この記事は
- バリアフリー住宅を検討する際に押さえるべきポイント
- おすすめ間取り例
についてまとめています。
Contents
1. 快適な「バリアフリー住宅」のポイント4つ&おすすめ間取り5選
バリアフリーに適した間取り例を、工夫したポイントと共に解説します。
バリアフリー住宅にするにあたり、気をつけるポイントは下記の4つです。
- 段差を少なくすること
- 手すりなどを設置し、転倒を防ぐこと
- 車椅子が通れるスペースをつくること
- 廊下を少なくする
これらのポイントを踏まえた上で、間取りを考えるとよいでしょう。
動線についてもあわせて解説するので、バリアフリーを検討する際の参考にしてください。
1-1.【平屋29坪】玄関から段差がなく、誰もが暮らしやすい心地よい間取り例
玄関にスロープがあり段差を少なくしたタイプ
ずばり!
おすすめの人 | 車イスの生活を前提に考えている人 |
---|---|
世帯 | 夫婦2人 |
延べ床面積 | 29坪 |
間取り | 平屋3LDK(+ウォークインクローゼット) |
費用 | 約1,500万円 |
車イスで生活することを考えている場合、平屋で玄関に緩やかなスロープを付け、室内にも手すりを設置したり敷居も段差を減らしたりした設計になっています。
またトイレは1坪確保して、車イスでもゆとりのある空間にするとよいでしょう。
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1-2.【平屋26坪】平屋で解決!つまずきリスクを減らした快適空間の間取り例
平屋で階段の上り下りがない平屋タイプ
ずばり!
おすすめの人 | 階段の上り下りが大変な方、老後対策、子育て世帯 |
---|---|
世帯 | 世帯主1人 |
延べ床面積 | 26坪 |
間取り | 平屋2LDK(+ウォークインクローゼット+インナーガレージ) |
費用 | 約1,500万円 |
階段の上り下りがないため、子どもからまでお年寄りまで幅広い年齢層が安全に過ごしやすい間取りです。
特に年齢を重ねると小さな段差でも転びやすくなるため、階段をなくすことで思わぬ怪我を未然に防ぐことができます。
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1-3.【2階建て42坪】車イスでもばっちり!開放感のある広々間取り例
車イスでも動きやすい広めのLDKタイプ
ずばり!
おすすめの人 | 車イスを使われている方、3世代で暮らしたい人 |
---|---|
世帯 | 母+夫婦+子ども1人+犬 |
延べ床面積 | 42坪 |
間取り | 2階建て5LDK(+納戸+シューズクローク+バルコニー) |
費用 | 約1,500万円 |
大きなLDK設計なので車イスでの移動もスムーズです。
狭い空間だと動きづらかったり、転倒してしまったりするリスクが考えられるためゆとりをもった空間づくりを心掛けるとよいでしょう。
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1-4.【2階建て35坪】玄関からすぐに洗面所!自立がしやすい優しさ間取り例
玄関から洗面所が近く、洗濯場所を分けることができる
ずばり!
おすすめの人 | 車イスの方、子育て世帯など |
---|---|
世帯 | 夫婦、子ども2人 |
延べ床面積 | 35坪 |
間取り | 2階建て4LDK(+ランドリールーム+テラス+ウォークインクローゼット) |
費用 | 約2,000万円 |
この物件では、広い間取りながら玄関からすぐにトイレや洗面室に行けるよう設計されています。
またランドリールームを2つ備えることで、平屋でなくても小さなお子様や車イスの方が日常生活を送りやすい環境にすることができます。
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1-5.【2階建て36坪】廊下が少なく、通風も良好!光溢れる爽やかな間取り例
子どもがのびのびと遊べる家
ずばり!
おすすめの人 | 子どもをのびのびと育てたい人、家族に高齢者がいる人 |
---|---|
世帯 | 夫婦 + 子ども2人+祖母 |
延べ床面積 | 36坪 |
間取り | 2階建て4LDK(+畳コーナー+縁側+バルコニー+納戸) |
費用 | 約2,800万円 |
子どもも安心して暮らせるバリアフリー設計の間取りです。
子どもが安全に駆け回れるだけでなく、成長に合わせて仕切りを変更できる子ども部屋を設けています。
階段には手すりを設置することで、転びにくいように設備を整えることができます。
また、全体として段差をほとんど作らないことで、リビングに隣接した縁側にもスムーズな出入りが可能です。
1階は特に通風がよい間取りで、床暖房などを設置することでお風呂から出た後にヒートショックが起きにくい環境にすることも叶います。
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2.バリアフリー住宅の費用相場
この章ではバリアフリー住宅の費用相場に関して、簡単にまとめました。
2-1.バリアフリー物件の費用相場はどのくらい?
バリアフリーな家を建てるおおよその費用相場目安は、3LDKの間取りの場合1,500万~3,000万円です。
また、コストを抑えてバリアフリーの家を建てたい方は、バリアフリー住宅を得意とする業者に相見積もりを依頼しておくとよいでしょう。
見積もり後はそれぞれの業者の見積書を同じ条件で揃えて、比較検討することをおすすめします。
段差の解消工事 | 約2万円 |
---|---|
手すりの設置 | 約3万円~20万円 |
開き戸の引き戸への変更 | 約10万円~20万円 |
手すり付きシステムバスへの 交換 |
約80万円 |
ホームエレベーターの設置 | 約200~350万円 |
※上記はあくまでも目安です。ハウスメーカー・工務店に見積もりを出してもらいましょう。
2-2. 代表的なバリアフリー物件の費用シミュレーション
バリアフリー物件であったとしても、坪単価は物件、ハウスメーカー・工務店によってさまざまです。
ここでは、バリアフリー物件として代表的な平屋35坪の物件を例に取り、バリアフリー設計をした場合を考えます。
費用相場 合計:3,432万円
- 基本工事費:2,100万円
- 付帯工事費(玄関部分の勾配緩和、階段の改良、スロープの取り付け、浴槽のバリアフリー化、手すりの取り付け):450万円
- 外構費(ガレージ、ほか最低限、植栽は除く):200万円
- 設計料、経費:370万円
- 消費税:312万円
※あくまでもシミュレーションです。お住まいの地域の土壌によって変動するのでハウスメーカー・工務店に確認しましょう。
3.バリアフリー住宅でよくある失敗例と失敗しないコツ
ここでは、失敗例と、失敗しないコツを4つ紹介します。
よくある失敗例は下記のとおりです。
- イメージのみで不要な設備をつけてしまった
- 実際に使ってみると使いづらかった
- 寒暖差の対策ができていなかった
- 視力低下に備えていなかった
失敗①. イメージのみで不要な設備をつけてしまった
バリアフリーと言えば「スロープ」など自分のイメージに頼って設備を整えてしまうと、実際はスロープよりも手すりがよかったなど必要な本人に設備が合っていなかったことに気が付く場合があります。
失敗しないコツ:工事をする前に必要な本人へ要望を確認しておく
本当に必要なバリアフリー機能を付けるためには、バリアフリーが必要な本人に動作確認をしてもらうなどをして、何が必要なのかを見極めることが重要です。
ハウスメーカー・工務店の説明を鵜呑みにして、本人への確認を怠ることもあるので注意するようにしましょう。
失敗②. 実際に使ってみると使いづらかった
スロープの高さが急すぎて、一人で登れなかった等、折角設置したのに実際に使ってみると使いづらいバリアフリーになってしまったという失敗はよく見られます。
失敗しないコツ:設置する前に試してみる
例えばスロープの勾配は1/12以下が好ましいと言われていますが、個人差があるため、実際にスロープを車イスで登ってみるなど、設置する前に試してみることが重要です。
失敗③. 寒暖差の対策ができていなかった
目に見えるバリアフリーを気にすることができていても、目に見えない寒暖差について気がつかない失敗はよく起きがちです。
寒暖差は、脳卒中や心筋梗塞になる「ヒートショック」が起きてしまう可能性があります。
失敗しないコツ:部屋ごとの気温差はなくす
家全体の断熱性を上げることや、お風呂に浴室暖房乾燥機を設置することはおすすめです。
ハウスメーカー・工務店によっては24時間家全体を快適に保つシステムを採用している住宅もありますので、相談してみるとよいでしょう。
失敗④. 視力低下に備えていなかった
視力が落ちることを想定していなかったために、階段の段差の境目が分かりづらかったり、ぶつかりやすい間取りになっていたりするなどが後から発覚することがあります。
失敗しないコツ:壁や床、階段の色を異なる色にする
床や壁の色、家具と床の色などを異なる色にしてわかりやすくするなどの対策が必要です。
また、階段の場合はそれぞれの板を交互に異なる色にすると、階段を踏み外す心配がなくなるため安心して上り下りができます。
4.バリアフリー住宅のメリット・デメリット
バリアフリー住宅を建てた際に想定されるメリット・デメリットは、以下のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
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|
メリット・デメリットを踏まえ、本当にその設備が必要なのか見極めて設備や間取りを決めることが大切です。
また、自分たちに合った間取りをHOME4U(ホームフォーユー)間取り作成依頼サービス(無料)を活用して、実際にハウスメーカーからプラン資料を入手、比較検討することがおすすめです。
5.バリアフリーな住宅を建てるのにおすすめのハウスメーカー3つ
バリアフリーな住宅を建てるのにおすすめのハウスメーカー3社の特徴を紹介します。
- ミサワホーム
- 大成建設ハウジング
- ユニバーサルホーム
それぞれについて詳しく紹介します。
5-1.ミサワホーム
ミサワホームは全国的に知名度の高い大手ハウスメーカーの一つです。
歴史が長く、安全性を重視する人におすすめです。
おすすめの住宅商品「MJ Wood 平屋」
「MJ Wood 平屋」は「暮らしやすさ」を追求した商品です。
たとえば生活スペースは1階にし、2階に小屋裏収納をプラスすれば、大容量のものをすっきり収納して1階の生活スペースを広く使うことができます。
出典:ミサワホーム 公式HP
5-2.大成建設ハウジング
大成建設ハウジングでは、30年後も安心して暮らせる家を目指して、長寿命住宅に最適な安心設計を行っています。
大成建設ハウジングの最も大きな特徴は、主要構造部にコンクリートを使用する「パルコン」です。
パルコンは「あらゆる災害から守る、最強の家」として、災害に備えたい方におすすめです。
おすすめの住宅商品「パルコン ユアスタイル」
「パルコン ユアスタイル」にはユニバーサルデザインも組み込むことができるので、水回りのバリアフリーもしっかり実現できます。
▶【大成建設ハウジング】などの住宅プランを複数比較する(無料)
5-3.ユニバーサルホーム
ユニバーサルホームは「ユニバの床」と呼ばれる地熱床システムが特徴のハウスメーカーです。
温水パイプが敷かれていることで実現する床暖房では、冬でも暖かく過ごせるため、ヒートショックなどの恐れがないのが特徴です。
おすすめの住宅商品「ウィズ・ハート」
「ウィズ・ハート」が体現するのは「心地よく支え合う二世帯の家」です。
1階を祖父・祖母の部屋、2階をご自身の家族の居住スペースとすることで、プライベートに配慮したバリアフリー暮らしが実現できます。
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この記事のポイント まとめ
この記事ではバリアフリーに適した間取り例5つを、工夫したポイントと共に解説しています。
1-1.【平屋29坪】玄関から段差がなく、誰もが暮らしやすい心地よい間取り例
1-2.【平屋26坪】平屋で解決!つまずきリスクを減らした快適空間の間取り例
1-3.【2階建て42坪】車イスでもばっちり!開放感のある広々間取り例
バリアフリー物件であったとしても、坪単価は物件、ハウスメーカー・工務店によってさまざまです。
「2. バリアフリー住宅の費用相場」では、バリアフリー物件として代表的な平屋35坪の物件を例に取り、バリアフリー住宅の費用シミュレーションをご紹介しています。
- イメージのみで不要な設備をつけてしまった
- 実際に使ってみると使いづらかった
- 寒暖差の対策ができていなかった
- 視力低下に備えていなかった
「3.バリアフリー住宅を建てる前に!家づくりの失敗例と失敗しないコツ」では、これらの事例からわかる注意点や対策をご紹介しています。
- ミサワホーム
- 大成建設ハウジング
- ユニバーサルホーム
「5.バリアフリーな住宅を建てるのにおすすめのハウスメーカー3つ」では、おすすめの3社とその理由を詳しくお伝えしています。
バリアフリーの注文住宅を建てたい方はこの記事をぜひお役立てください。
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