家を売る機会は、一生のうちに何度もあることではありません。これから家を売るとなると、わからないことも多いのではないでしょうか?この記事では、家を売る手順に沿って、やるべきことを説明していきます。家を売る際にかかる費用や注意点についてもあわせて解説していきますので、参考にしてください。
<記事のポイント>
本記事の要約:家を売る8つの手順と失敗しないための注意点を徹底解説!
1)家を売るための8つの手順と期間を把握して、家を売るまでのスケジュールを立てましょう。
2)家を売るための諸費用を知って、いつどのくらいの費用が発生するか理解しましょう。
3)注意点を知って失敗しないように家を売りましょう。
家売却の基礎については『家を売る方法』でも解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
1.家を売る8つの手順と期間
家を売るときの手順は、8つのステップを踏みます。手続きの全体像と大まかな期間は次のとおりです。
以下、8つの手順について、それぞれ詳しく解説します。
1-1.家を売る計画を立てる
家というのは大きな財産であるため、思いつきで売るのではなく、事前に売却の情報を集め、しっかり計画を立てておくことが大切です。
住宅ローンが残っている場合には、ローンを完済しなければ売却ができません。売却金額で残りのローンを返済できない場合には、不足分の現金を工面できるかどうか検討する必要があります。
家を買い替える場合には、「売り先行」として売却を先に行うか、「買い先行」として購入を先に行うかを決めなければなりません。「売り先行」では売却金額によって購入物件の予算を決められますが、購入までに仮住まいが必要になることがあります。「買い先行」では予算は決めにくいですが、家に居住したまま物件選びができます。
1-2.査定の準備と依頼
家を売る前提として、まず家の査定をします。家の査定とは、家がいくらで売れそうかを見積もりしてもらうことです。不動産会社に依頼すれば、査定は無料で対応してもらえます。
家を査定する際には、次の書類を用意しておくとスムーズです。
(1) 登記事項証明書
登記簿謄本とも呼ばれるものです。登記事項証明書を見ることで、不動産の詳細がわかります。登記事項証明書は、不動産1個につき600円の手数料を払えば、法務局で取得できます。
(2) 図面
公図、測量図、建物図面といった図面も法務局で取得できますので用意しておきます。
公図、測量図、建物図面も、登記事項証明書と同様に取得の際に手数料がかかります。
(3) 購入時のパンフレットや売買契約書など
家を購入したときに受け取った書類があれば用意しておきます。
インターネットの一括査定を利用する場合には、特に必要書類はありません。物件の所在地とおおよその情報がわかれば見積もりしてもらえます。
家を売るならどこがいいのか不動産会社選びに迷ったときは、一括査定サービスの利用をおすすめします。
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1-3.売却の準備
家の査定額にもとづき再検討した上で、売却を進めることに決めたら、事前にできる準備をします。土地の境界がはっきりしない場合には、隣地の所有者と境界を確認する手続きをし、地積測量図を作っておきます。建物については、インスペクション(建物状況調査)を行っておくのがおすすめです。
1-4.選んだ不動産会社と媒介契約を締結
査定額を参考に、売却を依頼する不動産会社を選びます。不動産会社を選ぶ際には、査定額が高いという理由だけで選ぶのではなく、査定額の根拠をきちんと説明してくれる会社かどうかをチェックします。
売却を依頼する会社とは、媒介契約を締結する必要があります。媒介契約には以下の表のとおり3つの種類があります。
媒介契約の種類 | 一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 |
---|---|---|---|
他社への依頼 | 可 | 不可 | 不可 |
自己発見取引 | 可 | 可 | 不可 |
契約の有効期間 | 制限なし | 3か月以内 | 3か月以内 |
レインズへの登録義務 | 無 | 有(7日以内) | 有(5日以内) |
売主への報告義務 | 無 | 有(2週間に1回以上) | 有(1週間に1回以上) |
1-5.売却活動
売却活動を開始するにあたって、まず売り出し価格を決めます。売り出し価格は査定額と同じでなくても問題ありません。購入希望者が現れたら、値下げ交渉してくる可能性があります。売主としては少しでも高く売れたほうが良いので、査定額よりやや高めに売り出し価格を設定するのが一般的です。
購入希望者が現れたら、内覧の対応をしなければなりません。売り先行の場合には、居住中に内覧を受けることになるため、速やかに対応できるよう準備しておく必要があります。
1-6.売買契約を締結
購入希望者との間で条件交渉が成立すれば、売買契約締結となります。不動産売買では、物件の引き渡しは売買契約の1~2か月後になります。売買契約時には買主から手付金を受け取り、残代金は引き渡しと同時に受け取ることになります。
売買契約の際には、次のような書類が必要になります。
- 本人確認書類(運転免許証など)
- 実印
- 印鑑証明書
- 住民票
- 登記済証または登記識別情報通知書
- 固定資産税の納税通知書または固定資産評価証明書
1-7.家の引き渡し
引き渡し期日には、買主に家の鍵を引き渡し、残代金の支払いを受けます。引き渡しが終われば法務局で家の名義変更(所有権移転登記)を行うため、司法書士に必要書類を渡して手続きしてもらいます。
引き渡し時に住宅ローンを完済した場合には、抵当権抹消登記も必要になります。抵当権抹消登記の必要書類は、事前に金融機関に連絡して準備しておいてもらいます。
1-8.確定申告
家の価格が購入時よりも値上がりしている場合には、譲渡所得税の課税対象となります。この場合には、売却の翌年の2月16日から3月15日の期間中に、確定申告をする必要があります。譲渡所得税については、「2-2.家を売った時にかかる費用」で詳しく説明します。
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2.家を売るときにかかる費用と税金
家を売る際には、さまざまな費用(売却の経費)が発生します。諸費用の主な内訳は以下の通りです。
費用・税金 | 費用の目安 |
---|---|
仲介手数料 (上限) | 売買代金✕3%+6万円 (売買代金400万円超の場合)(消費税別) |
抵当権抹消登記費用 | 登録免許税 : 不動産1個につき1,000円 司法書士報酬 : 2~5万円程度 |
印紙税 | 1通につき10,000円 (1,000万円超5,000万円以下の場合) |
譲渡所得税 (住民税+所得税) |
譲渡所得=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除 (譲渡所得がプラスになる場合のみ課税) (特別控除 : 最高3,000万円) |
固定資産税 都市計画税 |
固定資産税額 = 固定資産税課税標準額 × 税率(1.4%) 都市計画税額 = 都市計画税課税標準額 × 税率(0.3%) 年税額 = 固定資産税額 + 都市計画税額 – 軽減額 |
その他 | 必要書類の取得手数料 引っ越し費用 |
各費用や税金について、ひとつずつ解説していきます。
2-1.仲介手数料
売買仲介の成功報酬として不動産会社に支払うお金です。仲介手数料は、次の表のとおり法律で上限金額が決まっています。なお、以下の金額にプラスして消費税がかかります。
売買代金 | 上限金額 |
---|---|
400万円以下 | 最大18万円 |
400万円超 | 売買代金×3%+6万円 |
平成30年1月の宅建業法の一部改訂により、400万円以下の手数料(現地調査費用込み)は最大18万円に変更となりました。
なお、ここで紹介している手数料は、売主が売却する際に適用される金額です。買主の購入時に必要となる仲介手数料とは異なるためご注意ください。
2-2.抵当権抹消登記費用
住宅ローン返済中の家を売る場合、買主への引き渡し前に抵当権抹消登記が必要です。抵当権抹消登記手続きのために、登録免許税と司法書士報酬がかかります。
登録免許税は不動産1個につき1,000円です。たとえば、建物と土地の両方に抵当権が設定されている場合には2,000円になります。
司法書士報酬は依頼する司法書士によって変わりますが、相場は1.5~5万円程度です。
2-3.印紙税
不動産売買契約書には印紙税がかかります。印紙税とは、売買契約書など、特定の文書に課せられる税金です。そのため、契約金額に応じて定められている印紙税額(本則税率)の収入印紙を貼らなければなりません。
なお印紙税には、平成26年4月1日から令和4年3月31日まで軽減措置が設けられています。不動産売買の契約金額と、それに対する各税率(税額)は次のとおりです。
契約金額 | 本則税率 | 軽減税率 |
---|---|---|
100万円超500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
500万円超1,000万円以下 | 1万円 | 5,000円 |
1,000万円超5,000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
5,000万円超1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
1億円超5億円以下 | 10万円 | 6万円 |
5億円超10億円以下 | 20万円 | 16万円 |
契約書の原本は売主、買主双方の分として2通作成するのが一般的ですが、この場合には2通それぞれに印紙税がかかります。印紙税の負担については明確なルールはありませんが、売主、買主それぞれが1通分ずつ負担するケースが多くなっています。
(4) その他
必要書類の取得手数料(住民票や印鑑証明書は1通300円、登記事項証明書は1通600円)、引っ越し費用などがかかります。
2-4.譲渡所得税
家を売ったことにより売却益が発生している場合には、譲渡所得税の課税対象となるため、確定申告が必要です。売却益が発生している場合とは、以下の式で算出される譲渡所得がプラスになる場合です。
※譲渡価額とは売却価格、取得費とは購入価格、譲渡費用とは売却の経費(仲介手数料など)のことです。
自己が居住していた家を売った場合には、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」(マイホーム特例)により譲渡所得から3,000万円を控除できます。そのため、譲渡所得が発生していても税額が発生しないか少額ですむケースが多くなります。ただし、特例の適用を受けるにも確定申告は必要であるため、忘れずに手続きしてください。
参考:No.3302 マイホームを売ったときの特例(国税庁)
2-5.固定資産税・都市計画税
固定資産税と都市計画税は、その年の1月1日時点の所有者に納税義務があります。そのため、年度の途中で売却した場合は、所有日数分に日割り計算し、精算することになります。
固定資産税は、土地や家屋の価値に応じて課税されます。
また、都市計画税は、道路・公園・下水道整備などの都市計画事業または土地区画整理事業に要する費用に全額が使われている目的税です。都市計画法で定められた市街化区域内に所在する土地や家屋の所有者に、固定資産税とあわせて課税されます。
そして、固定資産税と都市計画税の合計から、減額・減免などの減税額と軽減額を引いた金額が年税額となります。
2-6.その他
そのほかにも、以下のような費用がかかります。
- 必要書類の取得手数料
- 引っ越し費用
また、土地や建物の所有権について相続登記がしていない場合には、さらに登録免許税や司法書士報酬が発生します。
ハウスクリーニングやリフォーム等、状況によっては必要な場合もあるため、費用は余裕をもって準備するようにしましょう。
相続登記の詳しい方法については、以下の関連記事をご参照ください。
3.家を高く売るためにおさえておくべきポイント3つ
家を少しでも高く売るためには、おさえておくべきポイントが3つあります。
売却後に後悔することがないよう、ポイントをしっかりおさえましょう。
3-1.自分主体で動く
家を高く売るためには、自分主体で動くことが大切です。思わぬ不利益を被らないためにも、不動産会社に何もかもお任せしてしまうことは避けましょう。
たとえば、該当地域の相場を自分で調べておけば、かけ離れた買い取り価格を提示してきた不動産会社を断ることができます。売主に知識があれば、騙されるリスクを回避できる可能性は高くなるでしょう。
相場や適正価格を把握するには、一括査定サービスを活用して比較検討する方法がおすすめです。
複数の会社に査定してもらったら、査定額と相場の比較や、不動産会社の売買実績などを確認します。信頼できる不動産会社を見つけることができたら、その後の売却をスムーズに進めることができるでしょう。
一括査定サービスはNTTデータグループが運営する「HOME4U」がおすすめです。大手企業から地元密着型の企業まで、全国2,100社の中から、自分にピッタリの不動産会社を選びましょう。
3-2.売出し価格を高めに設定する
家を売却する際には、売出し価格を相場より少し高めに設定するようにしましょう。
買主から値下げ交渉をされることも想定し、交渉後の最終価格が希望していた価格を下回ることがないように設定しておきましょう。
逆に、値下げ交渉を恐れて高く設定しすぎると、買い手がなかなかつかないという事態を招くことがあります。
不動産会社に相談しつつ、地域の相場や査定額を考慮にいれ、売り出し価格を設定しましょう。
3-3.買い先行にする(住み替えのケース)
住み替えのために家を売却する場合は、買い先行にすることをおすすめします。
先に新居に引っ越すことができれば、2回分の引っ越し費用や家賃を支払う必要がありません。さらに、売却したい家が空き室になることで、広く見せたり、ハウスクリーニングをしてより綺麗に見せることもできます。
ただし、買い先行にする場合は計画性をもって行うことが必要です。売却が完了するまで二重ローンを支払って生活が圧迫されることがないように進めましょう。
4.家を売るときの3つの注意点
ここまで、家を売る手順やかかる費用について説明してきました。最後に家を売る際に特に注意したい点を3つ解説していきますので、参考にしてください。
4-1.家を売るタイミングに注意
時期を選べるようなら、最も家の需要が高まる時期に売却するのがいちばんです。家を購入したい人が増えるのは、新生活が始まる4月の少し前の、2月~3月頃です。この時期に売却が決まるようにするために、12月~1月頃に売却活動を開始するのがおすすめです。
4-2.ローン返済が終わっていない家を売るときの注意点
住宅ローン返済中の家も、売却は可能です。ただし、住宅ローンが残ったまま買主に引き渡すことはできないため、売却代金でローンを完済できることが条件になります。そのため、ローン中の家を売る場合は、査定の段階で売却の可否を判断してから売却手続きを行ってください。
なお、売却代金よりもローン残高が上回る場合でも、差額分の現金を用意してローンを完済すれば、売却は可能です。
4-3.古い家を売るときの注意点
古い家を売る場合、「リフォームしたほうが売れやすいのでは?」と思うこともあるでしょう。リフォームしたほうが内覧時の印象は確かによくなりますが、必ずしもリフォームがおすすめというわけではありません。かかったリフォーム費用を販売価格に上乗せできるとは限らないからです。
家を購入する側の人も、自分で好きなようにリフォームしたいと考えることはあります。迷ったときには、不動産会社と相談しながら決めるのがおすすめです。
まとめ
家を売るための手順についてご理解いただけたでしょうか?
<この記事のおさらい>
本記事の要約:家を売る8つの手順と失敗しないための注意点を徹底解説!
4)家を売るための8つの手順と期間を把握して、家を売るまでのスケジュールを立てましょう。
5)家を売るための諸費用を知って、いつどのくらいの費用が発生するか理解しましょう。
6)注意点を知って失敗しないように家を売りましょう。
多くの方にとって、家を売る機会はそれほど頻繁にあるわけではないと思います。売却手続きを進めようとすると、わからないことだらけで戸惑うことも多いはずです。売却を成功させるためには、細かいことまで信頼して相談できる不動産会社をパートナーとすることが必須と言えます。
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この記事のポイント まとめ
家を売る手順は以下の8つです。
- 家を売る計画を立てる
- 不動産会社に家の査定依頼をする
- 売却の準備
- 選んだ不動産会社と媒介契約を締結
- 売却活動
- 売買契約を締結
- 家の引き渡し
- 確定申告
詳しくは、「1.家を売る8つの手順と期間」をご覧ください。
家を高く売るためにおさえておくべきポイントは以下の3つです。
- 自分主体で動く
- 売り出し価格を高めに設定する
- 買い先行にする
詳しくは、「3.家を高く売るためにおさえておくべきポイント3つ」をご覧ください。
家を売るとき、注意したいのは以下の3つのケースです。
- 家を売る最適なタイミングを調べていない
- ローン返済が終わっていない
- 古い家を売りたい
詳しくは、「4.家を売るときの3つの注意点」をご覧ください。