狭い土地に家を建てるときのポイントは?知っておきたい土地の活用方法や建築ルールも解説

都市部では広い土地を確保するのが難しく、狭い土地に家を建てるケースも少なくありません。

しかし、限られた敷地でも工夫次第で快適な住まいを実現できます。

この記事でわかること
  • 狭い土地の定義について
  • 狭い土地に家を建てるメリット・デメリット
  • 狭小住宅を建てるときのルール

本記事では、狭小地を活かした家づくりのポイントや、建築時に注意すべきルールについて詳しく解説します。
土地の制約を理解し、最適なプランを検討するための参考にしてください。

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1.狭い土地(狭小地)の定義

「狭小地(きょうしょうち)」の広さについて、建築基準法上で定義が明確に定められているわけではありません。(参考:e-Gov法令検索「建築基準法」)

文字とどおり「狭くて小さい土地」を指し、敷地面積がおおむね15~20坪以下の場合に狭小地と呼ばれるのが一般的です。都心部や便利の良い駅周辺は土地の価格が高く、狭小地が多い傾向があります。

近年は都心回帰や交通の利便性を重視する流れから、狭い土地に家を建てるニーズが高まっています。

狭小地は敷地形状が細長かったり旗竿状だったりなどの変形地も多く、家を建てる際には狭小地ならではの工夫が必要です。

2.狭い土地に家を建てるメリット

狭い土地に家を建てることには、制約が多い反面、利便性やコスト面でのメリットもあります。

特に都市部では、好立地の物件を手に入れやすく、工夫次第で快適な住まいを実現できます。

狭小地のメリット
  • 利便性が高い場所にあることが多い
  • 土地の購入価格が安くなりやすい
  • ランニングコストも安くなりやすい
  • 自由な設計・個性的な住宅にしやすい

ここでは、狭小地ならではのメリットを詳しく解説します。

2-1.利便性が高い場所にあることが多い

注文住宅用として販売されている狭小地は、駅や商業施設に近い利便性の高いエリアに多く見られるため、通勤や通学、買い物の負担を軽減しやすい点が大きなメリットです。

広い土地を確保するのが難しい都市部でも、狭小地であれば購入しやすく、希望のエリアに住める可能性が高まります。

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2-2.土地の購入価格が安くなりやすい

狭い土地は総面積が小さいぶん、坪単価が高額なエリアであっても総額を抑えられます。これは狭小地ならではのメリットでしょう。

また、地価の低い地域を選べば、予算に限りがある場合でも無理なく一戸建てを建てられる可能性もあります。

土地の購入費用が抑えられれば、そのぶん家そのものに予算を回せます。土地の購入費用が予算を圧迫し、希望どおりの家が建てられない、という事態は避けたい方にとっても良い選択肢になるでしょう。

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2-3.ランニングコストも安くなりやすい

固定資産税や都市計画税は、土地や建物の評価額に基づいて決定されます。
狭小住宅であれば土地面積や延床面積もむやみに増えず、税金面でも抑えられるケースがあります。

さらに、限られた床面積に合わせてコンパクトな住まいを設計すると、光熱費が安く済むことに加え、将来的なリフォーム、外壁・屋根のメンテナンスにかかる費用も最小限に抑えられるでしょう。

多額のコストを掛けずにライフサイクルを通じたケアができる点は、長期的に見てもメリットとなります。

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2-4.自由な設計・個性的な住宅にしやすい

広い敷地では一般的な間取りがそのまま当てはまりやすいため、汎用的な住宅デザインになってしまうことが少なくありません。

その点、狭小地は土地そのものが独特の形状をしているケースが多いことに加え、狭い土地を最大限に活かすために間取りを工夫する必要があり、個性的な住宅が生まれやすいといえます。

汎用的なスタイルが当てはまらないぶん自由な設計ができ、創意工夫によって「自分だけの家」を実現することも可能です。こだわりが詰まった家ならより愛着がわき、長く快適に過ごせるようメンテナンスにも力が入るでしょう。

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3.狭い土地に家を建てるデメリット・注意点

狭い土地に家を建てる場合、設計やコスト面でいくつかの課題が生じることがあります。

狭小地のデメリット・注意点
  • 建築費用が高くなる場合がある
  • 立地によっては間取りやデザインが制限される
  • プライバシーの確保が難しい場合がある
  • 法的規制・制限を確認する必要がある

ここでは、代表的なデメリットや注意点について解説します。

3-1.建築費用が高くなる場合がある

狭小地では、限られたスペースを最大限に活用するために、特殊な設計や構造が求められることが少なくありません。

敷地の形状が細長い場合や旗竿地の場合、一般的な住宅よりも施工の難易度が上がるため、そのぶんコストも割高になる傾向があります。

また、狭い敷地内での作業は、資材の搬入や作業スペースの確保が難しくなるため、通常よりも工期が長引く、追加の人件費が発生する、といったケースも見られます。

さらに、採光や通風を確保するために吹き抜けやスキップフロアを取り入れると、構造的な補強が必要になり、結果として建築費用が増加することに…。

狭小地での建築を検討する際には、設計段階でコストの増加要因を把握し、無駄な費用を抑える工夫をすることが重要です。

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3-2.立地によっては間取りやデザインが制限される

狭小地では、周辺の環境や立地条件によって間取りやデザインの自由度が大きく制限されることがあります。

特に、前面道路の幅が狭い場合や変形地の場合、建物の配置や外観デザインに影響を受けることが多くなりがちです。

旗竿地」のように接道部分が細長い土地では、玄関の位置やアプローチの設計に制約が生じるでしょう。また、角地では道路に面する部分が多くなるため、外観のデザインやファサードの工夫が求められます。

希望の間取りやデザインによっては物理的に不可能なケースもあるため、こだわりがある場合は事前にその間取りやデザインが可能かどうかの確認が必要です。

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3-3.プライバシーの確保が難しい場合がある

狭小地では隣家との距離が近いため、プライバシーの確保が大きな課題となります。

特に、リビングや寝室などの居住空間において隣家の窓と向かい合う形になると、視線が気になり生活の快適性が損なわれる可能性も否定できません。

そのため、設計段階で適切な対策を講じる必要があります。

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3-4.法的規制・制限を確認する必要がある

狭小地に家を建てる際には、さまざまな法的規制や制限を事前に確認することが不可欠です。

建ぺい率や容積率、接道義務、セットバック、斜線制限などのルールによって、建築可能な範囲が制約されるため、計画段階でこれらを把握しておくことが重要です。

また、土地によっては防火地域や準防火地域に指定されており、使用できる建材や構造に制限が課されることもあります。
さらに、自治体ごとの条例や地区計画によって、外観や高さ、用途などに追加の制限が設けられているケースも少なくありません。(参考:e-Gov法令検索「建築基準法」)

これらの規制を事前に把握し、適切に対応することで、設計変更や追加コストの発生を防ぎ、スムーズな家づくりが可能になります。

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4.狭い土地(狭小地)ならではの建築ルール

建築基準法と書かれたブロック、スマホ、電卓、ノート、家の置物

狭い土地に家を建てる際は、建築基準法や自治体の条例による制約を受けるため、設計の自由度が限られます。

特に都市部では、周囲との調和や防災上の観点から建物の高さや配置に制限があるケースが多く、こうしたルールを正しく理解しておかなければ、理想の住まいを実現できない可能性もあります。

ここでは、狭小地特有の建築ルールと、それらを踏まえた計画のポイントを詳しく解説します。

※参考:e-Gov法令検索「建築基準法

4-1.建ぺい率・容積率の制限

「建ぺい率」とは、敷地面積に対する建築面積の割合を指し、「容積率」は敷地面積に対する建物の延床面積の割合を示します。

こうした制限は都市の景観や防災を目的として定められており、狭い土地に家を建てる場合には、限られた敷地を最大限に活用するため建ぺい率・容積率の上限いっぱいで設計することが一般的です。

例えば、建ぺい率60%の土地であれば、50平方メートルの敷地では、建築面積30平方メートルまでしか確保できません。

また、容積率が200%なら延床面積は100平方メートルまでとなりますが、セットバックが必要な場合や、法規上の特殊な条件によって、実際に使える床面積はさらに減ることもあります。

敷地を購入する前に、適用される規制を正確に把握し、希望する間取りが実現可能かどうかを慎重に検討することが重要です。

4-2.斜線制限と高さ制限

建築基準法では、周囲の建物や道路との関係を考慮し、日照や通風を確保するための「斜線制限」が定められています。

特に、道路斜線・隣地斜線・北側斜線の3つが大きな影響を与え、狭い土地では建物の上部を斜めにカットするような形状になることも珍しくありません。

この制限が厳しいエリアでは、3階建ての住宅を計画しても、最上階の一部が削られることがあり、希望する間取りが実現しないこともあります。

そのため、設計段階で勾配天井を採用したり、セットバックして上階を小さくしたりする工夫が必要です。

【初心者向け】斜線制限の基礎知識|道路斜線制限・北側斜線制限・隣地斜線制限をわかりやすく解説

4-3.接道義務とセットバック

建築基準法では、幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接していなければ、原則として建物を建てられません。

狭小地の多くは、細い道路に面していることが多いため、この「接道義務」を満たしているかどうかは、建築可否の大きなポイントとなります。

さらに、前面道路が4メートル未満の場合は、道路の中心から2メートルまでの位置まで後退する「セットバック」が必要となります。
これは事実上、敷地の一部が道路として扱われることを意味し、建築面積がそのぶん減ることになります。

狭小地ではこの影響が大きく、例を挙げると30平方メートルの敷地で1メートルのセットバックが必要になった場合、実質的に10%以上の土地が使えなくなる可能性も否定できません。

4-4. 採光・通風の確保

隣家との距離が近い狭小住宅では、十分な採光や通風を確保するのが難しくなります。

建築基準法では、居室には床面積の1/7以上の窓を設置することが義務付けられていますが、実際には、窓を設けても隣家が近すぎて日光が入らず、昼間でも暗くなってしまうケースが少なくありません。

こうした課題を解決するために、以下のような工夫を取り入れてみるのも1つの方法です。

解決策例
  • 吹き抜けやトップライトを設けて上部から光を取り込む
  • ハイサイドライト(高窓)を活用する
  • 光井戸を作って奥の部屋にも自然光を届ける

特に、北向きの敷地では、直接の採光が取りづらいため、反射光を利用する設計や、室内に光が拡散するような素材選びも重要になります。

4-5.構造形式の選択

狭小地では、敷地を最大限に活用するため建物の構造形式も慎重に選ぶ必要があります。

木造、鉄骨造、RC造の3つの工法が主に用いられますが、それぞれにメリット・デメリットがあり、コストや間取りの自由度を考慮しながら選択することが重要です。

以下に、構造ごとのメリット・デメリットをまとめました。

構造ごとのメリット・デメリット比較表
構造 メリット デメリット
木造
  • 建築費用が比較的安い
  • 調湿性・断熱性に優れる
  • 設計の自由度が高い
  • リフォームがしやすい
  • 耐火性・耐久性がやや低い
  • シロアリや腐食のリスク
  • 遮音性能が低め
鉄骨造
  • 耐震性・耐久性が高い
  • 大空間を作りやすい
  • 木造より耐火性に優れる
  • 工期が短い
  • 断熱性が低く結露の可能性
  • 防音性が低い
  • コストが木造より高め
  • サビによる劣化リスクがある
RC造
  • 耐震性・耐火性・耐久性が非常に高い
  • 遮音性能に優れる
  • 自由度が高く堅牢である
  • 資産価値が落ちにくい
  • 建築費用が高額になる
  • 建築期間が長くなる
  • 建物重量が重く、地盤改良が必要な場合がある

狭い土地に家を建てる際は、少しでも広く使いたいという要望が多いため、柱や壁の厚みが影響を与えにくい構造を選ぶこともポイントになるでしょう。

また、都市部では防火地域や準防火地域に指定されていることが多いため、木造の場合でも耐火仕様にする必要があります。

外壁や軒裏を防火材で仕上げる、防火サッシを採用するなどの対策が求められるため、構造選びとあわせて仕様の確認も行っておくといいでしょう。

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5.狭小住宅を建てるなら、ハウスメーカーの比較が重要

狭い土地に家を建てる場合、間取りや設計の自由度が限られるため、どのハウスメーカーに依頼するかが重要なポイントになります。

同じ条件の土地であっても、会社ごとに得意とする設計や工法が異なり、提案内容やコストに大きな差が出ることがほとんどであるためです。

狭小住宅ならではの課題を解決できるハウスメーカーを選ぶために、比較検討のプロセスを丁寧に進めることが大切です。

5-1.狭小住宅に強い会社を選ぶポイント

狭小住宅の設計・施工には、限られたスペースを最大限に活かすノウハウが求められます。

狭小住宅の設計・施工のノウハウ例
  • 柱や壁の厚みを抑えながら強度を確保する工法
  • 採光や通風を考慮した間取り設計
  • 斜線制限をクリアする高さ設定

上記のような経験が豊富なハウスメーカーほど、狭小地であっても柔軟な提案が可能です。
過去の施工実績を確認し、狭小住宅に特化した設計力があるかを見極めましょう。

「狭小住宅のおすすめ間取り」事例5選&快適な狭小住宅を建築するためのポイントを解説

5-2.複数のハウスメーカー・工務店に相談して比較検討する

狭い土地に家を建てる際、最初の1社だけで決めてしまうと、より良い提案やコスト削減の機会を逃してしまう可能性があります。

少なくとも2〜3社から実際の住宅プランをもらい、それぞれの提案内容や費用、アフターサービスなどを比較しましょう。

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まとめ

狭小地では法規制の影響を強く受けるため、建ぺい率・容積率、斜線制限、接道義務、採光・通風などのルールを理解することが重要です。

これらの制約をクリアしながら設計を工夫することで、限られた土地でも快適な住まいを実現でるでしょう。

狭小地が得意なハウスメーカー・工務店の実際のプランを複数比較し、ご自身にとって最適なプランはどれかを見極めてくださいね。