老後資金の救世主?リバースモーゲージをゼロから解説!

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医療技術の発展によって、人生100年時代の到来も、そう遠い未来ではなくなってきました。
今や内閣府でも人生100年時代構想会議というものがあり、これからは100歳まで生きる人もかなり増えることが予想されています。

寿命が長くなることは喜ばしいことですが、その反面、お金の不安も増えてきます。
少子高齢化で年金制度も怪しくなってくると、自分でなんとか老後の資金を生み出していく必要性が生じます。

そのような中、老後の資金捻出方法の一つにリバースモーゲージがあります

リバースモーゲージ自体は、海外では古くから活用されている手法であり、日本にもかなり前から伝わっていましたので、言葉だけは知っている人も多いこと思います。

近年、高齢化が本価格化していく中で、改めてリバースモーゲージが注目を浴びるようになってきました。

ただ、リバースモーゲージ自体は、国内ではあまり浸透していません。
一方で、利用者のリバースモーゲージに対する期待は高まっています。

そこで、この記事ではまずリバースモーゲージとは何なのかについて解説し、求められている背景や仕組み、利用する上での注意点、今後の普及可能性等についてご紹介していきます。

これを読めばリバースモーゲージについて分かるようになります。
ぜひ最後までお読みいただき、今後のご参考に頂けると幸いです。

1.リバースモーゲージとは

1-1.高齢者向け年金的融資のこと

リバースモーゲージとは、一言で言うと高齢者向けの年金的融資ということになります。
自宅に住みながら、自宅を担保にお金を借り、本人が他界したときに不動産を売却して一括返済する融資のことを指します。

高齢者向けの年金的融資という正式な日本語はないため、少し解説します。

まずリバース(reverse)とは、英語で「反転する」、「裏返す」というような意味です。
モーゲージ(mortgage)は、「抵当」や「貸付金」といったような意味になります。

リバースモーゲージという仕組み自体は、特に利用者を高齢者に限定しているわけではありません。
ただ、融資の年齢要件を高齢者と対象としている銀行が多いことこら、高齢者向けサービスとなっています。

リバースモーゲージ

リバースモーゲージでは、自宅を担保に入れてお金を借ります。
お金は住宅ローンのように一度に借りるのではなく、毎月ちょっとずつ借ります。
借りたお金は、まるで年金のように毎月入金されるため、「年金的融資」と言われています。

返済については、債務者が他界したときに、担保に入れていた不動産を売却することで一度に返します。

普通の融資とはお金の減り方が「逆」であるため、反転した(リバース)貸付(モーゲージ)と呼ばれているのです

1-2.住宅ローンとの違い

リバースモーゲージを理解するために、住宅ローンとの違いを見ていきます。

住宅ローンでは、最初に借入金の総額が一度全て自分の口座に入金されます。
その後、不動産を購入した後、元金と利息を返済していきます。

住宅ローンでは借りたお金は徐々に減っていきます。
住宅ローンのお金の時間的な流れをイメージとすると以下のようになります。
お金は右肩下がりで減っていきます。

住宅ローン

一方で、リバースモーゲージでは所有している自宅に住んだまま、まずその家を担保に入れ借入総額を決定します。
その後、毎月、元金を借入、本人が他界した後に住宅を売却して借入金を一括返済します。

リバースモーゲージでは借りたお金は徐々に増えていきます
リバースモーゲージのお金の時間的な流れをイメージとすると以下のようになります。
お金は右肩上がりで増えていきます。

リバースモーゲージ

同じ家を使ったローンでも、住宅ローンとリバースモーゲージでは、借入金の増え方(減り方)が、リバース(反転)しているのです。

2.なぜ今リバースモーゲージなのか

2-1.超高齢化時代への突入

リバースモーゲージが求められるようになった背景には、国内の健康寿命の長寿化があります
健康で長生きできる人が増えた分、老後に必要なお金も増えてきました。
また核家族化も進んでいることから、高齢者が子供たちに頼りづらい状況になっていることも背景にあります。

従来、高齢者は退職金で作った貯金と年金による生活を前提としていましたが、寿命が延びてしまうと、寿命よりも先に貯金が尽きてしまうという問題があります。

一部の高所得者の人であれば、若いうちから不動産投資を行うという手段も考えられますが、投資ができるような人は、ほんの一握りの人に限られます。

そのため、不動産投資などをする必要もなく、今の持っている資産を活用してお金を捻出する方法が求められるようになってきました。
それがリバースモーゲージです。

リバースモーゲージは、何も特殊な不動産を新たに購入する必要はありません。
今まで住んでいたマイホームを新たな抵当に入れることによって、資金を借りることができます

不動産投資のようなリスクを取ることはなく、今ある資産をそのまま生かすことができるため、安心してお金を生み出すことができます
今の自宅に住みながら、老後資金が手に入ることは大きな魅力です。

リバースモーゲージは投資ではないため、特に勉強や自己資金の貯蓄等の準備は必要ありません。
条件が整っていれば、誰でも気軽にできるというメリットがあります。

2-2.ストック重視型社会への転換

リバースモーゲージ自体は、老後の生活資金の捻出方法として合理的な手法であるため、アメリカやヨーロッパでは広く浸透しています。

海外では広く浸透しているのに、日本では一般化していない理由は、お国事情の違いがあるからです。

日本でリバースモーゲージが浸透しない理由としては、日本の中古不動産市場はアメリカやヨーロッパに比べ成熟していないという点が良く指摘されます。
リバースもゲージでは将来住宅を売却して一括返済することになりますが、将来価値が下がる中古住宅に関しては、お金を貸しにくいというのが理由です。

国民的な嗜好の問題もありますが、日本人は基本的に新築が大好きです。
「初物」、「初売り」といった初めて売り出させるものに対して大きな価値を見出します。
毎年、初マグロが高値で取引されるのは、日本人の初物好きを表した社会現象です。

日本では、新築後1年以内で誰も住んでいない建物のことを新築と呼びます。
新築は非常に高値で取引されますが、一瞬でも人が住んでしまうと中古として扱われ値段が落ちます。

それに対して、欧米諸国では古い住宅でも十分な高値で取引が行われます。
古くても手入れの行き届いた住宅であれば、ヴィンテージものとしての価値があり、価格が落ちるようなことはありません。

日本は中古住宅の価格がすぐに下がってしまうため、せっかく建物投資を行っても、それが国民の住宅資産として積み上がっていかないという課題があります。

国土交通省が公表している資料によれば、2011年時点で今までの日本の住宅投資額の累計は862.1兆円でしたが、住宅資産額は343.8兆円しか積み上がっていません。
住宅投資額の累計よりも住宅資産額が500兆円程度下回っています。

それに対し、アメリカは2010年時点では住宅投資額の累計は13.7兆ドルなのに対し、住宅資産額が14.0兆ドルまで積み上がっています。
住宅投資額の累計と住宅資産額がほぼ同額です。

つまり、アメリカは投資した金額がそのまま国民の資産として積み上がっていきますが、日本ではせっかく住宅投資をしてもそれが国民の資産として積み上がっていないということになります。

日本では、時間とともに建物価値が減るため、せっかくの投資が無駄に終わってしまっているという見方ができます。

このような投資が無駄に終わっている状況に関し、国も危機意識を持っています。
そのため、現在は国をあげて中古住宅市場を活性化しようとしているところです。
国の住宅政策の方向性を指し示す「住生活基本計画」では、中古住宅の流通市場を2025年までに8兆円(2013年の2倍)へする目標を掲げています。

中古住宅市場が活性化すると、期待されるのはリバースモーゲージの活用です。
お金を貸す側の銀行からすると、将来価値の下がりにくい不動産の方が、お金は貸しやすくなります。

日本は、中古住宅(ストック)を重視する社会へと転換しつつあるため、その延長線上にあるリバースモーゲージにも、期待が集まっているということになります。

3.リバースモーゲージの仕組み

リバースモーゲージとは、具体的にどのようなものなのでしょうか。
この章ではリバースモーゲージの仕組みについて解説します。

3-1.基本的に戸建のみ

現在、リバースモーゲージが利用できるのは、原則として戸建住宅のみです。
最近では一部にマンションを対象としているリバースモーゲージも登場しつつありますが、原則は戸建です。

戸建

リバースモーゲージでは、最初に借入可能額の総額を決めます。
例えば、借入可能額を1,000万円と決め、毎月5万円を借りるように設定します。
この場合、200ヶ月(約16.6年)の間、毎月5万円を借り続けることができます。

借入金額は毎月積み上がっていきますが、お金を借りた本人が他界した際、担保として提供している不動産を売却することで返済を行います。

お金を貸す銀行からすると、お金が返ってくるのは将来ということになります。
しかしながら、日本の不動産は欧米諸国と比べると、将来は価値が落ちるということが常識です。

価値が落ちる原因としては、主に建物価格の下落です。
建物は、新築当初が一番価格は高く、その後、築25年を過ぎると建物価値はほぼゼロとなります。

それに対して、土地は時間とともに価値が必ず下がるということはありません。
そのため、将来価値が下がらない土地を持っている戸建住宅であれば、銀行はリバースモーゲージの融資をしやすくなります。

戸建住宅と言っても、銀行が注目しているのは土地のみです。
土地価格の70%程度を融資可能総額として決定します。

土地も景気の状況によっては価格が上下します。
銀行としても土地の下落リスクは考慮する必要があり、土地価格の満額を融資するにはリスクがあります。

そこで30%程度は下落リスクを見込むため、土地価格の70%程度を融資します。
また銀行によっては下落リスクを50%程度見込む銀行もあり、そのような銀行は土地価格の50%程度しか融資してくれません。

リスクの取り方が異なれば、銀行によっても借りることできる金額は異なります。

一方で、マンションは土地と建物の価格が分離しにくく、建物を取壊して土地だけ売却するということもできません。

銀行からすると、マンションは確実に回収できる価格がいくらなのか把握しにくいという欠点があります。
そのため、ほとんどの銀行がマンションでのリバースモーゲージは行っていません。

但し、物件や銀行によってはマンションのリバースモーゲージを取り扱っているところもあります
都心部で価値がなかなか下がらないマンションを持っている方は、一度調べてみても良いかもしれません。

尚、リバースモーゲージの申込は、55~65歳以上を対象としている銀行が多いです。
例えば、60歳以上の申込の場合、30歳のときに戸建を購入した人であれば、その戸建は既に築30年を経過しています。
申込時点で、建物価格がゼロとなっているケースは多いです。

そのため、申込時点で、自宅の評価額がほぼ土地価格となっているケースが多く、その50~70%が融資の対象となります。
土地価格が安いエリアであれば、借りられる額もそれに応じて安くなります。

リバースモーゲージでは、いざ借りようとすると、借入可能額が想像以上に安かったという場合が良くあります。
借りられる額は、今の土地価格の50~70%程度と認識しておきましょう。

3-2.利払い返済は必要

リバースモーゲージでは、元本に関しては本人が他界したときに自宅を売却して一括で返済します。
但し、利息については、リバースモーゲージの開始時より支払いが発生します。

一部には最後に利息を返す商品も見られますが、基本的にはほとんどのリバースモーゲージで利息は契約期間中に利息の支払いを行います。

ちなみに、金利に関しては基本的に住宅ローンよりも高いですが、変動金利よりも固定金利の方が安いというのは、住宅ローンと同じです。

リバースモーゲージの場合、固定金利を採用している銀行が少なく、変動金利が多く採用されているのも特徴で、短期プライムレートと連動させた金利を採用している銀行が多くなっています。

短期プライムレートとは、貸出期間が1年未満の融資の中で、銀行が企業に対して融資する際の最優遇金利のことを指します。
変動金利の指標とされ、通常の融資の変動金利の考え方にも多く採用されています。

リバースモーゲージでは、短期プライムレートにプラス1~1.5%を上乗せした金利を設定している銀行が多く、変動金利を採用しており、金利は毎年のように見直されるようになっています。

3-3.推定相続人の同意が必要

リバースモーゲージを申し込むには推定相続人の同意が必要です。

お家のいろは コラム推定相続人とは

推定相続人とは、現時点で相続人になり得る人たちのことを言います。
要は、相続人のことです。
相続では、他界する順番が必ずしも決まっているわけではありません。
そのため、実際の相続発生前は、例えば本人、配偶者、子供の様に他界する順番を想定しないと相続人を決めることはできません。
そこで、相続発生前の相続人を推定相続人と呼んでいます。

ご主人がリバースモーゲージを申し込む際は、妻や子供等の推定相続人の同意が必要となります。

理由としては、リバースモーゲージでは、本人が他界した際、自宅を売却することになるため、相続人が自宅を相続できないためです。

申込にあたり、推定相続人には自宅が相続できないことを了解してもらう必要があります。
隠し子等もおらず、戸籍上で推定相続人も確定できることも必要です。

まずは申込時点において推定相続人間で揉めないようにすることが重要です。
推定相続人は実は自宅を相続できることを期待していたという場合もありますので、家族で良く話し合うようにして下さい。

また、多くの金融機関では、リバースモーゲージの申込時点で自宅に夫婦2人暮らし、またはひとり暮らしが要件となっています。
つまり子供と同居している場合は借りることができません。

戸建

核家族となっていることも前提となります。
核家族となっていれば、相続人が他界した際、不動産をすぐに売却できるというメリットがあります。

居住者がいると、その人の新たな住まいを確保するために時間が必要となり、銀行が融資をしにくくなるというのが理由です。

尚、本人と配偶者で住んでいる場合、本人が配偶者より先に他界することがあります。
リバースモーゲージでは、配偶者が一人で残された場合は、1年間返済の猶予を認めるというパターンと、配偶者がそのままリバースモーゲージを引き継げるパターンがあります。

どちらの設定になっているかは、銀行によって異なりますので、十分に確認するようにして下さい。
特に配偶者は、一人で残された場合の設定条件を踏まえた上で同意する必要があります。

夫婦2人暮らしでリバースモーゲージを申し込む場合には、夫が先立つ場合にその後どのような対応をするかを十分に検討した上で申し込むようにしましょう。

3-4.お金の利用目的は自由

リバースモーゲージでは、借りたお金の使い道を原則自由としている銀行が多いです。

通常、ほとんどの融資はお金を借りる際、資金使途を明確にします。
例えば、住宅ローンであれば、借りたお金で投資物件や車などを購入することはできません。

資金使途が自由であることがリバースモーゲージの最大の特徴です。
年金のように生活資金として何に使っても良いので、年金的融資と言われるゆえんです。
住宅ローン残債の返済への充当も認めている銀行もあります。

但し、自由と言いつつも事業資金や投資商品の購入資金に充てることは禁止している銀行は多いですので、注意が必要です。

またリバースモーゲージでも資金使途を指定している銀行もあります
指定している場合は、資金使途を老人ホームへの入居保証金、自宅の増築・改装費用、医療費・介護費等としている銀行が多いです。

資金使途が自由だと思っていたら、実は制限があったという場合もありますので、申し込みの際は資金使途も十分に確認するようにしましょう。

4.リバースモーゲージを利用する際の注意点

4-1.対象エリアが少ない

リバースモーゲージの注意点としては、利用できるエリアが少ないことがあります。

リバースモーゲージは、将来売却してお金を返す仕組みであるため、不動産市場がそれなりに発達しているエリアでないと融資することができません。

近年は、地方では人口減少に伴い不動産を売りに出しても全く売却できないというような事例が見られます。

銀行にとっても、将来、売却しようとしたら売れずに回収できなかったという事態は避けなければなりません。

そのため、リバースモーゲージが利用できるエリアは、首都圏や大阪圏、名古屋圏だけとしている銀行もあります
特にマンションは、都心部の中でも一部の地域や一部のマンションというように、対象は限られています。

また地方銀行では自分たちの営業店のあるエリアしか融資の対象としていないのが原則です。
自分が住んでいるところの以外の地方銀行は、利用できないというデメリットがあります。

4-2.金利の上昇

ほとんどのリバースモーゲージでは、変動金利を採用しています。
変動金利は固定金利よりも安いというメリットがありますが、金利が上昇してしまうというリスクがあります。

特に、2018年時点では日銀がマイナス金利を採用しているため、今後金利はこれ以上下がることは無くても上がる可能性は十分にあります。

これからリバースモーゲージを選択する人は、金利は上がることを前提に申込をした方が良いです。

尚、リバースモーゲージでは毎月金利だけを支払っていく返済方法を利払い型と呼んでいます。
それに対し、満期時に元本も利息も一気に支払う満期一括受取型もあります。

満期一括受取型では、利息が元金に加算されていく複利方式になってしまうため、最終的には利息の支払いが利払い型よりも大きくなってしまいます。

金利の負担を少しでも軽減するためには、利払い型の商品を選択するのが良いでしょう。

4-3.評価の見直し

リバースモーゲージでは、担保物件の評価の見直しを行います。

原則として、リバースモーゲージの担保の対象となっているのは、土地だけですが土地価格は景気の状況によって上がったり下がったりします。

土地価格が上がっている状況であれば全く問題はありません。
しかしながら、長い融資期間の間には土地価格が下がる場合もあります
この下がったときが問題です。

例えば、契約当初、土地を評価した結果、借入可能総額が1,000万円だったとします。
しかしながら、5年後に評価をし直したら、借入可能額が800万円にしかならないようなケースもあります。

すると、本当は1,000万円まで借りることができる予定だったものが、800万円までしか借りることができなくなり、当初予定したよりも早く融資が途中で打ち切られることになります。

また、例えば当初の借入可能総額が1,000万円で、10年後の評価が600万円であり、既に700万円借りてしまっているような場合は、一定期間内での返済が求められます。

さらに、本人が他界した際、実際に不動産を売却したら元本割れをしていた場合には、不足分に関しては相続人に返済義務が回ることになります。

2018年時点では土地価格は上昇基調にあるものの、この状況はずっと続くとは考えられません。
オリンピック後に土地価格が下落するような事態が発生すると、今は将来の土地価格の下落リスクは高いです。

これからリバース-モーゲージを検討する人は、金利上昇リスクに加えて、土地価格の下落リスクも加味した上で、検討するようにしましょう

4-4.長生きリスク

リバース-モーゲージで良く言われるのが長生きリスクです。

そもそも長寿命化による経済的な不安からリバースモーゲージが注目されているのですが、リバースモーゲージでは想定以上に長生きしてしまえばそれもリスクにつながります。

例えば、借入可能総額が1,000万円で、毎月の借入額が5万円だった場合、約16.6年しか融資を受けることができません。

仮に65歳で融資を受けたとしても、81.6歳までしか融資を受けられないことになります。
平均寿命が約80歳であることを考慮すれば、生存中に契約期間を満了してしまうリスクは十分に考えられます。

このような場合でも、高齢者が自宅を失うことはないように、金融機関は本人の他界時に住宅を売却するような商品設計となっています。

但し、融資は途中で終わることには変わりなく、急に入ってくる現金が減ってしまうということがリスクです。

また、金利上昇リスクや担保価値の下落リスクは、融資期間が長期化することによって顕在化します。
つまり長生きするほど金利上昇リスクや担保価値の下落リスクに遭遇する確率が高くなり、リバースモーゲージ全体のリスクを高める要因にもなってしまいます。

リバースモーゲージは、将来どうなるか分からない部分にリスクが潜んでいます
長生きすれば、それだけ将来起こりうることの予想が難しくなります

長生きリスクの存在も知ったうえで、申し込みをするようにして下さい。

4-5.相続させることができない

リバースモーゲージを利用すると、自宅を相続させることができません

配偶者と2人暮しをしているような人であれば、配偶者に資産を残せないため、利用に躊躇する方も多いと思います。

また、一人暮らしの方でも、自分が介護状態となり、お手伝いさん等の世話をしてくれた人へのお礼に少しでも財産を残してあげたいという方もいらっしゃいます。

相続であれば、遺言によって特定の人に財産を分け与えることができます。
遺言で相続人以外の人に財産を渡すことを遺贈と呼びます。

このように相続や遺贈で資産を残してあげたい人がいる方にとっては、リバースモーゲージは使いにくい商品です。

残せる資産が何もないことが、良いかどうかは人によって判断が異なります。
リバースモーゲージを申し込む前に、資産を残してあげたい人がいないかどうかを、もう一度振り返ってみることをお勧めします。

5.今後のリバースモーゲージの普及可能性

リバースモーゲージは、原則戸建しか利用できないことや、エリアも限られている等、利用上の制約も多い商品です。

担保評価部分が土地のみを対象としており、借入可能総額がそれほど大きくないというのもネックです。

例えば、坪20万円の土地で、40坪の敷地であれば土地価格は800万円です。
それの70%が借入可能総額だとすると560万円しか融資を受けることできません。

560万円であれば、仮に月4万円の融資を受けたとしても約11.6年の融資です。
金利上昇リスクや担保価値の下落リスク等々を負う割には大した融資を受けられないと感じる方も多いと思います。

一方で、欧米諸国では中古不動産の価格が新築から比べて著しく落ちるようなことはないため、土地しか担保評価しないというようなことはありません。

欧米諸国は中古住宅も十分高い金額で売却できるため、リバースモーゲージで借入できる金額も高くなります。
その分、リバースモーゲージの魅力も高く、日本よりも普及しているというのが理由です。

今後、日本でもリバースモーゲージが浸透していくには、まず中古住宅市場が今よりももっと活性化することが必要不可欠な条件になります。

活性化とは、つまり中古住宅でも大きく値崩れすることなく、売却できることです。

現在、国の方では2025年までに中古住宅市場を8兆円までに引き上げることを目標にしています。

2025年は人口や世帯数が今よりも減少していますので、それにも関わらず市場規模が拡大するということは、中古住宅が今よりも高く売れることを意味しています。

これはあくまでも目標値であるため、必ずしも将来、中古住宅の売却価格が上がるわけではありません。
しかしながら、中古住宅価格が下がらないような方向に色々な政策が動き出していることは事実です。

よって将来的には少なからず現在よりは中古物件は高く売却できる可能性はあります。
中古住宅が高く売却できることが当たり前になれば、銀行も担保評価の考え方を見直す可能性が出てきます。

10年前はリバースモーゲージでのマンションの取り扱いは考えられませんでしたが、現在ではマンションも扱う銀行も登場しています。
市場が変われば、銀行の考え方も徐々に変化していきます。

少し先の話ではありますが、将来的にはリバースモーゲージでの借入可能総額は上がれば、もっと魅力的な商品へなることが期待されます。

なかなか普及しないリバースモーゲージですが、今後は少しずつ浸透していく方向にあると考えて良いでしょう

リバースモーゲージの利用実績が上がりつつある一方で、申し込んではみたものの審査に落ちてしまうケースも出てきています。
審査の対象となる物件が古すぎたり、設備面や立地等で何らかの支障があると、融資がおりにくくなります。
そうなってしまった場合には、「売却」も視野に入れて検討してみてください。
もし売却するなら、できるだけ高く売りたいですよね。
高く売るためには、複数の不動産会社から査定額を出してもらい、しっかり比較してから売却を依頼する会社を決めることがとても重要です。

NTTデータグループが運営する一括査定サービス「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」なら、お持ちの不動産の所在地や間取りなど簡単な項目を入力するだけで、そのエリアや物件の売却に強い複数の不動産会社をシステムが自動的に抽出してくれるので、手間をかけずに優良な不動産会社にまとめて査定を依頼することができます。
少しでも高く売るために、各社の査定額や売却戦略をきちんと比較して、契約する不動産会社を選ぶようにしてください。

まとめ

いかがでしたか?
リバースモーゲージについて解説してきました。

リバースモーゲージとは高齢者向け年金的融資です。
高齢化社会でニーズは高まりつつありますが、日本は中古不動産の価格が低いため、欧米に比べると普及は進んでいません。

リバースモーゲージを利用できるのは、原則「戸建」のみで、利用にあたっては推定相続人の同意が必要となっています。
また、金利の上昇や担保価値の下落のリスクには注意が必要なことを忘れないでくださいね。

今後は中古住宅市場の活性化に向けて国も本気で動いています
中古不動産が高く売れるようになれば、リバースモーゲージは今よりも魅力的な商品になる可能性があります。
少し先にはなりますが、リバースモーゲージは、将来的にはもっと良くなる可能性はあると考えても良いでしょう

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