マイホーム新築のために土地を探している方の中には、土地の坪単価が気になる方もいることでしょう。
土地の坪単価は、自分で調べることができます。
家づくりの資金計画を立てるうえで、土地購入費用の目安となるため、事前にチェックしておきましょう。
この記事では、土地の坪単価を「どう調べたらよいのかわからない」という方に向けて、以下の内容を解説します。
- 土地の坪単価とは何か?
- 土地の評価につながる4種の土地価格
- 土地の相場価格の調べ方、また比較する際の注意点やコツ
土地の坪単価に関する知識が深まれば、建築にかけられる費用を算出しやすくなったり、どのエリアが予算に合っているのかがわかりやすくなったりします。
理想の間取りや設備など、マイホームへのこだわりをしっかり反映させるためにも、この記事で土地の坪単価の情報を整理しておきましょう。
土地購入から家づくりを始める方は「土地の探し方」もご覧ください。
Contents
1.注文住宅の土地の坪単価とは
注文住宅で用いられる坪単価という言葉には、2つの意味があります。この記事で説明する土地の坪単価と、家の建築費用を表す坪単価です。この2つの坪単価の意味の違いを理解しておかないと、土地や建築を依頼する住宅メーカーを探す際に混乱することになりかねません。
まず、土地の坪単価の理解を深めるために、建築費用の坪単価の違いや土地の坪単価がどのように決まるかを詳しく見てみましょう。
1-1.注文住宅の建築費用の坪単価との違い
土地の坪単価とは、ある土地の1坪あたりの価格を意味しています。1坪は畳約2枚分の広さで、約3.3平方メートルです。坪単価50万円の場合、「50万円@坪」や「50万円/坪」と表記することもあります。土地の広さはまちまちなので、価格の比較だけでは高いのか安いのかがわかりません。そこで、1坪あたりの額を出して価格の目安にするのです。
これに対して、注文住宅など建築費用の坪単価とは、建物の延べ床面積1坪あたりの工事費用がいくらになるか表した価格になります。例えば、建築費用の坪単価が60万円の場合だと、延べ床面積が40坪の家の建築費用は2,400万円です。
ここがポイント!
プロ・専門家の視点
ただし、ハウスメーカーによって坪単価の内容が異なる場合があります。坪単価を表記する際に、延べ床面積でなく施工床面積を使うところがあるからです。
施工床面積には、ベランダやポーチといった延べ床面積には含まれない面積が入っています。そのため、同じ家の大きさであって延べ床面積より施工床面積のほうが広くなり、坪単価も安くなるのです。ハウスメーカーの比較する際には注意しましょう。
住宅や建物の坪単価について詳しく知りたい方は、「坪単価とは」の記事をご参照ください。
1-2.土地の坪単価と平米単価
「坪」は、昔の単位基準である尺貫法で使われていた面積の単位です。尺貫法は1966年(昭和41年)に廃止されているため、現在では「坪」という単位が正式な取引などで使われることはありません。ただし、不動産業界では慣例的に使われることが多く、坪表記と平米表記が併記されていることは珍しくありません。
平米単価から坪単価を計算する方法
先にも述べた通り、1坪は約3.3平方メートルです。よって、平米単価に3.3を乗じればおおよその坪単価になります。以下の例で考えてみましょう。
100平方メートルは約30.3坪です。1,500万円を30.3坪で割ると、坪単価として約49万5,000円が算出されます。
一方、平米単価は1,500万円を100平方メートルで割るだけなので、平米単価は15万円になります。
1-3.土地坪単価や値段はどのように決まる?
土地の坪単価や値段が決まる要因はさまざまですが、大きく分けると、一般的要因、地域要因、個別的要因になります。
具体的な意味 | |
---|---|
一般的要因 | 社会的要因や経済的要因、行政的要因などです。土地の価格は社会情勢や景気などによって大きく左右されます。 |
地域要因 | その土地がある周辺環境のことです。景観の良さや街の治安、騒音や公害の有無などが挙げられます。 |
個別的要因 | その土地の条件や状態です。方角や開口部の広さ、日当たり、接道している道路の幅などが土地の価格を左右します。 |
これらの要因と次に説明する土地の価格とを基にして、土地の坪単価が決まります。
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2.土地には4つの「価格」がある
土地に定価はありませんが、価値の指標となる4つの価格(実勢価、公示地価、基準地価、路線価)があります。これらの価格と土地の要因、そして売主の個別事情などが相まって決まるのが土地の売出し価格です。
これら4つの価格、それぞれの特徴をまとめたものが次の表です。
特徴 | 実施機関・調査主体 | |
---|---|---|
実勢価 | 実際に不動産市場で取引されている価格 | - |
公示地価 | 地価公示法に基づいて、標準地を毎年鑑定し、公的に発表される土地の価格 | 国土交通省 |
基準地価 | 国土利用計画法に基づいて、基準地を鑑定し、公的に発表される土地の価格 | 都道府県知事 |
路線価 (相続税路線価) (固定資産税路線価) |
税金の計算をする際の算定基準となる土地の価格。その土地が面している道路ごとに定められている | 国税庁 |
ここからはそれぞれの価格について、詳しく解説してきます。
2-1.実勢価
実勢価とは、不動産市場において実際に取引されている価格です。そのため、土地の坪単価や価格を知るために適している価格だと言えるでしょう。
過去の取引事例の成約価格の平均から実勢価を調べることもできますが、おおよその実勢価であれば、公示地価や路線価からも算出することが可能です。
土地のあるエリアや面積にもよりますが、一般的に、実勢価は公示地価の1.1~1.2倍である とされています。そのため、坪単価や価格を知りたい土地に近い公示地価や基準地価を1.1か1.2倍すれば、実勢価の計算が可能です。
また、相続税路線価は公示地価の8割程度、固定資産税評価額は7割程度の価格に定められています。よって、坪単価を調べたい土地の近くに標準地がない場合は、路線価から計算して調べることもできます。
実勢価格 = 公示地価もしくは基準地価× 1.1~1.2
2-2.公示地価
公示地価とは、国土交通省の土地鑑定委員会によって全国に定められた標準地を毎年1月1日に調査し、3月頃に公表される土地の価格です。土地の取引や公共用地の取得、金融機関が担保とする土地の評価、相続税や固定資産税の評価など、さまざまな土地取引の目安として活用されます。
土地取引価格の指標となる公示地価は、国土交通省のホームページにある「土地総合情報システム」か、標準地・基準地検索システム「国土交通省地価公示・都道府県地価調査」で検索可能です。また、公示地価の公表は、全国の主要新聞紙面で行われます。
2-3.基準地価
基準地価が調査され公表される目的は、公示地価と同じ不動産の適正取引のためです。ただし、実施機関は各都道府県で、基準地と呼ばれる地点の価格調査が行われます。調査の時期は7月で、公表されるのは9月です。
基準地価は、公示地価と同様に国土交通省のホームページの「土地総合情報システム」と「国土交通省地価公示・都道府県地価調査」で調べることができます。公示地価も基準地価も、1平方メートルあたりの価格で公表されるため、おおよその坪単価を算出するのであれば、公表価格に3.3を乗じると良いです。
2-4.路線価
路線価とは、国税庁が7月~8月頃に公表する税金を算出する際の基準となる価格です。土地が面している道路ごとに価格が定められているため、路線価と呼ばれています。路線価には「相続税路線価」と「固定資産税路線価」の2つがありますが、一般的に路線価と言えば相続税路線価を指します。
路線価の基準になるのは公示地価です。相続税路線価は公示地価の約8割、固定資産税路線価は約7割に設定されています。どちらの路線価も、国税庁のホームページにある「財産評価基準書 路線価図倍率評価表」で検索可能です。
道路に接している距離が短い土地や道路からの奥行が長い土地は評価額が下がるため、路線価に補正をかけて評価額を算出しなければなりません。また、路線価が定められていないエリアにある土地は、路線価表ではなく評価倍率表を用いて評価します。
以上が土地の4つの価格です。
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3.土地の坪単価や価格の調べ方
ここでは、家を建てたいエリアの土地がいくらぐらいで取引されているのか、自分で坪単価や価格を調べる際の方法を3つ説明します。
- 売り出されている価格から調べる
- 過去の取引事例から調べる
- 「土地の相場検索ツール」を使う
土地は一つとして同じものがないため、正解の価格というものはありません。しかし、目安や相場となる価格は調べることができるため、おおよその坪単価であれば自分で調べることも可能です。
3-1.売り出されている価格から調べる
購入したいエリアにある土地がいくらぐらいかといった相場価格を知るためには、現在、取引されている実勢価を調べると良いでしょう。
ただし、土地や家などの不動産物件情報サイトで調べられるのは、売り出し価格です。売り出し価格は、売主が売却したい希望額の場合が多いため、必ずしもその価格で取引が成立するとは限りません。
実際の取引では、購入希望者からの値下げ交渉が入ることがあるため、売り出し価格よりも成約価格の方が安くなることが一般的です。成約価格がいくらぐらいになるのか、売り出し価格から正確に導き出すのはむずかしいと言えるでしょう。
土地の価格がどのように決まるのかの仕組みについては土地の価格はどうやって調べる?売却や相続など【目的別】で解説します!も参考にしてください。
3-2.過去の取引事例から調べる
実際に取引された成約価格から、土地の坪単価を調べることも可能です。インターネット上では、過去の取引事例が調べられるサイトもあります。
過去の取引事例が調べられるサイト例
- 土地総合情報システム
- レインズ・マーケット・インフォメーション
国土交通省のホームページにある「土地総合情報システム」では、地価公示や都基準地価だけでなく、過去の不動産の取引価格を調べることができます。「不動産取引価格情報検索」で調べたい取引時期、不動産の種別、地域を入力するだけなので簡単です。
「レインズ・マーケット・インフォメーション」は、不動産会社が利用している物件情報システム「レインズ」を運営している不動産流通機構が、一般消費者向けに公開している不動産の取引情報検索サイトです。
こちらのサイトも調べたいエリアや時期から取引事例を調べることができますが、土地のみの情報はありません。そのため、築年数の古い戸建て(古家付き土地)の取引情報を調べて、土地価格の参考にすると良いでしょう。
3-3.「土地の相場検索ツール」を使う
また上記のような無料で相場がわかる検索ツールを利用するのも一つの方法です。大体の相場を理解し、大まかな資金計画を立てる際に活用できるでしょう。ただし、ちゃんとした計画を立てる際には、しっかりと調べることをおすすめします。
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4.土地の坪単価や価格を見る際の注意点
ここでは、土地の坪単価や価格を調べる際や見る際の注意点を3つ説明します。
- 土地には同じものがない
- 安い土地には理由がある
- 土地代金以外にも費用・税金が発生する
以下より詳しくお伝えします。
4-1.土地には同じものがない
土地を探したり坪単価や価格をチェックしたりする際に、常に頭に置いておくべきことは、土地には一つとしてまったく同じものはないということです。 同じ分譲地内にある土地であっても、一つずつ条件が異なります。
そのため、土地の坪単価や価格を見る際には単に高い安いだけでなく、なぜその価格になっているのかを見極めることが大切です。一見、同じような土地であるにもかかわらず、坪単価が違う場合は何らかの理由があります。
4-2.安い土地には理由がある
土地探しをしていると、時折、ほかの土地と比べて坪単価や価格が安い土地が見つかります。価格の安さに惹かれがちですが、安い土地には安いだけの理由があることがほとんどです。具体的には以下のような土地である可能性があります。
- 道路と旗のような形でつながっている「旗竿地」
- 極端に細長いなど形の悪い土地
- 道路との高低差がある土地
- 地盤改良が必要な土地
- 市街化調整区域内に指定されている土地
- 接道義務を満たしていない土地
- 何らかの理由で家の建築や建て直しができない土地
- 事故物件の家を取り壊して更地にした土地
なお、事故物件になった内容によっては、買主に伝える必要がある場合とない場合があるため、気になる場合はきちんと調べるほうが良いでしょう。
4-3.土地代金以外にも費用・税金が発生する
土地の購入時には、土地の代金以外にも費用や税金が発生すること忘れないようにしましょう。土地の坪単価や価格を調べて探す際、土地の予算を目一杯使った物件を探してしまいがちです。しかし、土地購入時の諸費用も含めて検討しておかないと、土地を購入する際に予算が足りなくなってしまいます。
土地を購入する際にかかる諸費用や税金は、土地の価格によって決まることが多いため、あらかじめどれくらいになるかを試算しておくことが可能です。
詳しくは「土地購入時の費用や税金」の記事をご覧ください。
5.土地購入で失敗しないための2つのポイント
最後に、土地購入で失敗しないためのポイントを2つ説明します。土地選びでの失敗は、家づくり全体の失敗にもつながりかねません。しかし、土地選びの失敗に気づくのは、土地を購入後や家と建てた後になることが多いため、注意が必要です。
5-1.土地と建物の予算バランスが大切
注文住宅を建てる土地を選びの際に大切なことは、土地と建物にかける予算のバランスを意識することです。家を建てる土地の場合、土地を購入して終わりではありません。そのため土地に予算をかけすぎると、いざ家を建てる段階になって予算が足りなくなり、思ったような家が建てられないことになってしまいます。
そのような事態に陥らないためにも、予算配分をしっかりとしておくことが大切です。一般的に、土地と建物の予算配分は4:6程度が望ましいとされています。このバランスを踏まえた上で、土地の予算を考えていきましょう。
しかし、家づくりの予算や住宅ローンの借入れをどのように計画すれば良いのか、わからない方や不安を感じる方も多いことでしょう。そのような場合におすすめなのが「注文住宅予算シミュレーション」ツールです。
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5-2.同時にハウスメーカー探しをすること
土地選びで失敗しないためには、土地とハウスメーカーを同時に探すこともポイントです。
なぜなら、土地が決まっても、おおよその予算や家の間取り、広さといった、建てたい家の具体的なイメージがついていないと、「本当にこの土地でいいのかな?」と迷いが生じ、土地の契約に踏み切れないことが多いからです。
土地と同時にハウスメーカーを探しておけば、ハウスメーカーから具体的な住宅プランを提案してもらえるので、「何ができるのかわからないまま自分たちだけで住宅プランを考えないといけない」なんて非効率も避けられます。
しかし、建てたい家の間取りや予算を調べながら、土地を探したり、家を建てるハウスメーカーを探したりするのは、正直、至難の業です。
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まとめ
注文住宅で家を建てる土地探しや土地選びの際には、坪単価や相場価格をあらかじめ調べることが大切です。土地の坪単価の調べるポイントとなるのは、実際に取り引きされている価格である実勢価だと言えます。ただし、土地の価格はさまざまな要因が絡み合って決まるため、正確に把握することは困難です。
また、土地探しとハウスメーカー選びを同時に進めると、土地探しの失敗を回避し、理想の家づくりの成功に近づきます。そのため、土地探しに強いハウスメーカーを選ぶのがおすすめですが、自身で調べるのは限界があります。
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この記事のポイント まとめ
1坪は畳約2枚分、約3.3平方メートルの広さを示し、坪単価はある土地の1坪あたりの価格を意味します。
- 坪単価は昔の単位基準で、不動産業界では慣例的に今も使用されている単位です。正式な取引では使用されません。
- 平米単価も坪単価に並行して使用されている単位です。現在、正式な契約書等では平米単価で記載されます。
- 1坪=約3.3平方メートル。
- 実勢価
- 公示地価
- 基準地価
- 路線価
それぞれの詳細については、「2.土地には4つの「価格」がある」をご参照ください。
- 売り出されている価格から調べる
- 過去の取引事例から調べる
- 無料相談サービスで実勢価格・過去の取引事例を教えてもらう
- 「土地の相場検索ツール」を使う
それぞれの調べ方については「3.土地の坪単価や価格の調べ方」にて詳しく解説しています。