住み替えなどで物件を探すなかで、「マンションの1階の住み心地はどうだろう」と思われる方もいるでしょう。
1階の特徴を詳しく知っておけば、自分に合うかどうか判断できるようになります。
1階の物件は「価格が安い」という単純で大きなメリットがあるため、この記事では1階のデメリットから詳しく解説していきます。
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Contents
1.マンションの1階に住むデメリット
まずは、マンション1階に住む8つのデメリットを解説します。
あくまで一般論ですので、すべてのマンションに共通するわけではない点にご注意ください。
1-1.日当たり眺望が悪くなりやすい
1階は、上階と比べると日当たりや眺望が悪くなりやすい傾向にあります。
日当たりは、周辺環境やバルコニーの向きなどに左右されます。
隣接する建物までの距離が近く、建物が高い場合、1階は特にその影響を受けやすいため、周辺環境をしっかりチェックすることが大切です。
また、バルコニーの向きは、日が当たる時間帯や日照時間にも影響します。
東西南北それぞれの特徴を踏まえて判断しましょう。
なお、夏場と冬場など季節によって日差しの入り方は異なります。
時期に合わせて、日照時間が短くなるときの日当たりを考えて内覧を行うことも必要です。
また、高台に位置するマンションや傾斜地で道路からのグランドレベル(地盤の高さ)を上げているようなマンションでなければ、1階からの眺望を期待するのは難しいでしょう。
購入の条件として眺望を優先するのであれば、1階で探すことはおすすめできません。
1-2.外から見られやすい
周辺環境にもよりますが、1階は外から見られやすくプライバシー面でデメリットとなる場合があります。
バルコニーが道路の近くまで配置されている場合などは、通行人や通行する車両からの視線が気になるケースがあります。
ただし、道路より建物の地盤を高くしたり、植栽や目隠しとなるフェンスを配置したりするなど、周囲からの視線が気にならないよう配慮されているマンションも少なくありません。
1-3.防犯面に比較的弱い
マンションの1階は、道路や隣の敷地から侵入しやすいため、防犯面が弱い傾向にあります。
エントランスのセキュリティがしっかりしていても塀を乗り越えて侵入されると意味がありません。
警視庁による侵入窃盗の発生場所別認知件数を見ても、共同住宅の1~3階での発生件数は、4階以上と比べて約1.9倍と多くなっています。
ただし、同じ1階でもそのエリアの治安や管理人の勤務時間、導入されている警備システムなどによって、外部からの侵入しやすさには差があります。
また1階の部屋だけでなくマンション全体の防犯を考慮し、監視カメラや侵入防止のフェンス、防犯砂利の設置など防犯対策を積極的に行っているマンションもあります。
1-4.外や上階の音が気になりやすい
1階は、道路から近いため、騒音や人の話し声などが気になりやすいといえます。
特に、前面道路の交通量が多いあるいは線路の近くの立地の場合、音に悩まされる可能性があります。
外部からの音の聞こえ方は、外部と敷地の遮蔽物やサッシの防音性能などさまざまな要因で変わるため、時間帯による違いも含めて現地での確認が大切です。
また、国土交通省の調査において、マンション内のトラブル発生要因のなかで、生活音が占める割合が43.6%と最も高くなっています。
上階や隣接住戸からの音については、建物の防音性能や内覧時の様子も併せて確認しましょう。
1-5.虫が侵入しやすい
地表に近い1階は、敷地内に配置された植栽や自然が近くに感じられ、物件によっては専用庭を利用できます。
メリットとも言えますが、上階と比べ蚊やアリ、クモなどの虫が侵入しやすい点はデメリットです。
気になる方は、網戸への虫よけスプレーやベランダに虫よけグッズを設置する、洗濯物を取り込む際に注意するなどの対策が必要かもしれせん。
1-6.冷気が入りやすく湿気がたまりやすい
上層階と比べると、1階は地表に近い分冷たい空気が入り込みやすく、床下から冷たい空気や湿気がたまりやすいといえます。
また、専用庭が付いている部屋では、庭の水はけが悪く湿気がたまりやすくなる可能性はあります。
ただし、1階のすべてが「寒い」「結露やカビが生じやすい」わけではありません。
断熱性能や換気性能が高ければ、多くの場合でこのデメリットは気にならないでしょう。
1-7.専用庭は戸建てほど自由にできない
1階のマンションには、専用庭がついている物件も数多くあります。
専用庭によって、戸建てに近い感覚で住みやすくなりますが、戸建ての庭と異なる点もあります。
専用庭は通常、バルコニーと同じ「専用使用権がついた共用部分」になります。
つまり、マンションの住人が共同で所有する共用部分ですが、その部屋の住人に専用で使用する権利が認められているスペースということです。
そのため、戸建てほど自由に活用できず、管理規約の範囲内での使い方に制限されます。
管理規約はマンションによって異なりますが、シーツや布団を干したり、ガーデニング、ペットの軽い運動などは認めているマンションが多い印象です。
一方でバーベキューや大人数での集まり、庭の構造を大きく変える行為などは禁止されているため、必ず使用方法について確認しておきましょう。
1-8.浸水被害が起こりえる
近年では局地的な集中豪雨や河川の氾濫などによる浸水被害も増えています。
1階部分が半地下になっている物件や、坂道の途中にあるため雨水が流れ込みやすい物件などは、浸水被害のリスクはより高くなります。
マンションの1階では、戸建てと同様の水害リスクへの備えや火災保険の補償が必要となると考えるべきでしょう。
ただし、浸水被害のリスクは立地条件で変わるため、まずは、国や自治体が公表する水害ハザードマップで浸水想定エリアや浸水の深さをチェックしましょう。
2.マンションの1階に住むメリット
次に、マンションの一階に住むメリットを5つ紹介します。
デメリットの数より少ないですが、人によっては一つ一つが大きなメリットになるでしょう。
2-1.外出・ゴミ出しが気軽にできる
1階であれば、外出やゴミ出しだけでなく、郵便物の受け取りにも比較的手間がかかりません。
エレベーターの混雑でストレスを感じることもありません。
専用庭に出口があれば、外へのアクセスはさらにしやすく、戸建てに近い感覚で住むことができます。
2-2.小さい子供や車椅子の方でも生活しやすい
上下階への移動がなく、外部にフラットでアクセスできる1階は、小さい子どもや車椅子の方にとっても生活しやすい環境です。
専用庭でガーデニングや家庭菜園ができれば、生活の中でも自然や植物にふれ合う機会を増やせます。
2-3.専用庭や専用駐車場がある
マンション1階の一番のメリットといえるのが、部屋によって専用庭がついている点です。
専用庭があると利用できる面積が増え、開放感が感じられます。
庭にテーブルや椅子を設置してピクニック感覚で食事したり、作業スペースとして活用したりすることもできます。
また、マンションでは収納の少なさが課題となることも少なくありません。
専用庭にトランクルームを設置することで居室を有効活用することもできるでしょう。
なかには、専用駐車場がついている物件もあり、戸建てに近い感覚で生活できます。
2-4.下階への騒音を気にしなくていい
下階への音を気にしなくていい点もメリットといえます。
子育て世帯では、子どもの走り回る音やおもちゃを落とす音などがどうしても気になってしまいますが、下の階を気にする必要がない分子育てのストレスも減らすことができそうです。
自宅でリモートワークする方も増えるなかで、音を気にする必要が少ないことはメリットといえるでしょう。
2-5.災害時に避難しやすい
マンションの1階は、地震などの災害時に避難しやすいといえます。
1階ならエレベーターを利用せず短時間で避難できるため、マンション内に取り残されるリスクも少ないでしょう。特に小さな子どもや高齢者がいる世帯では、避難のしやすさは大切なポイントです。
一方で高層階に住んでいる場合、災害時のエレベーターの停止や混雑によって、避難が遅れる可能性があります。
非常階段を使わざるを得ないとなると、小さな子どもや高齢者がいる世帯が、避難に時間がかかってしまうでしょう。
3.マンションの1階がおすすめな人
次のような特徴がある方には、マンションの1階がおすすめできます。
- 子育て中
- 将来的に親の介護が考えられる
- 戸建てに近い暮らしがしたい
- 購入価格を抑えたい
小さい子どもがいる方にとって、部屋から外へアクセスのしやすい1階は、毎日の移動時間や負担を抑えやすいためおすすめです。
また、子育て世帯であるほど、下の階への音を気にせず生活できるメリットは大きいといえるでしょう。
将来的に親の介護が必要になった場合も、1階であれば車椅子での移動や日々の付き添いなどの負担が少なく済みます。
万が一のことを考えて、救急車のストレッチャーを使うとなった場合、エレベーターのサイズによっては入らない可能性もあります。
戸建てに近い暮らしをしたい方にとっても、専用庭がある1階はおすすめです。
専用庭があることで、戸建てに近い開放感やスペースの広さを実感することができるでしょう。
こうした生活スタイルにマッチをしていて、さらに費用も抑えたい方には、1階はより適した物件になるでしょう。
専用庭などが付いていると2階3階の部屋より高くなる場合もありますが、基本的には1階は最も価格が安くなりやすい物件です。
4.マンションの1階は資産価値がないから売れない?
将来、マンションを売却するとなった場合「1階のマンションは売れないのでは」と心配されるかもしれません。
しかし1階というだけで資産価値がなくなるわけではありません。
それは、これまで解説してきたように1階には1階のメリットがあり、需要もあるためです。
マンションは戸建てに比べて耐用年数が長く、資産価値の下落度合も緩やかです。
また、マンションの多くは駅から近いなど、立地のよい場所に建てられています。
立地の良い場所は地価が高く、個人で土地を所有する戸建て住宅は立てにくく、複数人で所有し縦に長いマンションの建設が適しているためです。
立地の良さも当然、需要に関係しています。
ただし、他の階に比べると人気が少ないのは確かです。
需要が高ければ、他の階よりも高値が付くはずだからです。
そのため、売却時には付近のマンションの売り出し状況が、売却に大きく影響します。
特に、同じマンションの別室が売り出されていれば、価格を下げて勝負するなどの対策を講じる必要があります。
5.後悔しないマンション1階の購入ポイント
では、1階のマンションの購入で後悔しないために、どういった点に気をつければよいのでしょうか。5つのポイントを解説します。
5-1.時間をかけて内覧を行う
戸建てに近い感覚で暮らせるマンションの1階は、上階の部屋と比べて周辺環境からの影響を受けやすいといえます。
そのため時間をかけて内覧することが大切です。
専用庭がある場合は、部屋内だけでなく屋外でも周辺の雰囲気や隣室からの音などをしっかりと確認しましょう。
場合によっては、時間帯を変えて2度内覧することで、日当たりや外部からの騒音などチェックできるため安心して購入判断ができます。
5-2.治安がいいかを確認する
1階のマンションは、上階より防犯上のリスクが高くなるため、治安についてしっかり確認することが重要です。
治安を確認するには、インターネットで警視庁が公表する犯罪情報マップで調べる方法があります。
SNSを含めて口コミや地域の評判をチェックすることもできます。
また、実際にマンションの周辺エリアや駅からの経路を歩いて確かめるとよいでしょう。時間帯を変えて何度か行うと、より正確に判断できます。
5-3.自分でできる防犯対策を考えておく
マンション1階は、上階と比べると防犯性が下がる面もあるため、自分でできる防犯対策を考えておくとよいでしょう。
考えられる防犯対策として、次のようなものがあります。
- 補助錠の取り付け
- 防犯フィルム
- 住居部分へのホームセキュリティ
サッシに補助錠を取り付けることで、侵入にかかる時間を長くできます。
また侵入犯罪の手口で見たとき3階建て以下のマンションの被害は、無締り(鍵の閉め忘れ)に次いでガラス破りによるものが多くなっています。
対策としては防犯フィルムが有効であり、低層階向けの防犯対策としておすすめです。
監視カメラの設置など共用部分の防犯対策だけで不安な場合は、費用はかかりますが住居部分へホームセキュリティを導入する方法もあります。
ただし、自分で防犯対策をするにしても、マンションのサッシや窓ガラスは共用部分であるため、管理組合への確認が必要となります。
5-4.ハザードマップなどで災害リスクを把握する
マンションの購入前にはハザードマップで災害リスクを必ずチェックしましょう。
ハザードマップには、水害、津波、土砂災害などいくつかの種類があります。
水害ハザードマップでは、大雨による河川の氾濫・台風時の高潮で想定される浸水区域や浸水被害などが確認できます。
そのほか、津波による浸水想定区域や推定水深や土砂災害警戒区域に入っているかについても調べておきましょう。
ハザードマップは各自治体のホームページや市役所などの窓口でもらえる場合があります。
また、国土交通省のハザードマップポータルサイトや不動産情報ライブラリでも調べられます。
また、防災備蓄倉庫や非常用電源の設置などマンション管理組合の防災対策も含めて確認しましょう。
なお、浸水等の被害は安全性だけでなく、資産価値を下げる原因にもなりえます。
5-5.近くに雑木林などが無いか確認する
虫嫌いの方は、マンションの近くに雑木林などがないか確認しておくとよいでしょう。
周辺に雑木林や河川がある場合、周囲に数多くの虫が生息していることが考えられます。
雑木林が伐採された場合などは、虫がマンションに集まる可能性もあるため要注意です。
まとめ
マンションの1階のデメリットとメリットを紹介しました。
眺望を期待することは難しいですが、1階はマンションでありながら戸建てに近い暮らしができる魅力的な物件です。
日当たりやプライバシー、防犯性から災害リスクなど、デメリットと言える部分と比較しながら検討していきましょう。
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