注文住宅は自由に間取りを決め、設備や資材にこだわることができるという魅力があります。しかし、新築する住宅の構造や性能、設備などの費用は、依頼するハウスメーカー・工務店、住宅商品によって異なります。
そこで重要なのが見積もりです。注文住宅を建てる際に取る見積もりには「概算見積もり」と「詳細見積もり」があり、ハウスメーカー・工務店の決定や契約の段階で必要不可欠となります。
しかし、具体的にどのタイミングでどうやって見積もりを取るのかよくわからないという方もいるでしょう。「見積もりを取ったら、そのハウスメーカーと契約になるのか?」「見積もりは無料でできるのか?」と気になっている方も多いかもしれません。
そこで本記事では、注文住宅を建てる際の見積もりについて詳しく解説します。
- 注文住宅を建てるときに見積もりを取る流れとタイミング
- 見積書の項目の見方や注意点を解説
- 見積書を比較する際のポイントや予算オーバー時の対処法
理想の家づくりのためには、適切なタイミングで見積もりを取り、予算内に収まるように調整することが必要です。ぜひ、この記事を「希望と予算のマッチした家づくり」の参考にしてください。
なお、注文住宅について具体的に検討を進めている場合、「HOME4U(ホームフォーユー)プラン作成依頼サービス」を使えば、最大5社のハウスメーカー・工務店から、土地費用、建築費、本体工事費以外の諸費用を含めた見積もりを請求できます。
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Contents
1.注文住宅の見積もりは「概算見積もり」と「詳細見積もり」の2種類
注文住宅を建てる際、実際にどのくらいの費用がかかるか知るために必要なのが、見積もりです。見積もりは費用を把握するためだけではなく、ハウスメーカー・工務店を選択する際やプランを練る際の判断材料・交渉材料としても役立ちます。
見積もりは、おおまかに「概算見積もり」と「詳細見積もり」の2つに分けられます。
- 概算見積もり:ハウスメーカー・工務店の決定前に作成されるもの。おおよその費用を予測して作成される
- 詳細見積もり:ハウスメーカー・工務店の決定後に作成されるもの。資材や作業人数など細かい部分も反映される
概算見積もりは、ハウスメーカー・工務店を決めるための参考情報として使うことが一般的です。複数のハウスメーカー・工務店に見積もりを依頼し、内容を比較検討するのに使用します。
詳細見積もりは、ハウスメーカー・工務店を決定したあと、施工内容や細かい仕様を反映して作成されます。契約する際の基盤になる重要なものです。
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2.注文住宅の見積もりを取るまでの流れ
注文住宅で見積もりを取るまでのおおまかな流れは、以下のとおりです。
- 予算と希望条件を決める
↓ - 情報収集をする
↓ - 住宅展示場などで好みのハウスメーカー・工務店を絞る
↓ - ハウスメーカー・工務店に概算見積もりを依頼する
流れに沿ってわかりやすく解説していきます。
2-1.予算と希望条件を決める
まずは予算と新築する住宅の希望条件を決めます。
- 予算を決める
-
予算を考える際には、ほとんどの場合、手持ち資金のみで全額を用意するのは難しいため、住宅ローンを検討する必要があります。その際には以下の3点を考えてみましょう。
- 毎月どの程度であれば返済できるのか
- ボーナスのうち、どの程度をローン返済に充当できるのか
- 住宅ローンの返済期間はどれぐらいにするか
住宅ローンの返済が長期間続いたり、月々の返済額が高かったりすると、老後資金や子どもの教育費を貯める期間がなくなってしまいます。ライフプランや将来想定される支出を考えて、資金計画のシミュレーションを行ない、返済期間を決定しましょう。
資金計画の立て方やシミュレーションのやり方について知りたい方は、「家づくりの資金計画を立てる|予算の立て方と費用の内訳【初級編】」「注文住宅の費用シミュレーション|具体例や便利な無料サイトもご紹介!」の記事もご参照ください。
- 新築住宅の希望条件を決める
-
事前に、基本的な希望条件や「ここだけは欠かせない!」というこだわり、土地の条件などを整理し、決めておく必要があります。
例えば、以下のような内容を決められる範囲で明確にしたり、家族で話し合ったりしておきましょう。
基本的な希望条件- 家族構成と部屋数、広さ(リビング・個室・書斎など)
- 将来の見通しや予定(老後や二世帯住宅の可能性など)
- 入居したい時期
- 平屋や3階建てなど階数の希望
- 現在の不満点と絶対に改善したい点
- 家を建てる動機や理由
こだわり- 耐震性や高断熱、自家発電など住宅性能
- 窓の向きや日当たり
- 吹き抜けやウッドデッキなど、こだわりたい間取りのポイント
- 駐車場やビルトインガレージの有無(必要なスペース・台数など)
- こだわりたい住宅設備(キッチン・バスルーム・トイレ・防犯など)
- 外観・内観デザイン
【これから土地を購入する場合】- 住みたいエリア(通勤や通学時間の許容範囲)
- 周辺環境の条件
- ハウスメーカー・工務店に土地紹介をしてもらうかどうか
【すでに土地が決まっている場合】- 土地の敷地面積
- 敷地の形状
- 高さ制限などわかっている条件
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2-2.情報収集をする
予算と希望がある程度固まったら、施工を依頼したい会社や、導入したい設備などをおおまかにピックアップし、情報を収集しましょう。インターネットや資料請求を利用するほか、実際に家を建てた方の口コミを見たり、その施工会社が手がけた住宅を見てみたりするのがおすすめです。
情報を集めるなかでイメージが膨らみ、希望条件や予算がいっそう明確になるでしょう。また、いざハウスメーカー・工務店と話をするときに、会話がスムーズに進みやすくなります。
2-3.住宅展示場などで好みのハウスメーカー・工務店を絞る
ハウスメーカー・工務店を決定する要素は、金額だけではありません。希望する住宅性能やデザインの住宅を仕上げてくれるのかも大切な要素となるため、住宅展示場などを実際に家族で訪れ、好みに合うハウスメーカー・工務店を探します。
展示場予約はもちろん、あなたにあった工務店・メーカーを複数社ピックアップしたうえで、予算や間取りなどのご要望も聞き取ったうえで調整代行もいたします。
ここがポイント!
プロ・専門家の視点
住宅展示場のモデルハウスは最高級のグレードで建てられているケースが多いため、見学する際には注意が必要です。希望する予算でそれが実現できるとは限らず、ほとんどの場合はそれよりも低いグレード・設備となります。
一部、標準仕様で用意しているハウスメーカー・工務店もあるため、見る前にしっかりと確認しましょう。
希望する条件や予算に当てはまらないハウスメーカー・工務店の住宅展示場でモデルハウス見学をすると、無駄に断ったり、話をする時間がとられたり、遠回りをして疲れてしまいます。
また、住宅展示場で好みのハウスメーカー・工務店が見つからないときは、気になるハウスメーカー・工務店からカタログを取り寄せたり、インターネットを使って調べたりする必要があり、時間と労力がかかってしまいます。
希望条件や好み、予算に合ったハウスメーカー・工務店を無駄なくスムーズに探すなら「HOME4U(ホームフォーユー)プラン作成依頼サービス」がおすすめです。
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2-4.ハウスメーカー・工務店に概算見積もりを依頼する
希望条件や予算に合ったハウスメーカー・工務店のなかで、好みのテイストや間取りなどを実現してくれそうな会社を絞り込み、実際に概算見積もりを依頼します。
概算見積もりは、複数のハウスメーカー・工務店に作成を依頼し、比較検討して1社へと絞りこむ材料にします。そのため、概算の段階でもなるべく希望をしっかり伝え、精度の高い見積もりにしてもらいましょう。
概算見積もりは3~4社に依頼する
前述のとおり、概算見積もりは複数の会社に依頼するのが一般的です。ただし、依頼先は多ければ多いほど良いというわけではありません。目安は3~4社です。
なぜなら、依頼先が多すぎると、見積もりの細かい部分までしっかりチェックしながら比較するのに手間がかかるためです。また、気になることや疑問点があるときに担当者に連絡するといった手間も増えてしまうでしょう。
そのため、どこにどのような依頼をしたのかをしっかり覚えていられる、かつ各社の特徴を把握しやすいという点から、3~4社が妥当だといえます。
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3.見積もりを取る具体的なタイミングは?
注文住宅を建てる際に見積もりを取る具体的なタイミングは、以下の3つです。
それぞれ解説していきます。
3-1.概算見積もり:ハウスメーカー・工務店を比較するとき
最初のタイミングは、依頼先を希望に沿う1社に絞るときです。前章でも解説したとおり、希望や好みに合ったハウスメーカー・工務店3~4社から、概算見積もりを取ります。概算見積もりは無料なのが一般的ですが、なかには見積もり費用が発生する会社もあるので、注意しましょう。
概算見積もりの時点では、間取りや内装を詳しく決める必要はありません。ただし、「これだけは譲れない」という希望はしっかり伝えておきましょう。
概算見積もりが提示されたら、まずは希望が反映されているか、そして予算内に収まっているかを確認してください。内訳の明細などで、使われている建材の種類を確認しておくことも重要です。ただし、概算見積もりの金額は、あくまでも最低ラインであることを覚えておきましょう。
3-2.詳細見積もり:依頼するハウスメーカー・工務店を決めたあと
依頼先が決まったら、打ち合わせを重ねて具体的なプランや使用する設備、建材、施工内容を詰め、予算と照らし合わせながら、よりしっかりした見積もりを作成してもらいます。これが詳細見積もりです。
この段階でプランや予算、細かい施工内容に問題があれば、再度見積もりを取りますが、特に問題がなければこのまま契約に進みます。
3-3.最終見積もり:契約前の最終確認
契約前の最終確認で出てくるのが、最終見積もりです。これまでの打ち合わせで決定したプランや予算などすべてを反映したもので、問題がなければ契約となります。前述のとおり、詳細見積もりが最終見積もりとなるケースもあります。
こだわりがあればあるほど、依頼先の比較は複雑になり、時間や労力がかかります。
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本サービスは、スマートフォンから簡単にあなたの要望に沿ったハウスメーカー・工務店をピックアップできるので、「好みとまったく合わないハウスメーカー」や「予算が合わない工務店」などを極力避けながらハウスメーカー・工務店を比較できます。
比較する項目が絞れる分、より細かい要望にも気を配れるようになりますよ!
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4.見積書の項目の見方とチェックポイント
注文住宅の見積書には、使用される資材や工法、各工程にかかる費用などの記載があります。ハウスメーカー・工務店によって異なりますが、見積書は次の3つのパートに分かれていることが一般的です。
- 建物本体工事費(本体価格)
- 付帯工事費(別途工事費)
- 諸費用
全体の費用のうち、建物本体工事費がおおよそ70%、付帯工事費(別途工事費)が20%、諸費用が10%を占めます。
例えば、2,500万円の住宅を建てる場合であれば、本体が1,750万円、付帯工事費が500万円、諸費用が250万円程度になるということです。
ここからは、これら3つの費用別に、見積書の見方とチェックポイントを紹介します。
4-1.建物本体工事費(本体価格)
建物本体工事費(本体価格)とは、建物そのものにかかる金額で、見積もり全体の7~8割を占めます。
おもに次の費用項目が含まれます。
- 仮設工事
- 土・基礎工事
- 木工事
- 屋根・板金・外壁工事
- 左官・タイル工事
- 塗装工事
- 内装工事
- 内外建具・家具工事(ドア・窓など)
- 住宅設備機器工事(キッチンやトイレ、給湯器など)
- 防水工事
- 電気工事
- 給排水衛生工事
- ボイラー等熱源工事
- 人件費
建物本体工事費の項目は、新築工事の専門的な知識が必要なものも多く、会社ごとの独自技術なども関係するため、わからない点は各ハウスメーカー・工務店に確認しましょう。なお、本体工事費と付帯工事費(別途工事費)の線引きは、一部の項目で各社異なります。
チェックポイント:資材などのグレードや工法は注文どおりか
見積書にある費用の明細には「資材」「工法」などについても記載されています。注文したとおりのグレード・工法になっているか確認しておきましょう。また、設備も注文どおりの品番やカラーか確認し、間違いがないようにしましょう。
4-2.付帯工事費(別途工事費)
付帯工事費とは、建物本体工事以外の工事費用を指します。見積もりの2割程度を占め、土地の状況や住宅設備、希望条件によって発生する項目が多くあり、しっかりと確認する必要があります。
例えば、地盤改良工事が必要かどうかは、地盤調査をしないとわかりません。そのため、地盤改良工事費が記載されている場合でも、調査により工事不要と判断されたときは費用から省かれます。
付帯工事費(別途工事費)には、次のような費用が含まれます。
- 地盤改良工事費
- 既存建築物の解体工事費
- 水道・ガスの引き込み工事費
- 屋外給排水工事費
- 照明器具工事費
- 空調工事費(冷暖房)
- 太陽光発電システムの工事費
- カーテン工事費
- 外構工事費
- 造園工事費
チェックポイント:希望がすべて反映されているか
付帯工事費(別途工事費)の明細に、希望した設備や工事がすべて含まれているかを確認しましょう。
例:
- 太陽光発電システムを導入する場合、工事費用が含まれているか
- エアコンの設置台数を確認し、漏れがないか
- 外構工事・造園工事の内容に間違いはないか
4-3.諸費用
諸費用は見積もり金額の10%程度です。とはいえ、金額としては百万円単位の規模となるため、事前に把握しておくことをおすすめします。具体的には、次の費用が含まれます。
- 設計費
- 建築確認申請手数料
- 工事管理料
- 地盤調査費
- 登記費用・印紙代
- 設計費用
- 地鎮祭・上棟式の費用
- 保険料(火災保険など)
チェックポイント:住宅ローンでの支払いは可能か
諸費用には、住宅建築に直接かかわらない費用が含まれます。住宅建築に直接かかわらない費用の項目は、住宅ローンに含めることができず、現金払いとなるケースが多くなります。
手持ちの資金が少なく、諸費用分を現金で支払うことが難しいときは、住宅ローンでの支払いが可能かを確認しておきましょう。必要に応じて、親や祖父母からの資金提供など別の方法も検討してみてください。
注文住宅の費用相場がいまいちつかめていない方や、坪単価が似ているハウスメーカー・工務店の具体的な違いを知りたい方は、実際に住宅プランを複数比較してみるのがおすすめです。
似たような坪単価なのに、実際の総額が異なっていたり、標準で提供してくれる設備や建材の違いから、イメージのまったく異なる家が完成したりするということはよくあります。
まずは、HOME4U(ホームフォーユー)プラン作成依頼サービスであなたに合ったハウスメーカー・工務店を調べ、そのなかから複数社の実際の住宅プランを見比べてみてください。各社の提案の違いがわかるため、家づくりが一層はかどりますよ!
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費用の詳細については、関連記事「注文住宅にかかる費用解説!内訳や費用相場、予算別に建てられる家」「注文住宅の「諸費用」とは?いつ払う?費用内訳や相場を解説」で解説していますので、より詳しく知りたい方はぜひご参照ください。
5.複数ハウスメーカー・工務店の見積書を比較する際のポイント
希望どおりの住宅を実現するためにも、複数のハウスメーカー・工務店の見積もりを比較することが必要です。そのため、見積もりを依頼するときは次の3点に留意しましょう。
それぞれのポイントを解説します。
5-1.見積もりの条件はそろえる
ハウスメーカー・工務店に見積もりを依頼するときは、間取りや設備などの条件をそろえることが大切です。条件が異なると、妥当な費用なのかを比較し、見極めることができません。
また、見積もりを依頼する希望条件と費用相場が合わない場合や、内容に間違いや不足がある場合も、効果的に各社比較を行なうことができません。
条件をそろえるためにも、事前に自分たちの目指す希望条件と相場を意識した予算をしっかりと固めておきましょう。
5-2.異なるタイプ・傾向のハウスメーカー・工務店も比較してみる
一口にハウスメーカー・工務店といっても、特徴や雰囲気は多種多様です。最初の概算見積もりを取る際には、似たようなタイプだけでなく、さまざまな異なるタイプ・傾向のハウスメーカー・工務店にも見積もりを依頼してみましょう。金額だけでなく、間取りプランなどの提案も異なるため、より幅広い選択肢から理想のハウスメーカー・工務店を選べます。
ただし、平屋と二階建ての見積もりを比較する場合は、平屋の坪単価のほうが上がる傾向にあるので注意が必要です。詳しくは「新築平屋の価格は?坪単価・間取り実例や費用を抑える方法を解説」の記事もご覧ください。
5-3.見積もりが上がる/下がる可能性を聞いてみる
見積もりを提示されたら、その見積もりの金額が高くなる可能性があるか、あるとすればどの部分かを確認しましょう。
安めの見積もりを提示して、あとから費用がどんどん増していく会社より、費用が大きく上がる部分がない会社のほうが信頼できるといえます。また、あらかじめ「この部分は金額が上がりやすい」と教えてくれる会社も信頼できるでしょう。
場合によっては、見積もりに登記費用や住宅ローンにかかわる諸費用を入れず、「安く見える見積書」になっていることもあるので、注意してください。
同じく、見積もりが下がる可能性についても聞いておきましょう。例えば、窓の数を減らしたり床面積を減らしたりするなど、工夫次第でコストを下げられるかもしれません。「こうすればコストを下げられる」と積極的に提案してくれる会社は信頼度が高いといえます。
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6.見積書を確認する際の4つの注意点
見積書を見るときは、次の4つのポイントに注意しましょう。
- 概算見積もりから変更点はないか確認する
- 「一式」の意味や不明瞭な点はすべて説明してもらう
- 含まれていない項目・設備などの費用は必ず確認する
- 時間が経った見積もりは再度作成を依頼する
それぞれのポイントをわかりやすく解説します。
6-1.概算見積もりから変更点はないか確認する
おおまかな費用のみを記載した概算見積もりに対し、詳細見積もりは打ち合わせを重ねるなかで追加された要望が反映されたものです。そのため、概算見積もりと詳細見積もりの内容は異なるのが当然ですが、それでも内容が大きく変わりすぎていないかチェックしましょう。
例えば、追加した覚えのない項目がある、概算見積もりから費用が大幅に高くなっている項目があるなど、気になる部分はその詳細をしっかり確認してください。
6-2.「一式」の意味や不明瞭な点はすべて説明してもらう
提示された見積書に明細が書かれておらず、「一式」とまとめられていることがあります。例えば、窓関連であれば、窓枠やサッシ、ガラスなどをまとめて「一式」と書かれているケースです。
見積書では「一式」と記載することが通例となっている場合も多々ありますが、一式のなかに何が含まれているのかは必ず担当者に確認しましょう。ほかにも不明瞭な点はすべて説明してもらい、納得してから契約に進みます。
6-3.含まれていない項目・設備などの費用は必ず確認する
追加したものがきちんと反映されているかも忘れずに確認しましょう。希望したはずの内容や設備が含まれていないときは、理由を必ず担当者に確認してください。
また、特定の項目内に設備費や施工費などがまとめられているときは、内訳もしっかりチェックします。
6-4.時間が経った見積もりは再度作成を依頼する
見積もりから時間が経つと、使用予定の資材や設備の値段が変わったり、廃番になっていたりすることがあります。見積もりを取ってから時間が経っているときは、再度見積もりを取るようにしましょう。
特に建築資材については、世界情勢や輸入の状況などに左右されます。必ず最新情報に更新したうえで、比較・検討を行なってください。
7.見積もり金額が予算オーバーした際の対処法
見積もり金額が予算をオーバーしたときは、ここで紹介する4つの対処法を検討してみましょう。
7-1.優先順位が低い項目を見直す
希望条件のうち、優先順位が低い項目を見直しましょう。例えば、浴室乾燥機は必要だけれどもミストサウナはなくても良いなど、一つひとつの項目を見直し、予算に合わせて削減します。
7-2.素材のグレードを見直す
壁や床といった面積が広い部分は、素材のグレードを少し下げるだけでも大きなコスト削減につながります。例えば、個室の壁紙や床材など、こだわりの部分以外は素材のランクをいくつか下げることも検討してみましょう。
7-3.外構工事などは専門の会社にも見積もり依頼してみる
外構工事と建物工事を同じ会社に依頼しなければいけないと思っているのであれば、それは間違いです。
外構工事を別の会社に依頼することで、トータルの費用を抑えられることがあります。別途見積もりを取り、建物工事を依頼する会社と比較してみましょう。
また、外構・庭の整備は家を建てたあとでも可能です。住宅ローンに余裕がない場合は、タイミングをずらして検討しても良いかもしれません。
7-4.他社よりも価格が高い項目について相談する
提示された見積もりを比較して、他社よりも明らかに価格が高い部分については問い合わせてみましょう。場合によっては、値下げしてくれる可能性があります。
ただし、値下げ交渉は今後の関係に影響をおよぼす可能性があるため、伝え方には注意が必要です。
まとめ
注文住宅を建てるときには、必ず「概算見積もり」と「詳細見積もり」が必要です。ハウスメーカー・工務店の選択や絞り込み、契約といったタイミングで、これらの見積もりを取ることになります。
複数のハウスメーカー・工務店に見積もりを依頼する場合は、希望条件を明確にし、できるだけ条件をそろえて見積もりを出してもらいましょう。見積もりが上がる/下がる可能性を聞き、信頼度をチェックすることも重要です。こうすることで比較検討がスムーズになり、理想の家づくりに近づきやすくなります。
また、見積書の項目は内訳の明細をチェックし、不明瞭な点は問い合わせることが重要です。見積書の内容を慎重かつ丁寧に確認することで、変更点の抜け・漏れや予期せぬ追加料金の発生を防ぐことができます。
この記事のポイント
注文住宅の見積もりは、以下の流れで3回程度取るのが一般的です。
1回目:複数のハウスメーカー・工務店に概算見積もりを依頼する
2回目:決定したハウスメーカー・工務店にさらに具体的な詳細見積もりを依頼する
3回目:契約前に最終見積もりを依頼する
詳しくは「3.見積もりを取る具体的なタイミングは?」で解説しています。
注文住宅の見積もりを取る際には、以下の4点に注意してください。
- 概算見積もりから変更点はないか確認する
- 「一式」の意味や不明瞭な点はすべて説明してもらう
- 含まれていない項目・設備などの費用は必ず確認する
- 時間が経った見積もりは再度作成を依頼する
具体的な内容は「6.見積書を確認する際の4つの注意点」で詳しく解説しています。
注文住宅の見積書には、以下のような明細項目があります。
建物本体工事費 (本体価格) |
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仮設工事 |
土・基礎工事 |
木工事 |
屋根・板金・外壁工事 |
左官・タイル工事 |
塗装工事 |
内装工事 |
内外建具・家具工事(ドア・窓など) |
住宅設備機器工事(キッチンやトイレ、給湯器など) |
防水工事 |
電気工事 |
給排水衛生工事 |
ボイラー等熱源工事 |
人件費 |
付帯工事費(別途工事費) |
地盤改良工事費 |
既存建築物の解体工事費 |
水道・ガスの引き込み工事費 |
屋外給排水工事費 |
照明器具工事費 |
空調工事費(冷暖房) |
太陽光発電システムの工事費 |
カーテン工事費 |
外構工事費 |
造園工事費 |
諸費用 |
設計費 |
建築確認申請手数料 |
工事管理料 |
地盤調査費 |
登記費用・印紙代 |
設計費用 |
地鎮祭・上棟式の費用 |
保険料(火災保険など) |
詳しくは「4.見積書の項目の見方とチェックポイント」をご覧ください。
見積もりで予算をオーバーしてしまったときには、優先順位が低い項目や素材のグレードを見直すほか、外構工事を専門の会社に依頼するなどの工夫をしましょう。
詳しい方法については「7.見積もり金額が予算オーバーした際の対処法」をご覧ください。
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