不動産の管理会社を変更したい!変更の仕方と変更したほうがいいケースを解説

はじめての賃貸経営で、不動産管理会社をよく比較しないで契約してしまった、また、相続などで賃貸経営を引き継いだ時に、先代の利用していた不動産管理会社にそのままお願いしている、というオーナーは意外と多いです。どちらの場合でも、管理内容がしっかりしていれば問題はありません。

しかし、「空室が多い」など、管理内容について気になる場合は、不動産管理会社の変更も検討すべきであす。今回は、不動産管理会社の変更方法に関して、やさしく解説します。

1.不動産管理会社はいつでも自由に変更できる

まず、不動産管理会社とは、賃貸経営をしている不動産オーナーが、賃貸経営に関した管理業務全般を委託するための専門会社です。

管理内容には、賃貸にかかわる業務全般である「賃貸管理」と、建物に関した管理を行う「建物管理」に分かれています。
業務内容は契約時に取り決めることができ、不動産管理業務全般を一任することも、一部だけの業務を委託することもできます。

1-1.契約途中でも変更(解約)可能

一般的な不動産管理会社との契約は、業務内容だけを契約で取り決めており、契約終了期間を設けていないことが多いため、契約途中であっても管理会社の変更ができます。

ただし、あくまで契約内容によりますので、変更を検討するときには契約書を確認し、契約予告の必要性(例:解約予定日の1~3カ月前に解約を知らせる必要性)や、契約解除に違約金発生などが盛り込まれていないか、確認をしてください。

1-2.明確な理由は必要

契約中であっても不動産管理会社の変更はできますが、決定には慎重さが必要です。
不動産会社を変更する場合、入居者には契約書(主に署名捺印)の記入にくわえ、賃料の振込先変更などの手間ひまをお願いすることになるため、短期間に何度も管理会社の変更をするのは、入居者にとっては負担になります。

管理会社の変更は、管理会社の業務内容に明白な問題があるケースにとどめておき、「なんとなく」な理由では行動に移さない方が、アパート経営全体にとって良い選択になります。

管理会社の変更をする際には、まず現在契約中の管理会社に問題点を伝え、契約の継続を検討中であることを伝えるようにしてください。
多くのケースでは、担当者の変更などを含めた具体的な業務改善が行われ、問題が解決する傾向があります。
ただし、これでも改善が見られない場合は、早急に管理会社の変更のための行動をしてください。

2.不動産管理会社の変更を検討するのはどんなとき?

本章では、具体的に不動産管理会社の変更を検討すべきタイミングを、3つにまとめています。
現在契約中の不動産管理会社に、以下の1つでも当てはまる場合は、管理会社の変更を考えてみる必要があります。

  1. 空室が3カ月以上続いている
  2. 管理体制が不十分だと感じる
  3. 管理費が高い

2-1.空室が3カ月以上続いている

賃貸の募集を出してから3カ月経過しても空室が埋まらない場合は、要検討です。
空室がなかなか埋まらない理由に、不動産管理会社の営業力不足、または担当者の努力不足である可能性があります。

アパート経営にとっての空室発生は、賃料収入が0の状態が続いていることになりますので、時間の経過とともに空室リスクが高まります。
まずは、不動産会社に連絡を入れて状況説明をしてもらったうえで、報告内容が納得のいくものであるかを確認します。その結果、より営業力のある社員へ担当変更することによって、早急に状況が改善される可能性があります。

ただし、複数の物件で不動産管理の委託をしていて、過去にも何度か、入居者付きが悪いと感じているようであれば、複数の管理会社の経営管理プランなどを比較しておき、適切なタイミングでの変更も検討しておく必要があります。

2-2.管理体制が不十分だと感じる

管理体制がいま一つだと感じる場合も、管理会社の変更を検討する必要があります。
管理体制は、具体的な業務の結果で判断します。
例えば、賃貸管理でのクレーム対応の素早さ、滞納者への対応の迅速さ、建物管理での清掃・整頓の仕上がり具合などです。
良い不動産管理会社ほど、何事にもスピーディで、的確な仕事ぶりを発揮してくれます。

相続などで親から引き継いだアパート経営をしている場合、相続時にそのまま管理会社も引き継いでいるケースが多く、事前に管理会社の業務内容などを精査していないケースがあります。

特に、親世代が長くアパート経営をしていた場合、地元エリアでの長年のお付き合いとしての契約が継続しているため、仕事ぶりとは関係のない部分で契約が継続していきます。

管理に問題なければよいのですが、空室リスク・対応などに疑問を感じているのであれば、一度、複数の不動産管理会社のプランを比較し、本当に親世代から引き継いだ不動産管理会社のままでよいのかを再検討してみる必要があります。

エリアやケースによっては、老舗であっても、管理体制や営業方法などを含め、今の時代に合っていない不動産管理をしている可能性も十分に考えられます。長年お世話になってきた関係性を変えてしまうことに、心理的な抵抗を感じることもありますが、時代とエリアのニーズにあった不動産管理をすることが、最終的には良質な賃貸経営につながります。

2-3.管理費が高い

不動産管理会社の管理委託費、賃料の3~5%が相場です。法律による定めがないため、中には高額な管理費を設定している管理会社もありますが、支払っている金額と業務内容が見合っているかは、確認する必要があります。

比較対象がないと管理費と管理内容のバランスはわかりませんので、管理費が高いのではないかと感じたら、早急に、複数の不動産管理会社にプラン請求をして、幅広い選択肢の中から、料金や業務内容をしっかりと見比べてみることをおすすめします。

良質な管理会社に委託ができると、アパート経営は成功しやすくなります。入居者付きがよく、サポートが万全な管理会社を選ぶコツは、複数の管理会社の比較をすることです。NTTデータグループが運営する「賃貸経営HOME4U」であれば、日本全国の良質な不動産管理会社へ管理プランを請求できますので、しっかりと比較することができます。

【関連記事:賃貸管理にかかる手数料の相場は5%!管理手数料に含まれる業務内容と管理会社を選ぶコツを解説

3.不動産管理会社を変更するまでの手順

不動産管理会社を変更すると決めてから、新しい不動産管理会社に変更が完了するまでの、おおまかな流れを7つのステップで解説します。

  1. 今の管理会社の問題点をリストアップする
  2. 管理会社候補を比較検討する
  3. 管理会社の変更スケジュールを考える
  4. 今までの管理会社に契約解除の連絡をする
  5. 新しい管理会社と契約締結をする
  6. 管理会社同士での引き継ぎをする
  7. 入居者へ管理会社から連絡をする

3-1.今の管理会社の問題点をリストアップする

現在契約中の管理会社の問題点をリストアップします。
例えば、空室が埋まらない、連絡が遅いなど、日ごろから気になっていることを、メモなどに書いていきます。これらの問題点は、会社変更の前に、かならず一度は、現在契約中の不動産管理会社に伝えましょう。

管理会社の問題ではなく、担当者の問題であった場合には、早急に担当者が変更になり、問題点がクリアになることもあります。その場合は、管理会社の変更をする必要がなくなります。

3-2.管理会社候補を比較検討する

管理会社の変更を進める場合は、不動産管理会社の候補を、できるだけたくさん探しておきます。良い不動産管理会社とは、取引実績が多く、地元の情報にもあかるい会社のことです。このような会社を探すときには、NTTデータグループが運営する賃貸経営に関したプラン比較サイト「賃貸経営HOME4U」を使うと、複数の不動産管理会社から経営管理プランの請求が一括でできて便利です。

気になる会社には、メール返信や電話をして、実際に面談をしてみてください。
担当者は入居者と直接かかわる人物ですので、担当者と面談をすると、入居者目線での印象、会社の考え方や営業方法などがイメージしやすくなります。

面談をした中で好印象だった会社に絞り込みをしていきます。
3社くらいに絞ったら、管理費用と管理内容のバランスを確認し、1社に決めていきます。
わからないことや、不安点は、この時点で数社に確認をしておき、質問への回答を含めた対応も比較してください。

3-3.管理会社の変更スケジュールを考える

変更先が決まったら、管理会社を変更するタイミングを考えます。管理会社の変更に伴い、入居者へ契約書への署名捺印・振り込み先変更依頼などをしてもらったうえで、郵送による書類返送などをする必要があります。オーナーも各書類へ目を通し、署名捺印と返送をする必要があります。

更新や入退去が起きやすいシーズンなどに管理会社の変更タイミングを合わせると、書類作成などもスムーズになります。面談の時点で各候補会社に「いつ頃にするのがベストか」を質問しておくと、タイミングを決めやすくなります。

現在契約中の不動産管理会社との契約解除は、多くのケースで次の管理委託料が発生する前の日程で契約終了となります。

例えば、毎月末締めで翌月10日請求の場合は、当月末での契約解除となります。
新しい管理会社との契約日を、旧管理会社の終了日に合わせるようにすることで、管理会社が不在の期間が発生しないようにすることができます。

3-4.今までの管理会社に契約解除の連絡をする

新しい管理会社への変更タイミングが決まったら、現在契約中の管理会社へ、契約解除の申し出をします。
多くのケースで解約申請はそのまま受理されますが、会社によっては管理料の減額交渉などが入ることもあります。
このようなことがあるため、新会社との契約は解除の申し出をしてからにしておく方が、スムーズになります。

ただし、管理会社を変更する理由が管理料である場合は、減額交渉は検討の余地がありますが、管理内容に問題があった場合には、そのまま新規の管理会社に変更した方が、アパート経営そのものに好影響になると言えます。

3-5.新しい管理会社と契約締結をする

決めておいた1社と新規に契約を締結します。
2つの管理会社の契約期間がかぶってしまうこともありますが、旧不動産管理会社に契約解除の申請をした後であれば、新不動産管理会社と契約締結をしても問題ありません。

新管理会社には、旧契約の終了日がいつになるかなどを含め、現担当者への連絡先、預かっている資料などがあれば、早めに新担当者へと手渡しておいてください。

3-6.管理会社同士での引き継ぎをする

新旧両方への契約手続きが終わると、あとは不動産管理会社同士で業務の引継ぎが行われます。
引き継ぎ業務には、鍵の管理・賃貸契約書類・法定点検書類などの引き渡し、保証会社の引き継ぎや変更、管理費の精算などがあります。

オーナーは担当者から署名捺印などを求められた場合のみ、確認をしてサインをしてください。

3-7.入居者へ管理会社から連絡をする

引き継ぎが終わると、新不動産管理会社から入居者へ書類での連絡をし、管理会社が変更になることを告知します。
入居者との新契約書のやり取りなどは、すべて新しい不動産管理会社が行いますので、オーナーが入居者と直接のやりとりをすることはありません。

告知と契約書作成が完了すると、各契約書でオーナーの署名捺印が必要な書類のみが郵送されてきますので、確認の上、返送をします。

ここまでが全体の流れです。かかる日数は2週間程度が一般的ですが、書類に関しては入居者からの返送に時間がかかることもあります。
どのようなケースであっても、新管理会社が対応をしますので、オーナーは管理会社からの連絡が入ったときのみ対応します。

4.質の良い管理会社と出会うための4つの条件

質の良い管理会社とめぐり会うためには、以下のような4つの条件に気を付けていると、出会える可能性が高くなります。

  1. 入居者付きの良い会社から選ぶ
  2. 対応の早さをチェックする
  3. コミュニケーション力の高さをチェックする
  4. なるべく数多くの候補会社から比較検討する

4-1.入居者付きの良い会社から選ぶ

入居者付きが良い会社とは、営業力のある会社のことです。
このような会社の特徴としては、老舗不動産管理会社と大手フランチャイズ管理会社の2種類があります。
どちらの場合でも営業方法は地域密着型であり、担当エリア全体での取り扱い物件数が300~500件前後という特徴があります。

このくらいの物件数であれば、取り扱い物件に関して、場所・賃料・雰囲気・住人・周辺環境・大家さんの人柄などまでを把握でき、入居者ニーズを上手に満たす提案ができます。

このような会社は、長年、地元の顔として経営をしてきているため、地域全体の利益になるような候補者選びも上手です。結果として、入居者付きがよく、良質な入居者である可能性も高くなるため、長期安定したアパート経営に結びつきやすくなる傾向があります。

4-2.対応の早さをチェックする

最近の賃貸先の探し方は、まずネット検索をして、良さそうな物件があればネットから問い合わせをして資料などに目を通し、それから物件の内見などに来ます。
そのため、問い合わせ時点での対応の良さ・早さは、営業結果の良さにも比例する傾向があります。

ネットには常に大量の空室物件が出回っていますので、入居者候補が「いいな」と思った時点で、できるだけ早く対応してくれる管理会社であることは、空室リスク回避の大きな力となります。
これらの対応の良さは、そのまま管理対応の迅速さにもつながります。

オーナーが管理会社の資料を請求するときに感じた「なんだか、対応が遅いな」という印象は、入居後のクレーム対応などにも影響を及ぼす可能性が高いため、対応の良い・反応の早い管理会社を候補にして、比較検討するようにしてください。

4-3.コミュニケーション力の高さをチェックする

不動産管理会社は、入居者とオーナーの間に立つ仕事です。そのため、不動産管理に関した情報が多いだけではなく、コミュニケーション能力の高さが求められます。

例えば、クレーム対応は、その後の空室発生にも影響します。賃貸物件であっても、入居者にとっては「自分の家」です。
問題解決するだけではなく、不安な気持ちをしっかり聞いてもらえたという体感は、住む場所への信頼につながります。その結果「あの管理会社なら大丈夫」という安心感となり、長期更新にもつながりやすくなります。

オーナーに対しても、業務報告や提案をする際に、話をわかりやすくまとめて手短に判断を仰ぐなど、入居者対応とは違ったコミュニケーション能力の高さが必要となります。

これらのコミュニケーション力は、数多くの不動産管理プランを請求し、数多くの管理会社の担当者と面談をすることにより、判断ができるようになっていきます。面談の際には、同じ質問をしてみて、それぞれの会社の対応や提案の差を比較するようにしてください。

4-4.なるべく数多くの候補会社から比較検討する

現在契約中の会社が、良質な管理会社であれば問題がありませんが、変更を検討している方は、今よりも良い会社を探し出す必要があります。

不動産管理会社を選ぶ際には、なるべく多くの管理会社のプランを比較し、良いと思えるプランを絞り込んでから、複数の候補会社の担当者とも面談をするようにしてください。
特に、相続などで経営を引き継いだ場合には、先代から管理会社も引き継いでいることがあります。

そのような状況の場合、今の不動産管理会社の良しあしも判断しづらいと思いますので、まずは、数多くの管理プランを請求してみることで、実際の不動産管理にはどんなものがあるのかも理解できるようになります。

良質な不動産管理会社を探しだすためには、複数の管理会社のプラン比較をするところからスタートしてください。NTTデータグループが運営する「賃貸経営HOME4U」であれば、一回の入力で、不動産管理に必要なプランの括比較ができてとても便利です。