マンションを相続したらどうすればいい?相続税評価額や手続きを解説

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ひと昔前ですと、一戸建て住宅を相続することがほとんどでしたが、最近ではマンションを相続するケースが随分と増えてきました。
マンションの相続は、一戸建て住宅の相続よりもシンプルです。

この記事では「マンションの相続」をテーマに、手続きや相続税発生の有無、マンション売却時の税金等について解説します。

最後までお読みいただくと、マンションを相続したときの対応がひと通り分かるようになります。

ご一読いただき、マンション相続を今まさに進める方も、将来、相続の可能性がある方も、マンション相続をスムーズに進めてください。

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1. マンションを相続するときの手順

最初にマンションを相続するときの手順について、簡単にご紹介します。

1-1. 遺言書を確認する

遺言書とは、生前に被相続人(他界した人)が遺産の分割方法などを書き記した書類を指します。
相続が発生したら、まず遺言書を探すことが第一歩です。

もし遺言書があり、そこにマンションを引き継ぐ人が指定されている場合は、原則として、その人がマンションを相続します。

一方で、遺言書がない場合には、自分たちで誰がマンションを相続するか協議して決めることになります。
この話し合いを「遺産分割協議」と呼びます。

遺言書の有無によって、その後の手続きが大きく変わりますので、まずは遺言書を見つけることが重要です。
「遺言書なんかあるはずない」と決めつけずに、遺言書を探すようにしてください。

遺言書には、公正証書遺言と公正証書遺言以外の遺言(通称、「自筆遺言」)の2種類があります。

公正証書遺言は、被相続人が弁護士や税理士等の専門家にアドバイスを受けながら作成していることが多いです。

被相続人が生前に付き合いのあった専門家に聞いて見ると公正証書遺言が分かることがあります。

公正証書遺言がない場合には、次に自筆遺言があるかどうかを確認します。
自筆遺言は銀行の貸金庫に保管されているケースが多いです。
自筆遺言を執行するには家庭裁判所の検認が必要です。

1-2. 遺産がいくらあるか調べる

まず、被相続人の遺産がいくらあるか調べることが必要です。
相続税は、被相続人の全ての資産が課税対象となるため、「マンション単体で相続税がいくらになる」というものではありません。

他に多くの資産を持っており、その資産総額が基礎控除額を超えている場合には、その資産に対して相続税が生じます

国税庁によると、2017年中に他界された方(被相続人数)は約134万人、このうち相続税の課税対象となった被相続人数は約11.2万人で、相続税の納税義務のあった人は全体の8.3%となっています。

参考:国税庁「平成29年分の相続税の申告状況について

約92%の人は相続が発生したとしても相続「税」は発生しない人であり、相続税は基本的に一部の資産家にしか課税されない税金となります。

マンションと少額の現金だけを相続するようなケースでは、一般的には相続税は発生しないことがほとんどです。

相続税については慌てずに、まずはしっかりと被相続人の財産を把握するようにしてください。

被相続人の財産のうち、現金は、その金額がそのまま相続税評価額となります。
一方で、マンションのような不動産は別途、相続税評価額を計算します。

一般的にマンションの相続税評価額は実際に売ったときの値段よりもかなり低くなります。
相続税評価額については「第2章 マンションの相続税評価額の計算方法」にて詳しく解説します。

1-3. 基礎控除額を計算する

相続税は、被相続人が残した財産のうち、基礎控除額を超えた部分に対してのみかかります。
残された財産が基礎控除額以内であれば、相続税は発生しないことになります。

課税遺産総額 = 相続税評価額-基礎控除額

上の式で計算される課税遺産総額がプラスであれば相続税が発生し、マイナスであれば相続税が発生しません。
日本の約92%の人は、課税遺産総額がマイナスであり、相続税が非課税ということです。

基礎控除額は、以下の式で求められます。

基礎控除額 = 3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

法定相続人とは、配偶者や子など民法で定められた相続人のことをいいます。

例えば、法定相続人が「配偶者と子供2人の合計3人」の場合、基礎控除額は以下のようになります。

基礎控除額
 =3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
 =3,000万円+(600万円×3人)
 =4,800万円

この場合、被相続人が残した財産の総額が4,800万円以下であれば相続税は課税されないということです。
4,800万円を超えている場合は、相続税が発生します。

相続税が発生する場合には、相続の開始があったことを知った日から10ヶ月以内に申告と納税をする必要があります。

相続税は現金納付が原則ですので、相続税が発生する人は、納税資金を用意するようにしてください。

お家のいろは コラム “相続放棄も検討する”

 

マンションを相続した場合、相続放棄も検討する必要があります。
相続放棄は、「相続の開始を知った日から3ヶ月以内にしなければならない」という期限があるため、一応、検討しておくことが重要です。

 

相続放棄とは、相続の権利を全て放棄することを指します。
相続放棄をすると、マンションなどのプラスの財産も、借金などのマイナスの財産も全て相続できないことになります。

 

相続放棄は、基本的には親が莫大な財産を残して他界した場合に、残された相続人を守るために存在する制度です。
ただ、実際には先述の借金などのマイナスの財産がある場合や、遺産分割の手段として相続放棄が使われることが良くあります。

 

例えば、姉が嫁いでおり、弟がマンションに被相続人と同居していることがあります。
加えて、被相続人もほとんど貯金を残していなかったようなケースです。

 

このような場合、姉が相続放棄を行うことで、マンションを弟に譲ることがあります。
相続放棄を利用すれば、遺産分割協議書を作る手間も省けるというメリットがあります。

 

遺産分割協議書は、専門家に依頼する必要があるため、数十万円のコストがかかってしまいます。

 

一方で、相続放棄は家庭裁判所に申述するだけであり、コストも謄本取得費用等の数千円で済ませることが可能です。
ちなみに、相続税の基礎控除の算出に必要な法定相続人に、相続放棄した人も含まれます。

 

手間やコストは相続放棄を使った方がメリットはあります。
特定の人にマンションを引き継がせることが決まっており、またマンション以外の他の財産も大きな金額ではない場合には、相続放棄を上手く利用するのが一つです。

 

ただし、相続放棄は一回行うと撤回できないため、慎重に利用するようにしてください。
他に「お宝財産」を持っていないことをしっかり確認した上で、選択するようにしましょう。

1-4. 遺産の分け方を決める

遺言書がない場合には、相続人全員で遺産の分け方を決めることになります。

相続財産は、何もしないと全て相続人の共有で持っている状態です。
現金であれば1円単位で平等に分けることができますが、分けるのが難しいのがマンションのような不動産になります。

不動産があることで、資産を平等に分けられなくなりますので、不平等となることを前提に相続人で話し合うことが必要です。

遺産の分け方には、「現物分割」と「換価分割」、「代償分割」、「共有分割」の4パターンがあります。

現物分割

被相続人の現金や車、マンションなどの財産を現物でそれぞれの相続人に分ける分割方法です。

換価分割

不動産などを売却して、売却で得た現金を分割する方法になります。

代償分割

一部の相続人が財産を多く相続したことで、不公平が生じた場合、その相続人が他の相続人にお金(代償金)を支払うことで調整する分割方法です。

共有分割

不動産を共有持分割合で分ける方法になります。

換価分割をする場合は、共有のまま売却することになります。
売却においては、一度、マンションの登記簿謄本の所有者を相続人に名義変更することが原則です。

現物分割や代償分割をする場合は、遺産分割協議書を作成する必要があります。
遺産分割協議書は、名義変更に必要な書類です。

尚、分割方法の中で共有分割は原則として選択すべきではありません
不動産を共有のままにしておくと、共有者に相続が発生すると雪だるま式に共有者が増えていくことになります。

3世代くらい放ったらかしにすると、1つの物件に30人以上の共有者がいるような物件も存在します。

共有物件は、売却の際、共有者全員の同意が必要です。
多人数物件となると、共有者全員の同意を取るのが難しくなり、将来、売ろうと思っても売れない物件となってしまいます。

共有分割は、将来売れなくなってしまう物件を作り出す原因となりますので、なるべく避け、誰かの単独所有にするか、換価分割で売却するかを選ぶようにしましょう。

1-5. 賃貸か売却かの方針を決める

現物分割や代償分割でマンションを所有する場合でも、自分で使わないこともあります。
自分で住まない場合には、賃貸か売却かの方針を決めることになります。

立地の良いマンションであれば、賃貸することが可能です。
賃貸すれば家賃収入が得られるというメリットがあります。

一方で、貸すのが難しいマンションであれば、基本的には売却することをおススメします
理由としては、マンションは取り壊しが難しいため、何代も引き継げるような資産ではないからです。

古いマンションは持ち続けるとリスクがありますので、売却できるうちに売ってしまうのが賢明です。

相続物件が戸建てであれば、建て替えによって再利用することができるため、古くても保有しておいた方が良いという考えは成り立ちます。

しかしながら、マンションは建て替えがほぼ不可能なため、戸建てとは考え方をしっかり分け、売却を積極的に検討する必要があるのです。

マンションを相続した人は、将来の建て替えの可能性が極めて低いことをしっかりと認識しておきましょう。

マンション売却については、この記事の「第4章 マンション売却方法と、知っておきたい税金について」で詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。

2. マンションの相続税評価額の計算方法

この章ではマンションの相続税評価額の計算方法について解説します。

2-1. 評価の対象は敷地権と建物

マンションは資産として敷地権と呼ばれる土地の権利と、建物の所有権があります。
従って、相続税評価の対象となるのは敷地権と建物の2つです。

建物の相続税評価額は、固定資産税評価額がそのまま相続税評価額となります。
固定資産税評価額は、被相続人に毎年送付されていた納税通知書の中に記載されています。

土地の相続税評価額は、敷地権の評価額として別途求めます。
敷地権とは、簡単にいうとマンションの土地の所有権です。

マンション全体の敷地は区分所有者が全員で共有していますが、共有持分のことを敷地権と呼んでいます。

マンションでは、建物と土地の共有持分がバラバラに売却されることを防ぐため、共有持分を敷地権という特殊な権利で登記するようになっています。

敷地権は、共有持分ですので、敷地全体の評価額を求め、それに登記簿謄本に記載されている「敷地権の割合」を乗じることで求めます。

敷地権の評価額 = マンション全体の敷地の評価額×敷地権割合

マンション全体の敷地の評価額は、マンションの敷地に面している相続税路線価に敷地全体の面積を乗じて求めることを基本とします。

相続税路線価とは、国税庁が毎年開示している相続税評価額を決めるための土地単価です。
地図上の道路(路線)に単価が表記されているため、単に路線価と呼ばれることもあります。

例えば、以下のようなケースで敷地権評価を計算してみます。

(与条件)
敷地権割合:2,500,000分の8,000
マンション全体の敷地面積:15,000平米
相続税路線価:30万円/平米

マンション全体の敷地の評価額
  =マンション全体の敷地面積×相続税路線価
  =15,000平米×30万円/平米
  =450,000万円

 

敷地権の評価額
  =マンション全体の敷地の評価額×敷地権割合
  =450,000万円×2,500,000分の8,000
  =1,440万円

ここで、建物の固定資産税評価額が600万円だったとします。
すると、マンションの相続税評価額は以下の通りです。

マンションの相続税評価額
  =敷地権の評価額+建物の評価額
  =1,440万円+600万円
  =2,040万円

このように計算したマンション評価額に加え、現金や有価証券等の他の資産を合計した総資産額が基礎控除額よりも大きければ、その超えた金額に対し相続税が課税されることになります。

尚、上記で求めた敷地権の評価額は、一番基本的なパターンです。
マンションの敷地は広いため、実際には「奥行価格補正」や「奥行価格補正」といった補正が行われることが一般的です。

そこで、次節に「奥行価格補正」や「奥行価格補正」について簡単に紹介します。

2-2. 敷地権評価でよく使う奥行価格補正とは

奥行価格補正とは、対象地が平均的な奥行に比し、短いもしくは長い場合に行う補正です。
敷地は奥行が長過ぎると、道路から離れた部分の利用効率が悪くなるため、その分、土地の価値が落ちます。

マンションの敷地は非常に広く奥行が長いため、奥行価格補正を使うと評価額を下げることができます。

奥行補正率は以下の通りです。

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路線価は国税庁のホームページで確認することができます。
路線価図の左上には、下図のような地区区分を示す判例があります。

国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」より一部抜粋

例えば、マンションの路線価が「普通住宅地区」であり、奥行きが60mある土地であれば、「0.86」を奥行補正率として用います。

2-3. 敷地権評価でよく使う側方路線影響加算とは

側方路線影響加算とは、対象地が角地にある場合の補正です。
角地は使い勝手が良くなるため、評価額が上がります。

側方路線影響加算率は以下の通りです。

地区区分 加算率
角地の場合 準角地の場合
ビル街地区 0.07 0.03
高度商業地区・繁華街地区 0.1 0.05
普通商業・併用住宅地区 0.08 0.04
普通住宅地区・中小工場地区 0.03 0.02
大工場地区 0.02 0.01

準角地とは、下図の左のような一系統の路線の屈折部の内側に位置する土地を指します。

2-4. 敷地権の具体的計算方法

ここで、以下のような条件で敷地権の相続税評価額を計算してみます。

(与条件)
敷地全体面積:4,200平米
敷地権割合:34,560/10,000,000
地区区分:普通住宅地区
接道条件:角地

角地の場合は、路線価の大きい方を主たる路線価、小さい方を従たる路線価として用います。
また、奥行価格補正や側方影響加算の値は前節 2-3. の表の中から普通住宅地区のものを用います。

主たる路線価
  =路線価×奥行価格補正
  =165,000円×0.86
  =141,900円

 

側方路線影響加算
  =主たる路線価+(従たる路線価×奥行価格補正×側方影響加算)
  =141,900円+(150,000円×0.84×0.03)
  =145,680円 ・・・この路線価を計算に用います。

 

敷地全体の相続税評価額
  =求めた路線価×敷地全体面
  =145,680円×4,200平米
  =611,856,000円

 

敷地権評価額
  =敷地全体の相続税評価額×敷地権割合
  =611,856,000円×34,560/10,000,000
  =2,114,574円

2-5. マンションでも使える小規模宅地の特例

マンションの敷地権に対しても、要件を満たせば小規模宅地等の特例を利用することが可能です。

小規模宅地等の特例とは、一定の要件を満たす不動産の土地について、相続税評価額を大幅に減額してくれる特例になります。

マンションの場合、特定居住用宅地等の要件を満たすと、330平米の土地を上限として、敷地権の相続税評価額が80%減額されます。

特定居住用宅地等で小規模宅地等の特例を利用するためには、以下の状況が必要です。

  • 被相続人の配偶者が土地を相続する場合
  • 被相続人と同居していた人が土地を相続する場合
  • 被相続人に配偶者も同居人もいない場合、3年間借家住まいの相続人が取得する場合(通称「家なき子」特例)

小規模宅地等の特例は同居していないと、要件(家なき子)を満たすのが難しく、利用しにくい制度です。
減額効果があまりにも大きいため、簡単には使わせてもらえません。

「家なき子」特例の要件を満たすケースは滅多にありませんが、要件を満たす可能性のある人は、十分に確認した上で利用の検討をするようにしてください。

3. 相続時の名義変更の必要書類・税金

換価分割で売却する場合や、遺産分割によって単独所有とする場合でも、マンションの登記簿謄本の名義変更が必要です。
この章では名義変更のための必要書類と税金について解説します。

3-1. 名義変更のための必要書類

(1) 法定相続による相続

現行(2019年6月時点)では、相続した不動産の登記移転義務はありません。
そのため、相続をしたマンションは所有権移転登記をせずに放っておいても構いませんが、法定相続でも売却をするのであれば、取引の安全を確保するために名義変更が必要です。

法定相続による相続の名義変更では、以下の書類が必要となります。

  • 被相続人の10歳前後から死亡に至るまでの継続した全ての戸籍謄本
  • 被相続人の除住民票
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 相続人全員の住民票
  • 固定資産税評価証明書
  • 相続関係説明図(任意)

相続関係説明図は任意の書類ですが、相続関係説明図があると戸籍謄本を返してもらうことができます。

戸籍謄本は他の相続手続きでも必要となりますので、戸籍謄本を返してもらえることはメリットがあります。

(2) 遺産分割協議による相続

遺産分割協議によって分割を行う場合には、最終的に「遺産分割協議書」を作成します。
遺産分割協議書には、相続人全員が自著と実印での押印を行い、印鑑証明書を添付します。

遺産分割協議書は、不動産の名義変更だけではなく、被相続人の銀行口座や自動車等の引継ぎ等にも利用される正式な書類です。

不備があると無効となってしまうため、通常は、弁護士や司法書士等の専門家に依頼して作成します。

遺産分割協議によって名義変更をする場合の書類は以下の通りです。

  • 遺産分割協議書(相続人全員自著・実印押印・印鑑証明書添付)
  • 被相続人の10歳前後から死亡に至るまでの継続した全ての戸籍謄本
  • 被相続人の除住民票
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 相続人全員の住民票
  • 固定資産税評価証明書
  • 相続関係説明図(任意)

(3) 遺言による相続

遺言書がある場合は、遺言書に従って遺産の分割を行います。
遺言によって名義変更を行う場合は以下の書類が必要です。
自筆遺言の場合には、家庭裁判所による検認の手続きを済ませた遺言証書となります。

  • 遺言証書
  • 遺言者の死亡事項の記載のある除籍謄本
  • 遺言により相続する相続人の住民票
  • 固定資産税評価証明書
  • 受遺者の戸籍謄本
  • 相続関係説明図(任意)

3-2. 相続を原因とした名義変更に伴う税金

名義変更をする際は、登録免許税が発生します。
登録免許税とは、登記簿謄本の記載内容を変更する際に、法務局に支払う税金です。

登録免許税は以下の式で計算されます。

登録免許税 = 不動産の価額×税率

ここで、不動産の価額とは、固定資産税評価額のことです。
固定資産税評価額は、固定資産税の納税通知書に記載された金額になります。

相続における登録免許税の税率は「0.4%」です。

尚、2019年6月現在では、国内に所有者不明土地と呼ばれる所有者が特定できない土地が九州の面積以上に存在するといわれ、大きな問題となっています。

所有者不明土地は、相続を契機に所有者の移転登記がなされず、放置されてしまっていることが原因となっています。

このような問題を受けて、今後は相続後の名義変更が義務化される方向で法改正が審議中です。
近い将来、相続した不動産は、所有権移転の義務が発生するものと予想されています。

参考:内閣官房「PDF所有者不明土地等問題 対策の推進のための工程表

4. マンション売却方法と、知っておきたい税金について

換価分割等でマンションを売却する場合、売却前に複数の不動産会社に査定を依頼することが上手くいくコツとなります。

共有状態のまま物件を売却するには、共有者全員の同意が必要です。
共有物件は1人でも反対すると売却ができなくなります。

共有物件の売却で、合意形成で最も難しいのは「売却価格」です。
あらかじめ、いくら以上で売るという最低売却ラインを決めておかないと、いざ購入の申し込みが入った時点で、判断が付かず意見が割れてしまいます。

そこで、共有物件を売却するには、あらかじめ複数の不動産会社に査定を依頼し、いくらくらいで売却できそうなのかをしっかりと調査することが重要です。

4-1. マンション売却前に、複数の不動産会社に査定を依頼

複数の不動産会社に査定を依頼すると、各社からバラバラの査定額がでてきます。
ただ、似たような金額も出てくるため、なんとなくストライクゾーンの価格が分かるようになります。

各社の査定額を横並びにしたら、「いくら以上の金額が出てきたら売ろう」という最低売却価格を皆で決めておくことがポイントです。
最低価格は、査定額の中からなるべく低い価格を選んでおくと後がスムーズにいきます。

複数の不動産会社に査定を依頼するには、NTTデータグループが運営する「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」が便利です。

相続で引き継いだマンションは、相続人たちの今の住まいから離れていて遠方にあることも多いと思います。

遠方にあるマンションは、そのエリアでマンション売却を得意とする不動産会はどこかという情報を得ることが難しいです。

HOME4Uなら、その地域でマンション売却を得意とする不動産会社があらかじめ選定されていますので、不動産会社への声掛けに悩む必要がありません。

一括査定サービスの入力情報の中で、売却するマンションの所在地を入力すれば、そのエリア内でマンション売却に強い会社が自動で抽出される仕組みになっています。

最大6社に査定を依頼することができますので、最低売却価格を決定する上で十分な情報が集まります。

HOME4Uでマンション査定をしてくれる会社は、専門知識をしっかりと持った不動産会社が多いため、安心して売却を任せることが可能です。

売却の方針が決まったら、早速査定を依頼することから始めるようにしましょう。

4-2. 相続したマンションを売却したときの税金

次に、相続したマンションならではの売却したときの税金について解説します。

(1) 譲渡所得の基本式

マンションを売却すると、場合によっては税金が発生することがあります。

マンション売却では、居住用財産と呼ばれる自宅のマンションを売却すると税金が発生しないように様々な特例があります。

しかしながら、相続したマンションは自宅ではないので節税できる特例がないということを知っておくことが重要です。

マンションなどの不動産売却では、「譲渡所得」が発生すると所得税および住民税復興特別所得税が生じます。
相続で共有のまま売却した場合は、各人の持分に応じて税金が発生することになります。

譲渡所得の計算式は以下の通りです。

譲渡所得 = 譲渡価額-取得費-譲渡費用

譲渡価額とは売却額です。
取得費とは土地は購入価額、建物は購入価額から減価償却費を控除した額となります。
譲渡費用は仲介手数料等の売却に要した費用です。

ここで、大きなポイントとなるのが「取得費」です。
親が購入当時の売買契約書を残していてくれればラッキーですが、残していないと取得費が不明となってしまいます。

取得費が不明の場合には、概算取得費というものを用います。
概算取得費とは、「譲渡価額の5%」です。

譲渡価額を用いてしまうと、譲渡所得が大きくプラスとなるケースもあるため、マンション売却時の税金が高くなる可能性があります。

売却時の税金を安くするためにも、購入当時の売買契約書がどこかに残っていないかしっかりと探すようにしてください。

(2) 所有期間と税率

譲渡所得がプラスの場合、税金は譲渡所得に税率を乗じることにより求められます。
譲渡所得にかかる税率は、所有期間によって決まる仕組みです。

1月1日時点において所有期間が5年超の場合は長期譲渡所得、1月1日時点において所有期間が5年以下の場合は短期譲渡所得と分類されます。

所得の種類 所有期間 所得税率 住民税率
短期譲渡所得 5年以下 30% 9%
長期譲渡所得 5年超 15% 5%
短期譲渡所得
所有期間 5年以下
所得税率 30%
住民税率 9%
長期譲渡所得
所有期間 5年超
所得税率 15%
住民税率 5%

上記の税率でそれぞれ計算し、さらに2037年までは「所得税」に対して一律2.1%をかけた金額が「復興特別所得税」として納税額にプラスされます。

相続した不動産を売却した場合、所有期間は被相続人の取得日を引き継ぎます。
被相続人の所有期間が既に5年超であれば、相続後すぐに売却しても長期譲渡所得の税率が適用されます。

(3) 取得費加算の特例

相続した不動産を売却する場合、「相続税を払った人だけ」に取得費加算の特例が認められています。

相続税を払う人は、相続税を払うためにマンションを売却することもあります。
相続税も所得税等も課税してしまうと、税負担があまりにも大きいため、相続税を払う人のみ取得費加算の特例というのが認められているのです。

取得費加算の特例を適用するには、以下の要件が必要となります。

  1. 相続や遺贈により財産を取得した者であること。
  2. その財産を取得した人に相続税が課税されていること。
  3. その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること。

取得費加算の特例を適用すると、以下のように「取得費に加算する相続税額」を控除することができます。

譲渡所得 = 譲渡価額-取得費-取得費に加算する相続税額-譲渡費用

取得費に加算する相続税額とは、以下の計算式で表されたものです。

その者の相続税額 × その者の相続税の課税価格の計算の基礎とされたその譲渡した財産の価額
その者の相続税の課税価格+その者の債務控除額

相続税の納税義務者は、少しでも税負担を軽くするために、取得費加算の特例の利用を忘れないようにしてください。

まとめ

いかがでしたか。
マンションの相続について解説してきました。

マンションを相続したら、まず分割がポイントとなりますので、最初に遺言書を探し、場合によっては相続放棄の活用も検討し、必要であれば、遺産分割協議も行います。

マンションの相続税評価額は、建物と敷地権の評価額を合算したものとなります。
他の資産も合わせ、基礎控除額を超えているようであれば相続税が発生します。

また、分割方針が決まったら、名義変更を実施します。
安全な取引のためにも、名義変更は必要です。必ず実施するようにしてください。

相続したマンションを売却するのであれば、「不動産売却 HOME4U」を使うと、その物件が存する地域でマンション売却を得意とする不動産会社に自動で査定を依頼することができますので、共有者全員の合意形成を図る上でも、ぜひご利用ください。

そして、マンション売却時には、税金が発生する場合があり、税金を抑えるためにも、購入時の売買契約書の有無を確認するようにしましょう。

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