「マンション売却を考えているけれど、住宅ローンが残っている」という方は、どうすればよいのか悩まれているかもしれません。
転勤や子供の進学、独立などさまざまな理由で、今の住まいを離れなければならないこともあるでしょう。
一般的に住宅ローンが残っている物件は売却できないことになっていますが、住宅ローンが残っていてもマンションを売却する方法があります。
そこでこの記事では、マンションを売却したいけれど住宅ローンが残っている人のために、売却して住宅ローンを返済する方法や、売却しても完済が難しいときの対処法を詳しくご紹介していきます。
ぜひ、マンション売却を成功させる参考にしてくださいね。
Contents
1.マンション売却は、住宅ローンが残っていてもできる
住宅ローンが残っているマンションを売却したい場合、一般的な方法での売却はできませんが、絶対にできないわけではありません。その方法を知るために、まずはマンション売却について確認しましょう。
1-1.マンション売却で住宅ローンの完済が必要なタイミング
マンションを売却する際、どのタイミングで住宅ローンの残債が問題になってくるのでしょうか?
マンションを売却する際には、「6.売却代金を受け取り、引き渡し」の時点で住宅ローンを完済し、抵当権の抹消を行う必要があります。
1-2.抵当権のあるマンションは売却できない
一般的にマンションを売却する際には、残っている住宅ローンを完済して抵当権を抹消することが前提となっています。
抵当権とは
抵当権(※)とは、住宅ローンを貸し出す金融機関が、担保として対象となる家や土地に設定する権利のことです。住宅ローンの滞納が続いた場合、金融機関はその土地や家を売って返済額に充てることができます。
※参照:e-GOV「民法 第10章 抵当権」
つまり「抵当権が抹消されていない物件」とは、「返済をしなければ取り上げられてしまう物件」ということになります。
ですから、抵当権が付いた物件は売却することができないのです。
しかし、先ほどのマンション売却の流れの「6. 売却代金を受け取り、引き渡し」の時点で、住宅ローンの残債を上回る金額でマンションが売れていれば問題ありません。また、マンションを売却して住宅ローンが残ってしまう場合でも、売却する方法があります。
それぞれの方法を詳しく確認していきましょう。
なお、抵当権の抹消にかかる費用や不動産会社に売却を依頼する際にかかる費用については、下記の記事も参考にしてください。
2. 売却代金でローンを返済する
売却代金がローンの残債を上回る場合、買主から受け取ったお金を返済に充て、残っているローンを完済してから引き渡すことになります。
これは住宅ローンが残っているマンションを売却する場合では一番ハッピーなケースです。もし、残債を払ってもなお売却代金が手元に残れば、手続きの諸費用や次の家を購入する際の資金に充てることもできますので、少しでも高く売れるよう手を尽くしましょう!
それではどうすればマンションを高く売ることができるのでしょうか?実は高く売るためには、売却を依頼する不動産会社を最初から一社に絞らずに、複数の会社を比べて決めることがもっとも重要です。
なぜなら、不動産会社には「賃貸専門」「投資物件が主力」「土地活用がメイン」など、各社により得意分野が異なり、同じ物件を査定してもらっても査定額に差が出てくるからです。
とはいえ、一社一社、自分で査定依頼を行うのは面倒で、時間もかかります。そこでお持ちの物件と相性の良い不動産会社を探すためにおススメなのが、一括査定サービス「HOME4U(ホームフォーユー)」です。
HOME4Uは、一回の簡単な入力でマンション売却の対応が可能な複数の不動産会社に対し、同時に査定を依頼することができます。
手間なく一度に、複数の会社から査定金額を出してもらうことができ、一社に査定してもらうだけではわからない査定額の違いや売却活動の内容を比較しながら、最適な不動産会社を探せます。
マンションを少しでも高く売却するためには、一括査定サービスを利用して複数の不動産会社を比べ、一番信頼できる会社と契約するようにしましょう。
この他にも家を高く売るためのポイントがありますので、ぜひ以下の関連記事も参考にしてみてください。
3.売却代金がローンの返済に足りない場合
ここからは、売却した金額が住宅ローンの返済残額には足りず、ローンが余ってしまう場合の対処法について解説していきます。
3-1.足りない分を現金(自己資金)で支払う
いくつかの不動産会社から査定を受けたものの、どうしても売却代金が残債の額を下回ってしまいそうな場合、足りない分を預貯金などの自己資金で補い、ローンを完済すれば売却が可能です。
なお、「自己資金で補うこともできないし、このままローンを払い続けることも難しい…(だからすっきりと手放したい)」という方は、このあと第3章で紹介する方法も検討してみてください。
3-2.買い替えの場合、足りない分を新たな住宅ローンに組み込む
今住んでいるマンションを売却して別の家を購入する場合であれば、新居の住宅ローンに残債分を上乗せして組む「住み替えローン」というものがあります。
住み替えローンを利用する場合、売却と同時に新居の購入の手続きも進めていかなければならないので、決済や引き渡しのタイミングや売買の相手方、金融機関とのスケジュールの調整が非常にシビアです。
また、上乗せできるローンにも上限があり、売却にかけられる期間の制限や審査条件などが厳しくなる場合もありますので、しっかりと調整を行ってリードしてくれる不動産会社に任せるのがよいでしょう。
住み替えローンを利用する場合の流れなどは、以下の記事でも詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にご覧ください。
4.任意売却をする
万が一住宅ローンの支払いが滞っている場合、任意売却という方法でお金を借りている金融機関や保証会社と交渉をし、債務を残したまま抵当権を外してもらって通常の売却をすることが可能な場合があります。
今はまだ返済が滞っていない方でも、「もう間もなく滞りそう…」という方は、ぜひご一読ください。
もし延滞が続いて債権が回収できなくなってしまうと、抵当権が発動されて担保になっているマンションは競売にかけられてしまいます。競売では通常の手順で売却するよりもずっと値段が下がってしまうので、競売よりは任意売却の方が高く売れる可能性が残ります。
しかし任意売却をするには、住宅ローンを延滞していることが前提であり、どうしても売却しなければならない状況でないと認めてもらえません。
また、認めてもらえたとしても、住宅ローンの延滞事故として個人信用情報に一定期間記録が残り、いわゆるブラックの状態になってしまうため、新しくローンを組んだり、カードの更新ができなくなったりしてしまいます。
任意売却 | 競売 | |
---|---|---|
売却価格 | 市場価格 | 市場価格の約7割 |
物件の引き渡し | 要望をいえる | 強制退去 |
残債の対応 | 分割返済が相談可能 | 一括返済 |
情報公開 | 通常の売却と同様 | 新聞・ネットなどに公示 |
普通の売却と異なり、任意売却には条件やデメリットがあります。しかし、競売よりは高い金額で売れ、そして売却後に残った債務についても無理のない返済プランに変更してもらえるというメリットもあります。
勿論、まるっきり希望を捨てる必要はありません。あくまでひとつの選択肢として検討してはいかがでしょうか。
任意売却についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
参考:法務省「債権回収会社(サービサー)制度 -債権管理回収業に関する特別措置法-」
まとめ
住宅ローンが残っているマンションを売却することは可能です。しかし、売却ができるのは、以下のいずれかに該当する場合です。
- 売却金額で残債を完済できること(抵当権を抹消できること)
- 売却金額で残債が完済できない場合は、自己資金で補い、完済すること
- 上記(1)(2)ともに難しい場合には、条件を満たせば「任意売却」という方法もあること
まずは(1)に該当するよう、「一括査定サイト・HOME4U」を使って、できるだけ高く売ることを目指しましょう!
皆さんの売却活動が成功することを、心からお祈りしています。
- 「マンションを売りたいけど、どうしたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を
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この記事のポイント まとめ
住宅ローンが残っているマンションでも売却する方法はいくつかあります。
不動産売却の流れや売却できる物件の条件について、詳しくは「1.住宅ローンが残っていてもマンション売却は可能」で説明しています。
マンション売却時に住宅ローンが残っている場合は、以下の方法で売却できます。
- 売却代金でローンを返済する
- 足りない分を現金(自己資金)で支払う
- 買い替えの場合、「住み替えローン」を利用する
詳しくは「2.売却代金でローンを返済する」と「3. 売却代金がローンの返済に足りない場合」で説明していますので、参考にしてください。
上記の方法でも売却が難しい場合には、「任意売却」を行うことがおすすめです。
詳しくは「4.任意売却をする」をご覧ください
マンション売却時に住宅ローンが残っている物件でも自分に合う方法で売却を成功させてくださいね。