土地買取とは、不動産会社が直接土地を買い取る方法です。短期間で土地の売却ができ、仲介手数料がかからないなどのメリットがありますが、買取相場が仲介の7〜8割程度まで下がるデメリットもあります。

土地買取を検討している方は、仲介との違いや買取相場の仕組み、メリット・デメリットを理解した上で、「自分に買取が向いているか」判断しましょう。

1.「土地買取」と「仲介」の違いは価格と期間

「土地買取」と「仲介」の大きな違いは、買取価格と売却にかかる期間です。

図の通り、買取は不動産会社が直接土地を買い取ってくれる方法です。一般的な買主を探す必要がないので、最短1週間から1ヶ月で売却できるのがメリットです。

ただし、不動産会社は買取後の再販を目的としているため、販促費や利益確保などの費用が差し引かれる形となり、仲介と比べて売却価格は低くなります。

一方で仲介は、不動産会社と契約を結んで買主を探す方法です。仲介の場合は不動産会社が売却活動を行って土地を購入したい人を見つけてくれるので、買取よりも高値で売れるチャンスがあります。

ただし、買主が見つかるまで時間がかかることも多く、一般的には3ヶ月〜6ヶ月程度かかると言われています。また、契約が成立すると、不動産会社に対して仲介手数料を支払わなければなりません。

そのため、土地をなるべく早く売却して現金化したい方は「買取」、価格を重視して高値で売りたいと考えている方には「仲介」が向いています。

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2.土地買取相場の仕組み│仲介の金額の7～8割なのはなぜ？

土地買取の相場は、仲介の7〜8割程度が目安です。

仲介よりも安値になる仕組みは、不動産会社の利益分や販促費、人件費（1割程度）が必要なことに加えて、そもそも買取を希望する土地の市場価格が低い傾向にあることも挙げられます。

そのため、土地の条件が悪く、不動産会社がなかなか売却できないと判断すれば、5割程度で買取される場合もあります。逆に、条件が良く売却しやすい土地であれば9割程度で売れる可能性もあるでしょう。

3.土地の買取完了までは最短1週間

買取を依頼する場合、土地の買取完了まで最短1週間程度で終えられます。

「1.「土地買取」と「仲介」の違いは価格と期間」でも解説したように、売主と不動産会社との直接契約のため、提示された金額に合意できればすぐに売却できます。

不動産会社が出した買取価格に合意すれば、売却から引渡しまでスムーズに進められるので、売却後のスケジュールが立てやすいです。

就職や転勤などで期限までに余裕のない方や、あらかじめ売却期限が決まっている場合にも買取はおすすめです。

4.土地買取のメリットは「スピーディーな現金化」「仲介手数料なし」

土地買取を選ぶメリットは、「すぐに現金化できる」「仲介手数料などのコストを抑えられる」などです。

具体的には、以下のポイントが挙げられます。

仲介では得られないメリットも多いので、詳しい特徴をみていきましょう。

4-1.スピーディーに現金化できる

買取は、現金化までの期間が短いのが特徴です。

仲介の場合は、買主を見つけるための広告活動や内覧対応、買主の住宅ローン審査などがあるため、土地を売るまでに時間がかかります。しかし買取の場合は、取引相手が不動産会社であるため、仲介で必要な手続きを簡略化でき、スピーディーに現金を入手できます。

また、買取ができる不動産会社は、資金力がある中小〜大手の会社であることが多いので、買主が住宅ローンを組めずに契約解除されるなどの心配をする必要も少ないといえます。

4-2.仲介手数料が発生しない

不動産会社に買取を依頼する際は、仲介手数料が発生しません。

仲介手数料とは、不動産会社に仲介を依頼して売却した際に発生する報酬です。

たとえば、仲介で依頼した土地が400万円で売れた場合、仲介手数料は「3％ + 6万円（消費税別）」かかるので、最大で18万円 + 消費税を支払う必要があります。

しかし、買取で土地を売却すれば、仲介手数料が発生しないので資金に余裕を持たせることが可能です。

4-3.建物が古くても解体せずに売却できる

買取は、建物が古くても解体せずに売却できるメリットがあります。

不動産会社は、買取後に解体を前提としているため、売主が解体費用を負担して売却する必要はありません。

そのため、土地に古い家が建っており、解体の手続きや費用について悩んでいる場合には、買取は有効な売却方法と言えるでしょう。

4-4.契約不適合責任を免責できるケースが多い

買取を依頼して土地を売却する場合は、契約不適合責任を免責にできるケースが多いです。

契約不適合責任とは、売買契約書に記載しておらず、買主に対して契約時に伝えていなかった欠陥が売却後に見つかった場合、売主が買主に対して負う責任のことです。

たとえば、売却後に土地に埋没物があったり汚染されていた事実が発生すると、契約不適合責任に基づき、売没物の手撤去代や洗浄費用を求められる可能性があります。

しかし買取の場合は、原則として契約不適合責任が免責になるケースが多く、売主の負担を軽減しやすいメリットがあります。

契約不適合責任について詳しく知りたい場合は、以下の記事をご確認ください。

瑕疵担保責任と契約不適合責任の違い｜民法改正で売主の注意点は？

売買の対象物に隠れた瑕疵（かし＝通常有すべき品質を欠くキズや欠陥）があ

4-5.周囲に知られず売却できる

仲介と比較して、周囲に知られずに売却できるのもメリットです。

仲介のようにインターネットやチラシなどで買主を探す必要がないので、近隣住民に気付かれることなく売却を完了できます。

ご近所トラブルで引っ越す場合や、離婚が原因により売却する際など、周囲に知られたくない理由があれば買取の利用がおすすめでしょう。

5.土地買取のデメリットは「価格の安さ」「取扱い店舗が少ない」

土地買取のデメリットは、「価格の安さ」と「取扱い店舗が少ない」ことが挙げられます。

具体的には、以下のデメリットがあります。

メリットだけでなくデメリットも把握して、買取を依頼するか検討しましょう。

5-1.再販目的で買い取るため価格が安くなる

「1.「土地買取」と「仲介」の違いは価格と期間」でも解説しましたが、再販目的で買い取るため価格が安くなるデメリットがあります。

不動産会社としては、安く仕入れてなるべく大きな利益を得たいと考えているため、買取価格が安くなりやすいのです。

また、先述したとおり、土地を再販するための広告費や人件費、買主が見つからないリスクなどを考慮すると、相場よりも安い価格で買取されます。

たとえば、仲介価格が1,000万円で売れる土地だとしても、買取の相場は7〜8割程度と言われているので、700万円〜800万円程度にまで下がる可能性があるのです。

5-2.買取に対応している不動産会社は限定的

いざ買取を依頼したいと考えても、買取に対応している不動産会社は限定的です。

比較的低コストでも行える仲介や賃貸に対応している不動産会社は多いですが、買取の場合は、1つの土地につき数千万円〜数億円程度かかることもあり、資金力のある中規模〜大規模な会社を探さなければなりません。

そのため、地方のエリアであれば、不動産取引が少ない現状もあって、買取に対応している不動産会社を探すのに苦労するでしょう。

買取してくれる不動産会社をスムーズに見つけられない点は、売却活動が長引く可能性があるためデメリットと言えます。

5-3.買取業者の見極めが必要

土地買取を成功させるためには、買取業者の見極めが必要です。

業者によっては、最初に高額な査定を提示しておきながら、理由を付けて途中で値段を下げて、最終的には相場よりも大幅に低い金額で取引してくる業者もいるでしょう。

また、先述したとおり、買取の場合は仲介手数料が発生しませんので、手数料を要求されたら売買を進めないことが賢明です。

信頼できる買取業者を見つけるには、社歴が長く実績が豊富な業者に依頼することをおすすめします。さらに、査定依頼する際は、複数社から見積もりを取ったり、ご自身で買取相場を把握したりすることも効果的でしょう。

「不動産売却 HOME4U」を活用して、複数社へ土地の買取査定を依頼してみましょう。なおご依頼の際には備考欄に「土地買取希望」と忘れずにご記入ください。

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6.土地買取が向いている人の特徴

土地買取が向いている人の特徴は、以下のとおりです。

買取は、すぐに現金が欲しい方や、古くてなかなか売れそうにない建物付きの土地を売りたい場合におすすめです。

6-1.急いで現金化したい

急いで現金化したい場合は、買取を利用しましょう。

買取は、仲介での売却が3ヶ月〜6ヶ月程度かかるのに対して、最短1週間程度で売却できるため、現金化までのスピードが早いのが特徴です。

そのため、新たに住宅ローンを組む予定があったり、新生活や離婚などで急いで現金が必要になったりする場合には買取が向いています。

6-2.仲介では売れない物件を売りたい

土地買取は、仲介では売れない物件を売りたい場合にも活用できます。

建物が建てづらい形状をしていたり、土地に傾きや高低差があったりする条件の悪い土地であっても、買取であれば売却できる可能性があります。

たとえ、相場よりも大幅に安い価格で買い取られたとしても、土地を維持するだけでも毎年固定資産税や除草などの管理コストが発生するため、所有し続けていることの方がデメリットは大きいです。

仲介でも売れない土地は、買取を利用して早めに手放しましょう。

6-3.築年数が古く欠陥や不具合も多い

築年数が古く欠陥や不具合が多い建物が建っている土地には、買取が有効です。

仲介であれば、築年数が経過して不具合箇所の多い建物は売れづらいですが、リフォームや解体を前提としている買取であれば、スムーズに売却できる可能性があります。

ご自身でリフォーム費用や解体費用を負担して仲介で売却するよりも、買取を利用して売った方が手元に残る資金が増えるケースもあるため、築年数の古く欠陥の多い建物付きの土地であれば、買取の利用をおすすめします。

7.土地買取を成功させるコツ

土地買取を成功させるコツは、以下の3つです。

仲介よりも価格が安くなるデメリットを最小限にするためにも、なるべく高値で買取してもらうコツを把握しておきましょう。

7-1.自分で相場を調べておく

不動産会社に安い価格で買取されないためにも、自分で相場を調べておきましょう。

事前に売却する土地の相場を把握しておけば、不動産会社から提示された価格が適正であるか判断できるので、安く買取されることを回避できます。

自分で土地の相場を調べる際は、「不動産情報ライブラリ」がおすすめです。不動産情報ライブラリは、実際に土地売買を行った方のアンケート情報を基に国土交通省が公開しているデータベースです。

過去に実際に取引した価格が掲載されているので、情報の質が高く、詳しく土地の売却相場を確認したい場合に活用できます。

ただし、アンケートが任意であることから、エリアによっては情報の掲載がない場合もあるため、取引件数の少ないエリアの価格情報は参考程度としましょう。

土地の相場を調べる方法を詳しく知りたい場合は、以下の記事をご確認ください。

土地相場を調べる方法と、売却に向けてのポイントを解説！

相続した土地を持て余しているなどの様々な理由で土地を売却することになっ

7-2.買取保証を利用する

なるべく高値で土地を売却したい場合は、買取保証の利用を検討しましょう。

買取保証は、一定期間仲介での売却活動を行って、仲介期間中でも買主が見つからない場合は、不動産会社に土地を買取してもらう方法です。

仲介期間中で売却できれば相場価格程度で売れる可能性がありますし、売れなくても買取されることが決まっているので、売却が終了する目処をきちんと把握できます。

ただし、一定の仲介期間が含まれるので、最初から買取を利用するよりも時間がかかるデメリットがあります。

そのため、売却完了するまでの期間に余裕がある場合は、買取保証を利用するのもおすすめです。

7-3.土地査定は複数社に依頼する

なるべく高い価格で買取してもらうためにも、土地査定は複数社に依頼しましょう。

複数社の買取価格を比較することで、高値で買取してくれる不動産会社を見極められますし、不動産会社との相性も確認することが可能です。

また、複数社に査定依頼しておくと、売却する土地の相場感を把握できるため、スムーズに売り出し価格を設定でき、売却期間の短縮に期待できます。

1社のみの査定では、提示された買取価格が妥当であるか分からないため、土地査定の際は複数社に依頼して、価格や対応力など総合的に判断して選びましょう。

複数社への一括査定を依頼するなら、「不動産売却 HOME4U」にお任せください。1回の依頼で最大6社まで気になる不動産会社を選べます。なおご依頼の際には備考欄に「土地買取希望」と忘れずにご記入ください。

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まとめ

土地買取は、不動産会社が直接土地を買い取ってくれる方法です。仲介と比べて短期間で売却でき、仲介手数料も発生しないメリットがあります。

一方で、仲介よりも7〜8割程度の価格で買取されるデメリットがあるため、高値での売却を目指すのであれば仲介がおすすめです。

土地買取は、価格が安くてもとにかく早く土地を手放したい場合や、仲介でも売れない土地を売却したい際に向いている方法と言えます。

買取を利用する際は、土地買取の特徴やメリット・デメリットを把握し、ご自身の売却目的と比較した上で依頼するようにしてください。