8年)3月31日以前
建物の種類:一般的な住宅用マンション

計算式は以下のとおりです。

土地の登録免許税額 = 1,000万円 × 税率1.5% = 15万円
建物の登録免許税額= 2,000万円 × 税率0.3% = 6万円
マンション全体の登録免許税額:21万円

マンション売却時における所有権移転の登録免許税は合計21万円となります。

3-3.譲渡所得にかかる所得税 ・ 住民税 ・ 復興特別所得税

マンションを売却して利益が出た場合、譲渡所得税が発生します。

譲渡所得税とは、所得税と住民税をまとめた税金です。所得税額に対し2.1%の復興特別所得税もかかります。

譲渡所得の計算式は以下のとおりです。

譲渡所得 = 不動産の売却価格 -(取得費 + 譲渡費用)

不動産の売却価格から、売却した不動産を取得するためにかかった費用(取得費)や、不動産の売却時に支払った費用(譲渡費用)を差し引いて計算します。

続いて、譲渡所得税は、以下の計算式で算出します。

税額 = 課税譲渡所得 × 税率(所得税・住民税)

譲渡所得税の税率は、譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えるかどうかで異なります。

不動産の譲渡所得の税率表は以下のとおりです。

区分 所有期間 税率
短期譲渡所得 5年以内 39.63%
(所得税 30.63%・住民税 9%)
長期譲渡所得 5年以上 20.315%
(所得税 15.315%・住民税 5%)

出典:「“土地や建物を売ったとき”.国税庁.(参照2024-06-07)」

5年前後の所有期間で売却する場合は、売るタイミングよく考えるようにしましょう。

4.そのほかの費用

マンションを売却する際には、以下のような費用もかかります。

ここではこれらの費用について解説しましょう。

4-1.引っ越し費用

売却後、住み替え先となる新居に移る際にかかるのが引っ越し費用です。

料金は、引っ越しの時期や荷物の量、移動距離によって異なり、繁忙期である3月~4月は、通常の月より費用が高くなる傾向があります。

近畿運輸局では、一例として以下のような引っ越しシミュレーションを紹介しています。

4トン車は4人家族分の荷物量が目安です。

大阪から京都に引っ越した場合 大阪から東京に引っ越した場合
運送距離 100km未満 100km以上
基準運賃 4トン車:40,500円
2トン車:34,000円
合計 74,500円
4トン車:122,500円
2トン車:107,000円
合計 229,500円
作業員(5人) 15,000円×5人=75,000円 15,000円×5人=75,000円
合計 149,500円 304,500円

出典:「“引越料金のしくみ”.近畿運輸局.(参照2024-06-07)」をもとに、お家のいろはが独自に作成

このように、移動距離によって基準運賃が変わるため、遠方への引っ越しほど費用が高くなります。

4-2.ハウスクリーニングやリフォーム費用

マンションを売却する前には、購入希望者が内覧に訪れるのが一般的です。

購入してもらうには、物件をキレイにしておかなければなりません。

基本的には部屋の中を片付けて、通常の清掃をしておけば十分です。ただし、築年数が古い、またはあまりにも汚れが目立つ場合はハウスクリーニングを入れることもあります。

ハウスクリーニング費用は、キッチンだけの場合、2万円程度が相場です。

なお、リフォームをする場合は不動産会社に相談してから行うようにしましょう。

中古のマンションの購入希望者の中には、購入後に自分の好みにリフォームすることを検討している方も多いため、せっかく高額なリフォーム費用をかけても意味がない場合が考えられるためです。

マンションの売却を検討中の方は、NTTデータグループが運営する一括査定サイトのご利用が便利です。

5.マンションを売却して手取り額を増やす方法

マンション売却時に、少しでも手元に残るお金を増やすためには以下の方法があります。

ここではそれぞれの方法について解説します。

5-1. 3,000万円特別控除を利用する

自宅用のマンションを売却して利益が出た場合に利用できるのが、「居住用不動産(マイホーム)売却時の3,000万円特別控除」です。所有期間の長短に関係なく、売却益から最高3,000万円まで控除ができます。

したがって、売却益が3,000万円以下の場合は譲渡所得税・住民税が非課税となります。

特例の適用を受けるための主な要件は以下のとおりです。

  • 現在、マイホームとして住んでいる家の売却
  • 転居してから3年後の年の12月31日までに売却
  • 売却先と親子や夫婦などの特別な関係にない
  • 売った年の前年および前々年に3,000万円特別控除、またはマイホームの譲渡損失についての損益通算および繰越控除の特例の適用を受けていない
  • 売った年の前年および前々年にマイホームの買い換えやマイホームの交換の特例の適用を受けていない
  • 災害による売却の場合、住まなくなってから3年後の年の12月31日までに売却
  • 収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていない

出典:「“No.3302 マイホームを売ったときの特例”.国税庁.(参照2024-06-07)」

3,000万円特別控除を利用すると、かなり譲渡所得税額を抑えられます。

5-2.所有期間10年超なら軽減税率の特例を利用する

「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」は、所有期間が10年を超えているマイホームを売った場合の譲渡所得税に軽減税率を適用できる特例です。

特例の適用を受けるための要件は以下のとおりです。

  • 日本国内にある自宅用の家を売る
  • 住まなくなってから3年後の年の12月31日までに売却
  • 売った年の1月1日において売った家屋や敷地の所有期間がともに10年を超えている
  • 売った年の前年および前々年にこの特例の適用を受けていない
  • マイホームの買い換えや交換の特例など他の特例の適用を受けていない
  • 売却先と親子や夫婦などの特別な関係にない

出典:「“No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例”.国税庁.(参照2024-06-07)」

軽減税率の特例は、居住用不動産(マイホーム)売却時の3,000万円特別控除の特例と重ねて受けられます。

10年以上所有したマンションを売却する方は、要件に該当していれば、所有期間が5年を超えると利用できる長期譲渡所得よりも低い税率で税額を計算できます。

5-3.自分で必要書類をそろえて、抵当権を抹消する

住宅ローンの残債が残っている状態でマンションを売却する場合は、残りの住宅ローンを一括返済してから抵当権を抹消します。

通常、司法書士に依頼するため15,000円程度の手数料がかかりますが、自分で登記手続きを行えば登録免許税だけで済みます。マンションの場合、専有部分の建物1個につき1,000円、敷地権1個につき1,000円です。

抵当権抹消手続きに必要な書類は以下のとおりです。

  • 登記申請書(法務局)
  • 登記識別情報(金融機関)
  • 登記原因証明情報(金融機関)
  • 会社法人等番号(金融機関)
  • 代理権限証明情報(金融機関)
  • 登録免許税(郵便局や法務局などで印紙を購入)

出典:「“Taro-16 抵当権抹消(マンション) 記載例”.法務局.(参照2024-06-07)」
“抵当権の登記の抹消申請について専門家に相談したい場合は”.法務省.(参照2024-06-07)」をもとに、お家のいろはが独自に作成

法務局のホームページに抵当権抹消手続きの方法について掲載されているため、必要書類をそろえれば自分でも手続きができます。

5-4.マンション売却に強い不動産会社と媒介契約を結ぶ

マンションを売却して手元に残るお金を少しでも増やすには、高値で売ることが重要なポイントです。

不動産会社はそれぞれ強みとしている分野が異なるため、マンション売却の実績が豊富な不動産会社を選びましょう。

実績については各社のホームページに掲載されています。

また、実績だけでなく、評判の良い不動産会社を選ぶことも大切です。

マンション売却の際に少しでも手取りを多くしたい方は、NTTデータグループが運営する「不動産売却 HOME4U」をぜひご活用ください。わずか1分の入力で、自宅にいながら大手を含む2,300社の不動産会社の中から、最大6社の不動産会社に一括で査定を依頼できます。

「マンションを売りたい」と悩んでいる方へ
  • 「マンションを売りたいけど、どうしたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を
  • 「不動産一括査定」なら複数社に査定依頼でき”最高価格(※)”が見つかります
  • ※依頼する6社の中での最高価格
  • 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます

まとめ

マンションを売却する際には仲介手数料などの手数料や、譲渡所得税などの税金がかかるため、売却したお金がそのまま手元に残るわけではありません。したがって、売却前に、売却時にかかる経費や税金について知っておくことが重要です。

譲渡所得税については、所有期間が5年を超えるかどうかで税率が大幅に変わるため、売るタイミングを考慮する必要があります。

自宅マンションを売却する際には要件を満たしている場合、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」などを利用して譲渡所得税額を軽減することも可能です。所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができます。

大切な資産であるマンションを売却する際には、手元に残る金額を少しでも多くしたいものです。

マンション売却をお考えの方は「不動産売却 HOME4U」をぜひご活用ください。