買ってはいけないマンションには、「土地・立地」「物件」の2つの面に特徴があります。
マンション購入で失敗しないためには、事前にその特徴を知り、該当しないか確認することが大切です。
本記事では、買ってはいけないマンションの11の特徴と、購入後に後悔した場合の対処法を紹介します。
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1.買ってはいけないマンション:土地・立地の特徴
初めに、買ってはいけないマンションの、「土地・立地」における特徴を解説します。
1-1.災害リスクが高い場所にある
住み替えなどで災害リスクが高い場所にあるマンションを購入すると、災害が起きたときに、建物や住む方が大きな被害に遭う恐れがあります。
災害リスクには、地震や台風・豪雨による水害、地すべりやがけ崩れといった土砂災害、津波などがあります。
災害に遭いやすい場所にあるマンションの価値は低く評価される傾向にあります。
将来マンションを売却しようとしたときに、期待したほどの金額で売れない可能性もあるでしょう。
マンションがある地域が、具体的にどのような災害リスクが高いかについては、国や自治体が作成するハザードマップで調べられます。
各地域のハザードマップは、「ハザードマップポータルサイト」で閲覧できますので、検討するマンションの地域について確認してみましょう。
1-2.生活利便性が悪い・嫌悪施設がある
生活の利便性が悪い、あるいは近くに嫌悪施設がある立地のマンションは、避けたほうがよいでしょう。
利便性が悪い立地としては、公共交通機関が少ない、普段の買い物をする店舗が遠い、医療機関が近くにない、治安が悪いなどがあげられます。
こうした立地だと、車移動が前提となり、日々の生活に不便さを感じる方も多くなるでしょう。
また、嫌悪施設がマンションの周囲にあると、生活するうえで精神的な負担になりかねません。
マンションを売却する際の不利な条件になりえるので、将来の売却を考えるうえでも可能な限り回避すべきでしょう。
嫌悪施設とは、周囲の方に不快感や嫌悪感を抱かせる施設です。代表的なものには、以下のようなものがあります。
- ゴミ焼却場
- 火葬場
- 下水処理場
- 墓地
- 風俗店
- 騒音、振動、悪臭などを発する施設(線路、工場など)
- 高圧線鉄塔 など
マンションを検討する際は、立地のよしあしや嫌悪施設の有無を必ず確認しましょう。
1-3.駅までのアクセスが悪い
アクセスが悪いマンションの購入は、あまりおすすめできません。
マンションから駅まで遠いと、徒歩や自転車の移動距離が長くなり、時間がかかるうえに疲れやすくなります。
バスが利用できれば、移動時間を短縮できるかもしれませんが、電車代に加えバス代がかかってしまいます。
また、駅から目的地へ行くまでに、電車の乗り換えが多いと、通勤や通学の時間が予想以上にかかってしまうでしょう。
基本的に駅近くの土地は高額で、一戸建て住宅はなかなか見られません。
駅の間近に住まいを持てるのが分譲マンションの大きなメリットとも言えます。
当然、駅近の物件ほど高額にはなりますが、需要が高く、資産価値が比較的落ちにくい特徴があります。
逆に、アクセスが悪いマンションは敬遠される傾向があり、売却の際に売れにくくなる恐れもあります。
1-4.定期借地権付きのマンション
定期借地権付きのマンションは、デメリットを十分に把握したうえで購入を判断しましょう。
定期借地権とは、一定期間、家を建てる目的で土地を借りる権利です。
定めた期間が終わると、土地を地主に返還することになります。
返還の際に、建物の解体が条件になっている定期借地権もあり、期限が来るとマンションを解体するため住民は立ち退くことになってしまいます。
期限が差し迫るほど、売れにくくもなります。
ほかにも定期借地権付きマンションには、「住宅ローンが組みにくい」「修繕積立金が将来の解体費用も含むため高い」といった注意すべき点があります。
定期借地権付きマンションは安く購入できますが、長期的な人生計画をきちんと立てていないと後悔しかねません。
2.買ってはいけないマンション:物件の特徴
買ってはいけないマンションの「物件」における特徴を解説します。
2-1.メゾネットタイプの住戸
メゾネットタイプの住戸の購入は、慎重に検討することをおすすめします。
メゾネットとは、同じ住戸の中に2階がある作りのことです。
マンションでも、戸建てのような感覚で生活できる点がメリットです。
一方で、高齢になった時には、移動が困難に感じる場合もあるでしょう。
暮らしにくくなった場合は、売却して別のマンションに住み替えればよいと考える方もいるかもしれません。
しかし、室内に階段があるメゾネットタイプの住戸は、高齢化が進むこれからの社会では敬遠される恐れがあります。
老後の不安と、売却時の資産価値の低下を考えると、メゾネットタイプの住戸の購入には慎重になったほうがよいでしょう。
2-2.半地下の住戸
半地下とは、部屋の下半分が地下にある住戸のことです。
半地下にすることで、建物の高さや延床面積の制限を緩和できるため、採用されることがあります。
しかし、半地下の住戸は下半分が地中なので、大きな窓が取りにくくなっています。
窓が小さくなりがちで、日当たりや風通しの悪い建物がよく見られます。
また、床が地面より低いため、洪水などで室内に水が入るとたまりやすくなっています。
しかも、排水がしにくいため、水害に弱い建物といえます。
2-3.総戸数に対してエレベーターが少ない
マンション総戸数に対して、エレベーターが少ない物件の購入は要注意です。
エレベーターが少ないと、出勤や登校などで利用者が増える時間帯に、エレベーターになかなか乗れず入口で待つ方が増える「エレベーター渋滞」が発生しやすくなります。
階段で何階も降りることになったり、会社や学校に遅れそうになったりと、日常生活に不便を感じることもあるでしょう。
一般的には、50戸に対し1基のエレベーター設置が適切とされています。
2-4.管理費・修繕積立金が足りていない
マンションの住民が支払う管理費や修繕積立金は、建物や敷地の管理、将来的な修繕費用に充てています。
しかし、一部のマンションでは、空室の増加や住民の未払いなどで管理費や修繕積立金が不足しているケースがあります。
管理費が足りなければ、マンションの清掃や修理が行き届かないことが考えられます。
修繕積立金が不足すると、修繕工事が十分に行えなかったり、不足分を追加徴収されたりする恐れもあります。
国土交通省の調査によると、マンション全体の36.6%が修繕積立金の不足に陥っています。
出典: “令和5年度 マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状”. 国土交通省. (参照2024-08-22)
管理費や修繕積立金が不足しているかどうかは、マンションの管理組合が作成する「重要事項調査報告書」を閲覧するとわかります。
2-5.総戸数10~20戸程度と少ない
マンションの維持管理にかかる費用は、建物の戸数で分割して負担します。
そのため戸数の少ないマンションでは、1戸あたりの管理費や修繕積立金が高額になりがちです。
さらに将来、空室が増えたり住民が滞納したりすると、管理費や修繕積立金が値上げされるリスクもあります。
また住民が少ないことで、管理組合の理事などに選ばれる頻度も多くなることが予想されます。
各種の役回りをデメリットに感じる方も、戸数の少ないマンションは慎重に検討しましょう。
2-6.大きなひび割れがある
大きなひび割れがあると、そこから雨水がコンクリートの中へ侵入し、内部の鉄筋がさびる恐れがあります。
鉄筋がさびると、建物の強度が低下し耐震性が損なわれ、さらに建物の寿命が短くります。
ひび割れの原因はいくつか考えられますが、その1つにマンションの不同沈下があります。
不同沈下は建物が不揃いに地面に沈み込む現象で、軟弱地盤の土地で発生します。
不同沈下が起きれば建物に負荷がかかり、ひび割れだけでなく、さらに大きな損傷を引き起こす恐れもあります。
2-7.広告に「告知事項あり」の記載がある
広告に「告知事項あり」の記載があるマンションの購入には、十分な注意が必要です。
告知事項とは、買主が不動産の購入を決める際に大きな影響を及ぼすため、あらかじめ伝えるべき事柄です。
不動産会社は、告知事項を隠したり、事実と異なることを伝えたりすることを禁じられています。
代表的な告知事項には、以下の4つの瑕疵(かし、不具合や不都合なこと)があるとされています。
- 心理的瑕疵:自殺や火災など
- 環境的瑕疵:騒音や悪臭など
- 物理的瑕疵:雨漏りや傾きなど
- 法的瑕疵:条例による建物の使用制限など
広告に「告知事項あり」と記載されていた場合は、具体的な瑕疵の内容を確認し、慎重に購入を判断するようにしましょう。
3.新築マンションは買ってはいけない?
新築マンションを選ぶか、中古マンションを選ぶかは、人それぞれの価値観で変わる部分もあります。
しかし、これからお伝えする理由から、新築マンションは多くの方におすすめできない選択肢といえます。
3-1.購入間もなく資産価値が下がる
新築マンションは高額であるものの、購入すると間もなく資産価値が下がってしまいます。
新築マンションの価格には、建物のコスト以外に、宣伝費やモデルルームの運営費などが上乗せされています。
しかし、購入されたマンションは誰かが住んだ途端に中古となり、建物のみの資産価値で評価されます。
新築から中古に変わった瞬間に、資産価値は1割ほど下がるといわれています。
中古マンションも、年数とともに資産価値は下がりますが、その下がり方は緩やかです。
中古に比べると、新築マンションの資産価値の下落ぶりは激しく、住宅ローンが多く残った状況では売却しにくくなりやすいでしょう。
3-2.価格の割に部屋が狭い
材料費の高騰などから、マンションの面積あたりの建築費は上昇を続けています。
そのため最近の新築マンションは特に、価格の割に面積が小さい傾向にあります。
国土交通省の調査データによると、2023年の新築マンション1戸あたりの床面積は、10年前の2013年に比べ、9.19平米も減っています。これは、約5.5畳の部屋が1部屋減ったことに相当し、以前に比べかなり狭くなっていることがわかります。
調査年 | 1戸あたりの床面積(平米)※ |
---|---|
2023年 | 71.14 |
2022年 | 71.41 |
2021年 | 70.93 |
2020年 | 69.10 |
2019年 | 71.48 |
2018年 | 70.84 |
2017年 | 76.81 |
2016年 | 73.89 |
2015年 | 74.34 |
2014年 | 78.90 |
2013年 | 80.33 |
※新設マンションの総床面積を新設戸数で割り算出
「“建築着工統計調査”. 国土交通省. (参照2024-08-22)」のデータをもとに、お家のいろはが独自に作成
それにもかかわらず、新築マンションの価格は上昇し続けており、価格の割に部屋が狭い状態になっています。
この割高感が、新築マンションは買ってはいけないといわれる、大きな要因になっています。
3-3.住民・管理組合について事前に分からない
新築マンションは、新しく入居する住民ばかりのため、どの程度のモラルが保たれるかわかりません。
近隣トラブルを起こす住民や、ルールを守らない住民によって、マンションの住環境が乱される恐れがあります。
また、入居者で構成される管理組合も、どの程度積極的に管理に取り組むか不透明です。
協力的ではない、ただ選ばれただけの理事が多ければ、マンションの維持管理が行き届かなくなる可能性もあります。
一方で中古マンションは、住民がマナーを守っているか、トラブルがあるかどうかを事前に管理会社に確認できます。
また、管理組合の議事録を閲覧すれば、しっかりと管理や修繕が行われているかがわかり、そのうえで購入するかどうかを判断できます。
住民や管理組合が未知の新築マンションは、多くの方にとってリスクのある住まいといえるでしょう。
3-4.カスタマイズ性が低い
新築マンションはカスタマイズ性が低い建物です。
すなわち、入居者のニーズに応じて内装や設備、間取りなどを変更してもらうことが難しいのです。
新築マンションはすでに完成しているため、内装などを変更するには有償のオプション対応となり、追加費用がかかります。
建物が高額なうえにオプション費用も加わると、住宅ローンの負担がさらに大きくなる恐れがあるため、ハードルはかなり高いといえます。
一方で中古マンションなら、初期費用が新築に比べ抑えられるため、リノベーションなどにかかる費用も捻出しやすいでしょう。
4.マンションの購入後に後悔した場合の対処法
マンションを購入した後に、後悔した場合はどのように対処したらよいか、おすすめの方法を2つご紹介します。
4-1.売却する
マンション購入後に後悔してしまった場合、まず考えられるのが売却です。
たとえ購入時の住宅ローンが残っていても、マンションの売却代金を充て完済できれば売却は可能です。
売却代金だけで返済しきれない場合は、住み替えローンを利用する方法もあります。
住み替えローンは、今の住宅ローンの残りと、新たな住まいを購入する住宅ローンを合算して借りるローンです。
売却を考える際に注意したいのは、マンションの売却価格は年数がたつとともに下がることです。
住宅ローン残債は少ないに越したことは有りませんが、残債が減るのを待てば、マンションの価値も減っていきます。
まずは、現時点で売却が可能なのかを知るために、住宅ローン残債と査定額を把握しておきましょう。
また条件よく売却するには、不動産会社選びが重要です。
NTTデータグループが運営する不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)なら、全国から厳選された2,300以上の不動産会社の中から、最大6社にまとめて査定依頼ができます、
信頼できる不動産会社を見つけやすくなるので、売却を考える際はぜひご活用ください。
4-2.賃貸に出す
「購入」して後悔したとしても、「賃貸」での需要はあるかもしれません。
例えば、メゾネットタイプの物件は賃貸では人気ですし、長期的に住むことを考えなければほとんどのデメリットに関心が向かないでしょう。
住宅ローンの返済に充てられるだけでの賃貸収入がえられれば、気兼ねなく別の住まいに移り住めます。
ただし賃貸経営は簡単なものではありません。
空室が続くリスクや、管理会社への委託費用をはじめとしたランニングコストがかかるためです。
賃貸経営では計画性が重要です。
地域の賃貸需要はどの程度なのか、長期的にかかる費用はどれほどなのか、利回りどの程度なのか、などを明確にしていきましょう。
まとめ
買ってはいけないマンションには、土地・立地と物件の、2つの面に特徴があります。土地・立地では災害リスクが高い、生活利便性が悪い、嫌悪施設があるなどが特徴です。
物件では、メゾネットタイプや半地下の住戸になっている、大きなひびがあるなどの特徴がある物件は要注意です。
また、管理費や修繕積立金の不足や告知事項があるなど、見た目ではわからない特徴もあります。事前に仲介をする不動産会社に確認しましょう。
マンション購入後に後悔した場合は、売却や賃貸に出す対策があります。しかし、初めから自身に適したマンションを購入できるのが理想です。
買ってはいけないマンションの特徴をしっかりチェックし、満足できるマンション購入を目指しましょう。
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