相続した親の家を売却するには?正しい手順と税金ガイド

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相続した親の家を売却するには?正しい手順と税金ガイド

「親の家を相続したから売却したい!」と思っても、不動産を売るなんて初めてで、何から始めたらいいのかわからない人がほとんどではないでしょうか。

相続した親の家を売るには、まず「相続登記」が必要です。
相続登記は、登記の名義変更の手続きです。

この記事では、次の3つを柱に徹底解説していきます。

  • 相続登記の方法
  • 親の家をできるだけ高くスムーズに売る方法
  • 親の家を売ったときの税金(所得税・住民税と相続税)

ぜひ最後までお読みいただき、両親から受け継いだ大切な資産を高くスムーズに売却しましょう!

1. 相続した親の家を売却するために最初にやるべき「相続登記」

相続した親の家を売却するためには、まず「相続登記」をすることが必要です。
相続登記とは、不動産の名義を、故人から相続人へ変更する手続きのことをいいます。

家や土地などの不動産は、所在地・面積・所有者などの情報が法務局に「登記」されています。
まずは「相続登記」によって、相続した人の名義に変更しないと、家を売る手続きが進められません。
相続登記には手続きの期限はありませんが、早めに済ませることが必要です。

なお、相続登記のためには様々な書類を集める必要があるので、登記の準備と並行して、2章で説明する不動産会社への相談をするのがおすすめです。
そうすれば、家の売却査定額を踏まえて、他の相続人と売却代金の分け方などを相談することができます。

1-1.相続登記の方法

まず、相続した財産の分け方について、相続人全員で話し合います。
法律で定められた割合(法定相続分)どおりの分け方をしないときには、「遺産分割協議書」を作成します。

法定相続分は、次の通りです。
子供や兄弟姉妹がそれぞれ2人以上いるときは、原則として均等に分けます。

  • 配偶者と子供が相続人である場合は、配偶者2分の1、子供2分の1
  • 配偶者と直系尊属(父母や祖父母)が相続人である場合は、配偶者3分の2、直系尊属3分の1
  • 配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合は、配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1

法定相続人と法定相続分

遺言書があるときには、基本的に、そのとおりに相続することになります。
なお、遺言書を見つけても、勝手に開封してはいけない場合があるので注意してください
公正証書遺言以外の場合には、家庭裁判所で開封します

相続登記に必要な主な書類は次のとおりです。
必要書類が揃ったら、その不動産を管轄する法務局に提出し、1~2週間ほどで相続登記が完了します。

【相続登記の主な必要書類】

  • 遺産分割協議書
  • 登記申請書(自分で作成するか司法書士に作成してもらう)
  • 亡くなった人の戸籍謄本(出生から亡くなるまでの全て)
  • 亡くなった人の住民票の除票
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本
  • 相続人全員の住民票の写し
  • 相続する不動産の固定資産税評価証明書
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 相続する不動産の全部事項証明書(法務局で取得する)

なお、遺言書がある場合や、法定相続分どおりに相続する場合には、遺産分割協議書と全員の印鑑証明書は不要です。

相続登記の必要書類のほとんどは、市区町村役場や法務局などで簡単に取得できます
ただし、亡くなった人の戸籍謄本については、出生から亡くなるまでのものを揃える必要があるので、複数の市区町村から取り寄せる必要があるかもしれません。

作成するのが最も大変なのが、「登記申請書」です。
「登記申請書」は、役所に備え付けの用紙に記入するのではなく、パソコンか手書きで作成します。

登記申請書の書き方は、「抵当権を抹消しないとどうなる?手続き方法と費用のキホン」の中でも紹介していますが、自分で書くのが不安な方や忙しい方は司法書士に依頼することもできます。

1-2.相続登記は自分でできる?

相続登記の手続きは、自分で行うこともできますが、登記のプロである司法書士に依頼するのが一般的です。
相続した不動産が1ヶ所であれば、司法書士報酬は5万円前後です。
司法書士に依頼する場合、「登記申請書」を作成してもらえるだけでなく、印鑑証明書以外は代理で取得してもらえるので、とてもラクです。

自分で相続登記手続きを行う場合には、必要書類を集めるのも大変ですが、「登記申請書」の作成に時間がかかります。
書類作成のためにある程度の時間をかけられるならば、自分で行うことも可能です。
登記申請書の作成方法は、法務局のホームページでひな形をダウンロードできますし、わからない部分は法務局の相談窓口で確認しながら作成することもできます。
ほとんどの法務局で、相談窓口は予約制になっているので、あらかじめ確認してから行きましょう

相続登記の書式は18)~22)のところにあります。
登記申請書の様式と記載例法務局ホームページより

1-3.相続人が複数いる場合

相続人が複数いる場合、不動産の分け方は難しいですね。
ただし、複数の人で所有する「共有名義」については慎重に検討しましょう。

1-3-1.「とりあえず」の共有名義はおすすめしない

不動産は共有名義にしておくことも可能です。
でも、あまりよく考えずに「とりあえず・・・」と共有名義にしてしまうと、後々ますます面倒なことになるので、あまりおすすめできません。

共有名義の不動産を売却するときには、全員が売却に同意し、契約書に署名押印する必要があります
売買の手続きは、共有者のうちの一人に委任することもできますが、手続きが煩雑になります。
また、状況の変化で売却に反対する人が出た場合には、売却できなくなってしまうデメリットも発生します。
さらには、相続人が亡くなって次の代がさらに相続すると、関係者がどんどん増えて手続きが不可能に近くなってしまうこともあります。

1-3-2.手続きをスムーズにできる「換価分割」

相続した親の家をすぐに売却する場合には、いったん共有名義にしてから売却することもできますが、便利なのが「換価分割(かんかぶんかつ)」です。
「換価分割」とは、代表者一人の名義に相続登記し、売却してから他の相続人と売却代金を分ける方法です。
代表者一人の名義にするので、売却の手続きがシンプルで進めやすくなります。
そして、そのままでは分けにくい不動産を、現金に変えてから相続人全員に公平に分けることができます。

「換価分割」は手続きの便宜上、いったん代表者の名義に変更するだけなので、代表者だけに相続税がかかるわけではありませんし、他の相続人と分けるときに贈与にはなりません。
ただし、遺産分割協議書には、換価分割にすることを明記する必要があります

2. 親の家をできるだけ高くスムーズに売る方法と注意点

ここからは、家をできるだけ高くスムーズに売却するための方法と、トラブルに巻き込まれないための注意点についてお話していきます。

2-1.高くスムーズに売る方法

親が残してくれた大切な家を売却するなら、できるだけ高く売りたいですよね。
特に、他の相続人と売却代金を分ける場合には、「もっと高く売れたんじゃないの?」などと言われても困ります。
また、空き家になっている期間が長くなると、放火や不審者の侵入などのリスクもあるので、短期間でスムーズに売ることも大切です。

ちなみに、家を売るとき、どこの不動産会社に頼むかによって「売れる値段」が大きく変わってくるということをご存知でしょうか?
実は、不動産会社は、得意とする物件のタイプや得意エリアがそれぞれ違います。
ですから、不動産会社を厳選し、最も高く売ってくれそうな不動産会社を選び出すことが何よりも重要なのです。

そんな不動産会社を見つけるためには、NTTデータグループが運営する「不動産売却HOME4U(ホームフォーユー)」の一括査定を利用して、複数の会社の査定結果を比較するのがおすすめです。
「HOME4U」を利用すると、所在地などの項目を入力するだけで、家を最も高く売ってくれそうな不動産会社をシステムが自動的にピックアップしてくれ、査定額を簡単にまとめて取り寄せることができます。

不動産一括査定サイト HOME4U

査定額には数百万円の差が出ることも珍しくありません

ただし、査定結果が出た後、不動産会社を選ぶ際には、査定額が高いか安いかだけではなく、具体的な販売戦略や査定根拠、近隣エリアでの取引実績などを聞き、頼れる会社かどうかを必ず比較してください。

複数の会社をしっかり比較することこそ、できるだけ高くスムーズに売ってくれる不動産会社との出会いの糸口になるのです。

2-2.トラブルに巻き込まれないための注意点

長年住んでいた自分の家ではなく、親の家だからこその注意点があります。
それが「瑕疵担保責任」です。
「瑕疵担保責任」は、「隠れた瑕疵」があったときに売主が負う責任で、損害賠償請求や、契約を解除されるおそれがあります。
「隠れた瑕疵」は、通常の注意を払っても見つからない欠陥などです。
例えば、雨漏り、シロアリ被害、給排水管の不具合、土壌汚染、建物内で事故や事件があった、などが該当します。
売買契約の特約で、責任を負う期間を限定することはできますが、売主が知っている情報を隠して売ると免責されません

自分が一緒に住んでいなかった場合には、親の家について知っている情報は限られるかもしれません。
でも、わかる範囲でいいので、知っている情報は不動産会社に話しておきましょう。
例えば、次のような情報です。

  • 昔は庭に井戸があった
  • 雨漏りしたと聞いたことがある
  • 建物が傾いている

正直に伝えて、あとでトラブルにならないようにしてくださいね。

3. 親の家を売った場合の税金

相続した親の家を売った時、発生する可能性がある税金は、「所得税・住民税」と「相続税」です。

3-1. 家を売った時の「所得税・住民税」

税金

家を売って利益が出ると、「所得税」や「住民税」が課税されます。
簡単に言うと、不動産を購入した時よりも高く売れれば税金がかかるということです。
利益が出たときには、売却の翌年に確定申告が必要です。
相続人が複数いる場合には、それぞれの人が確定申告します。

3-1-1.「所得税・住民税」の計算方法

利益のことを「譲渡所得」と呼びます。
ここで注意したいのは、売却代金がそのまま譲渡所得にはならない、ということです。
譲渡所得は、その不動産を買った金額や、売却した際の費用を差し引きます。
計算式で表すと、

譲渡所得」=譲渡価額-取得費-譲渡費用
譲渡価額」=売った値段
取得費」=買った値段+費用-減価償却費
譲渡費用」=仲介手数料、印紙税、立退料、取壊し費用など

「取得費」は買った時の金額と、買った時の費用(仲介手数料、印紙税など)を合わせたものです。
建物については、時の経過によって建物の価値が下がることを考慮して「減価償却」を行います。

買った値段がわからないときには、取得費は売却価格の5%とみなされます。
例えば、3,000万円で売れたなら、取得費は150万円となります。
5%ルールで計算すると、取得費はかなり安くなるので、税金が高額になる可能性があります。
両親の買った家では書類を見つけるのは大変かもしれませんが、できるだけ売買契約書や領収書を探してみましょう。

3-1-2.「所得税・住民税」の税率

それでは、譲渡所得にかかる税金はどのくらいなのでしょうか。

税額=「譲渡所得」×税率

という計算式になります。

税率は所有期間が5年を超える場合(長期譲渡所得)と、5年以下の場合(短期譲渡所得)で異なります。
所有期間は、亡くなった人が不動産を取得した日から数えて、「売却した年の1月1日現在」でカウントされます。

  所得税の税率 住民税の税率
長期譲渡所得
(所有期間が5年超)
15%(復興特別所得税を含めると15.315%) 5%
短期譲渡所得
(所有期間が5年以下)
30%(復興特別所得税を含めると30.63%) 9%

2037年までは、復興特別所得税として、所得税額の2.1%が加算されます。
所得税と住民税の税率を合わせると、「長期譲渡所得」では約20%、「短期譲渡所得」では約40%と、かなり差がありますね。
所有期間が5年前後の場合には売却時期をずらすことも検討しましょう。
所有期間の考え方は、引き渡し日を基準とするか、契約日を基準とするかなど難しいので、判断に迷うときは税務署に確認することをおすすめします

3-1-3.「相続した家を売った場合」の税金の優遇制度

実は「自宅」を売った場合には、3,000万円までの利益が非課税になる制度があります
ところが、「親が住んでいた家」を相続して売る場合、相続人がその家に自宅として同居していた場合を除き、自宅の売却で受けられる税金の特例は受けられません。

ですが、空き家になった親の家を売る時に受けられる、期間限定の特例である「空き家の3,000万円特別控除(空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例)」という制度があります。
この特例を適用できれば、譲渡所得が3,000万円まで非課税になります。
適用は、平成28年(2016年)4月1日~平成31年(2019年)12月31日までに売った場合に限られます。

主な要件

  • 相続の開始のあった日から、3年目の年の12月31日までに売却すること
  • 相続してから売却するまでの間に、空き家を賃貸住宅などに利用していないこと
  • 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること
  • 相続した空き家を取壊して売却するか、耐震リフォーム後に売却すること
  • 譲渡価格が1億円以下であること

適用できるか不明の場合は、不動産会社に聞いてみてください。

3-2.相続税

相続税は、とにかく高いことで有名です。
税率はなんと、10%~55%です!

【平成27年1月1日以後の場合】相続税の速算表
法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

国税庁ホームページより

とはいえ、相続税は、相続した全ての人に課税されるわけではありません。
相続財産(遺産総額)から「基礎控除額」を差し引いた金額に対して、相続税が課税されます。
言い換えれば、基礎控除額を超えなければ、相続税はかかりません。
もし、相続税の課税対象となる場合には、相続発生を知った日の翌日から10ヶ月以内に申告しなければなりません。

相続財産・・・・不動産、現金、預貯金、有価証券など
基礎控除額=3,000万円+法定相続人の数×600万円

例えば、相続人が2人の場合、基礎控除は4,200万円なので、遺産総額が4,200万円を超える場合だけ相続税が課税されます。

相続財産の評価額は、もし有価証券であれば時価で評価されますが、不動産については時価ではなく、「相続税評価額」という税務署が定めた方法で評価されます。
正確な計算方法は複雑なのですが、概算で言えば、土地の「相続税評価額」は時価の約8割くらいになります。
建物の「相続税評価額」は、毎年課税される「固定資産税評価額」で計算するので、市町村から送られてくる納税通知書の「価格」または「評価額」の欄を確認してみましょう

まとめ

それではおさらいです。
相続した親の家を売却するには、まず「相続登記」が必要です。
手続きの期限はありませんが、後回しにすると面倒なことになるので、早めに登記の名義変更を進めておきましょう。

相続した家の売却では、買った値段がわからずに、税金が高額になる場合が多く見られます。
そのような場合に、「空き家の3,000万円特別控除」を適用できると非常に有利です。
平成31年(2019年)12月31日までの売却で使える期間限定の制度なので、適用を考えるときには早めに売却に向けて動きましょう

両親から受け継いだ大切な家ですから、できるだけ高くスムーズに売って、今後の生活に活かしたいですね。
相続登記から売却まで様々な手続きが必要になるので、自分一人ですべて抱え込まずに、「HOME4U」を利用して頼りになる不動産会社をぜひ見つけてください。

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と、お悩みでしたら、不動産会社に査定を依頼してみることから始めましょう。

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