
家を建てる際に、まず必要になるのが家を建てるための土地です。マイホームの新築は、デザインや間取りに目が行きがちですが、土地の選び方で失敗してしまうと、住み始めてから不満がたまり、理想の家とは思えなくなってしまうこともあります。
そのような事態に陥らないためにも、土地の選び方や注意点をしっかりと把握しておくことが大切です。
この記事では、以下の内容について、詳しく解説します。
- 家を建てる土地を探す方法、また選ぶポイントとコツ
- 土地を探す際に決めておくこと、知っておくべき知識
- 土地探しで失敗しないための注意点
家づくりを成功させる土地探しのノウハウを手に入れたい方は、ぜひ参考にしてくださいね。
Contents
1.家を建てる土地を探す前に決めておくこと・知っておくこと
最初に、注文住宅で家を建てる土地を探し始める前に何を決めておく必要があるのか、また土地探しにはどのような基礎知識が必要なのかを説明します。
自分で探す場合であっても、業者や専門家に探してもらう場合であっても、あらかじめ「どのような土地が必要なのかを決めておくこと」や「土地に関する知識を得ておくこと」は必須です。
土地の購入で失敗しないためにも、最初のステップをしっかりと確認しておきましょう。
1-1.土地を探す前に決めておくべき2つのこと
家を建てる土地を探す前に、どのような土地を希望しているのかをしっかりと決めておく必要があります。
土地を選ぶ前に決めておくポイントは、希望する土地のエリアと予算を決めておくこと、土地に求める条件の優先順位を決めることの2つです。
希望する土地は人それぞれですが、上記の2つのポイントは土地探し全体に関連します。それぞれのポイントについて、詳しく見てみましょう。
エリアと予算を決める
土地を探したり選んだりする際に、まず大切になるのが「エリア」と「予算」です。どの辺りの土地を購入したいのか、土地の購入にかけられる予算はいくらぐらいなのかを決めましょう。
なお、土地にかかる費用は土地代以外の手数料や税金が発生するため、注意が必要です。詳細は、関連記事「土地の購入時にかかる費用・税金」をご確認ください。
土地の相場価格や坪単価を調べる際には、「HOME4U 家づくりのとびら」の土地の相場検索ツールをご活用ください。会員登録は無料で、エリア別、沿線別で土地の価格相場検索ができます。
土地の代金を比較する際に指標になるのが、土地の「坪単価」もしくは「平米単価」です。希望するエリアにある土地の坪単価がわかれば、予算内でどれくらいの広さの土地が購入できるかの目安になります。
土地探しにおける坪単価の計算方法や考え方について詳しく知りたい方は、関連記事「土地の坪単価とは」をご参照ください。
土地の条件の優先順位を決める
土地には、一つとして同じものがありません。そのため、土地探しの前に、土地に求める条件の優先順位を決めておくことが大切です。以下のように、家を建てる目的を明確にしたうえで、さらに叶えたい条件を3つ程度に絞り、優先順位をつけましょう。
具体例 | |
---|---|
家を建てる目的 |
|
叶えたい条件 |
|
1-2.土地を探す前に知っておきたい基礎知識
次に、土地を探したり選んだりする際に、知っておくべき土地の基礎知識を説明します。
これらの基礎知識を理解しておかないと、土地選びで失敗する可能性があるだけでなく、不動産会社やハウスメーカーから土地の説明をされたときに「何を言っているのかがわからない‥」といったことになりかねません。
詳しい数値や計算方法を理解したり覚えたりする必要はありませんが、大体の言葉の意味と基準、また簡単な計算式を把握しておくと良いでしょう。
土地の「用途地域」
用途地域とは、「都市計画法」に基づいて、人が特に多く生活している市街化区域内にある土地を「住居系」や「商業系」「工業系」といった建てる建物の用途に応じてエリアを分けるために定められているものです。
用途地域が定められていることで、静かな住宅地に商業施設や工場などが建てられないように制限されています。逆に、現在は商業施設や工場が立てられていなくても、用途地域で建築可能であれば、将来建てられる可能性は否定できません。
一方で、商業系の地域や一部を除く工業系の地域に低層住宅を建てることは可能です。家を建てる土地の周囲にどんな環境を求めるかによって、用途地域を選ぶと良いでしょう。
また、用途地域によって、以下でご説明する「建ぺい率」と「容積率」などの建築する建物への制限も生まれるため、土地選びをする際に非常に重要な項目となります。
土地の用途地域 一覧
用途地域 | それぞれの目的・建てられる建物の種類 |
---|---|
第一種低層住居専用地域 | 低層住宅のための地域です。小規模なお店や事務所を兼ねた住宅、小中学校などが建てられます。 |
第二種低層住居専用地域 | 主に低層住宅のための地域です。小中学校などのほか、150平米までの一定のお店などが建てられます。 |
第一種中高層住居専用地域 | 中高層住宅のための地域です。病院、大学、500平米までの一定のお店などが建てられます。 |
第二種中高層住居専用地域 | 主に中高層住宅のための地域です。病院、大学などのほか、1,500平米までの一定のお店や事務所など必要な利便施設が建てられます。 |
第一種住居地域 | 住居の環境を守るための地域です。3,000平米までの店舗、事務所、ホテルなどは建てられます。 |
第二種住居地域 | 主に住居の環境を守るための地域です。店舗、事務所、ホテル、カラオケボックスなどは建てられます。 |
準住居地域 | 道路の沿道において、自動車関連施設などの立地と、これと調和した住居の環境を保護するための地域です。 |
田園住居地域 | 農業と調和した低層住宅の環境を守るための地域です。住宅に加え、農産物の直売所などが建てられます。 |
近隣商業地域 | まわりの住民が日用品の買い物などをするための地域です。住宅や店舗のほかに、小規模の工場も建てられます。 |
商業地域 | 銀行、映画館、飲食店、百貨店などが集まる地域です。住宅や小規模の工場も建てられます。 |
準工業地域 | 主に軽工業の工場やサービス施設等が立地する地域です。危険性、環境悪化が大きい工場のほかは、ほとんど建てられます。 |
工業地域 | どんな工場でも建てられる地域です。住宅やお店は建てられますが、学校、病院、ホテルなどは建てられません。 |
工業専用地域 | 工場のための地域です。どんな工場でも建てられますが、住宅、お店、学校、病院、ホテルなどは建てられません。 |
引用・参照:国土交通省「用途地域」
「建ぺい率」と「容積率」
- 建ぺい率
-
建物の敷地となる土地の面積に対して何割の面積まで建物が建てられるかを定めたものです。敷地いっぱいに建物が建てられると、建物同士が密集して生活環境が悪くなったり火事が起きた際に延焼しやすくなったりするため、建ぺい率の制限があります。
- 容積率
-
土地の面積に対する建物の建てられる建物の延べ床面積の割合を定めたものです。2階建て以上の建物にも適用されるため、100%を超える容積率もあります。
建物の高さなどの「建築制限」
土地には、建ぺい率や容積率のほかにも、さまざまな建築制限があります。例えば、建物の絶対的な高さや、道路や隣家の日当たりを確保するための道路斜線制限や隣地斜線制限などです。これらの制限は、土地によって異なります。
また、接道義務にも注意が必要です。現在の建築基準法では、建物を建てる土地は、原則として幅が4m以上の道路に2m以上接していないといけません。この接道義務を満たしていない土地の場合、建物を建てたり建て替えたりできない場合があります。古家付きの土地を購入する際には気を付けましょう。
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2.土地を探す方法とそれぞれの流れ。メリット・デメリットは?
次に、土地を探す方法とそれぞれの手順、メリット・デメリットを説明します。
土地探しには以下の5つの方法がありますが、正解が決まっているわけではありません。大切なのは、自分に合った探し方を見つけることです。
土地探しの選択肢が多ければ、それだけ希望の土地が見つかる可能性も高くなります。どのような土地の探し方があるのかを知ったうえで、上手に活用していきましょう。
また、土地選びを含めて、マイホームの新築にかかる全体の流れを知りたい方は、「土地購入ありのマイホームを建てる流れ」の記事も合わせてご参照ください。
2-1.不動産会社に依頼する
土地を探す際に、まず不動産会社を訪れる方も多いことでしょう。土地や家といった不動産売買の専門家と言えば、不動産会社を思い浮かべるからです。
しかし、不動産会社に土地探しを依頼する場合は、どの不動産会社に頼むかが重要なポイントになります。なぜなら、不動産会社によっては、土地の売買を得意としていないところもあるため、土地に関する十分な情報を持っていないこともあるからです。
土地を得意としていない不動産会社であっても、土地探しの依頼を断ることはまずありません。そのため、不動産会社に土地探しを依頼する場合は、まず不動産会社を調べる必要があります。
土地探しを不動産会社に依頼する際は、土地の売買を得意とし、希望するエリアの情報に精通している不動産会社を選ぶようにしましょう。
2-2.現場に足を運んで探す
家を建てたいエリアが近くにある場合は、自分で現地を訪れて土地を探すのも一つの手です。空き地や売り地、古家付きの土地などがないかを調べてみましょう。「これは‥!」と思う土地が見つかれば、近隣の不動産会社に依頼をすれば、情報を教えてもらったり調べてもらったりすることができます。
実際に足を運ぶことにより、街の雰囲気や交通、生活の便などを体感することもできます。ただし、必ず土地が見つかるわけではありません。また、素人では見極められない場合もあります。家を建てたいエリアの下見を兼ねて土地探しをするといったスタンスでいくのがおすすめです。
2-3.インターネットや情報誌で探す
インターネットの不動産情報サイトや不動産会社のホームページ、不動産関連の情報誌などを利用して自分で土地を探す方法もあります。インターネットであげられている情報量は非常に多く、希望の条件に合った土地を手軽に調べることができるため、多くの方が最初に使う方法です。
ただし、インターネットにある情報がすべて最新のものとは限りません。掲載しているサイトによっては、情報の更新が頻繁に行われていない場合もあります。そのため、見つけて問い合わせをした時には、すでに申し込みが入っていたり契約済みだったりすることもあるため注意が必要です。
インターネット上の不動産情報は、希望する土地がいくらぐらいで売りに出されているのかを調べる際に非常に便利な情報源となります。希望するエリアの土地について下調べをしたい時などに、上手に活用しましょう。
2-4.土地検索サイトを利用する
インターネットで売り出ししている土地を探す場合におすすめなのが、NTTデータグループが運営するHOME4Uの「土地の検索サイト」です。エリアや路線、相場価格などから条件を絞って、売り出し中の土地を検索することができます。
掲載されている物件数が多いため、土地探しだけでなく土地の相場を調べる際にも便利です。さらに「2,000万円以下の土地」や「角地の土地」といった特集もあるため、希望条件の土地が見つけやすいでしょう。
2-5.ハウスメーカーに依頼する
ハウスメーカーの中には、注文住宅用の土地を取り扱っているところも多数あります。注文住宅の建築を依頼するハウスメーカーの候補がある場合は、家を建てる土地探しも一緒に依頼するのもおすすめです。
注文住宅を建てるには、土地探しと家の計画を同時に進めなければなりません。別々に進めるとそれだけ手間や時間がかかりますが、ハウスメーカーに土地探しも依頼すると、家の間取りやプランにマッチした土地を見つけてもらえることがあるためおすすめです。
また、ハウスメーカーによっては、決められた期間内にそのハウスメーカーで家を建てるといった条件が付けられた「建築条件付土地」があることもあります。ある程度、家の仕様やプランが決まっていますが、建売よりも自由な家を建てることが可能です。予算を抑えたい場合は、検討してみても良いでしょう。
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3.土地の選び方~5つのチェックポイント~
ここでは、土地を選び際の主なチェックポイント5つを紹介します。いずれも土地を選ぶ際の大切な確認事項ですが、すべてが満点で非の打ちどころのない土地は、そうそう見つかるものではありません。そのため、どのポイントを優先するのか決めておく必要があります。
それぞれのチェックポイントを押さえたうえで、建てたい家のイメージや、新しい家で送りたい生活スタイルにマッチする土地を選びましょう。
3-1.土地の立地
土地の立地とは、どのエリアや地域にあるかだけではありません。以下の項目についても確認しておきましょう。
- 駅やバス停からの距離がどれくらいか
- スーパーマーケットや郵便局、病院といった生活に必要な施設が近くにあるか
- 幼稚園や小学校、公園などが近くにあり子育てがしやすいか
など
さらに、周辺に焼却場や暴力団事務所といった嫌悪施設がないか、交通量の多い幹線道路や高速道路がないか、防犯面で不安のある場所がないかといった点の確認もしておきましょう。
3-2.土地の形と方角
土地の形と方角(向き)も大切なポイントです。一般的に、南向きや東向きの土地は人気があり、坪単価も高くなる傾向にあります。
しかし、北側の土地や広く道路に面していない土地にメリットがないわけではありません。例えば、北側の土地だと、以下のようなメリットがあります。
- 比較的安価で売られている
- 南側の開口部が道路に面していないためプライバシーが守られやすい
- 北側斜線の制限を受けないため、家の外観デザインが自由に決められる
など
あらかじめ考えておいた土地に求める条件の優先順位と照らし合わせながら、土地の形や方角をチェックしましょう。
3-3.土地の高低差
高低差のある土地には、さまざまなケースがあります。それぞれにどのようなリスクがあるかを想定してチェックすることが大切です。
道路よりも低い土地の場合だと、大雨が降った際などに道路から水が流れ込んでくる恐れがあります。もし、道路と同じ高さにするのであれば、盛土工事が必要です。反対に、道路よりも高過ぎる場所にある土地だと、高さによっては擁壁工事が必要になります。
高低差のある土地の購入を検討する場合は、このままの状態で家が建てられるかどうか、家を建てたあとのリスクや不便さがないかどうかをしっかりと確認することが大切です。
3-4.土地の境界線
土地の境界線もしっかりと確認しておくようにしましょう。土地の境界線がはっきりしない土地を購入してしまうと、購入してから隣地の所有者とのトラブルに発展する恐れがあります。塀や垣根などがある場合は、どちらの所有物かも確認しておきましょう。
境界が確定しているかどうかは、登記簿だけでなく確定測量図や現地の境界標で確認することが大切です。もし境界がはっきりしない場合は、売主と隣地の所有者とで境界を確定してもらうようにしましょう。
3-5.災害のリスク
その土地に、災害のリスクがあるかどうかもチェックしましょう。「これまでに浸水や土砂崩れといった災害があったか」、また今後そのような危険があるならば「どの程度の被害が想定されるか」の確認が大切です。
市区町村の窓口やホームページでは、災害に関するハザードマップが公開されています。土地の売買契約を結ぶ前に行われる重要事項説明でも、ハザードマップの添付と説明が義務付けられていますが、購入を検討する段階で調べておくほうが良いのは言うまでもありません。
地震や災害に強いハウスメーカーで家づくりを行いたい方は、以下の関連記事も合わせてご参照ください。
以上が、土地を選ぶ際にチェックしておきたい5つのポイントです。
自分に合ったハウスメーカーを探しつつ、このようなポイントに注意しながら土地を探すことはとても大変なこと。
「注文住宅の知識について整理したい」
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まとめ
理想の家を建てるためには、それにふさわしい土地を選ぶことが大切です。土地の探し方には、不動産会社やハウスメーカーに依頼するほか、自分で探すこともできます。しかし、土地選びにはさまざまな知識が必要です。また、チェックポイントも多数あります。
この記事のポイント まとめ
この記事でご紹介した土地探しの際に確認しておきたいポイントや効果的な探し方、選ぶポイントは以下の通りです。
- 「エリア」と「予算」
- 土地に関する条件の優先順位
- 不動産会社に依頼する
- 現場に足を運んで探す
- インターネットや情報誌で探す
- 土地検索サイトを利用する
- ハウスメーカーに依頼する
チェックポイント | 具体的な内容 |
---|---|
土地の立地 | どのエリアにあるか。アクセス・周囲にある建物や環境も確認しておく。 |
土地の形と方角 | 人気の南向きや東向きの土地は坪単価が高い。何を優先順位とするかを決めておく。 |
土地の高低差 | 道路との高さが異なる場合、盛土工事や擁壁工事が必要になる可能性がある。水害などの被害のリスクもある |
土地の境界線 | 隣人とのトラブルになるリスクがあるため、登記簿だけでなく確定測量図や現地の境界標で確認することが大切 |
災害のリスク | 過去に災害があったかどうか、ハザードマップを確認しておく |
まさかの…土地探しが振り出しに!?
住みたいエリアの条件だけで土地を探していたけど、よくよく建てる家を考えた結果、4人家族の家にするには狭すぎて断念…。