ビジネス感覚で考える、これからの賃貸経営で大切なこと。

ビジネス感覚で考える、これからの賃貸経営で大切なこと。

不動産の賃貸経営は「経営」という言葉が付きつつも、理論的にビジネスと捉えて実践している人は多くはいません。

どちらか言うと、「不動産投資」や「大家業」という感覚が色濃く、経済学者が提唱しているような経営理論とはかけ離れたところで実践している人が多いです。

賃貸経営も「経営」である以上、立派なビジネスになります。かつて、日本ではバブル崩壊後、多くのビジネスが既存の手法では立ち行かなくなった時期がありました。

その際、多くの経営者たちは経営理論を学び、自分たちのビジネスをしっかりと見直すことで経営再建を行ってきました。

一方で、賃貸経営の現場ではどうでしょうか。
投資家や大家さん、アパート経営者において、経営理論を取り入れて賃貸経営に成功している人たちは、まだまだ少数派です。

しっかりと経営理論に基づき賃貸経営を開始すれは、これから始める人でも、賃貸経営にはまだまだチャンスはたくさんあります。

そこで、この記事では、「賃貸経営」とは何か、これからの時代はどういうことを考えて行って行くべきかについてご紹介いたします。

最後までお読みいただき、現状の賃貸経営を打破したい人や、これから賃貸経営を始めたい人の一助にして頂けると幸いです。

1.賃貸経営の外部環境分析

賃貸経営の外部環境分析どのようなビジネスでも外部環境をきちんと分析することが重要です。

外部環境分析とはそのビジネスを取り巻く「脅威」と「機会(チャンス)」の洗い出しです。

 

50代以上の人であれば、かつて駅前商店街の中に「氷屋さん」というお店があったのを記憶している人も多いと思います。

若い人は知らないと思いますが、氷屋とは、文字通り、家庭向けに氷を作って売っていたお店です。昔は各家庭に冷凍庫が無かったため、氷をわざわざお店で買っていました。

しかしながら、冷凍庫も急速に家庭に広がったことにより、氷の需要が一気に無くなったことで「氷屋さん」という商売は成り立たなくなりました。

他にも、昔は写真をフィルムで撮っていましたので、フィルムの製造や販売という商売もありました。ところが、フィルムカメラはデジカメに変わり、さらにデジカメはスマホに変わったことでもはやフィルム商売はできなくなりました。

このように、テクノロジーの発展や法律の改正等により、従来成り立っていた商売が成り立たなくなるという事象は良くあります。テクノロジーの発展や法律の改正等は、ビジネスの外部環境の変化です。

外部環境が変化したら、ビジネスはそれに応じて変えていかなければなりません。例えば、国内大手フィルムメーカーなどは、今や医療や化粧品分野へと進出しています。

不動産の賃貸経営でも外部環境を捉え、変化していくことが重要です。現在の賃貸経営における外部環境は、以下のような脅威や機会を挙げることができます。

脅威

  • 人口が減少している。
  • アパート等の空き家が増えている。
  • 建築費や土地代が高い。
機会(チャンス)

  • 高齢者が増えている。
  • 多様なライフスタイルをする人が増えている。
  • 外国人労働者が増えている。

外部環境の変化をどう見るかについては、人によって異なるため、脅威とするか機会とするかの正解はありません。

例えば、「東京一極集中」は地方の人にとっては脅威かもしれませんが、東京の人にとっては機会です。高齢者が増えているということも脅威とする人もいれば、機会とする人もいます。

重要なことは、まず外部環境は常に変化していると認識することです。変化が発生していて、それに対応できていなければ、今のビジネスは立ち行かなくなります。

賃貸経営が上手く行っていない人は、外部環境の脅威だけを捉え、嘆いていることが多いです。脅威がある以上、必ず機会も存在します。今、賃貸経営が上手く行っていない人は、それは外部環境の変化に対応できていないということが主たる原因です。

従来と同じ手法では打開策はないので、まずはこの外部環境の変化にどう立ち向かうかということを経営者として考えるようにしてください。

2.賃貸経営が他のビジネスと大きく違う部分

賃貸経営では、一般的なビジネス理論が全て適用できるわけではありません。賃貸経営には、賃貸経営固有の難しさがあります。

そこで、この章では改めて、賃貸経営が他のビジネスと大きく違う部分についてご紹介します。

2-1.需給バランスが調整されにくい

需給バランス賃貸経営は需給バランスが調整されにくく、供給過剰になりやすいという特徴があります。

一般的な工業製品であれば、売れなくなった商品は、生産打ち切り等が発生するため、供給量が減ります。そのため、需要と供給がある程度のところで落ち着きます。

一方で、賃貸物件の場合、一度建物が作られてしまうと、何十年も賃貸物件として地域に供給され続けます。

例えば、アパートであれば、同じ地域に新築アパートも、築30年超のアパートも混在します。
地域の人口が減ったとしても、アパートの部屋が急になくなるということはありません。

昔は新築アパートが増えても、人口も増えていたので需給バランスが取れていました。
新築アパートが増えた分、築古アパートが減るような仕組みになっていれば、需給バランスは調整されます。

しかしながら、人口は減り、かつ、築古アパートは取り壊されないため、賃貸経営のビジネス環境は簡単に供給過剰となりやすいのです。

これからの賃貸経営は、常に余っているということを前提に考える必要があります。

2-2.満室が売上の上限となる

賃貸経営は、満室が売上の上限と決まってしまうビジネスです。

通常のビジネスでは、例えば急に大口の取引先が決まり、1年前と比べて急成長するということが起こり得ます。通常のビジネスは、やり方次第で一発逆転ホームランもあるところが面白い点でもあります。

しかしながら、賃貸経営では、急激に売上が伸びることはありません。

賃貸経営は「安定収入」とプラスの意味で表現されることが多いですが、悪い意味でも安定しています。急激に業況が良くなるということはなく、満室以上に稼ぐことができません。

一方で、賃貸経営では売上の下限がありません。最悪、全部空室となれば、売上はゼロまで落ち込みます。売上には上限があるのに、下限はゼロまで下がるという性質があります。
そのため、賃貸経営を良くする「いかに空室を減らすか」ということに注力しなければなりません。

収入上限がある賃貸経営では、収入を最大化するには、空室を最小化する方向性しかないということです。

供給過剰となりがちな市場において、空室を最小限にすることこそが賃貸経営を成功させるコツとなります。 非常に難しいことであるため、しっかりとビジネス理論をあてはめていく必要があります。

3.賃貸経営における経営資源を再確認

経営資源どのビジネスにおいても、ヒト・モノ・カネという経営資源が存在します。

では賃貸経営におけるヒト・モノ・カネとは何でしょうか。そこでこの章では賃貸経営における経営資源についてご紹介します。

3-1.ヒト

一般的なビジネスでは、ヒトと言えば従業員や社長のことを言います。優秀な社員や熟練作業員のノウハウ、社長の人的ネットワークなども含め、ヒトは会社にとっては重要な経営資源です。

しかしながら、賃貸経営では、経営資源としてのヒトがピンと来ない人も多いと思います。
そもそも従業員を抱えていないことがほとんどであるため、賃貸経営ではヒトの経営資源はないと考えがちです。

賃貸経営では、まず一番重要なヒトは、オーナーです。オーナーは会社で言えば社長であるため、賃貸経営の方向性を決める最も重要な人物になります。

次に賃貸経営では管理会社が経営資源でいうヒトに該当します。ヒトが優秀な会社なら、会社経営が良くなりますが、賃貸経営においても管理会社が優秀なら賃貸経営が良くなります。

管理会社はオーナーが間接的に雇っている社員のような存在であり、重要な経営資源です。
ただ、管理会社を経営資源と捉えている人は多くはいません。

ビジネスを成功させるうえで、社長が優秀な人材を欲しがるのは当たり前です。賃貸経営では、優秀な管理会社を選ぼうとしていない時点で、経営感覚を欠いていると言わざるを得ません。

管理会社はビジネスで言えば、ヒトに該当する経営資源ですので、充実させていくことがポイントです。

3-2.モノ

賃貸経営におけるモノとは、まさに不動産そのものです。賃貸経営は、不動産が収益を生み出しますので、モノが良ければストレートに賃貸経営が良くなります。

モノの視点としては、土地と建物の2つがあります。

土地については、重要なのは立地です。賃貸経営は、超典型的な立地産業ですので、立地の良し悪しで経営の良否が決まります。

飲食店などは、多少立地が悪くても、料理人の腕次第で立地の悪条件を跳ね返すことができます。しかしながら、賃貸経営では立地を上回る付加価値を提供することが極めて難しいビジネスです。

保有している賃貸物件の立地が悪いようであれば、やはり立地の良い物件に買い替える必要があります。立地は賃貸経営における最重要の経営資源ですので、とにかく立地にはこだわるようにしてください。

一方で、建物に関しては、年々価値を落としていくという性質があります。
古くなったら、修繕を施し、収益を生み続けるように維持管理をしていかなければなりません。

賃貸経営は、建物という施設でお金を生み出すため、設備産業でもあります。
設備産業は、設備の維持や買い替えなどで、繰り返し投資を行い続けるという特徴を持っています。

賃貸経営は建物を維持していく必要があるため、稼いだお金を全て使ってしまうことはできません。ある程度の年数が経過したら、貯めたお金で修繕やリフォームを行う必要があります。

ただし、築年数が新しければ修繕費用はほとんど発生しません。
賃貸経営を行うのであれば、築年数が新しい方が有利になります。

このように、賃貸経営は立地産業と設備産業の2つの性質を持ち合わせます。
立地が良いほど有利で、また建物が新しいほど有利になります。

経営資源として良いモノを揃えるためには、立地と築年数にこだわることが重要です。

3-3.カネ

賃貸経営においてもカネは重要な経営資源です。

まず、投資の段階で自己資金が多いほど、安全な投資をすることができます。 安全な投資とは、言い換えると、健全な経営です。

借入金の返済額が少なければ、多少の空室が発生しても、経営基盤がグラつくことはありません。

賃貸経営では、借入金の返済額が多過ぎると、空室に耐えられなくなり物件を手放すことが良くあります。物件を売るということは、経営で言えばM&Aによる廃業と同じです。

投資の段階で、借入過多の場合や物件選定が悪い場合は、最終的に売却せざるを得ないということが良くあります。失敗を最小限に防ぐためにも、投資の段階では自己資金が多い方が望ましいです。

また、稼働中の物件であれば、リフォームや修繕費用にカネが必要となってきます。
リフォームや修繕費用のためのカネがなければ、空室や賃料回復ができなくなり、ますます賃貸経営が悪化します。

収入を生み出すのは建物ですので、建物を維持するための資金は用意しておく必要があります。

カネは賃貸経営においても当然に重要な経営資源ですので、資金は計画的に貯めるようにしてください。

4.賃貸経営でも重要な模倣困難性とは

模倣困難性ビジネスにおいては、「模倣困難性」という言葉があります。模倣困難性とは、真似できない、または真似しにくいという意味です。

一般的なビジネスでは、模倣困難性が高い会社ほど儲かるとされています。例えば、製造業などの特許も模倣困難性に該当します。特許があることで他の会社は真似ができず、特許のある会社だけが儲けることができます。

また模倣困難性には、飲食店の味や漫画家の作品、有名な弁護士、特殊な手術ができる医者、老舗という歴史、世界的なシェア等も該当します。

ほとんどのビジネスでは、他社が簡単に真似できない特殊な技能やノウハウを持っている会社が抜きん出て稼げるようになっています。模倣困難性は会社の「強み」そのものであり、強みがあるからこそ稼げるのです。

模倣困難性は賃貸経営においても存在します。賃貸経営における模倣困難性とは、「良い立地の物件」と「豊富な自己資金」の2つです。

1つ目の模倣困難性は、「良い立地の物件」です。

例えば、とある大手企業は東京駅前の「丸の内」に多くの土地を持っています。これは、他の会社がどうやっても真似できません。三菱地所は模倣困難性が高いため、賃貸ビル事業において多くの収益を上げています。

他にも、先祖代々から良い場所に土地を持っている人は、それだけで圧倒的な模倣困難性があります。他人からすると、「そんなのずるい」、「真似しようがない」と思いますが、逆に他人が簡単に真似できないため、良い場所に土地を持っている人は儲かるのです。

2つ目の模倣困難性は、「豊富な自己資金」です。

例えば、1億円の投資をするのでも、自己資金100%で投資をする人と、借入金100%で投資をする人がいたら、自己資金100%で投資をする人の方が借入金の返済がないため、儲かります。

「1億円を自己資金で投資をするなんて無理だ!」と思うかもしれませんが、他人が簡単に1億円を用意できなければ、1億円を自己資金で持っている人は模倣困難性が高いと言えます。

賃貸経営では、すぐに借り入れに頼ろうとする人がいます。借入に頼るということは、誰でも真似できることをやっています。

誰でも簡単に真似できることをやっていれば、模倣困難性が低いため、儲からなくて当たり前です。

才覚のある経営者は、他人が簡単に真似できないことを武器に勝負しています。これは賃貸経営においても全く同じです。

誰でも買いやすい悪条件の物件を、誰でもできるお金の調達方法で購入している限り、模倣困難性は低く強みがないのです。賃貸経営においても、ひたすら模倣困難性を追求しなければなりません。

「模倣困難性なんて無理だろう!」と声が聞こえてきそうですが、模倣困難性を追求できないようであれば、どのようなビジネスも上手く行かなくて当たり前です。

立地と自己資金を安易に妥協すると賃貸経営は儲からない仕組みになっています。他人が安易に真似できない芸当にこそ、儲けの源泉があるのです。

とはいえ、自分でできる模範困難性もありますので、詳しくは第5章でご紹介します。

5.賃貸経営に応用する差別化戦略

差別化戦略賃貸経営は他のビジネスと同様に、供給過剰で物件があふれた状態にあります。モノが溢れたビジネス環境では、差別化を行って選ばれることが必要となってきます。

かつて賃貸経営はオーナーが入居者を選ぶ時代が続きましたが、今では入居者から選ばれる時代になったと頭を切り替えるべきです。

そこでこの章では賃貸経営における差別化戦略についてご紹介します。

5-1.ヒトで行う差別化

一般的なビジネスでは、差別化は専門性を持つことで実現されることが多いです。

冒頭に紹介した「氷屋さん」の例ですが、今でも生き残っている氷屋は存在します。今残っている氷屋は、業務用の硬くて溶けにくい氷を提供しています。業務用の専門性の高い氷作りに特化することで、差別化を図り厳しい市場を生き残ってきました。

昔の商店街にあったような一般家庭向けの氷を提供していた氷店は、冷凍庫付き冷蔵庫の普及により淘汰されましたが、業務用に専門家を図った氷店は、飲食店からきちんと選ばれ生き残ったことになります。

このようにビジネスの世界では、顧客から選ばれるようにするには、専門性を高めるということがセオリーとなります。

賃貸経営においても、同様の考え方が可能です。

例えば、アパートでも、周辺に外国人労働者が多い地域の場合、「インドネシア人専門」とか、「フィリピン人専門」等、特定の人たち向けの専門のアパートにすると差別化を図ることができます。

外国人にとっては、日本のゴミ出しルールはとても複雑です。そこで、特定の言語に翻訳したゴミ出しルールの掲示や、オーナー自ら多少の日常会話も勉強してコミュニケーションを図れるようになると、専門性が徐々に上がっていきます。

特定の入居者向けのサービスを展開するには、特に大きな設備投資は必要ありません。必要なのは、オーナーや管理会社のヒトによるサービスの提供になります。

尚、模倣困難性というのはノウハウも含まれます。
例えば、最初は手探りで「タイ人」向けのアパートを始めても、徐々にノウハウが溜まることで、数年後には他を圧倒するくらいの差別化が可能です。

他のアパートからすると、「今さら、あのようなタイ人向けのアパートはできない」と感じるようになり、ノウハウの蓄積によって模倣困難性が確立するのです。

外国人は、自分たちのコミュニケーションの中で物件を紹介しあうようになるため、特定の国に特化すると、仲間が来日する度に入居者が他の入居者を紹介してくれるようになります。

このような専門化は、特に外国人にこだわる必要はありません。
アパートが家の近くにあり、定期的な見守りサービスを提供できるようであれば、高齢者専門でもOKです。

地域の中でニーズがあり、かつ、オーナーができそうだと思うところに思いっきり舵を切って専門化するようにしてください。

専門化して特徴が出ることで、多くの中から選ばれるようになります。
普通の氷しか作っていないと、供給過剰のマーケットでは選ばれなくなっていきます。

普通のアパートは他にもたくさんあるため、そこに留まってしまうと価格競争にも巻き込まれ、最終的には撤退となります。

専門化は、オーナーや管理会社によって、特定の人向けのサービスを提供することで実現することができます。

これからの賃貸経営では、専門化によって差別化を図ることが重要です。

5-2.モノで行う差別化

モノによって差別化を図るという方法もあります。

例えば、近くに音大があるようなエリアであれば、各部屋に防音室を作ることで、「楽器演奏可能マンション」として差別化を図ることもできます。

ただし、不動産は投資回収に時間がかかるため、モノによる差別化はリスクが大きいのも事実です。

例えば、「楽器演奏可能マンション」を作っても、音大がキャンパス移転をするようなことがあれば、その後、一気に需要が減ってしまいます。

建物投資回収期間は何十年もかかるため、その間に外部環境が変化してしまう可能性もあります。そのため、差別化はモノではなく、ヒトが生み出すサービスによって実施する方が柔軟性は高いです。

今後も外部環境は変化し続けるため、差別化は変化に対応しやすい「ヒトで行う」ことをおススメします。

6.賃貸経営にも必要なマーケティング戦略

マーケティング戦略賃貸経営にもマーケティング戦略が必要です。この章では、商品戦略(Product)、価格戦略(Price)、プロモーション戦略(Promotion)、販売チャネル戦略(Place)の4Pについて解説します。

6-1.商品戦略

商品戦略とは、今後、賃貸物件をどのように特色づけていくかという戦略です。選ばれるための差別化戦略とほぼ同じと考えてください。

例えば、アパートであれば、インドネシア人向けのように特定の人向けのサービスに取り組むことで、差別化していきます。

6-2.価格戦略

価格戦略とは、具体的には賃料をいくらにするかという戦略です。価格は、きちんと差別化しないと高く設定することができません。

特徴のない物件のままだと、価格競争に巻き込まれ、賃料を下げることになります。賃貸経営は、満室までしか売上を伸ばすことができないため、低価格戦略は取ってはいけません。

低価格戦略は薄利でも多売ができるビジネスしか有効でないため、賃貸経営ではきちんと差別化し、高価格戦略(家賃は下げない戦略)を取るようにします。

6-3.プロモーション戦略

プロモーション戦略とは、空室の募集広告戦略になります。プロモーションに関しては、管理会社の能力にかなり依存します。

賃貸仲介の強い管理会社であれば、SUUMOやアットホーム等のポータルサイトへ掲載するインターネット広告に様々な工夫をしてくれます。

オーナーとしては、まずは賃貸仲介に強い管理会社を選ぶということが、プロモーション戦略の実践になります。

6-4.販売チャネル戦略

販売チャネル戦略とは、どのような経路で顧客に商品を届けるかという戦略です。

賃貸経営の場合、顧客のほとんどはインターネットのポータルサイトで物件情報を知ります。そのため、賃貸経営では主要な販売チャネルはインターネットということになります。

インターネット広告に弱い管理会社は、販売チャネル戦略がほとんど期待できません。販売チャネル戦略も、賃貸仲介に強い管理会社を選ぶことが重要です。

賃貸経営のマーケティング戦略は、プロモーション戦略および販売チャネル戦略は実質的に管理会社が担います。また商品戦略も管理会社に協力してもらう必要性があります。

オーナーとしては、質の高いマーケティングを行うために、良い管理会社を選ぶという「戦略」を採用するようにして下さい。

7.成功例から見る賃貸経営のヒント

ヒント近年の賃貸経営では、供給過剰となりがちな市場において、空室を最小限にすることが成功の条件として求められます。

空室を最小限に抑えていくには、一度入った入居者にできるだけ長く入居してもらうという考え方を取る必要があります。

かつてアパート経営において入居者から礼金が取れていた時代には、できるだけ入居者を早く退去させて、どんどん入れ替えた方が儲かるという考え方がありました。

しかしながら、現在では全く逆の考え方を取る必要があり、入居者には長く住んでいてもらった方が収益は向上します。

入居者による退去が発生すると、オーナーにはクロスやフローリングの貼替等の修繕費用が発生します。また新たな入居者が決まれば管理会社に対して仲介手数料の支払いが生じます。
募集時にフリーレント(契約当初数か月の賃料を無料とすること)を導入すれば、収入も減ります。

さらに募集賃料を下げないと入居者が埋まらない場合には、古い入居者と新たな入居者が入れ替わることで家賃が下がってしまうこともあります。

このように近年の賃貸経営では入居者が入れ替わると収益性が落ちる傾向があるため、一度入った入居者にはできるだけ長く入居してもらうための活動が必要となります。

賃貸経営において、入居者に長く住んでもらうための活動を「テナントリテンション」と呼びます。テナントとは賃借人、リテンションとは維持・保持という意味です。

アパートや賃貸マンションにおけるテナントリテンションは、主に管理会社によって実施されます。

例えば、「お湯が出ない」、「エアコンが効かない」といった入居者クレームに対し即座に対応して満足度を上げることはベーシックなテナントリテンションとなります。

優れた管理会社は、早めに入居者の不満や要望を察知することができるため、テナントリテンション能力が高いです。

また、最新のエアコンやウォシュレットの交換なども、長く住んでいる入居者から優先的に取り換えていくことなども有効なテナントリテンションとなります。

成功している物件の中には、クリスマスや、ハロウィン、七夕等の季節に応じて物件の装飾し、またプランターには季節の花を植え替えることで、入居者を飽きさせないような工夫をしている物件もあります。

供給過剰の中で満室を維持するというのは難しいことですが、このような環境の中で成功している物件は、テナントリテンションの考え方を取り入れている物件です。

テナントリテンションは、物件を放置していては生まれません。オーナーや管理会社による能動的な管理姿勢があって、はじめて生まれてくるものです。

管理を強化しテナントリテンションの考えを積極的に取り入れている物件は、厳しい環境の中でも成功し始めています。

管理の重要性は以前よりも増しており、これから賃貸経営の改善の方向性は、管理の強化にありと考えるべきでしょう。

8.これからの賃貸経営は管理が決め手!

環境変化への対応や、模倣困難性を目指した差別化、マーケティング、テナントリテンション等を踏まえると、今後の賃貸経営では「管理」がますます重要になってきます。

管理会社は経営資源のヒトの部分と捉えるべきです。モノとカネが変えられない状況であれば、ヒトを変えるしかありません。関わっているヒトの能力がアップすれば、その賃貸経営は必ず良い方向に向かいます。

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会社の経営者になったつもりで、優秀な管理会社という人材を取り入れることをおススメします。

まとめ

いかがでしたか?
賃貸経営について解説してきました。

賃貸経営も、まずは経営理論に基づき外部環境や経営資源をしっかりと再確認することが必要です。

選ぶ時代から選ばれる時代に入った賃貸経営は差別化戦略やマーケティング戦略をしっかりと立てることが重要となります。

賃貸経営で差別化やマーケティングを具体的に実践できるのは、管理会社です。
これからの賃貸経営は、管理会社の運営能力がますます重要となっていきます。

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