きちんと知れば失敗しない!断然有利な持ち家の賃貸経営とは

きちんと知れば失敗しない!断然有利な持ち家の賃貸経営とは

不動産はお金を生み出す資産です。
持ち家は、人に貸せば賃料収入を得ることができます。

持ち家が不要となった場合、売却するか賃貸するか、その選択を迷われる方は多くいます。
家には思い出が詰まっているため、手放す事が忍びなく、そのまま貸すという選択をする人もいます。

持ち家を貸す理由は、何も賃料収入だけが目当てとは限りません。
持ち家が残っていれば、持ち家の近くを訪れたとき、思い出を楽しむこともできます。
家族皆で過ごした家が残っているのは、持ち家を賃貸することの醍醐味です。

ただ、一方で持ち家を賃貸するということは、不動産賃貸業を始めるということでもあります。
そんな大それたことを行うつもりはないと思っていても、不動産を他人に貸すということは、不動産賃貸業そのものです。

そのため、持ち家を貸す場合には、大家さんとしての最低限の基礎知識は必要です。
後から「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、しっかりと知識を身につけた上で始めることが肝要です。

そこで今回の記事では、持ち家を賃貸に出す際の、基礎知識についてご紹介します。
この記事を読むことで、持ち家を賃貸に出すための知識を一通り身につけることが可能です。

知識を身につけるのは、大切な持ち家を末永く守るためです。
貸す前にぜひお読みください。

1.持ち家を賃貸に出すメリット

1-1.副収入が得られる

財布

持ち家を賃貸に出すと、賃料が入ってきますので副収入が得られます。

持ち家を賃貸に出す理由は人によって様々ですが、賃料収入が入ってくるということは、共通のメリットです。

持ち家には、戸建もマンションも存在します。
持ち家を貸そうとすると、「こんな古い家、誰も借りてくれないのではないか?」と半信半疑になる方もいます。

ただ、戸建もマンションも、一定の賃貸需要は存在しますので、他人に貸すことは不可能ではありません。

最近は、インターネットで事前に賃料の無料査定を受けることができます。
しっかりと手順を踏めば、無謀な計画になるということはありません。

例えば戸建の場合、「今は家を買えないけど、庭付き一戸建てに住みたい」というニーズは存在し、戸建賃貸を借りる需要が存在します。

戸建賃貸は、アパートと比べると投資採算性が低いため、土地活用としてはほとんど行われません。
そのため、戸建賃貸の供給量は比較的少ないというのが特徴です。

一方で、マンションの場合、「アパートではなく、分譲マンションを借りたい」というニーズが存在します。

分譲マンションはアパートに比べ、セキュリティ等の設備のスペックが総じて高いため、借りる人にとってみるとお得です。
住環境の良いエリアでは、古いマンションでも借りたいという需要は存在します。

1-2.空き家対策になる

もし、持ち家を一定期間空き家とする場合、賃貸することで空き家対策となります。
空き家は放っておくと以下のような現象が発生し、建物の価値を落とします。

【空き家を放置すると生じる現象】
  1. 建物の密閉状態が続くことにより、湿気等の要因が重なってカビが異常繁殖します。
  2. フローリングのひび割れ、畳の腐食が発生します。
  3. 流し台や、風呂場、洗面所などの排水口内やトイレの溜水部の水が蒸発し、悪臭の原因となったり、害虫や蛇、ネズミなどの入口になったりします。
  4. 窓やサッシなどの開口部周りのコーキングが劣化し、雨水が浸入することもあります。
  5. ネズミが建材や家具、電気や電話配線などをかじり、電気設備を故障させたり火災を発生させたりする場合があります。
  6. 戸建では、シロアリはもちろんのこと普通の黒いアリも大量に住み着きます。
  7. 戸建では、ハチの巣、動物の棲家となることもあります。
  8. マンションでは鳩の被害が発生することもあります。

このようなことは、家に人が住んでいることで自然と防ぐことができます。
人が住まなくなることで、建物の価値を落とすような現象が生じるため、持ち家を貸さないでいることは、マイナスを発生させることに繋がります。

持ち家は、貸せば賃料収入というプラスを生むだけではなく、建物劣化というマイナスも防いでくれる効果があるのです。

以上、ここまで持ち家を賃貸に出すメリットについて見てきました。

2.持ち家を貸すリスク

持ち家を貸すにはメリットがある一方、いざ貸した場合にはどのようなリスクがあるのでしょうか。
そこで次に持ち家を貸すリスクについてご紹介します。

2-1.自由に解約できない

持ち家を人に貸す場合、賃貸借契約を結ぶことになります。
賃貸と言う行為は、借地借家法のルールに基づいて行われます。

まず、借地借家法という法律は、借手(賃借人)の立場を強く守っている法律であるということを理解してください。

ちょうど、労働基準法が労働者の立場を強く守っているのと似ています。

昔は、貸人は大金持ちが多く、立場が強かったため、法律によって本来弱い立場にある借主を守っているという立場を取っています。

賃貸借契約には、定期借家契約と普通借家契約という2種類の契約があります。
通常、住宅の賃貸借で用いられるのは普通借家契約と呼ばれる契約です。

普通借家契約は、借主の立場を強く守っています。
例えば、賃貸人(貸主)が「出ていってください」と言っても、簡単に退去させることはできません。

気に入らない借主であっても、借主がきちんと家賃を払い続けている限り、簡単には退去させることはできないのです。

例えば、持ち家を賃貸したところ、入居者が夜中にしょっちゅう宴会を開いて騒ぐため、近隣からクレームがあるというようなケースがあります。
オーナーとして、注意した後、しばらくは止むものの、その後また繰り返すというような事例です。

このような場合、即刻退去させたいと思っても、すぐにはできないケースが多いです。
近隣への迷惑行為が、解除事由に該当するのか立証していかなければなりません。

悪質入居者が入ってしまった場合には、簡単には退去させることができないというリスクを知っておく必要があります。

尚、このようなリスクは通常のアパート経営でも生じます。
通常のアパート経営では、入居前に必ず入居審査を行います。

入居審査では、賃料の支払い能力だけではなく、「人柄」をきちんと見抜くことが重要です。
持ち家を賃貸する場合にも、必ず入居審査を行い、悪質入居者をブロックする必要があります。

入居者を決める場合には、簡単な面談をすることをお勧めします。

2-2.空室が発生すると維持費がかかる

持ち家には、土地と建物の固定資産税や建物の保険料等の固定費が発生します。
これらは空室になっても発生し続けます。

持ち家を賃貸しても、最初は入居者が入るため固定費は問題ありません。
ところが、一旦退去し、その後、空室が続くとその間の固定費は自腹で負担しなければなりません。

空室期間はマイナスだけが発生するため、空室が続くと「売却した方がマシ」という判断にもなりかねません。

空室の問題は、通常のアパート経営においても最大の関心事です。
賃貸経営をする上で、空室の問題は避けては通れません

但し、アパートの場合は戸数が多いため、何戸か空室になったとしても、他の部屋の賃料で固定費を吸収することができます。

一方で、持ち家を賃貸する場合には、1戸しかありません。
入居者が退去してしまうと、全部空室ということになります。

つまり、持ち家の賃貸は、アパートよりも空室の悪影響が大きいということになります。

持ち家を賃貸する場合には、仮に空室が発生した場合でも、固定費を支払って行けるか検討しておく必要があります。

空室になった場合の固定費負担が重いようであれば、売却という選択肢もあります。

2-3.売却価値が下がる

古い持ち家を人に貸したまま、売却しようとすると、売却価格が下がります

持ち家を賃貸すると、持ち家は収益物件に生まれ変わります。
もし、そのまま売却とすると、収益物件の売却となります。

特に戸建ての場合に、持ち家一戸の賃貸物件を購入しようとする投資家はそう多くはいません。
普通、投資家はワンルームマンションやアパート一棟を購入します。
持ち家収益物件の購入希望者は圧倒的に少なく、価格は安くなります

一方で、古い持ち家でも自分で使うのであれば購入する人はたくさんいます。
戸建の場合には、取壊して新築する人もいます。

他人に貸していない持ち家の方が、購入希望者は多く現れるため、価格は高くなります。

つまり、持ち家を賃貸に出すと、売りにくい状態にしてしまいます。
結果的には売却価格を下げることになります。

もし、近い将来に売却する計画があれば、下手に賃貸に出さない方がお得です。
人に貸している状態だと価格が下がるということを知っておきましょう。

以上、ここまで持ち家を貸すリスクについて見てきました。

持ち家を賃貸に出すということは、不動産賃貸業を始めることでもあります。
不動産賃貸業を始める上では、きちんとした知識を身につけておく必要があります。
そこで次に賃貸をする上で知っておくべきことについて見ていきましょう。

3.賃貸をする上で知っておくべきこと

3-1.ファミリータイプの持ち家は貸しにくい物件

ほとんどの方が、戸建もマンションも、持ち家と言えばファミリータイプのはすです。
持ち家を賃貸する場合、貸しやすい物件と貸しにくい物件があるということを意識しなければなりません。

貸しやすい物件とは、単身世帯向けのワンルームマンションです。
単身世帯の人は、住宅を購入するよりも借りることを選択します。
一方で、貸しにくい物件とは、家族世帯向けのファミリータイプの住戸です。

つまりこれから貸そうとしている持ち家は、貸しにくい物件であるということです。

ファミリータイプの住宅は、面積が広くなるため、賃料も高くなります。
月20~30万円の家賃を払って生活できる家族世帯は、そう多くはありません。
ファミリータイプの場合には、「買った方が安い」という判断となり、借りる需要者が圧倒的に少ないです。

持ち家を賃貸する場合、そもそもこの貸しにくい物件を貸そうとしているということを十分に理解しておく必要があります。

貸しにくい物件は、なかなか高い賃料では貸せません。
持ち家を貸すためには、賃料を抑える必要があります。

また、持ち家は、一旦空室が発生すると、次の入居者がすぐに見つかるというものでもありません。

駅に近い等の立地が良ければ別ですが、駅から徒歩10分以上離れたような物件の場合、入居者募集には苦労するということを理解しておきましょう。

3-2.貸主には修繕義務がある

持ち家を人に貸すと、賃貸借の関係が発生します。
賃貸借の関係となると、民法や借地借家法の規制を受けることになります。

持ち家を貸す人を賃貸人と呼びます。
賃貸人には建物を修繕する義務があることが、民法に規定されています。

例えば、持ち家を貸した後、家に雨漏りが発生した場合、賃貸人である所有者は修繕をしなければなりません。

たまに「自分は住んでいないので借主に修繕して欲しい」と思う人がいますが、そのようなことはできないのが基本です。

その他、修繕には給湯器が故障してお湯が出ない、蛇口が壊れて水が止まらない等の問題が発生することがあります。

入居者がわざと壊したものでない限り、修繕義務は賃貸人にあります

また、修繕は築年数が古くなればなるほど、様々なところに修繕の必要性が発生します。
修繕費は築年数に比例して増えていく傾向があります。

そのため、築年数の古い物件を賃貸する場合、今後、修繕費が増えていくということをある程度覚悟しておく必要があります。

持ち家を賃貸した後も、修繕にはお金がかかるということを知っておきましょう。

3-3.賃貸借契約の種類

賃貸借契約には、定期借家契約と普通借家契約という2種類の契約があります。

普通借家契約というのは、賃借人(借主)の立場が強く守られているため、賃貸人(貸主)からの解約はしにくいと解説しました。
普通借家契約には、更新があり、賃貸人から更新の拒絶をしても、なかなか認められません。
普通借家契約とは、借家人を退去させにくい契約であると理解してください。

一方で、定期借家契約とは、契約期間満了時に確実に入居者を退去させることのできる契約です。
定期借家契約には、更新という概念はありません

そのため、もし期間限定で持ち家を賃貸したい場合には、定期借家契約で締結する必要があります。

例えば、海外転勤時に持ち家を貸すような場合には、定期借家契約が有効です。
海外転勤の際、一時的に持ち家を貸すようなことをリロケーションと呼びます。
リロケーションでは定期借家契約が用いられます。

但し、定期借家契約の場合、借主が契約期間満了時に必ず出ていかなければならないため、更新ができる普通借家契約よりも借主の立場は不安定になります。

そのため、住宅を定期借家契約で貸す場合、相当に家賃を安くしないと貸すことができません。
定期借家契約の家賃は、普通借家契約の家賃の50~70%程度になります。
定期借家契約は、賃料が安いというデメリットがあります。

もし、長期的に持ち家を賃貸で運用したいのであれば、家賃の高い普通借家契約がお勧めです。
契約の選択は、今後自分が持ち家をどのように賃貸したいか明確にしたうえで選択するようにしましょう。

以上、ここまで賃貸をする上で知っておくべきことについて見てきました。

4.持ち家を賃貸に出す手続き

では、賃貸することを決めた場合、具体的にどのような手順で進めて行けば良いのでしょうか。
そこで次に持ち家を賃貸に出す手続きについてご紹介します。

4-1.管理会社を決める

持ち家を賃貸する場合、管理会社に管理を委託すると便利です。

管理会社は、入居者募集、入居者のクレーム対応や家賃滞納の督促、賃貸借契約の締結等の業務を行ってくれます。

賃貸に出す持ち家が遠方にある場合は、管理会社に管理を委託すべきです。

持ち家を賃貸に出すと、様々なクレームが生じる可能性があります。
具体的に住宅のクレームとしては、「お湯が出ない」、「水道の水が出ない」、「トイレの水が止まらない」、「エアコンが動かない」、「扉の締まりが悪い」等々があります。

特に、水に関するクレームは緊急性を要するものがほとんどです。
このようなクレームが出た場合、最初の一時対応がとても重要になります。

「水が止まらない」というクレームが出ているのに、「一週間後にお伺いします」とは言えません。
緊急事態に対応するには、物件の近くの管理会社に管理を委託した方が無難です。

また家賃も滞納されると督促を行う必要があります。
家賃滞納については、後で裁判になる可能性も考慮し、内容証明郵便で督促するなど、一定の知識を要します。
滞納督促も慣れていないとできません。

不動産の賃貸借は、トラブルが発生すると問題が長引く傾向があります。
トラブルを未然に防ぐためにも、実績と知識のある管理会社を活用した方が安全です。

持ち家を賃貸に出す場合には、まずは管理会社を決めることから始めましょう。

4-2.最適な管理会社が見つかる一括賃料相談サイト

ではどのようにして管理会社を見つければ良いのでしょうか。
そこで次に管理会社を見つける具体的な方法として、最適な管理会社が見つかる一括賃料相談サイトをご紹介します。

持ち家を賃貸に出す場合、「賃貸経営 HOME4U(ホームフォーユー)」の利用がとても便利です。

賃貸経営HOME4U

1分程度の簡単な入力で複数の会社に一括で賃貸管理の無料相談をすることができ、住宅一戸から管理を委託できる管理会社を探すことができます
またリロケーションの管理会社も探すことができるため、転勤等で持ち家を賃貸に出す場合も便利です。

信頼できる管理会社の中から、今の持ち家を賃貸するために最適な管理会社を見つけることができます。

また賃貸経営 HOME4U をお勧めする理由は、最適な管理会社を見つけることができるという理由だけではありません。

持ち家は、一度賃貸してしまうと、解約も簡単にできず、売却価格も下がることから、売却と並行して検討することが有効です。

売却と同時に検討しておかないと、後から「貸さなきゃ良かった」ということにもなりかねません。

「貸したらいくら」なのかだけではなく、同時に「売ったらいくら」なのかも検討してください。

4-3.リフォームをする

持ち家の築年が古いのであれば、リフォームはすべきです。
リフォームについては考え方が明確です。

売却する場合、リフォームは不要です。
一方で、賃貸する場合、リフォームはすべきです。

売却では、リフォームを行っても、そのリフォーム費用を売却価格に完全に上乗せできるわけではありません。
一方で、賃貸では、リフォームすることで空室対策となり、リフォーム費用も時間をかけて回収することができます。
賃貸では、リフォームが有効な効果を生みます。

リフォームは、特にキッチンやバス、トイレ、洗面所など、いわゆる水回りと呼ばれている部分を重点的にリフォームするようにして下さい。
持ち家はターゲットがファミリー世帯のため、入居家族の奥様が目につきやすいところが綺麗になっていると、決まりやすい傾向にあります。

尚、リフォームはフルリフォームまでする必要はありません。
メリハリをつけて部分的でもリフォームをするようにしましょう。

以上、ここまで持ち家を賃貸に出す手続きについて見てきました。

5.持ち家を賃貸に出した時の税金

税金

では、持ち家を賃貸に出した時の税金についてはどうなるのでしょうか。
そこで次に持ち家を賃貸に出した時の税金についてご紹介します。

5-1.不動産所得の発生

個人の所得には、譲渡所得、不動産所得、事業所得、山林所得、給与所得、退職所得、利子所得、配当所得、一時所得、雑所得の10種類があります。

このうち、不動産を貸し付けたときの所得は不動産所得となります。

1か所から給与の支払を受けている人で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人は確定申告をする必要があります。
つまり、持ち家を賃貸して不動産所得が20万円を超えた場合は、確定申告をする必要があり、所得税が発生します。

不動産所得は、賃料収入のことではありません。
以下の計算式で計算される金額になります。

【不動産所得】

不動産所得 = 総収入金額 - 必要経費

総収入金額とは、家賃収入のことになります。
必要経費とは土地建物の固定資産税、建物保険料、修繕費、建物等の減価償却費等です。
減価償却費とは、建物の取得原価を毎期、機械的に費用配分した会計上の費用になります。

尚、確定申告で青色申告をする場合は、65万円の青色申告特別控除があります。
青色申告とは正式な簿記の原則に従って記帳する申告です。
青色申告特別控除を適用すると、不動産所得は以下のように計算されます。

【不動産所得】

不動産所得 = 総収入金額 - 必要経費 - 青色申告特別控除(65万円)

持ち家を賃貸した場合、この青色申告特別控除の効果はとても大きいです。

例えば、持ち家を家賃6.5万円で貸した場合、総収入金額は78万円です。
持ち家の固定資産税等の年間の必要経費を15万円の場合、青色申告特別控除を適用すると、不動産所得は以下のように計算されます。

【不動産所得】

不動産所得 = 総収入金額 - 必要経費 - 青色申告特別控除(65万円)
      = 78万円 - 15万円 - 65万円
      = ▲2万円 < 0

青色申告特別控除を適用した結果、不動産所得はゼロになりました。
そのため、このケースでは税金は発生しないことになります。

持ち家を賃貸する場合、総収入金額がそこまで大きくならないため、青色申告特別控除が大きな威力を発揮します。

一方で、白色申告の場合は控除額が10万円にしかなりません。
上記のケースでは、10万円の控除だと所得税が発生してしまいます。
確定申告する際は、面倒くさがらずに、青色申告を選択することをお勧めします。

5-2.将来売却する可能性のある人の税金の注意点

将来、持ち家を売却する予定のある人は1つだけ注意が必要です。

個人が不動産を売却する場合は、譲渡所得が発生します。
譲渡所得も売却額ではなく、以下の式で計算される金額になります。

【譲渡所得】

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用

譲渡価額とは売却額です。
取得費は、売却した不動産の購入額(建物は減価償却後の価額)です。
譲渡費用は、仲介手数料等の売却に要した費用です。

マイホーム(居住用財産)を売却する場合にも、青色申告特別控除のように所得計算の上で控除ができる特例があります。
それは3,000万円特別控除です。

3,000万円特別控除を適用すると、譲渡所得は以下のように計算されます。

【譲渡所得】

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 3,000万円

3,000万円も控除してくれるため、持ち家のような居住用財産を売却した場合、ほとんどのケースでは所得税は発生しません。

但し、持ち家を賃貸して3,000万円特別控除の特例を適用する場合、以下のような要件があります。

転居してから3年後の12月31日までに、居住していた家屋やその家屋と共に譲渡するする敷地の譲渡の場合

つまり、持ち家を賃貸した後でも、転居してから3年後の12月31日までに売却するのであれば3,000万円特別控除は適用されますが、それ以降は適用することができません。
3,000万円特別控除の適用を考えた場合、持ち家を賃貸する期間は3年間ということになります。

但し、持ち家の場合、3,000万円特別控除を適用する以前で既に譲渡所得がマイナスとなっている可能性があります。

【譲渡所得】

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用

3,000万円特別控除を適用しなくても譲渡所得がマイナスとなっていれば、賃貸期間は気にすることはありません。
将来、持ち家をいつ売却しても所得税は発生しないことになります。

税金に関しては、将来売却する予定のある人は、注意が必要と言うこと認識しておきましょう。

5-3.相続空き家を賃貸する人の税金の注意点

相続で取得した相続空き家を賃貸する場合には、さらに注意が必要です。
相続空き家とは、相続前までに被相続人だけが居住していた家であり、相続後、空き家となった家のことを指します。

相続空き家を売却する場合にも、3,000万円特別控除を適用することができます。

但し、相続空き家の3,000万円特別控除では、適用要件の中に、以下の要件があります。

相続のときから譲渡のときまで事業の用、貸付けの用または居住の用に供されていなかったこと。

つまり、相続空き家の場合には、貸しただけで将来、3,000万円特別控除を適用することはできなくなります。

非常にややこしい話なのでもう一度整理します。

自分が購入した持ち家であれば、転居してから3年後の12月31日までは賃貸しても3,000万円特別控除は適用できます。
一方で、相続空き家であれば、賃貸した瞬間、問答無用に3,000万円特別控除は適用できません。

そのため、相続空き家の持ち家を賃貸することに関しては、慎重に判断するようにして下さい。
相続空き家の場合には、最初に売却の可能性を十分に検討した上で、その次に賃貸に出すことを検討するようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか?

持ち家を賃貸に出すことについて見てきました。
持ち家を賃貸に出せば、副収入も得られますし、空き家管理も兼ねることができます。
家を売りたくないという希望であれば、持ち家を賃貸に出すことは良い選択肢と言えます。

但し、持ち家を賃貸に出す場合には、将来の売却可能性を考慮すると、同時に売却価格の査定をしておくことが無難です。

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