中古住宅購入の注意点は?後悔しないためにチェックしたいポイント

中古住宅を購入する際に注意したいのは、外観や内装の状態を詳細に確認し、修繕やリフォームの必要性を見極めることです。

新しい耐震性基準で建てられている住宅であるか、周辺環境に問題はないかの確認も必要です。

この記事でわかること
  • 中古住宅を購入するメリット・デメリット
  • 中古住宅購入の際の注意点
  • 中古住宅の内覧でチェックすするポイント

中古住宅を購入してから後悔しないよう、確認すべき点をわかりやすく解説します。ぜひ参考にしてください。

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戸建てにしようかマンションにしようか、あるいは注文住宅にしようか…と、マイホームの種類に迷っている方は「家の種類」の記事もご覧ください。

1.中古住宅とは?

住宅金融支援機構によれば、「中古住宅」とは、築後年数が2年を超えている住宅または既に人が住んだことがある住宅のことを指します。(参考:住宅金融支援機構「「新築住宅」または「中古住宅」とはどのような住宅のことですか? – フラット35」)

新築からわずかな期間しか経過していない住宅でも、人が住んでいた期間があれば中古住宅となります。

新築住宅は、法律で「新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもの(建設工事の完了の日から起算して一年を経過したものを除く。)」と定義されており、それ以外は中古住宅ということです。(参考:e-Gov法令検索「住宅の品質確保の促進等に関する法律

2.中古住宅を購入するメリット

中古住宅の購入には、次のようなメリットがあります。

中古住宅を購入するメリット
  • 購入価格が安い
  • 物件を見て選べる
  • すぐに住める

それぞれの内容をみていきましょう。

2-1.購入価格が安い

中古住宅は新築住宅と比較して、購入価格が安い点がメリットです。

同じ予算で購入する場合、新築よりも広くて便利な立地を選ぶことが可能であり、選択肢が広がって希望の物件を見つけやすいというメリットもあります。

中古住宅の価格が新築よりも下がる理由には、単に経年劣化しているからではなく、築年数の経過による資産価値の下落や、土地の価格差があげられます。

新築同様であっても、一度人が住んだ住宅は中古住宅となるため、経年劣化していない物件をお得に購入できる可能性もあるでしょう。

一戸建ての値段は平均いくら?|注文住宅(土地あり・土地なし)、建売住宅、中古住宅それぞれの平均価格を解説

2-2.物件を見て選べる

中古住宅は、物件を見て選べるのもメリットです。

新築の建売住宅でも実際に自分が住む住宅を事前に見学できるとは限らず、モデルハウスの見学で購入を決めなければならないこともあります。新築の「注文住宅」ともなると、完成してみなければイメージに合う住まいになっているかどうかはわかりません。

中古住宅はすでに完成している物件であり、確実に物件を確認して選べます。購入前に生活のイメージができ、周囲環境もチェックできます。そのため、購入してからイメージと違っていたという心配はありません。

2-3.すぐに住める

中古住宅は、内装も終わってすぐに引き渡せる物件も多く、購入してからすぐに住めるというメリットがあります。

入居のスケジュールを立てやすくなり、転勤や賃貸契約、子供の学校などの事情で早く入居したい場合にも好都合です。

注文住宅や未完成の建売住宅の場合、入居までに時間がかかることが多く、仮住まいを探す手間や、引越し・賃料などのコストがかかることも。中古住宅ですぐに住めれば、これらの手間やコストを抑えられるでしょう。

3.中古住宅を購入するデメリット

中古住宅の購入には、次のようなデメリットもあります。

中古住宅を購入するデメリット
  • 見えない部分の状態を確認できない
  • 瑕疵担保期間が短い
  • 新築よりも早く修繕が必要になる
  • 住宅ローン控除・補助金類でメリットが少ない

どのような点がデメリットなのか、詳しくみていきましょう。

3-1.見えない部分の状態を確認できない

中古住宅は、構造部材や土台、壁の内側、排水管など、構造の見えない部分の状態を確認できないことがデメリットです。

あとから想定外の老朽化が見つかった場合、高額な修繕費用がかかる可能性があります。築年数の古い物件ほど、構造部分が劣化しているリスクが高くなるでしょう。

そのため、設計図面、補修履歴、施工の記録といった情報の確認が必要です。
これらの記録が確認できない場合は、専門家に物件の確認を依頼する方法もあります。

費用はかかりますが、マイホームという高い買い物に失敗しないためには、必要な支出ともいえるでしょう。

3-2.瑕疵担保期間が短い

中古住宅は、新築よりも瑕疵担保期間が短い点がデメリットです。

「瑕疵担保期間」とは、売買契約の目的物に欠陥や不具合があった場合に、民法の「契約不適合責任」に基づき、売主や請負人が修理や補償を求められる期間のことです。

新築物件は、構造耐力上の主要部分と雨水の浸入を防ぐ部分について10年間の保証があります。

一方、中古住宅は、売主が法人の場合で2年間、売主が個人の場合は数か月で、保証がない建物もあります。そのため、契約の際は契約書で瑕疵担保期間について確認が必要です。(参考:e-Gov法令検索「民法」)

ハウスメーカー9社の保証期間比較!アフターサービスのポイントや基礎知識も解説

3-3.新築よりも早く修繕が必要になる

中古住宅の築年数によっては、新築よりも早く修繕が必要になります。住む前に修繕やリフォームが、必要になるケースもあるでしょう。

築年数ごとに必要とされる修繕の目安は、次のとおりです。

修繕の目安
場所 修繕時期 費用の目安
シロアリ対策 5年ごと 15万円
水回り 15~20年
  • キッチン:100万~150万円
  • トイレ:30万~50万円
  • 浴室:100万~200万円
  • 洗面設備:20万円~50万円
6~25年 5万~10万円(10平米あたり)
内壁 状況に応じて 5万~10万円(6帖)
屋根 10~30年 50万~150万円
外壁 10~15年 100万~200万円

築10〜15年ほど経過した中古住宅であれば、外壁・屋根の修繕や、設備の交換・修繕も必要になります。

物件の状態によってはさらに費用が必要になるため、築年数の古い中古住宅を購入する際は、修繕費も予算に含めておく必要があるでしょう。

3-4.住宅ローン控除・補助金類でメリットが少ない

新築や中古住宅の購入で住宅ローンを組んだ場合、一定の要件を満たせば住宅ローン控除を受けられます。

確定申告をすることで10年間、住宅ローンの残高の0.7%にあたる額が所得税から控除されるという仕組みです。

ただし、中古住宅の場合は、住宅ローンの控除を受けるためには築年数や耐震レベルが一定の条件にあてはまらなければなりません。

住宅の状況によっては、控除を受けられない可能性があります。その他、中古住宅の取得の日から6か月以内に居住の用に供しているなど細かい要件があり、控除の適用を受けるための要件をすべて満たしていることが必要です。

また、住宅の購入時は新築も中古も住宅の種類に応じて補助金が受けられる場合がありますが、新築住宅の方が金額の上限が高く設定されているケースが多く、中古住宅のメリットは少なめです。

※参考:国土交通省「住宅ローン減税

4.中古住宅を購入するときの注意点

中古住宅を購入する際は、物件の状態を細部までチェックするなど、いくつかの注意点があります。

ここでは、中古住宅の購入時に行うべきポイントを解説します。

4-1.物件の状態を細部までチェックする

中古住宅を選ぶときは内覧を行い、物件の状態を細部にわたりしっかりチェックしましょう。

建物の外観は、屋根の状態や外壁のひび割れ、劣化の程度を確認します。雨漏りの跡のチェックも必要です。

内装は、壁紙のはがれや床の状態などをチェックし、シロアリの跡がないかも確認してください。設備は、エアコンや給湯器、電気などが正常に動作しているかを調べます。

内覧には、不動産に精通した専門家に同行を依頼するのもおすすめです。気になる部分がある場合に、簡単な修繕で対応できるか、重大な欠陥があるかを判断してもらえます。

4-2.「新耐震基準」の家を選ぶ

築年数によっては、耐震性が低い場合があることにも注意が必要です。

耐震基準は1981年に改正があり、1981年6月1日以降は「新耐震基準」、1981年5月31日以前の基準は「旧耐震基準」となっています。

そのため、1981年5月31日以前に建てられた物件は耐震性が低い可能性があります。古い物件を購入する際は、建てられた年代や、耐震構造のチェックが必要になるでしょう。

2000年には、主に木造住宅の耐震性向上を目的として、新耐震基準をさらに強化した耐震基準が設けられています。2000年以降に建築された木造住宅の中古物件であれば、高い耐震性が担保されていると考えられるでしょう。

※参考:国土交通省「住宅・建築物の耐震化について

4-3.リフォームや修繕の必要性を確認する

購入する中古住宅の状態によっては、すぐにリフォームや修繕が必要になる可能性もあります。
そのため、購入前に、リフォームや修繕の必要性があるかをよく確認しましょう。

基礎や柱、梁に欠損がないかもチェックします。特に、ひび割れや水漏れがある場合、大規模な修繕が必要になる可能性があるため、念入りに調べてください。

ライフラインのチェックも必要です。水道・ガス・電気の設備が、機能しているかを確認してください。古い給水管や排水管が使用されている場合、トラブルのリスクがあります。

ライフラインの状況がわかれば、入居後の修繕・リフォームの必要性を把握できるでしょう。

4-4.立地条件と周辺環境を確認する

中古住宅の立地条件と周辺環境も確認しておきましょう。

チェックポイントは、次の3点です。

立地条件と周辺環境のチェックポイント
  • 交通アクセス
  • 生活環境
  • 治安

交通アクセスは、最寄り駅までの時間や交通機関の利便性を確認してください。駅まで行くのに信号や歩道橋があるか、道は歩きやすいかなど、現地に行かないとわからないこともあります。

生活環境は、スーパーやコンビニ、病院、学校などが近くにあるかチェックします。役所や銀行も、近くにあると便利でしょう。

また、近所付き合いを円満に行うために、近隣にどのような人が住んでいるかの確認も大切です。挨拶に伺って住み心地などを聞いてみるのもよいでしょう。

安全に暮らすために、地域の安全性もチェックが必要です。人通りや夜間の道の明るさなども確認しておきましょう。

5.中古住宅の内覧でチェックしたいポイント

中古住宅の内覧では、次の3点をチェックしましょう。

内覧時のチェックポイント
項目 場所 チェックポイント
外観 屋根 瓦や屋根板の破損・ずれ、塗装の剥がれなど
軒天 雨の染み、亀裂、塗装の剥がれなど
外壁 塗装の剥がれ、ひび割れ、目地の充填物の劣化など
基礎部分 ひび割れ
室内 クロスの剥がれ、ひび割れ、雨漏りの染みなど
建具 玄関ドアや窓、収納の扉の開閉がスムーズにできるか
水回り 下水から上がってくる臭い、水漏れなど
クローゼット・押し入れ カビ臭くないか
売却理由 老朽化が進んでいないか
日当たりは悪くないか
近隣トラブルや景観に問題はないか

それぞれのチェックポイントについて、詳しく解説します。

5-1.外観

建物の外観は、次の部分をチェックします。

外観のチェックポイント
場所 チェックポイント
屋根 瓦や屋根板の破損・ずれ、塗装の剥がれなど
軒天 雨の染み、亀裂、塗装の剥がれなど
外壁 塗装の剥がれ、ひび割れ、目地の充填物の劣化など
基礎部分 ひび割れ

ひび割れは、幅が0.5ミリ以上、もしくは長さが1メートル以上の場合は、耐久性に問題が発生する可能性があります。

5-2.室内

室内のチェックポイントは、次のとおりです。

室内のチェックポイント
場所 チェックポイント
クロスの剥がれ、ひび割れ、雨漏りの染みなど
建具 玄関ドアや窓、収納の扉の開閉がスムーズにできるか
水回り 下水から上がってくる臭い、水漏れなど
クローゼット・押し入れ カビ臭くないか

玄関や窓などの開け閉めがスムーズにできない場合、床が傾いている可能性があります。

また、家の中ではスリッパを履かずに歩いてみましょう。足の裏で床のきしみ具合を感じられます。

5-3.売却理由

中古住宅の売却理由も、確認しておきましょう。

特に、相場よりもかなり格安な物件の場合には、老朽化が進んでいる、日当たりが悪いなど、なんらかの問題が隠れている可能性があります。

住宅自体には問題がなくても、近隣トラブルや景観など、居住する上で支障になる事情があるかもしれません。

購入後に問題が発生することのないよう、格安である理由はできるだけ明確にしておくとよいでしょう。

6.納得のいくマイホームを手に入れたいなら「注文住宅」の検討もしておこう

納得のいくマイホームを手に入れたいなら「注文住宅」の検討もしておこう

中古住宅は新築住宅よりも安く、すぐに入居できるなどのメリットがあります。

しかし、中古住宅だから必ずお得とは限りません。見えない部分に劣化がある場合もあり、購入前には詳細なチェックが必要です。

入居してからすぐ修繕やリフォームが必要になれば、多くの費用がかかり、新築住宅を購入した場合、費用はそれほど変わらない可能性もあるかもしれません。

購入後に高額な出費があるかもしれないという不安を抱えるよりは、理想のプランでマイホームをつくれる「注文住宅」のほうが、結果的に安い買い物だったというケースもあります。

最近では注文住宅をローコストで提供しているハウスメーカーもあるため、一度プランを依頼してみてはいかがでしょうか?

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まとめ

中古住宅を購入するときの注意点は、安さだけに着目せず、外観や内装などチェックすべきポイントの確認が必要です。

安く購入してもすぐに修繕やリフォームが必要になれば、追加の費用がかかり、中古住宅を選んだメリットがなくなるかもしれません。

安心してマイホームを購入したい方には、注文住宅という選択肢もあります。コストを抑えた建築も可能なため、中古住宅と合わせて検討してみてはいかがでしょうか。