中古マンションを売りたい、もしくは、買いたいと考えているとき、基準となる相場を知ってから取引を始めたいですよね。
野村不動産アーバンネットが発表した「住宅地価調査」・「中古マンション価格調査」によれば、首都圏エリアの2016年の中古マンション価格変動率は対前年で2.4%と2014年1月の調査から見ると、連続してプラスです。
中古マンション市場としては、首都圏を中心に引き続き値上がり傾向と考えられます。
中古マンションを売る、買う、どちらにしても、価格が適正であるか分かった上で取引に臨みたいですね。
相場を知ることのメリットとしては、売り手にとっては、査定金額が相場と合っているかや、値下げ交渉を加味した売値の設定の手助けとなります。また、買い手にとっては、値下げ交渉できるかどうかの判断材料となるでしょう。
今回は、これからマンションを売る人も買う人にもぜひご参考にして頂きたい、中古マンションの相場の調べ方についてご紹介します。
1.中古マンション相場の調べ方
中古マンションの相場は、更新頻度が頻繁なインターネットで調べるのが最適です。 調べるサイトの種類については、ざっくり下記の2種類が挙げられます。
- 中古マンションポータルサイト
- 過去の取引をデータベース化したサイト
1の特長としては、
- エリア、間取りなどから現在売りに出されている物件の売出価格を調べることができる。
- テレビCMなどでなじみのある大手不動産会社が運営しているサイトが多い。
ことが挙げられ、
- 現在の価格を知りたい方。
- 売りに出されている物件の写真や周辺情報を知りたい方。
にオススメです。
一方で、2の特長は、
- データベースのため、エリアなどの条件を入れると、過去の価格や、相場の推移を知ることができる。
です。
過去の価格の推移を知って、売り時、買い時のチャンスをうかがっている方にオススメしたいサイトです。
1.1【厳選】使いやすい中古マンションポータル3サイト
ここでは、数ある中から特に使い勝手の良い、中古マンションに特化した物件検索サイトを紹介します。
物件サイトの特徴としては、実際に売りに出されている物件から売出価格(※)を知ることができます。 物件単位で価格を確認できるため、対象の物件をイメージしながら相場を調べることが可能です。
※売出価格と言うのは、査定価格を元に不動産所有者の希望などを加味して決定する販売価格のことです。実際に取引された価格は成約価格と言います。
1.1.1 at home(アットホーム)
テレビCMでもおなじみのat homeです。
実際に売りに出されている物件を検索できるため、購入したい物件を探しているユーザ向けです。 気になる物件があれば、複数まとめて問い合わせも可能です。
売出物件の検索以外にも、エリア別の相場から物件を検索できるページもあります。 エリア×間取り、面積別の相場一覧表は、一目で相場を確認できるので、大変便利です。 お目当ての物件がなかったり、ご予算からエリアを選択したい場合は、こちらを利用するのも手でしょう。
1.1.2 nomu.com(ノムコム)
冒頭の「住宅地価調査」・「中古マンション価格調査」を発行している野村不動産アーバンネット運営のサイトです。
対象エリアは一都三県です。 内覧会のスケジュールの掲載、物件ページから住宅ローンシミュレーションもできるので、大変使い勝手がよく、中古マンション購入を具体的に検討されている方にお勧めです。
物件検索以外に、年に4回実施される「野村不動産アーバンネット価格動向調査」の実勢調査の報告書などを閲覧することができ、内容はかなり充実しています。 アカデミックな観点から相場を調査している方にもお勧めです。
1.1.3 HOME4U(ホームフォーユー)
NTTデータ子会社運営のサイトです。
日本全国対応かつ物件詳細ページから住宅ローン返済シミュレーションも出せるので、前述の2サイトの良い点を網羅していると言えます。
全国対応している点から、地方都市などで、中古マンション購入を具体的に検討されている方にお勧めです。 タワーマンション、南向き、即入居可などの特集別の検索も豊富で様々な切り口からマンション価格を知ることができます。
1.2【プロが使う】過去の取引のデータベースサイト
ここでは、過去の取引のデータベースから相場を確認できるサイトをご紹介します。 実際の取引金額(成約価格)のデータベースですので、リアルな価格を知ることができます。
また、時系列での相場の推移を知ることで、今が売り時、買い時かを判断するのにも使えるでしょう。
1.2.1 ウチノカチ
国土交通省売買価格情報を元にしたマンション、住宅、土地、賃貸物件の価格相場、家賃相場とその推移が一目でわかるサイトです。
今回ご紹介したサイトの中で、圧倒的に見た目が美しく使い勝手がいいのがこのサイトの特長です。 エリアを選択すると相場を調査したレポートや平均価格や築年数を調べることができ、大変便利です。 平均的な相場を知りたい方にオススメです。
1.2.2 マンションマーケット
25万件以上の価格データから算出した正確な相場価格を調べることができるサイトです。
対象エリアは一都三県です。 マンション別の最新の相場価格を調べることができます。また、直近の売出事例もわかるので、中古マンションポータルサイトとデータベースサイトの良い部分を両方持っていると言えます。 具体的に相場を知りたいマンションが一都三県にある場合は、マンションマーケットで検索するのがオススメです。
1.2.3 REINS
(公財)東日本不動産流通機構 (公社)中部圏不動産流通機構 (公社)近畿圏不動産流通機構 (公社)西日本不動産流通機構 が保有している日本全国の取引情報を閲覧できるサイトです。
膨大な情報をまとめたデータベースとなりますので、都道府県とエリアを選択すると、過去の取引実績を元にした築年別の成約価格(m²単価)の散布図を見ることができます。 個人的に物件を探している方よりも、場所や築年数による傾向を調査している方向けです。
1.2.4 東京カンテイ
会員制の不動産専門のデータバンクです。
会員になれば、不動産市況情報だけでなく、全国の分譲マンションの図面情報や価格などを調べることができます。
また、会員でなくても閲覧可能サービスも各種そろっており、特に「中古マンション価格天気図」は、都道府県別の中古マンションの価格情報の対前月の変動率を天気予報の様に表現していて、分かりやすいサイトです。 こちらは、非会員の場合は調べられる情報が限られておりますので、都道府県レベルでの相場などをサクッと調べるのに向いてます。
まとめ
不動産取引はほとんどの人が一生のうちで数えるくらいしかしないでしょう。 取引する金額も大きいので、大きな損は避けたいですね。
来たるべき日に備え、日ごろから相場を知っておくのが大切です。 不動産取引をする際には価格交渉に是非お役立てください。