
一般的に50坪の面積があれば、注文住宅の敷地としてはゆとりがあり、書斎や庭、ガレージ、物置など、それぞれのこだわりを実現することができます。
そこで、この記事では注文住宅で50坪の土地に家を建てる場合の間取りについて説明します。
- 「50坪の土地」の広さとは?どんな家を建てられる?
- 「50坪の土地」に建てられる家の間取り実例と工夫・こだわりポイント
- 50坪の土地に家を建てる際に必要な費用はいくらぐらい?
なお、一般的なファミリー向けの戸建て住宅の広さとして挙げられるのが30坪程度です。
この記事では50坪でおすすめの間取りやさまざまなケースに対応した間取りなども取り上げるので、注文住宅の建築を考えている方や50坪程度の土地に建てる家の間取りを調べている方は必見です。
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全般的な間取りを見たい方は、「注文住宅の間取り」の記事もあわせてごらんください。
Contents
1.「50坪の土地」の広さと建てられる家とは
ここではまず、50坪の土地の広さはどれくらいなのか、建てられる家の大きさや広さはどうなるのかを説明します。間取りを考える前に、50坪の土地の広さについて理解を深めておきましょう。
1-1.「50坪の土地」の広さはどれくらい?
1坪は約3.3平方メートルになるため、50坪の土地であれば、約165平方メートルになります。この面積は、ちょうど体育館のバレーボールのコートの広さ程度です。
また、1坪はおよそ畳2畳分になるため、50坪だと100畳になります。50坪の土地の半分に家を建てたとしても、1階部分全体の広さは約50畳です。50坪の土地があれば、かなり広い家をゆったりと建てられることがわかります。
1-2.「50坪の土地」に建てられる家の条件は?
50坪の土地にどれくらいの大きさの家が建てられるかは、都市計画法で定められた用途地域の建ぺい率と容積率で決まります。
- 建ぺい率
- 土地の面積に対する建物の建築面積の割合
- 容積率
- 土地の面積に対する延床面積の割合
敷地が50坪あれば、2階建てにすれば少なくとも50坪の広さ(延床面積)の家が建てられるだろうと思うかもしれませんが、決してそうとは限りません。
例えば、建ぺい率が60%で容積率が100%の土地である場合、50坪の広さの土地であっても建てられる家は以下のようになります。
容積率:50坪の100% = 50坪
→最大限に活用するなら、 1階部分が30坪+2階の床面積が20坪、もしくは1階・2階部分がともに25坪の2階建てとなる。
建ぺい率と容積率以外にも、「高さ制限」「斜線制限」「日影規制」など土地にはさまざまな規定や条例があります。家を建てる土地を選ぶ際は、広さ以外のポイントもしっかりと調べることが不可欠です。
2.「50坪の土地」に建てる2階建ての家の間取りの考え方
ここでは、実際に50坪の土地にどのくらいの大きさの家が建てられるかを把握するために、一般的な間取りの考え方や間取り例をご紹介します。
同じ50坪の土地であっても、建ぺい率や容積率によって建てられる家の大きさが変わるのは先に説明した通りです。2つのパターンの建ぺい率と容積率を取り上げ、50坪の土地にどのような間取りの家が建てられるのかを見てみましょう。
2-1.【低層住居専用地域など】建ぺい率30%、容積率60%の場合
低層住居専用地域など高級な住宅地では、日当たりなど快適な環境を維持するために、建てられる家の高さや広さに制限が生まれます。
例えば、50坪の土地で建ぺい率が30%、容積率が60%の場合、建てられる家の大きさは1階の床面積が15坪、家全体の延床面積が30坪までです。つまり、平屋だと15坪の広さの家が、2階建てだと30坪の広さの家が建てられることになります。
2階建てで30坪の延床面積の家を建てる場合だと、一般的な玄関やホール、廊下、洗面室の広さであれば、15~20畳程度の広さのLDK、6畳程度の部屋が3つ、水回りや玄関、収納といった間取りを作ることが可能です。
2-2.【一般的な住宅地】建ぺい率50%、容積率100%の場合
一般な住宅地の例として、50坪の土地で建ぺい率が50%、容積率が100%の場合の例を挙げましょう。この場合、建てられる家の大きさは1階の床面積が25坪、延床面積が50坪までです。平屋であれば延床面積が25坪まで、2階建てや3階建てであれば50坪の広さの家が建てられることになります。
2階建てで50坪の延床面積の家を建てる場合だと、20畳程度の広さのLDKと6~8畳程度の部屋4つから成る4LDK の間取りも可能です。3LDKの間取りにする場合だと、それぞれの部屋をより大きくするだけでなく、玄関やホール、廊下、洗面室を広くしたり趣味のスペースを設けたりすることも可能でしょう。
3.【人気のこだわり別】「50坪の土地」の間取り例
次に、50坪の土地に建てる2階建て以外のこだわりの家の代表的間取り例を見てみましょう。バリアフリー住宅としても人気のある平屋やより大きく広い家が実現できる3階建てなど、家の建て方はさまざまです。
それぞれの建て方の特徴や間取りに工夫ポイントなどもご紹介します。こだわりの家を建てたい方は、ぜひこれらの間取りを参考にしてみてください。
3-1.【人気のこだわり1:平屋のバリアフリー住宅】「平屋」を建てる間取り例
近年、家を建てたり購入したりする人の注目や人気が高まっているのが平屋です。平屋には2階建てや3階建てにない「開放感や」や「バリアフリー対応のしやすさ」など多くのメリットがあるため、広い世代から注目を集めています。
平屋の家を建てる場合、ある程度の広さの土地が必要になりますが、50坪の土地であれば十分に実現可能です。ここでは、平屋が向いているおすすめのケースと間取りを見てみましょう。
二世帯住宅のバリアフリー間取り例
平屋の最大のメリットとして挙げられるのが、縦の移動をする「階段」がなく、バリアフリー空間にしやすい点です。小さな子どもと暮らす場合、また親世代と一緒に暮らす二世帯住宅にしたい場合に向いている住居スタイルだと言えるでしょう。
平屋は、隣家が迫っていたり2階や3階建てだったりする場合、日当たりや風通しが悪くなることがあります。そのため、採光や通風を上手に確保することが平屋を建てる際のポイントです。
家をコの字型にしたり中庭やインナーバルコニーを設けたりすると、プライバシーを守りつつ家の中に光や風を取り込むことができます。
平屋は高齢の方、介護が必要な方だけでなく、小さい子どもがいる家庭にも人気です。階段からの落下の心配がなく、家の外と中との行き来がしやすい平屋は誰もが過ごしやすい家だと言えるでしょう。
在宅ワークが多い方、ペットを飼っている方にも人気!
平屋は、在宅ワークが多い場合にもおすすめです。平屋であれば建物自体の高さを自由に決められる場合が多いため、天井の高さを十分に設けた開放感のある空間が作れます。たとえ室内で過ごす時間が多くても、閉塞感を感じることが少なくなるでしょう。
また、どの部屋からでも出入り口さえ作れば、外とつなげることが可能です。作業スペースを離れて息抜きをしたり、庭やデッキなどで気分を変えて仕事をしたりできる点も、平屋のメリットだと言えます。
また、ペットと一緒に快適な生活を楽しみたい方にも、平屋は向いていると言えます。ペットが家の中を行き来する場合でも、階段がないため落下の心配などがなく安心です。また、先の間取りであれば、中庭の一辺を仕切ればそこでペットを遊ばせることもできます。
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3-2.【人気のこだわり2:複数台とめられる駐車場】「駐車場2台以上」の間取り例
複数台とめられる駐車場が可能
50坪の広さの土地があれば、駐車場を2台以上確保することもむずかしくありません。駐車場の設け方は、平置きやビルトインガレージなどさまざまなタイプがありますが、50坪の敷地であれば、平置きで3台分の駐車スペースを確保することも可能です。
今は3台分の駐車スペースが必要ない場合でも、将来を見越して設置しておくのも一つの手です。車を停めていない間は、子どもの遊び場や趣味のスペースにすることもできます。
3-3.【人気のこだわり3:3階建ての家】「3階建て」の間取り例
土地によって建てられる家の大きさが決められていることは先に説明した通りですが、土地によっては家の高さが制限されていることもあるため、3階建てを希望する場合は調査と確認が必須です。
ここでは、50坪の土地に3階建ての家が建てられることを前提とした間取りをご紹介します。
3階建てならリビングは2階がおすすめ
3階建ての家を建てる場合、リビングを2階に設ける間取りがおすすめです。家族が最も集まるリビングを2階にすると、1階の居室にも3階の居室にも移動しやすく、生活動線が確保できるというメリットがあります。
また、敷地に対する家の建て方や隣家との距離にもよりますが、一般的に1階よりも2階のほうが日当たりや風通しが良くなるため、家族が集まって快適に過ごすリビングを作りやすくなると言えるでしょう。
ビルトインガレージを活用する
50坪の土地に3階の家を建てて駐車スペースを設ける場合、敷地にそのまま駐車スペースを設けるだけでなく、1階部分にビルトインガレージを設置する方法もあります。
通常、ビルトインガレージは狭い敷地の有効活用のために取り入れられることが多いですが、敷地の有効活用と同時に、車を守る堅牢な駐車スペースにもなります。また、ガレージとの行き来がしやすくなるため、趣味の時間を充実させることにもつながります。
よって、愛車を風雨や盗難から守る駐車スペースと、十分な延床面積の居室を同時に叶えた間取りを作りたい場合は、ビルトインガレージのある3階建てを検討しても良いでしょう。
エレベーター付きも検討してみる
3階建てを50坪の土地に建てる場合、狭い土地より延床面積の制限が緩くなるため、ホームエレベーターの設置スペースを確保することも可能です。
ホームエレベーターを設置するために必要なスペースは、エレベーターの大きさにもよりますが、1~2坪程度になります。二世帯住宅やバリアフリー住宅として3階建ての住宅を建てる場合、ホームエレベーターがあると便利です。
家を建ててからの設置工事はむずかしくなるため、ホームエレベーターを設置する場合は、間取りの作成時から取り入れるようにしましょう。
3-4.【人気のこだわり4】「南玄関」にしたいときの間取り
日当たりの良さにこだわるなら南玄関がおすすめ
南側に開口部がある土地は日当たりが良く明るいため、注文住宅を建てる土地として人気があります。南側に道路がある場合、家の出入り口となる玄関を道路から最短距離になる南に設けることが多いです。
しかし、南玄関にすると、日当たりの良い場所を玄関に取られてしまうことになります。また、土地の開口部が狭い場合、南側に玄関や駐車スペースを設けてしまうと、1階の部屋の日当たりが悪くなることもあるため注意が必要です。
そのような場合は、2階に家族が集まるリビングを設けるなどの工夫をしてみると良いでしょう。
3-5.【人気のこだわり5:二世帯住宅】完全分離の二世帯住宅の間取り例
二世帯住宅もおすすめ
広さが50坪ある土地に家を建てるのであれば、玄関や水回り、キッチンなどをすべて分けた完全分離の二世帯住宅も無理なく建てることが可能です。
2階建ての二世帯住宅を建てる場合、「家を左右で分ける二世帯分離」と「1階と2階で分ける二世帯分離タイプ」があります。親世帯の上下移動の負担を減らすのであれば、左右に分けるよりも1階と2階で世帯を分ける方が階段を使う頻度が少なくなるので良いでしょう。
1階と2階で世帯を分ける場合、完全分離で玄関も別にすると2階にも玄関を設けることになります。特に問題がなければ、外からだけでなく家の中からでも1階と2階とが行き来できるような間取りにしておくと、将来的な使い勝手も良くなるためおすすめです。
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4.「50坪の土地に建てる家」の建築費用とポイント
最後に、50坪の土地に家を建てる際の建築費用の相場を説明します。家の建築費用は坪単価で算出されることが多いため、延床面積が広くなればなるほど、より高い建築費用が必要になります。
ただし、建築の依頼先や建物の仕様グレードによって坪単価はかなり異なるため、どのくらいの広さの家をどの程度のグレードで建てたいかを前もって明確にしておくことが大切です。予算もはっきりと決めておくほうが良いでしょう。
4-1.「50坪の土地に建てる家」の建築費用の相場
50坪の広さの土地にどれくらいの広さの家を建てるかによって建築費用は変わります。ここでは、建ぺい率50%、容積率100%の土地に延べ床面積50坪の家を建てた場合の建築費用を計算してみましょう。
以下、3つのパターンで50坪の広さの家を建てた場合、家の本体にかかるおおよその費用目安は次の通りです。
- ローコスト建築:約2,000万円
- スタンダード建築:約2,750万円
- ハイスペック建築:約3,500万円
坪単価にすると数十万円の違いであっても、家が広くなると建築費用の差が大きくなります。
家の建築計画を立てる際は、ついグレードの高い仕様や建材にしたくなり、うっかりしていると、予算を大きくオーバーすることにもなりかねません。
4-2.「50坪の土地に建てる家」の費用計画は土地選びと同時がポイント
50坪の土地に家を建てる場合、土地と家の建築にかける費用計画や予算配分が大切です。なぜなら、先に土地を買った場合、土地の購入費用が思ったより高くなってしまい、家にかけられる費用が少なくなってしまうといったことになりかねないからです。
そのような事態に陥らないためには、土地選びとハウスメーカー探しは同時に行うことがおすすめです。
「50坪の土地に建てる家」の費用を考えるとき、資金計画は最も重要なポイントです。
しかし、補助金制度や住宅ローンなど、多くの情報を整理しながら行わなければならないため、自分たちだけで進めるのはとても大変。「やっぱり注文住宅は無理かも…」と思う方も少なくありません。
そんな方におすすめなのが「家づくりのとびら」のサポートサービスです。
まとめ
50坪の広さの土地は、注文住宅の敷地としては広めになります。そのため、上手に活用すれば、一般的な2階建ての家だけでなく、平屋や3階建て、完全分離の二世帯住宅などを建てることも可能です。
理想の家を建てるためには、それぞれの家のパターンに合った間取りを組む必要があります。家族の将来も見越したうえで家の配置や間取りを決めないと、家を建ててから後悔することにもなりかねません。
この記事のポイント まとめ
50坪の土地は、約165平方メートル(100畳程度)。一般的に、ゆったりとした戸建て住宅を建てることができ、さらに庭と駐車場を持つことができる広さです。
50坪の土地に建てられる家の広さは、その土地に定められた「建ぺい率」「容積率」によって異なります。
- 建ぺい率
-
土地の面積に対する建物の建築面積の割合
- 容積率
-
土地の面積に対する延床面積の割合
具体的な計算例は「1-2.「50坪の土地」に建てられる家の条件は?」、2つのケースの間取り例については「2.「50坪の土地」に建てる2階建ての家の間取りの考え方」で解説しています。
50坪の間取りは、自分のこだわりたいポイントに合わせて間取りを考えることができます。まずは「平屋に住みたい」「駐車場は車2台分以上にしたい」「三階建てがいい」などご家族の要望を挙げてみましょう。
実際に50坪の土地に建てる家の間取り例を知りたい方は「3.【人気のこだわり別】「50坪の土地」の間取り例」をご覧ください。
50坪の広さの家を建てる場合、家の本体にかかる費用目安は次の通りです。
- ローコスト建築:約2,000万円
- スタンダード建築:約2,750万円
- ハイスペック建築:約3,500万円
費用目安について、詳細は「4.「50坪の土地に建てる家」の建築費用とポイント」をご参照ください。
また、土地探しから始める場合、並行してハウスメーカー選びを行い、土地と建物にかける費用のバランスを見ながら進めることで、費用計画を崩すことなく、すすめることができます。
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