家事室とは、家事を効率的におこなうために設置されたスペースのことです。家事室を設置することで、さまざまなメリットが得られます。しかしながら、家事室を作る際には、事前に注意点もおさえておかなければなりません。
この記事では、家事室の概要から代表的な間取り、活用方法、注意点を詳しくご紹介します。
- 家事室の特徴や活用方法
- 家事室のメリットやデメリット
- 家事室を作る際におさえておきたいポイント
家事室に興味のある方は、ぜひ最後までご覧いただき、家事室を作る際の参考にしてください。理想の家事室を作ることで、家事の効率が格段にアップすることでしょう。
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Contents
1.家事室とは?
家事室とは、家事を効率的におこなうために設置された部屋のことです。アイロンがけをしたり家計簿をつけたりと、さまざまな用途に使えます。そのため、ユーティリティスペースとも呼ばれます。
一つの部屋を家事室とすることも可能ですが、ランドリールームなどの一角を家事室とするケースが一般的です。注文住宅であれば、ライフスタイルや家事動線を考えて設計することにより、生活の利便性を上げられます。
2.家事室の間取りは?
家事室の間取りには、個室タイプと非個室タイプの2種類があります。間取り図をもとに、それぞれのタイプについて説明しましょう。
2-1.個室タイプの家事室
個室タイプの家事室とは、その名のとおり、家事室が独立しているタイプです。リビングや来客スペースと分けて設置されています。
こちらの間取り図では、パントリーから続くスペースに独立した家事室が設けられています。キッチンの横に設置されており、料理のすき間時間を活用して、家計簿をつけたり趣味の手芸を楽しんだりできるでしょう。
また個室となっているため、リビングや来客スペースから家事室のなかが見えず、生活感が出にくいのが特徴です。使うたびに家事室を片付ける必要がなく、さまざまな作業に集中できます。家族からの視線を遮ることもできるため、忙しい家事の合間に、一人でゆっくりしたいという方にもおすすめです。
ただし個室タイプの家事室は、ある程度のスペースが必要なため、2階建てや広めの建築面積を確保できる場合に適しています。
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2-2.非個室タイプの家事室
非個室タイプの家事室とは、ランドリールームやキッチンの一角に設けられた家事室のことです。
こちらの間取り図では、キッチンの一角に家事室が設けられています。家事動線がよく、料理の合間に家計簿をつけたり書類整理ができたりします。料理が趣味の方や、大家族でキッチンにいる時間が長いという方に適した間取りです。
こちらの間取りは、キッチンからランドリースペースに行く途中の廊下に家事室が設置されています。洗濯物を片付けたり、書類整理をしたりと幅広い用途で利用できます。キッチンに設けられた家事室だと、料理をする人専用になりがちですが、こちらの家事室であれば、家族全員が利用しやすいでしょう。
ほかにもリビングの一角や階段下などのスペースを活用して、家事室を作るのも一つの方法です。空いたスペースに作業台などを設置し、家事室として利用できれば、スペースの有効活用につながります。家事をするためのスペースとしてだけでなく、子どもが本を読んだり遊んだりするスペースとしてもおすすめです。
しかしながら、常に目に入るスペースに家事室がある場合は、整理整頓が欠かせません。共有スペースの一角に家事室を作る場合は、ごちゃごちゃとした見た目にならないように気をつけましょう。
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3.家事室の活用方法
家事室には、さまざまな活用方法があります。主な活用方法は次の4つです。
- ランドリースペース
- パントリー
- 収納・クローゼット
- 作業スペース
次に、それぞれの活用方法についてご紹介しましょう。
3-1.ランドリースペース
家事のなかでも洗濯は、干す、たたむ、しまうまでいくつかの工程を必要とします。手間のかかる家事のため、洗濯が苦手という方は多いことでしょう。
家事室をランドリースペースとして活用することにより、一連の工程にかかる時間を短縮できます。とくに、ランドリースペースの隣に浴室と服を収納するクローゼットがあれば、格段に家事が楽になります。
ランドリースペースがあれば、雨や雪などの天候に影響されず、また時間帯も気にせず洗濯物を干すことが可能です。リビングや寝室に洗濯物を干す必要がなくなるため、家のなかをすっきりと見た目よく整えられます。
室内干しに抵抗があり、普段から外干しのご家庭では、バルコニーに隣接して家事室を設置するのもよいアイデアです。その場合は、脱衣所から服を片付けるクローゼットまでの動線を考えることが重要です。
また、ランドリースペースに作業台を設置しておくと、アイロンがけまで1か所で完結できます。アイロンが必要な服をランドリースペースに一時的に置いておき、すき間時間にまとめてアイロンがけができます。毛布やシーツなど、かさばる洗濯物の一時的な保管場所としてもおすすめです。
家事室の活用方法として、とくにランドリースペースは人気があります。大家族で、洗濯物が多いご家庭は、ランドリースペースの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
3-2.パントリー
家事室を、パントリーとして活用する方法もあります。パントリーとは、キッチン脇に設けられている日用品や保存食の保管場所のことです。ウォークインの個室タイプやキッチンの背面に設置するタイプなど、さまざまなタイプがあるため、家の広さや家族の人数によって適したタイプを選べます。
こまごまとした調味料や保存食、日用品を1か所にまとめて保管することが可能です。キッチンをすっきりと片付けられ、またストック量を把握しやすくなる点がメリットです。無駄な買い物が減り、節約にもつながります。ほかにも災害対策として、保存食の備蓄場所としてもおすすめです。
3-3.収納・クローゼット
家事室を、収納やクローゼットとして活用できます。とくに、これまで各部屋に収納していた衣服を1か所にまとめて収納できるファミリークローゼットやウォークインクローゼットを導入すると、洗濯物の片付けの負担をぐっと軽くすることが可能です。
ただし、浴室からランドリールーム、またランドリームルームからクローゼットまでの場所が離れていると、多くの洗濯物をあちらこちらに運ばなければなりません。そのため、ファミリークローゼットを導入する場合は、脱衣所からファミリークローゼットまでの動線がスムーズになるように設計する必要があります。
3-4.作業スペース
家事室を、作業スペースとして利用する方は多いでしょう。机やカウンターを設置し、自分の好きな本やパソコンを置いて書斎のように活用できます。また、手芸などの趣味の部屋として利用するのもおすすめです。
ほかにも、お気に入りの快適なソファーやテーブルを置けば、自分専用の癒し空間となるでしょう。専用の休憩場所があれば、忙しい家事の合間にほっと一息できリラックスできます。
ここまで、家事室の活用方法をご紹介しました。希望する家事室のある間取りを実現するには、どんなパターンがあって、どんな予算感になるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
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4.家事室を取り入れるメリット
家事室を取り入れるメリットはいくつかありますが、主なメリットは次の3つです。
- 家事の効率が上がる
- リビングやダイニングを綺麗に保てる
- 家事以外にも使える
次に、これらのメリットについて一つずつ解説します。
4-1.家事の効率が上がる
家事室を取り入れる大きなメリットは、家事の効率が上がることです。作業する場所や収納を1か所にまとめられるため、家事動線を短くできます。
家のなかを動き回る必要がなくなり、時間短縮につながるでしょう。作業するための専用の空間があれば、家事の分担もしやすくなります。
4-2.リビングやダイニングを綺麗に保てる
家事室があると、リビングやダイニングを綺麗に保てます。ダイニングテーブルの上でミシンやパソコンを出して作業していると、食事のたびに片付ける必要があります。しかし、家事室があれば使用中の道具を片付ける必要はありません。
これまでリビングやダイニングでおこなっていた作業を家事室でおこなうことで、家族が集うリビングやダイニングを自分好みのおしゃれな空間に仕上げられます。すっきりと片付いたリビングやダイニングで、家族の時間を思う存分楽しめるでしょう。
4-3.家事以外にも使える
家事室を、家事以外にも使える点もメリットの一つです。机や作業台を設けることで、パソコン作業や事務作業を快適におこなえます。
また子どもが宿題をするスペースとして、リモートワークの仕事場としても活用できます。趣味の部屋として利用するのもおすすめです。ものが多くなりがちな趣味であっても、専用のスペースがあれば、家族に遠慮せず趣味に没頭できます。
家事室をスペアの部屋として捉えると、さまざまな活用方法が浮かぶのではないでしょうか。
5.家事室を取り入れるデメリット
家事室にはさまざまなメリットがありますが、同時にデメリットもあるため注意が必要です。家事室を導入する際には、事前にデメリットをおさえておきましょう。主なデメリットは、次の2つです。
- あまり使わなくなる可能性がある
- 建物の面積や予算が大きくなってしまう
次に、それぞれのデメリットについて詳しく解説します。
5-1.あまり使わなくなる可能性がある
家事室のデメリットの一つは、あまり使わなくなる可能性がある点です。子どもが小さいときは、家事室にこもると子どもに目が行き届かなくなるため、家事室を使う機会は少なくなるのが現実でしょう。家事室があっても、結局、子どもがいるリビングやダイニングで家事をすることになります。
おしゃれな家事室がSNSで数多く発信されていますが、どのご家庭にも有効かというと、実際のところそうではありません。家族構成によっては、家事室を設けるよりも浴室やリビング、キッチンより広くしたほうが快適というケースもあります。
子どもが小さいときはスペースとして利用し、子どもが大きくなってから、空いたスペースに家事室を作るという選択もあります。家族の形は時間とともに変わってくるため、今、家事室が必要なのかどうかをよく考えてから家事室を作るかどうかを決めましょう。
5-2.建物の面積や予算が大きくなってしまう
家事室を作る場合、家事室の分だけ建物の面積が大きくなります。建築面積に余裕があればいいのですが、都心部のような狭い土地に家を建てる場合は、建築可能な面積をオーバーしかねません。
また、建築予算が大きくなる点もデメリットです。どうしても家事室を導入したい場合は、予算内で設置できる大きさやタイプのものを選びましょう。
家事室を取り入れるメリットとデメリットが分かりましたね。
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6.家事室を作るならおさえておきたいポイント
家事室を作る場合、次の4つのポイントをおさえる必要があります。
- 動線を考える
- 作業台の広さを確保する
- 換気や除湿を考慮する
- 必要な設備を取り入れる
次に、一つずつ説明しましょう。
6-1.動線を考える
家事室を作る場合は、家事の動線を考えることが重要です。たとえば、ランドリースペースを作る場合は、脱衣所から洋服をクローゼットに片付けるまでの家事動線を検討する必要があります。外干しと部屋干しを併用する場合は、バルコニーに隣接した場所に設置すると便利です。
家事室は、家事を楽にしてくれるスペースです。使いにくい場所に設置すると動線が悪く、結局のところ上手く活用できません。どのような動線なら家事が楽になるのか、イメージしながら、どこに作るのかを決めていきましょう。
6-2.作業台の広さは確保する
家事室でパソコン作業や事務作業をする予定であれば、ある程度の広さの作業台が必要です。またアイロンがけや洗濯物をたたむ際にも、広めの作業台があると便利です。
ただし、あまりにも広すぎると使わないデッドスペースができてしまい、スペースを無駄にしてしまいます。設計する際には、作業をする際にどのくらいの広さが適当なのかを考えましょう。
6-3.換気や除湿を考慮する
家事室に洗濯物を干したり収納したりする場合は、換気や除湿は欠かせません。家事室に湿気がこもると、壁や天井にカビが発生し、悪臭の原因になります。
また、収納している洋服やバック、靴などにもカビが生えやすくなります。家事室を設置する際には、十分な換気システムを取り入れることが大切です。
6-4.必要な設備を取り入れる
家事室をより便利に活用するためには、必要な設備を整えることが必要です。たとえば、クローゼットとして利用する場合は、造作収納やシステム収納があれば、より片付けがしやすくなります。
ランドリースペースとして利用する場合は、室内物干しを設置しておくと、天候に左右されず洗濯物を干せます。室内物干しには、天井埋め込みタイプや壁付けタイプなどさまざまなタイプがあり、スペースの邪魔にならず設置できておすすめです。
また衣類乾燥機があれば、シワになって困るものは室内干しで乾かし、そのほかの衣類は衣類乾燥機を使うなど、衣類に適した乾燥方法で乾かすことが可能です。シワなく服を乾かせれば、アイロンがけの量も少なくなるでしょう。
家事室を作る際には、目的に合った設備を整えることが、家事室を上手に活用するコツです。
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まとめ
家事室は、家事を効率的におこなうスペースです。さまざまな活用方法がありますが、一般的にランドリールームやパントリー、作業室として利用するご家庭が多いでしょう。家事室は家事効率をアップするだけでなく、リビングやダイニングを綺麗に保てるなどさまざまなメリットがあります。
しかし、家事動線を考えて設置しないと、利用しづらく、結局使わなくなりスペースを無駄にしかねません。家事室を作る際には、家事動線を熟考し、使いやすい場所に設置することが大切です。
また必要な設備を整えることで、より利用しやすくなります。家事室を上手に取り入れ、家事の効率アップを図りましょう。
記事を参考に、素敵な家事室のあるマイホームを実現してくださいね。
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