小規模宅地等の特例はマンションでも可能!具体例と計算方法を解説!

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マンションを相続された方、所有マンションを相続する(させる)際の相続税について調べている方、これから相続税対策のため、不動産、特に新たなマンションの購入を考えている方は、マンションにおいても小規模宅地等の特例が適用するかどうか気になりますよね。

小規模宅地等の特例は、相続税評価額の減額幅が大きいため上手く使うと相続税を節税することができます。

特例には限度面積が設けられているため、複数の不動産を持っている場合には、土地単価が高い不動産に優先して適用していくことが鉄則です。

また、適用要件は厳しいことから、小規模宅地等の特例を使う場合には税理士などの専門家に確認しながら進めていくことも必要となります。

そこでこの記事では、「小規模宅地等の特例」がどんな場合のマンションに適用できるかを中心に、小規模宅地等の特例の内容や、マンション敷地の評価方法、限度面積の調整についても解説していきます。

ぜひ最後まで読んで、賢く相続税の節税をしてください。

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1. 小規模宅地等の特例とは

小規模宅地等の特例とは、相続財産のうち、一定の敷地について限度面積までの部分について80%または50%減額するという制度です。

一定の敷地とは、その相続開始直前において、被相続人等の「事業の用」または「居住の用」に供されていた宅地等で、建物または構築物の敷地の用に供され、相続税の申告期限まで居住や事業を継続していたものを指します。(詳しくは2章でご紹介します。)

小規模宅地等の特例は、対象となる敷地の中に「事業の用」の敷地があることから、小規模宅地等の特例は元々、商売を行っている家系をイメージして作られた制度です。

昔から商売を行っている家系では、会社や個人事業を行っている建物の敷地を社長個人が保有しているケースが良くあります。
また、商売を行っている家系は子供が親と同居しているケースも多いです。

商売を行っている土地に重い相続税を課してしまうと、その土地を売却して商売を止めなければならないという事態を招きます。

例えば江戸時代だから続く老舗の漬物屋や和菓子屋みたいなお店が、相続の度にその存続を脅かされるようなことも出てきます。

このような相続による倒産を避け、スムーズな事業承継を目的として存在するのが小規模宅地等の特例の制度です。

一方で、小規模宅地等の特例はサラリーマン家庭の相続では使いにくい制度となっています。

サラリーマン家庭では、親と子供が別居し、親も子供もそれぞれ家を持っていることが多いです。
このようなケースでは親のマンションで小規模宅地等の特例を利用することはできません。

小規模宅地等の特例が利用しにくいと感じるのは、そもそもサラリーマン家庭は制度の対象となるモデルではないからです。

2. 小規模宅地等の特例が適用できるマンション

小規模宅地等の特例は、あくまでも“土地”の相続税評価額が減額される制度です
小規模宅地等の特例が使える土地は4つに大きく区分できます。

  1. 特定居住用宅地
  2. 特定事業用宅地
  3. 特定同族会社事業用宅地等
  4. 貸付事業用宅地等

2015年1月1日以降の相続において、それぞれの区分と減額割合、限度面積の関係は以下の通りです。

区分 減額割合 限度面積
特定住居用宅地等 80% 330平米
特定事業用宅地等
特定同族会社事業用宅地等
80% 400平米
貸付事業用宅地等 50% 200平米

特定居住用宅地等とは、ざっくり言うと被相続人(他界した人)の自宅の土地です。

特定事業用宅地等とは、被相続人が漬物屋や床屋等の事業に使っていた土地になります。
賃貸アパートのような賃貸事業の土地は特定事業用宅地等には含まれません。

特定同族会社事業用宅地等とは、被相続人等の持ち分割合が50%超の法人の事業の用に供されていた土地です。
被相続人が経営していた会社が、被相続人の個人の土地を借地していたケースが該当します。

貸付事業用宅地等とは、不動産の貸付事業の用に供されていた土地です。
賃貸マンションやアパート、時間貸し駐車場といった賃貸事業は貸付事業用宅地等に該当します。

マンションの場合、「自宅マンションの特定居住用宅地等」もしくは「賃貸マンションの貸付事業等宅地」で利用できる可能性があります。

この章では、小規模宅地等の特例が適用できるマンションについて解説します。

2-1. 配偶者や同居人が引き継ぐ場合

小規模宅地等の特例では、相続税評価額が減額されるのは「土地だけ」であり、建物評価額は減額されません。

区分所有のマンションの場合、土地は敷地利用権と呼ばれる土地の共有持分権を持っています。
小規模宅地等の特例の対象となるのは、あくまでも土地の共有持分権のみです。

マンションで小規模宅地等の特例が適用できるのは、原則として配偶者や同居人が引き継ぐマンションです。
例外として、別居の場合は次節で紹介する「家なき子」で利用できるケースがあります。

対象となるマンションは、「同居していたこと」と「引き継ぐ方がそのまま当該マンションに住むこと」の2点を満たすことが原則です。

ただし、同居に関しては、子が親のマンションに住んでおり、親が子から仕送りを受けて老人ホームで生活している場合は、小規模宅地等の特例の適用ができます。

要件を満たすマンションは、特定居住用宅地等に該当しますので、330平米まで80%の減額が可能です。

区分所有のマンションの土地面積は、敷地の全体面積に登記簿謄本に記載されている「敷地権の割合」を乗じたものになります。

例えば敷地の全体面積が4,200平米、敷地権割合が「34,560/10,000,000」となっていた場合、区分所有土地の面積は以下の通りです。

区分所有土地の面積 = 全体の敷地面積×敷地権割合
          = 4,200平米×34,560/10,000,000
          ≒ 14.51平米

2-2. 『家なき子』が引き継ぐ場合

小規模宅地等の特例は、原則として子が同居しているケースで利用できますが、例外として同居していない場合にも適用できる場合があります。

対象としては、子が自宅を保有していないことが要件の一つとなっているため、通称、「家なき子」制度などと呼ばれています。

現在は核家族化が進んでいますので、「家なき子制度なら使えるかも」と思うかもしれませんが、実は家なき子制度の要件は非常に厳しいです。

家なき子制度を利用するには、以下の全ての要件を満たすことが必要となります。

  1. 居住制限納税義務者又は非居住制限納税義務者のうち日本国籍を有しない者ではないこと
  2. 被相続人に配偶者がいないこと
  3. 相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋に居住していた被相続人の相続人(相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合の相続人)がいないこと
  4. 相続開始前3年以内に日本国内にある取得者、取得者の配偶者、取得者の三親等内の親族又は取得者と特別の関係がある一定の法人が所有する家屋(相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋を除きます。)に居住したことがないこと
  5. 相続開始時に、取得者が居住している家屋を相続開始前のいずれの時においても所有していたことがないこと
  6. その宅地等を相続開始時から相続税の申告期限まで有していること

ポイントとなる要件としては「4.」と「5.」の2つです。

まず、「5.」については、相続人が家を持っていないこと(家なき子制度)が要件です。
家を持っている相続人は対象外ですので、例えばずっと賃貸に住んでいる方が家なき子の権利を持っているということになります。

「4.」については、例えば相続人が経営している会社で家を購入し、社長が社宅として借りているようなケースを禁止した要件です。

社長個人は家を持っていませんが、会社が持っていれば社長が実質的に家を持っていることと同等なので、このようなケースを排除するための要件が「4.」になります。

「家なき子制度」が利用できることはレアケースですが、該当しそうな方はぜひ利用を検討してみてください。

詳細については、国税庁のホームページをご確認ください。

参考:国税庁「相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例

2-3. 被相続人が経営していた賃貸マンション

被相続人が経営していた賃貸マンションは貸付事業用宅地等に該当しますので、200平米まで50%の減額が可能です。

賃貸マンションの場合、1棟の物件と区分ワンルームのような物件もありますが、要件を満たせばいずれも利用することができます。

貸付事業等宅地等の対象となるマンションは、以下の2つになります。

  1. 被相続人の貸付事業の用に供されていた宅地等
  2. 被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の貸付事業の用に供されていた宅地等

いずれも相続人が貸付事業を引き継ぎ、申告期限まで相続人が保有していることが必要です。

例えば1棟の賃貸マンションで、以下の事例で相続税評価額を計算してみます。

対象物件:1棟の賃貸マンション
土地面積:400平米(約120坪)
土地の路線価による相続税評価額:9,000万円(評価減の適用前)
借地権割合:60%
借家権割合:30%
賃貸割合:100%

まず、賃貸マンションが建っているような土地の敷地には、貸家建付地評価減が適用されます。
貸家建付地の計算式は以下の通りです。

【貸家建付地の求め方】

貸家建付地 = 路線価評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

最初に、対象地の貸家建付地としての評価額を求めます。

貸家建付地 = 路線価評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
      = 9,000万円×(1-60%×30%×100%)
      = 9,000万円×82%
      = 7,380万円

次に、小規模宅地等の減額を求めます。
対象地は貸付事業等宅地等ですので、200平米まで50%の減額が可能です

小規模宅地等の減額 = 貸家建付地×200平米÷全体面積×50%
          = 7,380万円×200平米÷400平米×50%
          = 1,845万円

よって、小規模宅地等の特例を適用した相続税は以下のようになります。

小規模宅地による評価額 = 貸家建付地-小規模宅地の減額
            = 7,380万円-1,845万円
            = 5,535万円

小規模宅地等の特例は、あくまでも面積と減額割合だけを規定した制度ですので、土地単価が高い物件ほど減額効果も高くなります

賃貸物件が複数ある場合には、土地単価が一番高い物件で200平米を使い切ることが最も効果的です。

貸付事業等宅地等は特定居住用宅地等よりも遥かに使いやすいので、上手に活用するようにしてください。

詳細については、国税庁のホームページをご確認ください。

参考:国税庁
相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例
貸家建付地の評価

3. マンション敷地の評価方法

マンション敷地の評価方法は、その中に駐車場等があっても区分せず、敷地全体を評価し、登記簿謄本に記載のある敷地権割合を乗じて求めます。

土地が複数の道路に面している場合は、それぞれの路線ごとに奥行価格補正を行った後の金額が最も高い路線価が正面路線価です。

ここで、以下の条件でマンション敷地の評価額を求めます。

全体敷地面積:3,600平米
敷地権割合:15/10,000
地区区分:普通住宅地
奥行40mの奥行価格補正率:0.92
奥行90mの奥行価格補正率:0.81
側方路線影響加算率:0.03

奥行価格補正率および側方路線影響加算率については、国税庁HPをご参照ください。

計算の手順は以下の通りです。
最初に正面路線を決定します。

北側道路: 1,200千円×0.81 = 972千円
東側道路: 1,180千円×0.92 = 1,085.6千円

よって、正面路線価は東側道路です。

評価額単価 = 正面路線価+(側方路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率)
      = 1,085.6千円+(1,200千円×0.81×0.03)
      = 1,114.76千円

マンション敷地の評価額は、以下のように計算されます。

マンション敷地の評価額 = マンション敷地全体の評価額×敷地権割合
            = 1,114.76千円/平米×3,600平米×15/10,000
            = 6,019,704円

4. 限度面積の調整

2015年1月1日以降の相続では、特定事業用等宅地等や特定居住用宅地等、貸付事業用宅地等の小規模宅地等の特例が、それぞれの適用対象面積まで併用して利用できるようになりました。

特例対象として選択する宅地等のうちに貸付事業用宅地等がある場合の適用対象面積の計算は、次の式により調整を行います。

A × 200/400 + B × 200/330 + C ≦ 200平米

A:特定事業用等宅地等、特定同族会社事業用宅地等の適用面積
B:特定居住用宅地等の適用面積
C:貸付事業用宅地等の適用面積

区分 減額割合 限度面積
特定住居用宅地等 80% 330平米
特定事業用宅地等
特定同族会社事業用宅地等
80% 400平米
貸付事業用宅地等 50% 200平米

ここで、以下の条件を元に小規模宅地の特例の適用を行います。

区分 面積 相続税評価額 単価
特定居住用宅地等 120平米 7,200万円 60万円
特定事業用宅地等 300平米 6,000万円 20万円
貸付事業用宅地等 150平米 12,000万円 80万円
ステップ1

最初に、小規模宅地等の特例を適用した場合の土地単価の比較を行います。

特定居住用宅地等 60万円×80%=48万円
特定事業用宅地等 20万円×80%=16万円
貸付事業用宅地等 80万円×50%=40万円

減額できる土地単価の大きさは以下の順番になります。

特定居住用宅地等 > 貸付事業用宅地等 > 特定事業用宅地等

よって、特定居住用宅地等を優先して面積消化し、次に貸付事業用宅地等を消化し、さらに面積が余れば特定事業用宅地等で消化するという方針を立てます。

ステップ2

今回の例では、最優先すべき区分は特定居住用宅地等です。
特定居住用宅地等は330平米まで適用可能ですので、対象の120平米はフル消化します。

ステップ3

次に貸付事業用宅地等が何平米まで適用できるか検証します。

200平米 ≧ A × (200/400) + B × (200/330) + C

A:特定事業用宅地等、B:特定事業用宅地等、C:貸付事業用宅地等

ここで上記の関係式からAの特定事業用宅地等をゼロ平米、Bの特定事業用宅地等を120平米としてCの貸付事業用宅地等を求めます。

200平米 = 0平米×(200/400)+120平米×(200/330)+C
   ∴ C = 200平米-120平米×(200/330)
     = 127.27平米

対象地の貸付事業用宅地等は150平米ですので、貸付事業用宅地等としては127.27平米まで目一杯消化することにします。

一方で、今回のケースでは特定事業用宅地等については余りがありませんので、適用面積はゼロということになります。

ステップ4

小規模宅地の減額を求めます。

特定居住用宅地等:60万円×120平米×80% = 5,760万円
特定事業用宅地等:適用なし
貸付事業用宅地等:80万円×127.27平米×50% = 5,090.8万円

ステップ5

最後に小規模宅地による評価額を計算します。

特定居住用宅地等:7,200万円-5,760万円=1,440万円
特定事業用宅地等:6,000万円-0円=6,000万円
貸付事業用宅地等:12,000万円-5,090.8万円=6,909.2万円

小規模宅地による評価額 = 特定居住用宅地等+特定事業用宅地等+貸付事業用宅地等
            = 1,440万円+6,000万円+6,909.2万円
            = 14,349.2万円

まとめ

いかがでしたか。
マンションの小規模宅地等の特例について解説してきました。

マンションも土地と建物に分かれるため、小規模宅地等の特例の適用は可能です。
小規模宅地等の特例には用途の区分ごとに減額割合や限度面積が決まっています。

マンションであれば、特定居住用宅地等の配偶者や同居人が引き継ぐケースや家なき子に該当するケース、貸付事業用宅地等の賃貸マンションで利用できる可能性があります。

複数の用途で適用する場合には、土地単価の高い用途から優先的に利用し、最大の節税効果を生み出すようにしてください。

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