北川景子主演の夏の大ヒットドラマから学ぶ日常をより豊かにする発想転換術

家売るオンナ

北川景子さん主演の「家売るオンナ」というドラマをご存知ですか?
7月の放送開始以降、視聴率はオリンピック期間を除き常に2ケタというこの夏イチオシの人気ドラマとなっています。

主人公は北川景子さん演じる三軒家万智(さんげんや・まち)というテーコー不動産きってのスーパー営業ウーマン。
いまひとつ売上が伸びない新宿営業所を立て直すために、目黒営業所から異動してきました。

「私に売れない家はない!」と豪語し、若手社員はもちろん、30歳なのに50代のベテラン社員にまで指示出ししてしまうパンチの利いたキャラクターです。

一見強くて独善的とも思える主人公に、赴任当初は反発していた同僚たちですが、回を追うごとに徐々に信頼を寄せて行きます。

なぜでしょう?
「家がバカスカ売れたから」ではありません。
主人公の“柔軟な発想転換”が、同僚たちの心を開かせたのです。

そこで今回はドラマの中のエピソードを紹介しながら、“柔軟な発想転換”がアナタの生活にもたらす本当のメリットについて、ご紹介してみたいと思います。

ぜひ最後までおつきあいください!

(出典:日本テレビ ドラマ「家売るオンナ」)

1.ドラマの中の秀逸エピソード4選!

エピソード1「引きこもりを応援する」

第2話でした。
ビビる大木さん演じる40代の「引きこもり息子」を抱える夫婦が、息子の将来を案じ、「今住んでいる一軒家をできるだけ高く売り質素な格安マンションに住み替えて、そこで生じる売却益を働けない息子のために遺そう」と、テーコー不動産に自宅の売却を依頼しました。

主人公・三軒家万智に同行した部下の庭野聖司は、「将来のためにも息子さんが少しずつ外に出て働けるよう、出掛けざるをえない環境にした方が良い」と提案しますが、三軒家万智は夫婦二人用の格安物件を紹介するとともに、なんと「息子が引きこもるための城(独居用)」の購入を勧めます。

「こんな城が手に入ったらますます外に行かなくなる!」と反対する庭野に、三軒家万智はこう説きます。
「40歳を過ぎてロクに働いた経験もない人間が、これから普通に就職して普通に働けると真剣に思っているのか?夫婦用と息子用の2つの物件を持っていれば、将来ご両親の援助がなくなっても、一方の部屋を貸し出すことで賃貸オーナーとして収入を得ることができる!よほど現実的ではないか!」と。

確かに、世間で「引きこもり」は色眼鏡で見られがちです。
ましてや40代にもなって親のすねをかじっているとなれば、批判めいたことを言ったり、「なんとかして働かせよう」と考える人の方が多いでしょう。

しかし三軒家万智は、引きこもることを大いに応援します。
そして、“引きこもりかつ賃貸オーナー”という他人とかぶらない個性を利用し、「引きこもりの賃貸オーナー日記」というブログを立ち上げ、その生活ぶりを世の中に発信させたのです。

ブログから発信することで、それまで社会とはまるで接点のなかった「引きこもりおじさん」の元へ、読者からコメントが届いたり、テレビの取材までが舞い込み、結果的に完全なる引きこもりからは徐々に脱出していくオチになりました。

「引きこもりを応援する」なんてなかなか持てない発想ですが、三軒家万智は見事、「息子を自立させること」、「両親を安心させること」、「家を売ること」という三冠を達成して見せたのです。

エピソード2「女装する隣人のいる物件を買う??」

第6話でした。
ちょっとセレブ風な母娘が「一戸建て物件を買いたい」と現れます。
担当したのは、三軒家万智の部下・庭野聖司。
まじめで誠実な性格ですが、なかなか営業成績を上げることができません。

ここぞとばかりに張り切って紹介した物件を気に入ってもらえ「いよいよ成約か!?」と思ったところで、その母娘から「お隣さんが変な人だと困るから、普通の人かどうか調べてきてよ」と依頼されます。

庭野がお隣さんをのぞきに行くと、顔は品の良さそうな穏やかな紳士…でしたが、なんと服装は女性のワンピースをまとっていました。
焦る庭野。
「これ、普通じゃないよな…」
その後ものぞきに行きますが、またしても女装で、庭の植木に笑顔で話しかけています。
「完全に普通じゃない…」
このままでは、隣の家を買っても良いと言ってくれた母娘が手を引いてしまいます。

困り果ててボヤく庭野に、三軒家万智が言い放ちます。
「普通ってなんだ?見た目だけで何がわかるのか!?」と。

庭野は女装する紳士の真の姿を確認すべく、あらためて男性の家を訪問します。
庭野が自分は不動産屋であること、隣家の購入を検討している客から周辺状況の確認を依頼されていることを打ち明けると、男性は穏やかに「そうだよね。不動産屋なら調べるよね」と笑顔で答えてくれました。

そして、庭野が「女性の洋服を着ているところを見てしまった」と伝えると、「恥ずかしいところを見られちゃったな~。実はあの服、亡くなった妻のものなんだよ」という答えが返ってきました。
つまり、男性は変質者でも何でもなく、むしろ妻を思い、妻が大切にしていた植木の世話をする時には妻の服を着ることで、妻にも植木を見せてあげようとする愛情あふれる紳士であることがわかったのです。

三軒家万智の「普通ってなんだ?」というセリフは、庭野だけでなく、視聴者の心にも響くものとなりました。

エピソード3「殺人事件が起きた家!どうやったら売れる!?」

第6話でした。
殺人事件の起きた豪邸を売却することになったテーコー不動産・新宿営業所。
事故物件だけあって、「そんなの売れるわけがない」と誰も担当になろうとしません。

そこで一人だけ挙手をしたのが三軒家万智。
「その物件、ワタシが売ります!!!」

早速、現地販売会を開催。
もともと2億5千万円もする豪邸が1千万円という破格のため、次々と内覧希望者が訪れます。
しかし、「なぜ安いのか?」という質問に「殺人事件があったからです」と答えると、潮が引くようにお客はすーーっと去って行きます。

イモトアヤコさん扮するダメダメ部下の白洲美加が「こんな家、売れるはずがないじゃないですかぁぁぁ!?」とグズるところへ、「買っても良い」という女性がやってきました。
「殺人事件のあった家を買おうなんてどういうこと?」と仰天する白洲美加ですが、その女性の職業は救急医療の看護師でした。

三軒家万智はこの物件のチラシを、近くの病院関係者や葬儀屋など、人の死に関わる職種の人々に的を絞って配布していたのです。
そのような人たちにとってみれば、2億5千万円の豪邸が1千万円で手に入るなど、破格中の破格です。

「私に売れない家はない!!」
三軒家さん、アナタのおっしゃるとおりです(汗)

エピソード4「日本人が敬遠する間取りなのに、買ったのはなんと日本人!」

第3話でした。
いまひとつ売上の伸びないテーコー不動産・新宿営業所。
仲村トオルさん演じる売買仲介営業課課長・屋代が売上アップを目指し、大がかりな「現地販売ウィーク」を企画します。
その企画の物件のひとつに、バスルームとトイレが2組ある4LDKの外国人向け9,900万円のマンションがありました。

日本人にとって、トイレはともかくお風呂2つは全くいらない!絶対いらない!!

営業所内には「売れないだろうな…」という沈痛な雰囲気が漂います。

とはいえ、売却活動をしなくてはいけないので、帰国子女営業マン・八戸大輔が日本に住む外国人へアプローチを試みたり、「余裕の2つのバスルーム」というイマイチなキャッチコピーをつけたりしてみますが、予想どおり買い手はまったく見つかりません。

普通なら「この後は二世帯向けとして売り出す」という方向に行きそうですが、三軒家万智は「大家族向けマンション」と銘打ち、SNSで拡散するという宣伝方法をとりました。

なるほど!

確かに子だくさんの大家族にとって、決まった時間にみんなが集中するトイレやお風呂は奪い合いなのでしょう。
ピンポイントで「大家族」をターゲットにして、一般家庭では邪魔な2つのバスルームを、むしろ“ウリ”にしたのです。
最後には子供6人計8人のにぎやか大家族にマンションを売ることに成功しました。

もはや「アナタに売れない家はない!!!」の領域です。

2.”三軒家万智的”な発想転換術で、日常生活はもっと楽しくなる!

時にはハチャメチャな展開が盛りだくさんのドラマですが、上記に挙げたエピソードはすべて「発想転換術」ともいえます

人や物事にはすべて多面性があり、固定概念を捨てると違うメリットが見えてくるものです。

この考え方をわたしたちも仕事や私生活でちょっとずつ活かすことができれば、ポジティブな気持ちで毎日が過せるようになるかもしれません。

例えば、自分と違う意見を言う人がいる場合、その件について思い入れが強ければ強いほど相手にイライラしたり、ムッとしたりすることがありますよね?

でもひと呼吸おいて、「相手がなんでそう考えたのか」「もしかしたら違う見方があるかもしれない」と視野を広げてみるのです。「自分と相手は違う」と思うだけでも構いません。
それが、発想転換の第一歩です。

自分の考え方以外の思考を持っている人がいる、ということを受け入れられれば、人を見下したり軽蔑したりすることが少なくなります。
そして、自分には持っていない新たなアイデアで、可能性が広がることがあるかもしれません。

結果、ストレスが減り、今より穏やかに日常を過せるようになるものです。

そういえば、こんなエピソードもありました。

三軒家万智が赴任して間もない頃、ヤル気ゼロのダメダメ部下・白洲美加の仕事ぶりに対し、「目障りなものは視界から消す!」と言い放ちました。

視聴者も白洲美加本人も「クビ」を想起する瞬間でしたが、「私を辞めさせるんですかぁぁ?」と泣きつく白洲美加に、三軒家万智はこう答えました。

「排除する、もしくは、目障りではないものにする!」

「排除する」とはまさに「クビ」という発想ですが、「目障りではないものにする」とはどういうことでしょうか?

ドラマをご覧になった方はご存知かと思いますが、三軒家万智の選択は、「仕事ができなくて目障りな白洲美加を、仕事のできる人間にして、自分にとって目障りでない存在にする」というものでした。

つまり、「できない人間を否定する」のではなく、「できないことを受け入れた上で育てる」という選択です。

独善的とも思えるキャラクターの三軒家万智が、次第に同僚たちの信頼を得て行った理由は、彼女が家に対しても人に対しても、根の部分で“肯定的”であり“傾聴の姿勢”を持っているからです。

断言するようなセリフが多いので見過ごしがちですが、実は彼女は何事に対しても、自分の意見を押し付けず、良いトコ探しをしています。

“すべてのことにおいて自分が最も正しい訳ではない(意見の異なる他人も肯定的に受け入れる)”

“物事は多面性を持っている(先入観に囚われず、傾聴の姿勢で物事を感じ取る)”

この2つが、発想転換を身につける重要な考え方です。
先入観やこだわりを捨てて、常に物事の”良い面”を探してみれば、私たちの日常はもっと楽しくなるはずです。

3.まとめ

今クールで一番人気のドラマ「家売るオンナ」の秀逸エピソードとともに、かんたんにできる発想転換術の方法をご紹介しました。
私たちも柔軟な思考をもって、毎日を前向きに過ごして行きたいものです。

そしてドラマを楽しみにしている皆さん、残念ながら、もうすぐ最終回ですね~。
あと数回、三軒家万智のスカっとする家の売りっぷりと、「まさかまさかのラブロマンスがあったりして?」なストーリーを楽しんで参りましょう!

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