家の印象を決める要素の一つに、シンボルツリーがあります。シンボルツリーを植えるかどうかは自由で、何をどこに植えるかも自由に決められます。
まずはシンボルツリーとは何か、どのようなメリット・デメリットがあるのかを押さえておくと、後悔のない判断ができるでしょう。本記事では、シンボルツリーの概要や注意点を紹介します。
- シンボルツリーのメリット・デメリット
- シンボルツリーにおすすめの樹木
- シンボルツリーを撤去するときのポイント
ぜひ最後まで読んで、シンボルツリーについて検討してみてください。
注文住宅のおすすめ設備について知りたい方は「注文住宅の設備」の記事もご覧ください。
1.シンボルツリーとは?
シンボルツリーとは、家の象徴となる樹木のことです。家を引き立たせたり、家の周りを総合的にデザインしたりして、マイホームをより魅力的に見せられます。視覚的な効果に加えて、安全面や防犯面のメリットもあります。
新築するときや記念日のタイミングで植えることが多く、シンボルツリーの成長とともに思い出を振り返ることや、シンボルツリーの前で家族の写真を撮ることもあるでしょう。年を経るごとに愛着が増し、家族にとって大切な樹木となっていきます。
2.シンボルツリーのメリット
シンボルツリーを植えることによるメリットには、以下の点があります。
- 日除けや風除けになる
- プライバシーを確保できる
- 外観がおしゃれになる
- 樹木によっては火災の延焼防止になる
家をおしゃれに見せる視覚的な効果だけでなく、日差しや風から家を守る、プライバシーを確保するといった機能的な効果もあります。火災が起きた場合にも、延焼を防止してくれるなど、シンボルツリーにはさまざまなメリットがあります。
2-1.日除けや風除けになる
シンボルツリーは日光を和らげ、自然な木陰を作ります。家に夏場の強い日差しや西日が差し込むことを防ぎ、快適さにつながるでしょう。
植物は葉の裏から水分を蒸発させる「蒸散」を行うため、木陰の空気は適度に涼しくなります。加えて、強風のときはシンボルツリーが風を受けてくれるため、風除けの役割も果たします。
こうした効果を狙ってシンボルツリーを植える場合は、それぞれの目的に合った樹木を選ばなければなりません。たとえば、シンボルツリーを日除けにしたい場合は強い日差しを好む樹木を選ぶ必要があります。
風除けにしたい場合は根が深く生える樹木を選び、風を適度に抜いて負担を軽減できるように剪定をしておきましょう。
2-2.プライバシーを確保できる
シンボルツリーによって、家や敷地の中が外部から見えにくくなり、景観を保ったままプライバシーも保てます。門や塀によって内部が見えないようにするには費用がかかり、場合によっては無機質なイメージになってしまうでしょう。
シンボルツリーを目隠しに使うことでナチュラルな印象となり、適度な風通しや開放感を保ちながら、外からの視線を遮断できるのがメリットです。
プライバシーに配慮した注文住宅を検討する際の参考に、以下記事でおすすめの間取りなども紹介しています。
2-3.外観がおしゃれになる
家の周囲にシンボルツリーを植えることで自然な彩りを添えられ、おしゃれな外観になります。家のテイストや外壁の色にマッチした樹木を選ぶことで、建物のよさが引き立つこともあります。
シンボルツリーそのものの美しさはもちろん、花や実、紅葉など、季節による変化もシンボルツリーの楽しみ方の一つです。シンボルツリーのほかに、家の側面方向に植えるサイドツリーやサブツリーを組み合わせてもいいでしょう。
2-4.樹木によっては火災の延焼防止になる
万が一火災が起きた場合に、シンボルツリーが延焼を防いでくれることもあります。これは樹木が水分を含んでいるためです。含まれる水分を表す「含水率」の高いイヌマキやイチョウなどの樹木は、防火林として避難場所に植えられていることも多くあります。
これらの樹木ではなくても、生きている樹木は程度の差はあっても水分を含んでいるため、もしものときに延焼を防止してくれるでしょう。
ここまで、シンボルツリーのメリットをご紹介しましたが、実際に家を建てる際は経験豊富なプロと会話して、庭木やシンボルツリーを決めたいという方もいるのではないでしょうか。
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3.シンボルツリーのデメリット
シンボルツリーを植えることにはさまざまなメリットがありますが、以下のようなデメリットもあります。
- 樹木によっては落葉がある
- 樹木によっては虫がつきやすい
- 隣の家まで枝が伸びる場合がある
- 地下で問題が生じる可能性がある
- リフォームの際に邪魔になる可能性がある
シンボルツリーは成長とともに大きくなり、手入れや掃除が必要となります。さらに、近隣に迷惑をかける事態となる可能性も踏まえて対策を考えておく必要があります。将来リフォームをする場合に、シンボルツリーを撤去しなければならなくなる可能性もゼロではありません。
3-1.樹木によっては落葉がある
樹木には、常緑樹と落葉樹に大きく分類できます。常緑樹は一年を通して緑の葉が生い茂っている一方、落葉樹は秋から冬にかけて葉を落とします。そのため、落ちた葉を掃除しなければなりません。樹木の背が高い場合や風が吹いた場合は、近隣の敷地に落ち葉が入ったり飛んでいってしまったりすることもあるでしょう。
側溝に溜まると水が流れなくなる、詰まるという可能性もあり、近隣からクレームが入る可能性もあります。そのため、シンボルツリーが大きくなりすぎないように剪定をするなどの対策を取る必要があります。
3-2.樹木によっては虫がつきやすい
椿や桜など、虫のつきやすい木もあります。虫がつくと、葉を食べてしまう、病気を発症させてしまうといった被害が発生する可能性もあるため注意しましょう。虫の発生は住人にとっても気持ちのいいものではなく、刺されるなど健康上の被害を受けることもあります。
そのため、シンボルツリーには虫のつきにくいものを選ぶのがおすすめです。虫がつきやすい種類の樹木を植えたい場合は、薬剤を散布するなどの対策をしましょう。
3-3.隣の家まで枝が伸びる場合がある
シンボルツリーは大きく育つものもあり、隣の家の敷地まで伸びてしまうこともあります。景観や日当たりを損ねることや、落ち葉が入ってしまうこともあるため、隣の家まで伸びる前に剪定をしましょう。
シンボルツリーに人気の樹木には、大きく育つものや生育の早いものもあります。育てる手間は少なくても、育ちすぎて近隣の迷惑にならないよう、様子を見ながら手入れすることが大切です。
3-4.地下で問題が生じる可能性がある
シンボルツリーは上に枝が伸びるだけでなく、下に根も伸びるものです。敷地が狭い場合は、地下の排水管や基礎部分に根が入り込んでしまう場合もあります。自分の家の敷地だけでなく、隣の家の敷地に根が入り込み、影響を及ぼすかもしれません。
そのため、庭が小さめの場合は大きくなりにくい樹木を選ぶなど、地下での問題が起こりにくい樹木を選ぶ必要があります。ハウスメーカーや、工務店に相談してみてもいいでしょう。
3-5.リフォームの際に邪魔になる可能性がある
将来的にリフォームしたいと思ったときに、シンボルツリーが邪魔になってしまう可能性もあります。庭を駐車場にする、部屋を増築するという場合には、シンボルツリーを抜かなければなりません。
しかし、樹木を抜くことは簡単ではありません。家を損傷しないように切り倒し、根の処理をするには業者に依頼する必要があります。また、切り倒した樹木を運ぶのも簡単ではありません。長年親しんだシンボルツリーを切り倒す、抜くといった対応を心苦しく感じる人も多いでしょう。
4.シンボルツリーに向いている樹木
シンボルツリーとして植える樹木は自由に選べます。とはいえ、育てやすさやおしゃれな見た目によって、以下の樹木は人気を集めています。
- シマトネリコ
- ドドナエア
- エゴノキ
- オリーブ
- ジューンベリー
庭に緑をプラスしたい、きれいな花を楽しみたいなど、シンボルツリーに求めることは人それぞれです。大きくなりすぎて手入れが大変になることが気になる方もいるでしょう。
以下ではシンボルツリーに向いている樹木を、さまざまな観点から紹介します。シンボルツリーに何を選べばいいかわからない方は、以下を参考にしてみてください。
4-1.おしゃれなシマトネリコ
鮮やかなグリーンがモダンなシマトネリコは、シンボルツリーに人気の高い樹木です。小さく豊富な葉が涼しげな木陰を作ります。日光を好みよく育つため、日当たりのいい南側や西日の強い西側にもおすすめです。
枝が横方向に広がりにくいため、高さに気をつけて剪定すれば近隣への影響も抑えられるでしょう。虫や病気に強く育てやすいですが、温暖な地域が原産であるため、寒冷地では枯れてしまうこともあるため注意が必要です。
4-2.低木のドドナエア
ドドナエアはポップブッシュとも呼ばれ、個性的な樹形がスタイリッシュな樹木です。寒い季節になると緑の葉がワインレッドに変化し、季節の移り変わりを楽しめます。
樹高は3メートル程度になりますが、剪定をすることで低く収められます。常緑樹であるため、葉の色を変えても落ち葉が少なく、掃除などの手間が少ない点も魅力です。
4-3.花が可愛いエゴノキ
下を向いた白い花が可愛いエゴノキは、樹形も美しくシンボルツリーに選ばれることの多い樹木です。秋には黄色や黄褐色に紅葉し、冬には葉を落とす落葉樹です。上品で枝ぶりも美しいため、葉が落ちても美しいシルエットを楽しめます。
直射日光が長時間当たる場所では葉が黄ばみ枯れてきてしまうため、南側や西側を避け、東側や半日陰の環境に植えるといいでしょう。
4-4.花や実を楽しめるジューンベリー
ジューンベリーは6月に真っ赤な実をつけることから、記念樹として植えられることも多い樹木です。春には桜に似た花を咲かせ、秋には鮮やかな紅葉を楽しめるなど、四季折々の表情があります。
果実は赤から黒紫に熟してきた頃が収穫時期で、生食のほかジャムやコンポートにして食べるのもいいでしょう。地面の乾燥に弱いため南側や西側への植えつけは避け、適度な水やりを行います。
4-5.洋風になるオリーブ
オリーブは一年を通して葉の美しさを楽しめる、シンボルツリーに人気の樹木です。表面はスモーキーなグリーン、裏はシルバーと、葉の色が表と裏で異なり、独特の雰囲気があります。
地中海沿岸の暖かい地域が原産で、洋風の家によくマッチします。乾燥に強く育てやすいことや、食用になる実がつくことも魅力です。
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5.シンボルツリーを抜きたくなったら
長年生活するうえで、家のリフォームや庭の工事を行いたいと考えるようになるかもしれません。たとえば、駐車スペースを1台分増やしたい、庭の部分に部屋を増築したいといった場合です。スペースを確保するために、シンボルツリーが邪魔になってしまう場合も考えられます。
以下では、シンボルツリーを抜きたくなったときに、行わなければならないことを紹介します。将来的な可能性を考慮して、シンボルツリーを植えるかどうかを判断しましょう。
5-1.上部だけ処理するのではなく抜根までする
樹木の上部を切り倒しても、根が成長し続けることもあります。切り株の状態にしただけでは、隣の木の養分を吸い取ってしまったり、隣の家の地下に入ってしまったりといったリスクも残ります。
そのため、シンボルツリーを撤去する場合は根の処理も合わせて行わなければなりません。切り株の状態にしたら周辺の土を掘って根を露出させ、残らないように抜く作業が必要のため、時間も体力もかかります。
5-2.難しそうなら業者に依頼する
シンボルツリーの伐採から根の処理までを自分で行うのは大変です。ケガをするリスクもあるため、シンボルツリーの撤去は業者に依頼すると安心です。
伐採した樹木や掘り起こした根の処理も必要であり、運べるように小さくしてゴミに出さなければなりません。大きなのこぎりや、ゴミを運搬する車両が必要になることもあるでしょう。こうした作業も、プロに依頼することでスムーズに進みます。
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まとめ
シンボルツリーは家をおしゃれに見せてくれるだけでなく、機能の面でもメリットがあります。その反面、手入れが必要であり、将来的に問題が生じる可能性もあります。家を象徴するシンボルツリーは、年数を経て大きくなるため、愛着も増すものです。
やむを得ない理由で撤去しなければならなくなる可能性も考慮し、植えるかどうかは慎重に判断しましょう。すでにシンボルツリーがある場合で、デメリットが大きければ、業者に相談することも一つの方法です。
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