読めば丸っと分かる!プロが教える定期借家契約完全ガイド

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読めば丸っと分かる!プロが教える定期借家契約完全ガイド

建物の賃貸借契約には、普通借家契約定期借家契約の2種類があります。2つの最大の違いは契約の更新があるかどうかです。

普通借家契約には契約の更新がありますが、定期借家契約には契約の更新がありません。定期借家契約は契約満了時に建物が確実に戻ってくるため、賃貸人(貸主)にとって使い勝手が良く、広く浸透しています。

賃貸人にメリットの多い定期借家契約ですが、いま一つ、使いきれていない方も多いと思います。どのようなシーンで定期借家契約が役立つのかピンと来ていない方も多いことでしょう。

そこで今回は、定期借家契約について、今さら聞けない基礎的な知識から、メリットとデメリット、定期借家契約を使った具体例まで詳しく解説いたします。

この記事を読むだけで、定期借家とは何かが分かるようになります。ぜひ今後の賃貸経営にお役立てください。

1. 定期借家契約とは

1-1. 定期借家契約の特徴

定期借家契約」の読み方は「ていきしゃっかけいやく」です。
定期借家契約とは、期間の定めのある建物の賃貸借契約で、かつ契約の更新がない賃貸借契約のことを言います。

定期借家契約は、契約の更新がないがないため、マンション・一戸建てなどの不動産を期間限定で貸すリロケーションなどで良く使われます。

契約の更新がないとは、例えば契約期間が2年契約で入居した場合、賃借人(借主)は2年後に確実に退去しなければならないことを意味します。

では、仮に定期借家契約において、借主が3年目も借りたいとなって場合、どうするのでしょうか。

その場合、賃貸人(貸主)と協議して、合意が取れれば再契約ということになります。再契約とは新たな契約を結び直すということであり、既存の契約をそのまま継続する更新とは異なります。

もし賃貸人との協議が整わなかった場合、賃借人は再契約を断念せざるを得ません。再契約できるかどうかは、賃貸人の胸三寸にあり、継続して貸すか、貸さないかは賃貸人に決定権があります。

定期借家契約の場合、契約終了時点において、建物が確定的に返ってきます

定期借家契約の特徴は、更新がないという点が最大の特徴となります。

それでは次に普通借家契約との違いについて見ていきます。

1-2.普通借家契約との違い

普通借家契約は、定期借家契約と同様に期間の定めのある建物の賃貸借契約ですが、契約の更新があるという特徴の賃貸借契約です。

普通借家契約では、例えば契約期間が2年契約で入居した場合、賃借人が3年目も借りたいということになれば、そのまま契約は更新されることになります。

普通借家契約の場合、借主が更新したいと言えば、原則的に更新されます。

もし、賃貸人がこれ以上貸したくないと思った場合、賃借人を退去させる必要があります。普通借家契約で賃借人を退去させる場合には、賃貸人に正当事由が必要になります。

正当事由とは、賃貸人が契約の更新拒絶や解約の申入れをする際の理由です。

正当事由は、賃貸人が建物の使用を必要とする事情や、賃借人の家賃滞納等の従前の経過、建物の利用状況、立退料の申出等々が総合的に組み合わさったうえで、はじめて認められる理由です。

基本的に正当事由は簡単には認められません。

普通借家契約においては、借主が更新したいと言えば、貸主は認めざるを得ません。更新できるかどうかは、賃借人の胸三寸にあり、継続して借りるか、借りないかは賃借人に決定権があります。

普通借家契約は、契約終了時点においても、建物が確定的に返ってくるかどうか分かりません。契約満了時点で賃借人を退去させたい場合には、立退料が発生します。

普通借家契約において、立退料の規定は借地借家法の第28条に定められています。参考までに条文を以下に示します。

第28条(建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件)
建物の賃貸人による第26条第1項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。

かなり長い条文ですが、「財産上の給付をする旨の申出をした場合」というのが立退料に相当します。

つまり、この条文では賃貸人が賃借人に解約を申し入れる場合、立退料を支払わないと解約できないということを言っています。冷静に考えると、これはすごい規定です。

この条文は、「自分のものを返してもらうのに、お金を払わないと返してもらえない」と言っています。

普通、他人に物を貸して、返してもらうのに貸した人がお金を払うことはありません。隣の席の人に消しゴムを貸して、返してもらうのに「お金払え」と言われたら、普通は怒ります。

ところが、普通借家契約では、建物を人に貸した場合、退去させて返してもらうのに立退料という意味不明なお金を払わなければならないというルールになっています。

例えば、貸している部分が店舗などの場合、立退料には億単位のお金が発生することがあります。店舗の立退料の中には「営業補償」も含まれるため、立退料が法外な価格になります。

そのため、賃貸人からすると、一度、入居者を入れてしまうと、立退きをすることがほぼ不可能という状況になってしまいます。これではあまりにも賃貸人にとっては不合理です。

そこで登場したのが定期借家契約です。

定期借家契約は契約期間満了時に確実に入居者を退去させることができます。契約期間満了時点では、立退料も一切発生しません

賃貸人からすると、自分のものを返してもらうだけなので、お金を払う必要はないのは当り前なのですが、定期借家契約によって、はじめて当り前のことができるようになるのです。

普通借家契約と定期借家契約は、立退料の発生に最大の違いがあります。定期借家契約では、立退料の心配をする必要がないため、賃貸人は安心して建物を貸すことができるのです。

尚、普通借家契約と定期借家契約には、他にも細かい違いがあります。それらの違いをいかに示します。

契約方法
(1) 定期借家契約 公正証書等の書面による契約に限る
(2) 普通借家契約 書面でも口頭でもよい
期間を1年未満とする建物賃貸借契約の効力
(1) 定期借家契約 1年未満の契約も可能
(2) 普通借家契約 期間の定めのない賃貸借契約とみなされる

以上、ここまで普通借家契約との違いについて見てきました。それでは次に普通借家契約との共通点を解説します。

1-3. 普通借家契約との共通点

定期借家契約も普通借家契約も、更新の有無以外については、両者の契約は基本的にはほぼ同じです。

賃貸借契約においては、賃借人(入居者・借手)には、賃料支払義務と原状回復義務があります。

賃料支払義務とは、入居中は当然、賃料を支払わなければならないという義務です。
もし、入居者が3ヶ月以上連続して賃料を支払わないようなことをすると、賃貸人(貸主)との信頼関係が破壊されたものとみなされ、この時は、賃貸人から立退料を払わずに契約解除をすることができます。

また原状回復義務とは、退去時に借りた状態に戻すということです。
例えば、賃借人が入居後に建物に対して何らかの工事を行った場合、その工事した部分は元の状態に戻して返すというのが原則です。また、賃借人がわざと壊したような部分に関しても、原状回復の対象となります。

定期借家契約も普通借家契約も、このような賃借人の基本的な義務については違いがありません。

一方で、賃貸人には修繕義務があります

例えば、雨漏りが発生した場合の修繕に関しては、建物オーナーに修繕義務があります。建物の構造耐力上主要な部分や雨水の浸入部分等については、賃貸人が修繕義務を負います。

また契約期間中における、賃貸人からの家賃増額請求または賃借人からの家賃減額請求に関しても、定期借家契約と普通借家契約の両方で可能です。

但し、普通借家契約において、「賃料は一定期間下げられないものとする」という賃借人にたいして不利な特約は無効です。

一方で、定期借家契約については、「賃料は一定期間下げられないものとする」という賃借人にたいして不利な特約は有効になります。

2. 定期借家の3つのメリットとデメリット

では、定期借家にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。そこで次に定期借家の3つのメリットとデメリットをご紹介します。

2-1. 3つのメリット

(1) 契約期間終了時に建物が確実に戻ってくる

定期借家の最大のメリットは、立退料を支払うことなく、契約期間満了時に建物が確定的に戻ってくるという点です。

立退料を払わなくても良いというメリットがあるため、建替え間近の建物のテナント募集や、海外転勤中に期間限定で不動産を貸し出す場合にメリットがあります。

また、特に立退料が法外となる店舗の賃貸については、定期借家で契約する方が安全です。

(2) 特約で賃料減額を防ぐことができる

あまり知られていないメリットですが、定期借家契約では「賃料を一定期間減額できないものとする」もしくは、「賃料を毎年5%ずつ増額する」といった賃借人に不利な賃料改定特約も有効になります。

普通借家契約では、仮に賃貸借契約でこのような特約条項を入れたとしても、裁判で争った場合には無効です。

賃料減額に関しては、普通借家契約では防ぎようがありませんが、定期借家契約では、契約の条文の中に特約条項を入れ込むことで、防ぐことが可能です。

定期借家契約であれば、契約条項によって賃料の下落を防止することができるというメリットがあります。

(3) 中途解約は原則できないため収入が安定する

定期借家契約は、特段、何も定めをしなければ以下の場合を除き、原則、中途解約はできません。

但し、以下の場合は中途解約可能です。

床面積が200㎡未満の居住用建物で、やむを得ない事情により、生活の本拠として使用することが困難となった場合

郊外の賃貸需要井の弱いエリアで、退去リスクの高いところであれば、定期借家契約によって入居者を長期契約することが可能です。退去を防止し、賃貸収入を安定化できるメリットがあります。

2-2. 3つのデメリット

(1) 入居者を募集しにくい

定期借家契約は、入居者を募集しにくいというのが最大のデメリットです。賃借人(借主)にとっては、普通借家契約という賃借人に有利な選択肢がある以上、定期借家契約を選ぶメリットがありません。

定期借家契約は賃貸人に有利であり、普通借家契約は賃借人に有利です。そのため、定期借家契約の物件は賃借人には人気がありません。

入居者を集めにくいというのが定期借家契約の最大のデメリットになります。

(2) 住宅や事務所では家賃が低い

定期借家契約は、入居者を集めにくいことから、相当に賃料を値下げしないと入居者を決めることができません。そのため、定期借家契約は賃料が低いという傾向があります。

但し、店舗に関しては、定期借家契約と普通借家契約に賃料差はほぼ見られません。理由としては、店舗の場合は、賃貸人が定期借家契約を選択する人が圧倒的に多くなったため、入居者側である店舗が「定期借家契約は嫌だ」と言える状況ではなくなったということがあります。

特に銀座などの中心地では定期借家契約が普通です。銀座などは賃借人が「ぜひ借りたい」というエリアであるため、定期借家が不利であると分かっていても入居者は借りざるを得ません。

店舗に関しては、中心地から定期借家契約が波及したこともあり、定期借家だから安いという状況ではなくなってきました。

また、最近では事務所も同様の傾向が見られつつあります。以前は、事務所の定期借家契約は普通借家契約の賃料よりも安いという傾向がありましたが、今では差がほぼ見られないという事例も多いです。事務所の賃料についても、都内の中心物件から、定期借家契約が波及している状況にあります。

定期借家契約で、一番賃料差が顕著に現れるのは、住居系の賃貸物件です。住居系ではまだまだ定期借家契約の人気は低く、場合によっては普通借家契約の半額というような事例も見られます。

(3) 契約手続きが煩雑である

定期借家契約では、契約時に賃貸借契約書とは別に「更新がなく、期間の満了により終了する」旨の書面を交付しなければなりません。

また1年以上の期間を定めた定期借家契約では、契約期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に、賃借人に対し、「契約が終了する」旨の通知をしなければなりません。

つまり、定期借家契約では、始まりでも通知し、終わりでも通知するという手間が発生します。これらの通知を怠ると、普通借家契約とみなされるリスクがあります。

定期借家契約では、手続きが普通借家契約よりも煩雑となるデメリットがあります。

以上、ここまで定期借家の3つのメリットとデメリットについて見てきました。ここまでの内容で、定期借家契約は専門的な内容も多く、自分で行うには少し不安に感じている方も多いと思います。

定期借家を上手く活用するには、定期借家契約の締結に慣れた管理会社を活用することが一番です。そこで次に定期借家契約の締結に慣れた管理会社の探し方についてご紹介します。

3. 管理会社の探し方

定期借家契約に慣れた管理会社を探すのであれば、「賃貸経営 HOME4U(ホームフォーユー)」が便利です。

賃貸経営 HOME4Uでは海外転勤等により定期借家で家を貸す賃貸管理を得意とする管理会社が登録しています。登録企業としては大手から地域密着企業まで70社以上が参画しています。

相談する管理会社は、自分で選択でき、選んだ企業以外からの連絡はないから安心です。しかも、1分ほどの簡単な入力で、複数の管理会社に一括で賃貸経営の相談ができてしまいます。無料で利用できる上、NTTデータグループが運営しているので、個人情報のセキュリティもしっかりしていて安心です。

定期借家に慣れた管理会社を探すのであれば、賃貸経営 HOME4Uをぜひご利用ください。

以上、ここまで管理会社の探し方について見てきました。

定期借家契約は、賃貸経営 HOME4Uでパートナーとなった管理会社が的確に進めてくれるため基本的にはお任せで問題ありません。

但し、定期借家契約を活用していく以上、賃貸人としては最低限知っておきたい知識もあります。そこで次に定期借家契約の書式のチェックポイントについてご紹介します。

4. 定期借家契約の書式のチェックポイント

4-1. 定期建物賃貸借契約との違い

定期借家契約は、契約書名に「定期建物賃貸借契約」と記載されることが多いです。たまに、「定期借家契約と定期建物賃貸借契約は別物ですか?」という質問をされる方がいますが、2つは同じです。

借家というのは法律用語であって、建物を賃貸することを借家と呼びます。借家に対応する賃料は家賃です。

一方で似たような言葉で借地があります。借地も法律用語であって、土地を賃貸することを借地と呼びます。借地に対応する賃料は地代になります。そのため、定期借家契約と定期建物賃貸借契約は同じものです。

但し、契約書名に「定期建物賃貸借契約」と書かれていても、それで定期借家契約になるわけではありません

契約書の名前は、ぶっちゃけどうでも良いことです。重要なのは、契約書の中身に、「更新」に関する規定がないということが定期借家契約のポイントになります。

例えば、契約書名が「定期建物賃貸借契約」と書かれていても、契約書の条文を良く見たら、更新規定が書かれていたとします。更新規定とは、例えば賃貸借契約書に書かれている以下のような記載です。

(契約期間)
第〇条 契約期間及び本物件の引渡し時期は、頭書の記載のとおりとする。
2 甲及び乙は、協議の上、本契約を更新することができる

契約書の中にこのような記載があれば、それは普通借家契約です。

逆に、「建物賃貸借契約書」とだけ書かれている契約書であっても、以下のように更新がないことが明確に記載されていれば、定期借家契約になります。

(契約期間)
第〇条 契約期間及び本物件の引渡し時期は、頭書の記載のとおりとする。
2 本契約は、前項に規定する期間の満了により終了し、更新がない

契約書の名称は重要ではありません。定期借家であるかどうかは、名称ではなく、更新規定の有無をしっかりとチェックするようにしましょう。

4-2. 公正証書で契約する必要はあるか

結論からすると、定期借家の契約は、公正証書である必要はありません。公正証書とは、公証役場へ出向いて、当事者が合意した内容を基に公証人に作成してもらう書面のことです。

定期借家の規定では、契約方法は「公正証書の書面による契約に限る」とされています。「」と書かれていることがポイントであるため、定期借家契約は公正証書に限らず、通常の書面で契約しても構わないことになっています。

借地や借家の契約の中で、唯一、公正証書で締結しなければならない契約は、「事業用定期借地権」と呼ばれる借地契約のみです。

事業用定期借地権も定期借家の借地版で似ているため、誤解する人が多くいます。定期借家の場合には、公正証書でなくても有効な契約であることを知っておきましょう。

4-3. 定期借家の終了通知

定期借家では、1年以上の契約期間の場合には、賃貸人は、契約期間満了の1年前から6ヶ月前までの期間に賃借人に対し、期間満了により賃貸借が終了する旨を通知する必要があります

また定期借家契約では、1年未満の賃貸借契約も有効です。1年未満の定期借家契約においては、賃貸借が終了する旨の通知をする必要はありません。

契約期間満了の1年前から6ヶ月前までの期間を通知期間と呼びます。

ここで良くあるケースとして、通知期間内に通知を忘れてしまった場合はどうなるかと言う問題があります。

まず、契約満了の6ヶ月前より「後」に通知された場合には、その6ヵ月後に賃貸借契約が終了することになります。次に契約満了後に通知をした場合、その通知は有効ではなく、契約関係は普通借家契約になってしまうという見解が有力です。

つまり、契約満了までであれば、通知を忘れてしまってもその6ヵ月後には賃貸借契約は終了することはできますが、契約満了後に通知をしたとしても、その6ヵ月後には終了することはできないということになります。

定期借家の終了通知は、非常に重要な手続きであるため、忘れないようにしましょう。

4-4. 定期借家の中途解約

結論からすると、定期借家契約でも「中途解約に関する特約」があれば中途解約は可能です。

中途解約に関する特約とは、例えば以下のような条文です。

(乙からの解約)
第〇条 乙は、甲に対して〇ヶ月前に解約の申入れを行うことにより、本契約を終了することができる。

2 前項の規定にかかわらず、乙は解約申入れの日から〇ヶ月分の賃料(本契約の解約後の賃料相当額を含む。) を甲に支払うことにより、解約申入れの日から起算して〇ヶ月を経過する日までの間、随時に本契約を終了することができる。

定期借家契約では、上記のような中途解約に関する定めがない場合には、原則的には中途解約をすることはできません。

但し、例外的に以下の場合には特約がなくても借主から中途解約することが可能です。

床面積が200㎡未満の居住用建物で、やむを得ない事情により、生活の本拠として使用することが困難となった場合。

定期借家では中途解約は原則できませんが、特約を定めれば可能であることを知っておきましょう。

4-5. 再契約条項

定期借家契約には更新がありません。しかしながら、店舗などの場合、このままずっと営業を続けたいというテナントは多いです。

定期借家契約で、期間満了後も借りる場合は、更新ではなく、「再契約」をすることになります。

一般的に、定期借家契約では、再契約条項を入れることが通常です。契約書には以下のように書かれていることが多いです。

(契約期間)
第〇条 契約期間及び本物件の引渡し時期は、頭書の記載のとおりとする。
2 本契約は、前項に規定する期間の満了により終了し、更新がない。ただし、甲及び乙は、協議の上、本契約の期間の満了の日の翌日を始期とする新たな賃貸借契約(以下「再契約」という。)をすることができる

ポイントは、甲乙協議の上、つまり、貸主と借主の協議が整った場合には、再契約ができるという条文になります。

この条文が入っていたとしても、賃貸人(貸主)がノーと言えば、再契約をすることはできません。決定権は賃貸人側にあります。

一方で、この条文があることで、賃借人(借主)には、次の賃貸借契約の優先交渉権を得ることができます。借主は、他のどのテナントよりも賃貸人に近い位置にいるため、次の契約を申し入れやすい立場に立つことができます。

再契約条項は、賃借人の立場にも配慮した条項とも言えます。

通常、定期借家契約では、このような再契約に関する一文が入っていることを知っておきましょう。

以上、ここまで定期借家契約の書式のチェックポイントについて見てきました。

では定期借家は具体的にどのようなシーンで使うのが有効なのでしょうか。そこで最後に定期借家の具体例について見ていきます。

5. 定期借家の具体例

5-1. 転勤中の賃貸

海外赴任や転勤時の賃貸であれば、定期借家契約が最適です。

海外転勤は任期がありますので、数年後、確定的に部屋を返してもらう必要があります。そのため定期借家契約がもっとも適しています。

実は、定期借家契約制度が創設されて当時、定期借家が最も利用されたのはこの海外転勤中の賃貸借でした。期間限定で貸すということが建物所有者のニーズにピッタリであったため、早くから利用されていたのです。

このように転勤時に留守宅を賃貸することをリロケーションと呼びます。

賃貸経営 HOME4Uではリロケーションにも特化した一括賃料無料査定・相談サービスも行っています。

住宅の定期借家契約は賃料が安くなりがちなので、このように一括賃料査定ができるサービスは賃貸人にとって、とても有益なサービスです。

またリロケーションの管理を得意とする管理会社もなかなか見つけることはできません。賃貸経営 HOME4Uのリロケーション一括無料相談では、リロケーションに実績のある管理会社も見つけることができ、なおかつ賃料も比較できるためとても便利です。

海外転勤等でリロケーションをご利用の方は、ぜひ賃貸経営 HOME4Uをご利用ください。

5-2. シェアハウス

都内で最近流行っているのがシェアハウスです。シェアハウスとはリビングやキッチン、バスなどを共有する居住スタイルの賃貸物件です。

シェアハウスは共同生活をするため、中には共同生活を乱すような人も入居する可能性があります。もし、このような人が入居してしまい、立退きが自由にできなかったら、他の入居者に迷惑をかけることになります。

そのため、シェアハウスは悪質入居者を即刻退去させることができる状態を保つため、短期の定期借家契約とすることが通常です。共同生活のルールを守ってくれる人には、再契約をすることになります。

定期借家契約は、シェアハウスのようなところでも十分に活用されているのです。

5-3. 事業用のテナント

定期借家契約が最も浸透しているのは、事業用テナントの賃貸借契約です。事業用テナントとは、主に「店舗」です。

普通借家契約では、入居者を立退きさせるのに立退料が必要になります。

立退料は、事務所や住宅では借家権と呼ばれる補償料が支払われます。借家権とは現行賃料と移転先賃料の差額の1~1.5年分程度のお金です。

店舗の場合、立退料には借家権の他、営業補償が加わります。営業補償とは、以下のような項目を含む補償です。

工作物補償
動産移転補償
借家人補償
移転雑費補償
営業休止補償

飲食や物販などの店舗は、場所が変わると売上が大きく落ち込みます。営業を行っている店舗にとっては、場所の移動は死活問題です。

一方で、例えばIT系企業や保険会社などの事務所については、来店客を相手に商売をしているわけではないため、場所が変わっても売上が大きく落ち込むようなことはありません。つまり事務所の立退料に営業補償は必要ないと判断されます。

また、住宅についても、アパートを引越したところで収入が大きく変化することもありません。住宅も立退料に営業補償は必要ないと判断されます。

営業補償が必要になるのは原則、店舗だけです。営業補償は店舗によっては億単位になります。営業補償を含まない事務所や住宅の立退料と比べ、店舗の立退料は法外な単位となることが多いです。

そのため、賃貸人にとっては店舗のような事業用テナントを普通借家契約で入居させることはリスクが高過ぎます

最近では新築ビルの店舗の賃貸借契約では定期借家が一般化してきました。店舗の賃貸借を考えている人は、ぜひ、定期借家を導入するのが良いでしょう。

まとめ

いかがでしたか?
定期借家について解説致しました。

定期借家契約とは、更新のない契約です。契約期間満了時に確定的に契約を終了できるため、賃貸人にとって有利な契約です。

定期借家契約は専門的な知識を有しますが、信頼できる管理会社がパートナーとなれば基本的にはお任せで問題ありません

賃貸経営 HOME4Uで信頼できる管理会社を見つけ、転勤中の自宅の貸し出しなど、上手に定期借家契約を活用してくださいね。

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