「注文住宅は建てるまでに時間がかかって大変そう」と考えている方もいるでしょう。注文住宅は、検討を始めてから完成・引き渡しまでに9ヵ月~1年少しかかることが一般的ですが、理想の住まいを実現できることが大きなメリットです。
完成・引き渡しまでの間にはさまざまなステップがあり、注意点もあります。スケジュールどおりに新居での生活をスタートさせるには、注文住宅を購入する流れや各ステップにかかる期間を理解し、計画的に進めることが大切です。
この記事では、「間取りや仕様には妥協したくない!」「コツを掴んで、スムーズに計画を進めたい!」という方に向け、注文住宅の検討から完成までの大まかな流れからお金を支払うタイミング、必要な費用や書類までをわかりやすく解説します。
- 注文住宅が完成するまでの7つのステップと期間
- 注文住宅のローン支払いのスケジュール
- 注文住宅の費用相場と必要書類
- 満足のいく注文住宅を建てるためのコツと注意点
注文住宅の全体の流れを把握していれば、時間や心に余裕が生まれ、家づくりの過程をより楽しめますし、十分な検討時間を取れずに妥協して、失敗することも避けられます。
これからマイホーム購入・新築を検討する方は「お家のいろはー家を建てる」で情報収集を始めましょう。
1.注文住宅を建てるまでの流れと期間
注文住宅を建てるまでの流れには、大きく分けて以下の7つのステップがあります。
注文住宅の検討を始めてから竣工・引き渡しまでには9ヵ月~1年少しかかることが一般的で、各工程にかかる期間は【STEP1~3】2~3ヵ月、【STEP4~5】3~4ヵ月、【STEP6~7】4~6ヵ月が目安です。
ただし、間取りやデザインに徹底的にこだわって打ち合わせ回数が増える方もいますし、期間には個人差があるので、あくまで目安として参考にしてください。
また、入園・入学、転勤など、新生活をスタートさせたい希望時期があれば早めに動くことが大切です。
それではステップ1から7までを詳しく見ていきましょう。
1-1.【STEP1】予算検討とイメージづくり
STEP1では、注文住宅への準備段階として、予算検討とイメージづくりを行ないます。
予算検討
まずは、予算がどれくらいかけられるのかを計算してみましょう。
予算を計算するには、注文住宅にかかる費用と、住宅ローンで借りられる金額を押さえておくことがポイントです。
注文住宅にかかる費用は「3-1.注文住宅の費用」で詳しく解説しますが、注文住宅を建てるには「本体工事費+その他工事費+諸費用」が必要になります。大きな金額となるため、金融機関で住宅ローンを申し込み、借入額から上記の費用を払っていくのが一般的です。
住宅ローンの借入可能額や月々の返済額の目安は、金融機関がホームページで提供している住宅ローンのシミュレーションツールを使えば、簡単に調べることができるので利用してみましょう。
イメージづくり
イメージづくりでは、家を建てる場所や間取りの希望、デザインなど、どんな家を建てたいかを考えます。
次の3つの作業を進めておくと、後々ハウスメーカーを選んだり相談したりする際にスムーズです。
- 間取りの事例集を見て、理想に近いものをピックアップする
- 新しい家が多く建ち並ぶ住宅街を散歩して、外観デザインのイメージを膨らませる。
例:「モダンな家」「カントリー風」「シンプルで真っ白の家」など - 家族で意見を出し合い、こだわりのポイントをメモする
例:「耐震性はゆずれない」「オリジナルの間取りを自分で考えたい」「とにかく収納多め」など
ここがポイント!
プロ・専門家の視点
- 必要なお金の内訳と、自分の予算を把握しておくと資金計画が立てやすい!
- 自分のこだわりやゆずれないポイントを列挙しておくと、家づくりのプランニングがスムーズ!
以上がSTEP1で行なっておきたいことです。
最初に予算やイメージの方向性がざっくり決まっていれば、のちの間取りプランニングもスムーズに進めることができます。
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1-2.【STEP2】ハウスメーカー選び・土地探し
注文住宅の準備段階を終えたら、土地がある方もない方も、ハウスメーカー選びから始めましょう。
なぜなら、ハウスメーカーのなかには土地探しを手伝ってくれるところも多く、一般的な土地と比べて安い傾向にある「建築条件付き土地」を紹介してくれる場合もあるからです。建築条件付き土地は、指定されたハウスメーカーで建てる必要がありますが、なるべく予算を抑えたいという方におすすめです。
ハウスメーカー・工務店選び
建築を依頼するハウスメーカーを探す際には、自分の知っているハウスメーカーだけでなく、さまざまなメーカーを比較・検討することが大切です。
さまざまなハウスメーカーを比較・検討するとき、大きな参考になるのがモデルハウスです。ハウスメーカー単独で建てているモデルハウスも良いですが、総合住宅展示場に行けば複数のハウスメーカーがモデルハウスを展示しているので、ハウスメーカーの特徴を一気に体感できます。
なお、ハウスメーカーの下調べや、「聞きたいこと」「求めていること」が整理できていないうちにモデルハウスに行くことはおすすめしません。
総合住宅展示場の場合、説明を受けたり質問をしたりすると、1日で見学できるのはせいぜい2~3社です。ハウスメーカーには、それぞれ得意な分野があります。スムーズに見学するためには、事前に資料請求などでハウスメーカーの情報を集めて自分の希望に合いそうなハウスメーカーを調べ、優先順位を決めてから行くことをおすすめします。
また、モデルハウスを見学する際は、見た目だけで決めないこともポイントです。モデルハウスはあくまでも建築例であり、ほとんどがオプションを盛り込んだハイグレード仕様となっています。
そのため、標準仕様の範囲や土地の条件による価格変動などを併せて確認することが必要です。
このような失敗をしないために、このタイミングで「第三者のプロ」に相談することをおすすめします!
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また、あなたの希望条件に合うハウスメーカーを中立な視点で提案してくれるので、今まで自分が知らなかったハウスメーカーとの運命的な出会いもあるかもしれません。「第三者のプロ」の力を借りながら大幅な労力と時間をカットし、効率良く自分にぴったりなハウスメーカーを探してみてください。
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プロ・専門家の視点
- 土地が決まっていても、決まっていなくても、ハウスメーカー選びから始めましょう!
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土地探し(土地なしの場合)
まだ土地が決まっておらず土地を探したいときは、不動産情報サイトで検索し相場を把握しておきましょう。おすすめは、国内最大級の物件数を掲載している「中古住宅HOME4U」です。エリア・路線や価格帯から、理想の土地を探せます。
また、インターネット上に希望の土地が売り出されてから問い合わせるのではなく、あらかじめ不動産会社に依頼して、良い土地が売り出されたら即座に連絡をもらえるようにしておくのもおすすめです。
ただし、ハウスメーカーよりも土地を先に決めてしまうと、失敗のおそれがあります。
購入した土地では希望の家が建てられないケースもありますし、土地代と建物工事費のバランスを取ることも難しくなるかもしれません。住宅ローンの申請に影響することもあるため、土地探しと並行してハウスメーカーを決めましょう。
“ハウスメーカーと工務店って、どう違う?”
注文住宅を建てるには、一般的にはハウスメーカーや工務店、設計事務所に建築を依頼することになります。
さまざまな依頼先を調べていると、ハウスメーカーと工務店の違いがわからないと思う方もいるかもしれません。
両者の大きな違いには、まず会社の規模が挙げられます。
- ハウスメーカー・・・全国展開している
- 工務店・・・地元密着型が多い
また、地元工務店のほとんどは木造在来工法で建てますが、ハウスメーカーの場合は木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造など、さまざまな構造が採用されており、各社に特徴があります。詳しくは「ハウスメーカーと工務店の違いを徹底解説!注文住宅はどこで建てるべき?」でも解説しているので、ぜひご覧ください。
それぞれの耐震性、断熱性、遮音性などの建物性能にも違いがあるので、いろんなハウスメーカーを調べ、納得のいくハウスメーカーを見つけましょう。
1-3.【STEP3】間取りプランの提案と見積もり提示
ハウスメーカー・工務店を比較したら、以下の流れで依頼先を決定します。
- ハウスメーカー・工務店を絞り込む
- 間取りプラン作成と見積もりを依頼する
- 依頼先を決定する
見積もりを依頼するハウスメーカー・工務店を絞り込む
ハウスメーカーを絞り込む際のポイントは、以下の5点です。
- 価格帯が予算に合っているか
- 構造や工法が希望と合っているか
- 得意とするデザイン
- アフターサービス
- 営業担当者の信頼性
これらをもとに、気になるハウスメーカー・工務店を2~3社程度に絞り込みます。
間取りプラン作成と見積もりを依頼する
絞り込んだハウスメーカー・工務店と打ち合わせを行ない、以下の資料作成を依頼します。
- 簡単な間取り図
- 見積概算、概要(詳細なし)
- 資金計画書
見積もりを依頼する際には、打ち合わせがとても重要です。この段階でハウスメーカーにしっかり要望を伝えなければ、「1-5.【STEP5】詳細打ち合わせ・プランの決定」でプランを確定する際に大きく増額してしまうおそれもあるからです。間取りや設備の希望をリストアップして、スムーズに話し合いが進むよう準備しておきましょう。
依頼先を決定する
できあがった間取りプランと見積概算書を比較し、依頼先を決定します。以下のポイントを意識して比較し、自分のこだわりたいポイントが実現できそうなハウスメーカーを選びましょう。
- 間取りの提案力
- デザイン性
- 耐震性
- 断熱性
- 遮音性 など
また、依頼先を決めた段階で、工事請負契約に向けて、住宅ローンの事前審査も済ませておきましょう。
なお、見積概算書から、単純に合計金額が安いかどうかで依頼先を見極めるのは危険です。
見積概算書はハウスメーカーによって項目が異なるため、諸経費などがどこまで含まれているのか、しっかり確認する必要があります。他社より安い金額に感じても、あとから追加料金を請求される場合もあるので要注意です。
また、建築後のアフターサービスや保証制度、長期的に必要となる修繕費についても各社で異なるため、同じようにチェックが必要です。
例えば、「メンテナンスフリーで長持ちする家」であれば、建築費が割高になることも多いでしょう。しかし、長い目で見ると、かえって費用負担が少なくなることもあります。
実際に建築した際のイメージを掴みたいなら、現場見学会もおすすめです。
完成現場は見学可能であることが多く、建築中の現場が見学できれば、構造や職人の腕を確かめることも可能です。ハウスメーカーによっては工場見学が可能なところもあるので、一度担当者に問い合わせてみるとよいでしょう。
ここがポイント!
プロ・専門家の視点
- 見積概算書は項目をしっかり確認したうえで、プラン内容とコストを比較・検討!
- 必要に応じて、現場見学や工場見学に参加して!
各メーカーの見積概算書を見極めるには、実際のプランを見比べるのが一番です。
HOME4U(ホームフォーユー)プラン作成依頼サービスなら、効率良く複数メーカーのプランを入手できます。
また、各ハウスメーカーに同じ条件を伝えることが「面倒」「自信がない」という方にもおすすめです。
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1-4.【STEP4】工事請負契約
注文住宅を依頼するハウスメーカーが決まったら、ハウスメーカーと工事請負契約を結びます。
工事請負契約後、変更の契約による追加費用がかからないよう、工事請負契約の際には希望の仕様・設備があるか、契約内容をしっかりと確認してください。
また、この時点で建築費の最高10%の申込金(手付金)が必要なケースもあるので、キャンセルした場合の申込金(手付金)の扱いや対処なども、担当者に聞いておきましょう。
ここがポイント!
プロ・専門家の視点
- 契約変更がないよう契約内容をしっかり確認!
- キャンセルしたときのハウスメーカーの対応を確認しておく!
1-5.【STEP5】詳細打ち合わせ・プランの決定
工事請負契約後は、さらに詳細な打ち合わせを重ね、プランを決定していきます。
- 地盤調査
- 間取りの確定
- 建築確認申請
- 設備・仕様の決定
- 外構の決定
地盤調査
住宅を建築する際には、工事前にその土地が住宅の建築に耐えられるかどうか地盤調査が必要です。調査の結果、強度が不十分であれば、地盤改良工事を行ないます。
間取りの確定
見積もりの際に仮で決定していた間取りを、確定させます。確定後は建築確認申請を行なうので、入念に打ち合わせをしてプランを確定させましょう。
建築確認申請
建築予定の住宅が法令上問題ないかどうか、市区町村に確認をする申請手続です。問題がなければ確認済証が発行され、着工が可能になります。なお、住宅ローンの本審査には確認済証が必要になるため、建築確認が終わり次第審査を申し込みます。
設備・仕様の決定
キッチンや照明、コンセントなどの住宅設備や、建具、壁紙などのインテリアまで、住宅内部の内装や仕様を決定していきます。カタログだけではわかりにくい部分も多いため、ショールームなどでサンプルを確認することをおすすめします。
外構の決定
建物の仕様が決まったら、塀や駐車場など、外構についても計画しておきましょう。ハウスメーカーと別の会社に依頼する場合にはあとからでも間に合いますが、同時に進めておくと思わぬ予算オーバーなどを避けられます。
ここまで、契約後のプラン確定について見てきましたが、もし確定後にプランを変更したくなった場合には、変更契約を結ぶことになります。よくある変更点は、設備のグレード調整や、設備の抜け漏れによる追加などです。
注意しておきたいのが、窓の位置や大きさなどの変更です。この場合、建築確認の再申請が必要となり、追加で費用がかかるうえ、工期が長くなることもあります。
また、1回目の建築確認の申請後には変更できない部分もあるので、事前にどこまで変更できるかをハウスメーカーの担当者に確認しておくとよいでしょう。
ここがポイント!
プロ・専門家の視点
- 建築確認の再申請には追加費用がかかる!
- 建築確認申請後には変更できない部分もある!
1-6.【STEP6】着工
確定したプランをもとに、いよいよ新築工事に着工します。
工事が始まる前には、重機の通過や騒音の発生に配慮して、近隣に挨拶に行きますが、建築会社の現場監督などに任せることもできます。
また、着工前に安全祈願として地鎮祭を行なったり、骨組み完成後に上棟式を行なったりする場合もありますが、これらを行なうかどうかは施主の希望で選択できます。
工事中は、建築現場が自宅から近い場所なら、ときどき見に行って状況を確認することもできますが、工事の邪魔にならないように配慮しましょう。
1-7.【STEP7】竣工・引き渡し
建物が完成したら、完了検査をしたのち引き渡しとなり、晴れて入居となります。
完了検査
建物が完成(竣工)したら、市区町村による完了検査が必要です。建築確認申請のとおりに建てられているか確認のうえ、検査済証が発行されます。建物の引き渡し前には、設備等の不具合や傷がないかなど、施主が立ち会って最終的なチェック(施主検査)を行ないます。
気になる部分は修正してもらったうえで、正式に引き渡しとなります。
引き渡し
施主検査後、おおむね1週間~10日後に引き渡しとなります。当日は、施主と金融機関の担当者、ハウスメーカーの担当者、司法書士などが立ち会い、最終的な内外装の確認や費用の残金の支払い、登記書類の作成を行ないます。建築確認済証や鍵などを受け取ったら完了です。
以上が、注文住宅の大まかな流れと、各ステップのポイントです。
注文住宅は調べることや考えるべきことが多く、専門知識がないとなかなかスムーズに進まないものです。
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2.注文住宅の支払いスケジュールとローンの流れ
注文住宅を建てる際には、費用の支払いスケジュールを知っておくことも大切です。どのタイミングで住宅ローンの申し込みをしたら良いのかなど、大まかな流れを紹介します。
2-1.注文住宅の支払いタイミング
注文住宅の場合は、建築費を3~4回に分割して支払うのが一般的です。
支払い条件はハウスメーカーによって異なりますが、例えば、次のようなスケジュールとなります。
タイミング | 支払い | 利用するローン | |
---|---|---|---|
工事請負契約時 | 申込金 (手付金) |
建築費用の約10% ※最高10% |
― |
着工時 | 中間金 | 建築費用の約30% | つなぎ融資 |
着工中 | 建築費用の約30% | ||
竣工時 | 残代金 | 建築費用の約30% | 住宅ローン |
2-2.注文住宅のローンの流れ
住宅ローンを利用する場合、事前審査(仮審査)と本審査(正式審査)を受けるのが一般的です。
事前審査(仮審査)
事前審査は、あらかじめ住宅ローンがどの程度借りられるかを金融機関に打診するための簡易的な審査です。注文住宅のプランがある程度明確になってきた、見積もり段階、ハウスメーカーとの契約前に行ないます。申込者の収入や借入希望額などから審査されます。
本審査(正式審査)
本審査は、ハウスメーカーと工事請負契約を結んだあとに行なう、正式な融資の申し込みです。申し込みの際には、建築確認済証や物件データなど、詳細な書類の提出が必要になります。仮審査を通過している場合、本審査も通る可能性が高いものの、状況の変化や申告内容の相違により審査落ちの可能性や、減額承認となるケースもあることは覚えておきましょう。
2-3.自己資金が足りない場合はつなぎ融資・分割融資を検討
注文住宅の建築においては、住宅ローンとつなぎ融資を利用する方が多いです。
住宅ローンは、マイホームが竣工して引き渡されたときに正式に融資されるため、着工時や着工中に支払う中間金として大きな金額が必要になります。自己資金でカバーできない場合、着工時から竣工までの期間は、つなぎ融資を利用して建築費を支払います。
なお、金融機関によっては、分割融資が利用できる場合もあります。いずれにせよ、どのように支払いをしていくか、ハウスメーカーの担当者にスケジュールを相談しながら無理のない資金計画を立てましょう。
つなぎ融資
つなぎ融資とは、住宅ローンが実行される前に一時的に借り入れられる住宅ローンとは別のローンです。着工時から竣工までに発生する建築費のほかにも、以下の用途で利用できます。
- 土地を買うときの、土地代金の支払い
- 住み替えの際の、旧宅が売れるまでの費用
住宅ローンが実行されたら、そのタイミングで返済します。
つなぎ融資を利用したい場合は、住宅ローンを契約する金融機関がつなぎ融資を取り扱っているかどうかを確認しておきましょう。建物竣工までは利息だけの支払いで済むことが大半なので便利ではありますが、担保設定が不要なので、金利は高くなります。
分割融資
利用できる金融機関は限られますが、融資を複数回に分けて実行する分割融資が利用できる場合もあります。分割融資なら、土地代金の決済時点から融資が実行されるため、つなぎ融資は必要ありません。
分割融資は住宅ローンのため、低金利で借りられることがメリットです。ただし、抵当権設定を土地・建物それぞれに行なうため、手数料が高くなります。また、分割や返済開始のタイミングも金融機関によってさまざまなため、よく確認することが必要です。
このように、新築住宅を建てる際には複数のローンを組むことが多く、自分だけで資金計画を立てるのはとても大変です。
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これまでに数々の住宅プランを提案してきたコーディネーターが、あなたの条件にマッチしたハウスメーカーや工務店を最大5社ピックアップするので、「店舗併用がいい」「ビルトインガレージがほしい」といった特殊なこだわりがある場合にも、スムーズなプランニングが叶います。
3.注文住宅にかかる費用
注文住宅を建築する際にかかる費用は、「本体工事費+その他工事費(附帯工事費)+諸費用」です。
それぞれを詳しく見ていきましょう。
3-1.本体工事費
総予算の大部分を占めるのが本体工事費です。注文住宅の本体工事費は、いわゆる「建築費」と呼ばれるもので、1,500万~3,500万円が一番多い価格帯です。
本体工事費の主な内容は、仮設、基礎、構造体、屋根、内装、仕上げ、設備などです。
3-2.その他工事費(附帯工事費)
その他工事費は、附帯工事費と呼ばれており、家の建築以外に必要な工事費用です。
かかる金額はケースバイケースなので、以下の表でざっくり確認しておきましょう。
費用項目 | 必須 | 内容 |
---|---|---|
外構工事費 | 〇 | 門柱、柵、駐車場の舗装、庭など。 外構工事の専門企業に別で依頼することもできるが、ハウスメーカーにまとめて依頼するとスムーズ。 |
地盤改良費用 | ― | 地盤が強くない場合に必要。工法や建築会社によっても異なる。 |
解体工事費 | ― | 古い家が残っている場合に必要。 立地や構造によって費用は異なる。木造で坪単価3万円~5万円くらいが、木造で坪単価3万円~5万円が目安。 |
3-3.諸費用
設計料をのぞく諸経費の総額は100万~150万円程度が一般的です。
ハウスメーカーによっては、最初に提示される見積概算書に諸費用が含まれていないことがあるので、ここで費用項目を確認しておきましょう。
費用項目 | 必須 | 内容 |
---|---|---|
税金(印紙税、登録免許税) | 〇 | 建築費や不動産評価額によって異なる。 |
登記費用 | 〇 | 登記を依頼する司法書士への報酬。10万~15万円前後。 |
建築確認申請費用 | 〇 | 10万~20万円前後。 |
水道負担金 | ― | 今まで家が建っていなかった土地に建てる場合に水道局等に支払う。金額は市区町村によって異なるが10万~20万円前後。 |
設計料 | ― | 工務店や設計事務所に依頼した場合にかかる。建築費の5~15パーセント程度。 |
地鎮祭や上棟式の費用 | ― | 行なわなくても良い。5万~10万円前後。 |
住宅ローン手数料、保証料 | ― | 金融機関によって異なる。保証料は金利に上乗せする方法と一括で支払う方法がある。 |
火災保険料 | ― | ほとんどの人が新築住宅を建てたときに火災保険に入る。会社によって異なるが、火災や落雷、風災・水災・雪災などの被害に対し適用されることが多い。 |
カーテン、照明、エアコン、家具 | ― | ハウスメーカーに依頼しなくても良いが、まとめて依頼するとスムーズに新生活が始められる。 |
引っ越し代 | 〇 | 新築住宅の引き渡し後、新居へ引っ越す際にかかる。 目安は、5月~2月の通常期、50km未満の距離、夫婦2人で7万円程度。 |
以上が注文住宅にかかる大まかな費用です。
総額で予算オーバーしないように、どのような費用があるのか事前にイメージしておくことが大切です。
「HOME4U 家づくりのとびら」では、厳選されたハウスメーカーに土地探しから間取り図作成、資金計画までまとめて依頼できます。
“実は「建てたあと」にもお金がかかる?”
注文住宅を建てたあと、住宅ローンの返済以外に発生する費用は次のとおりです。
・不動産取得税
土地を買ったり家を建てたりしたとき、1度だけ課税されます。
・固定資産税・都市計画税などの税金
毎年、土地と建物の所有者に対して課税される税金です。
立地や建物の大きさによって異なりますが、一戸建ての場合は年間で10万~15万円程度かかる方が多いです。
・火災保険料・地震保険料
火災保険料は建物の大きさや構造によって異なりますが、年間で1万~2万円程度です。
地震保険に加入するかどうかは任意ですが、災害に備えてできれば加入しておきたいところです。
・建物のメンテナンス費用
建物には10年~15年ごとにメンテナンス費用がかかる可能性があります(外壁・屋根の塗装、水回りのリフォームなど)。
注文住宅では、分譲マンションのように自動的に修繕費用を積立してもらえないので、自分で計画的に積立しておくと安心です。
なお、「住宅借入金等特別控除」(いわゆる住宅ローン控除)の適用が認められた場合は最大13年間、毎年税金が還付されます。
年収や借入額によっても異なりますが、住宅ローン控除で戻ってきた資金で、固定資産税などを支払える人も多いです。
4.満足のいく注文住宅を建てるためのコツと注意点
そもそも、注文住宅は理想の住まいを一から構築するものです。途中で妥協し後悔や失敗のないように、満足できる注文住宅を建てるためのコツや注意点を紹介します。
4-1.スケジュールにゆとりを持つ
家づくりには、上述したようにやらなければならないことが多く、9ヵ月~1年少しの時間がかかります。住み始めたいタイミングから逆算して、ゆとりを持ったスケジュールを組みましょう。検討の時間が足りず「この日までに決めないとならない」となると、土地やプラン選びを妥協してしまうおそれがあります。
また、着工後に想定外の追加工事が発生したり、気象条件によって進行が遅れたりなど、予定が遅れるケースもあるため、十分な余裕が必要です。
4-2.自分に合ったハウスメーカー・工務店を選ぶ
満足のいく注文住宅を建てるには、ハウスメーカー・工務店選びがポイントになります。
先の「1-2.【STEP2】ハウスメーカー選び・土地探し」でも触れているとおり、自分が希望している価格帯や性能が実現できる会社を選ぶことはもちろんですが、担当者の対応や提案力、相性も大切です。以下の3点を見極めましょう。
- コミュニケーションが取りやすいか
- 要望を的確に汲み取ってくれるか
- 誠実に対応してくれるか
4-3.こだわりの優先ポイントを決めておく
注文住宅に後悔しないためには、住まいに対するこだわりについて、優先ポイントを決めておくことが大切です。
優先ポイントを決めていなければ、プランを決める際に話がまとまりません。また、途中で何度も変更する事態に陥ることもあります。
こだわりたいポイントは、家族間でも意見が分かれることも多いです。あらかじめよく話し合い、こだわりたい部分を明確にしてから、ハウスメーカーへ相談しましょう。
4-4.できるだけ予算内に収める
注文住宅は、充実した仕様を選ぼうとすると、追加費用がどんどん増えていくものです。「希望を叶えるためなら」と予算を大きくオーバーすると、住宅ローンの返済が大変になり、後悔のもととなってしまいます。プランを決める際には、予算内に収めることを意識しましょう。
予算を超えた場合には、削れる場所がないか検討することも大切です。設計や内装は、少しの工夫で費用を下げられるため、ハウスメーカーに相談をおすすめします。
4-5.将来を見据えた家づくりをする
家づくりでは、ライフステージを想定していないと、後悔のもとになります。子どもの成長や親の介護などのライフイベントも想定したうえで、間取りやプランを考えましょう。数年後に「ここまで広い子ども部屋は不要だった」「バリアフリーにしておけば良かった」と後悔する方も少なくありません。
また、先々勤務先が変わる可能性もあります。今住みたい家や環境にこだわることも大切ですが、将来についても考えながら家づくりを行なうことも大切です。
どのような間取りが良いかわからない方は、「HOME4U 家づくりのとびら」を活用して、ハウスメーカーにプラン作成を依頼してみましょう。あなたにマッチした工務店やメーカーのうち最大5社から提案を受けられます
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まとめ
注文住宅を建てるまでの流れは次の7ステップで、全体で9ヵ月~1年少しかかるのが一般的です。
【STEP1】予算検討とイメージづくり
【STEP2】ハウスメーカー選び・土地探し
【STEP3】間取りプランの提案と見積もり提示
【STEP4】工事請負契約
【STEP5】詳細打ち合わせ・プランの決定
【STEP6】着工
【STEP7】竣工・引き渡し
注文住宅を建てるには、それぞれのステップで決めなければならないことも多く、同時に住宅ローンの手配も進めていく必要があります。余裕を持ったスケジュールを組み、いつまでに何をしなければならないかをしっかり把握して、家づくりを進めましょう。
家づくりの成功には、ハウスメーカー選びが重要です。じっくり比較・検討して納得のいくハウスメーカーを選び、理想のマイホームを手に入れましょう。
こだわりの間取りで家を建てるなら、実際にハウスメーカーから「間取りプランを提案してもらうこと」が一番です。
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スマホから必要事項を入力するだけで、あなたのご要望に沿ったハウスメーカーを複数社ピックアップ。
気になるハウスメーカーを最大5社までお選びいただくと、【完全無料】で間取りプランを一括依頼することができます。
家を建てる人必見!注文住宅の「いろは」
- ハウスメーカーの坪単価は建築費の目安!計算方法や注意点を解説
- 【全国編】ハウスメーカー・工務店一覧|おすすめ・選び方解説
- ハウスメーカーおすすめ20社の特徴を徹底比較!坪単価や大手・中堅・ローコスト別の一覧表付
- 人気のハウスメーカーおすすめランキング24選!坪単価やアフターサービスを比較
- ハウスメーカーと工務店の違いを徹底解説!注文住宅はどこで建てるべき?
- 注文住宅購入の流れと期間!コツや注意点を押さえて理想の家を手に入れよう
- 注文住宅とは?種類やメリット・デメリット、費用相場を解説
- 家を買うと決めたら?まずやることやベストタイミングを整理しよう
- 注文住宅の間取りを決める6つのポイント&おすすめ間取り実例の解説
- プロが教える「土地」の探し方|理想の土地を選ぶ方法と裏ワザを伝授!
- 平屋と二階建てどっちがいい?選び方や構造別の特徴を解説
- 注文住宅のこだわりを実現させるには?失敗しない家づくりのポイント紹介
- 新築住宅の補助金・減税・優遇措置【2024年まとめ】
- 注文住宅の設備紹介|おすすめ設備の特徴や費用相場
- 家を建てる費用の相場とは?予算ごとの家のイメージと予算・資金計画の立て方を解説!
- 注文住宅の住宅ローン|融資実行日や支払いはいつ?流れを解説
- 家を建てるにはどのくらいの費用がかかる?予算別のプランや建築手順、ローンの組み方を解説
カタログをいっぱい集めたら、
良くわからなくなってしまった
いろんなハウスメーカーの資料やカタログを請求したが、結局どこのハウスメーカーに相談に行けば良いのかわからなくなってしまった。
なかなかモデルハウスに行けず、
時間が経ってしまった
夫婦でモデルハウスに行く時間をなかなか取れず、検討する時間・期間を大幅に取ってしまった。子どもが生まれるまでに入居したかったが、結局間に合わなかった。