住宅ローンの種類一覧│特徴やメリット・デメリットをわかりやすく解説

注文住宅を建てる際に住宅ローンを利用する方は多いですが、住宅ローンは複数の種類があり、人によって最適な組み方は異なります。

中には、2人で借り入れできる「ペアローン」「収入合算」というものもあり、実際に契約する前に、それぞれの住宅ローンの特徴やメリットを理解しておくことが大切です。

この記事でわかること
  • 住宅ローンの種類一覧
  • 金利タイプ・借入先の種類
  • 連帯債務タイプの住宅ローンの種類

住宅ローンを選ぶ際のポイントまでお伝えするので、ぜひ最後までご覧いただき、マイホーム購入のための住宅ローンを組む際にお役立てください。

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住宅ローンを組む際の全体像を把握しておきたい方は「住宅ローンの流れ」もご覧ください。

1.住宅ローンの種類一覧

住宅ローンを選ぶポイントには、金利の種類や借入先、ローンの種類や返済方式などがあります。

それぞれにどのようなものがあるのかは、以下のとおりです。

住宅ローンの種類一覧
金利
  • 変動金利型
  • 固定金利期間選択型
  • 全期間固定金利型
借入先
  • 民間金融機関
  • 公的融資
  • フラット35
夫婦や親子で借りられる住宅ローン
  • ペアローン
  • 収入合算タイプ
  • 親子リレーローン
返済方法
  • 元利均等返済方式
  • 元金均等返済方式

次章より、金利や借入先、ローンの種類や返済方法の具体的な内容について、さらに詳しく見ていきましょう。

2.住宅ローンの「金利」の種類と特徴

住宅ローンにおける金利の種類は、次のとおりです。

住宅ローンの金利の種類
種類 特徴
変動金利型 金利が市場の金利に合わせて変動する
固定金利期間選択型 返済開始から一定期間は固定金利、それ以降は変動金利
全期間固定金利型 返済開始から終了まで金利は一定

以下より、上記3つの金利の種類の特徴とメリット・デメリットを解説します。

2-1.変動金利型

変動金利型のメリット・デメリット
メリット
  • 市場金利が低くなると適用金利も低くなる
  • 返済開始直後の金利が低い
デメリット 市場金利が高くなると適用金利も高くなる

変動金利型は、市場金利の動向に合わせて、適用金利が変動するローンです。
金利の見直しは半年に1回行われます。

変動金利型のメリットは、市場金利が低くなると適用金利も低くなることです。

また、変動金利型では返済開始直後の金利は低めです。
市場金利に変化が少ない場合は、低めの金利が継続されることもメリットといえます。

一方で、市場金利が高くなった場合のリスクも理解しておかなければなりません。

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2-2.固定金利期間選択型

固定金利期間選択型のメリット・デメリット
メリット 金利が変動するリスクがない
デメリット 金利切り替えのタイミングによっては適用金利が上がる

固定金利期間選択型は、固定金利を適用する期間を決められるローンです。
返済直後から一定期間は固定金利であり、それ以降は変動金利が適用されます。

固定金利の期間は3年・5年・7年・10年・15年・20年などから選択可能で、短いほど金利は下がります。

固定金利の期間は、金利が変動するリスクはありません。

引っ越し費用や家具の買い揃えなど、住宅購入当初の支出が落ち着いた頃に金利の低い変動金利に切り替えることで、固定金利と変動金利の両方のメリットを享受できるでしょう。

一方で、固定金利から変動金利へ切り替えるタイミングの市場金利によっては、適用金利が跳ねあがってしまうというリスクもあります。

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2-3.全期間固定金利型

全期間固定金利型のメリット・デメリット
メリット
  • 返済開始時に総返済額がわかるため返済計画を立てやすい
  • 市場金利に左右されない
デメリット 変動金利型と比べ金利が高い傾向にある

全期間固定金利型は、返済開始から終了まで金利が一定のローンです。
全期間の金利があらかじめわかっているため、返済開始時点で総返済額を把握できます。

全期間固定金利型では、予想外に総返済額がかさむことがないため安心です。
そのため、計画的な返済ができるでしょう。

ただし、金利は変動金利型と比べると高くなります。

市場金利が下がった場合も影響を受けないため、高い金利が適用され続けることがある点はデメリットといえます。

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3.住宅ローンの「借入先」の種類と特徴

住宅ローンの主な借入先は、次のとおりです。

住宅ローンの借入先の種類
種類 特徴
民間金融機関
  • 銀行や信用金庫、農協・漁協など
  • 各金融機関が独自の住宅ローンを設定している
公的融資
  • 国や地方自治体など
  • 自治体によって制度が異なり、対象者は限定されていることが多い
フラット35
  • 住宅金融支援機関と民間金融機関が提携して提供する
  • 全期間において固定金利が適用される

上記の分類の中でも、借入先や選択するプランによって住宅ローンの内容は異なります。

以下では、借入先ごとの大まかな特徴や傾向、メリット・デメリットを見ていきましょう。

3-1.民間金融機関

民間金融機関のメリット・デメリット
メリット 選択肢の幅が広い
デメリット
  • 金融機関と保証会社の審査を受ける必要がある
  • 適用金利が市場の影響を受けやすい

住宅ローンを提供している民間金融機関は、銀行や信用金庫、農協・漁協などさまざまです。

それぞれが独自の住宅ローンを用意しているため、幅広い選択肢から自分に合った住宅ローンを選べます。

日頃から使っている銀行で住宅ローンを組むと、金利やサービスの面で特典を受けられることもあります。

民間金融機関で住宅ローンの借入をする場合は、金融機関に加えて保証会社の審査も受けなければなりません。

審査が厳しい場合は、借入を受けられない可能性もあります。
また、適用金利は市場の影響を受けやすく、高めの傾向にあります。

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3-2.公的融資

公的融資のメリット・デメリット
メリット
  • 低所得でも借りやすい
  • 金利が民間金融機関より低い傾向にある
デメリット
  • 対象者が限られている
  • 借入可能金額は低め
  • 年度によって制度そのものがないこともある

公的融資は、国や地方自治体などが提供するローンです。

市場の競争を目的とする民間金融機関と異なり、公的融資は住宅購入の支援が目的です。
そのため、所得が低い方や住宅購入が初めての方も借りやすい優遇措置が設けられています。

金利も民間金融機関に比べると低くなっており、自治体によっては、利息の補填を受けられる住宅ローンもあります。

一方で、公的融資の住宅ローンの対象者は限られている場合が多いです。

民間金融機関に比べると、借入可能な金額が低い場合もあります。

自治体の住宅ローンは、年度によって実施されていない場合や、制度そのものがない場合もあるため注意が必要です。

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3-3.フラット35

フラット35のメリット・デメリット
メリット
  • 返済開始時に返済総額がわかる
  • 民間金融機関でも申し込める
  • 団信加入が任意
  • 民間金融機関ではかかる「保証料」が不要
  • さまざまなニーズに向け金利の引き下げ制度がある
デメリット
  • 他の住宅ローンよりも金利が高め
  • 「融資手数料」の支払いが必要
  • 購入物件に要件がある

フラット35は、国の機関である住宅金融支援機構が民間金融機関と提携して提供する住宅ローンです。

返済の全期間を通して固定金利であるため、返済開始の時点で正確な返済総額を把握できます。

返済期間は21~35年と長期の設定が可能です。
民間金融機関での申し込みや手続きができる利便性の高さも魅力といえます。

民間金融機関の住宅ローンと異なり、契約者が亡くなった場合の返済保証である団信(団体信用生命保険)の加入は、フラット35では任意です。

病歴や健康面の不安がある方は、団信の審査を通過できない場合が少なくありません。
しかし団信への非加入を選べるフラット35なら、より多くの方が融資を受けやすいでしょう。

デメリットは、全期間を通して固定金利であるために、他の住宅ローンよりも金利が高いことです。

また、民間金融機関の住宅ローンでかかる保証料は不要ですが、融資手数料の支払いは必要です。

購入物件にも要件があり、適合しているか調査するための「適合証明手数料」がかかる場合もあります。

なお、フラット35にはさまざまなニーズに対応して金利の引き下げを行う制度があります。

フラット35の主な種類
  • 「フラット35」子育てプラス
  • 「フラット35」S
  • 「フラット35」リノベ
  • 「フラット35」維持保全型

主な種類の特徴を以下より見ていきましょう。

「フラット35」子育てプラス

「フラット35」子育てプラスは、子育て世帯や若年夫婦世帯が「フラット35」を利用する場合に、金利を当初5年間引き下げる制度です。

若年夫婦や子どもが1人の場合は0.25%、子どもが2人の場合は0.5%金利が引き下げられ、子どもの人数が増えるごとに金利の下げ幅が大きくなります。

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「フラット35」S

「フラット35」Sは、省エネルギー性や耐震性、バリアフリー性などを備えた質の高い住宅の購入に対して、金利を当初5年間引き下げる制度です。

省エネルギー設備を備えた住宅に向けた「ZEH」のプランや、一定の技術基準の要件を満たす「プランA」「プランB」があります。

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「フラット35」リノベ

「フラット35」リノベは、中古住宅を購入して要件を満たす内容のリフォームを行うことで、金利を当初5年間引き下げる制度です。

一定の要件を満たすリフォームが行われた中古住宅の購入にも適用されます。

施工されたリフォーム工事の種類や各機能における等級、住宅を維持保全するための措置などによって「プランA」または「プランB」が適用されます。

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「フラット35」維持保全型

「フラット35」維持保全型は、安全に長く住み続けるための要件を満たす住宅を取得する場合に、金利を当初5年間引き下げる制度です。

金利の引き下げ幅は0.25%となっており、新築・中古を問わず活用できます。

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4.夫婦や親子で借りる住宅ローンの種類と特徴

住宅ローンは1人で返済するものだけでなく、夫婦や親子で返済できるものもあります。

夫婦や親子で借りる住宅ローンの種類
種類 特徴
ペアローン 1つの住宅に対して2人が別々のローンを組む
収入合算 家族の収入を合算して連名でローンを組む
親子リレーローン 親子で住宅ローンの返済を引き継ぐ

それぞれのメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。

4-1.ペアローン

ペアローンのメリット・デメリット
メリット
  • 単独ローンよりも高額な借入がしやすい
  • 2人それぞれが住宅ローン控除の対象となる
デメリット
  • 1人の収入が減るともう1人の負担が増える
  • 印紙代や手数料も2本分かかる

ペアローンとは、1つの住宅を購入する際に夫婦や親子などの2人がそれぞれローン契約を結び、返済するものです。

ペアローンの例

5,000万円の住宅ローンを組む

  • 夫…3,000万円を借り入れ
  • 妻…2,000万円を借り入れ

1人だけで借り入れるよりも高額の住宅ローンを組める傾向にあり、2人それぞれが住宅ローン控除を受けられます。

一方で、1人の収入が減ってしまうと、もう1人にかかる負担が増えるデメリットには要注意です。

収入がなくなれば住宅ローン控除も受けられません。
ローンを2本組むため、印紙代や手数料も2本分必要です。

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ペアローンのデメリットとは?夫婦・親子で組める収入合算との違いも解説

4-2.収入合算

収入合算のメリット・デメリット
メリット
  • 単独ローンよりも高額な借入がしやすい
  • ペアローンよりも費用がかからない
デメリット
  • 取り扱う金融機関が少ない
  • 連帯債務者は団信に加入できないことがある

収入合算の住宅ローンは、家族の収入を合算し、連名で審査を受けるものです。

1人での契約よりも多くの借入が見込めます。
1本のローンで済むため、ペアローンよりも費用がかかりません。

なお、収入合算には、「連帯債務型」と「連帯保証型」があります。

収入合算の種類
連帯債務型 連名の家族は連帯債務者となり、契約者と共同で債務を負う
連帯保証型 連名の家族は連帯保証人として、契約者が返済できなくなった場合にのみ返済の責任を負う

収入合算のデメリットは、取り扱う金融機関が少ないことです。

また、連帯債務者は団信に加入できない場合もあります。

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4-3.親子リレーローン

親子リレーローンのメリット・デメリット
メリット
  • 親が高齢でもローンを組みやすい
  • 返済期間を長く設定できるため月々の返済負担を抑えやすい
  • 親子2人ともが住宅ローン控除の対象となる
デメリット
  • 団信は子のみ加入可能なケースが多い
  • みなし贈与として贈与税を納付義務が生じる場合がある

親子リレーローンは、親と子の2人が1つのローンを組み、親が一定期間返済をしたのち、子どもに返済を引き継ぐものです。

親が高齢でもローンを組みやすい点がメリットです。
また、2代にわたるローンで返済期間が長くなるため、月々の負担を抑えられます。

家の持分に合わせて、親子2人ともが住宅ローン控除を受けられる点も魅力です。

一方で、多くの住宅ローンでは、子のみが団信に加入できる傾向にあります。

そのため、団信に加入していない親が返済額を残して亡くなった場合は、残りのローンを子が引き継いで返済しなければなりません。

また、物件の持分と返済の負担割合が異なる場合は、みなし贈与として贈与税を納付しなければならない場合もあります。

例えば、親子リレーローンで物件を購入したにもかかわらず、名義は子のみであるといった場合です。

購入した物件は遺産相続の対象となるため、トラブルとならないよう親族とよく話しておくことも大切です。

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5.住宅ローンの返済方法は主に2種類

住宅ローンの返済方法によって、月々の支払金額や返済総額は変わります。

主な返済方法は次の2つです。

住宅ローンの返済方法の種類
種類 特徴
元利均等返済方式 返済開始から終了まで月々一定の金額を返済
元金均等返済方式 毎月同額の元金と返済残高にかかる金利を返済

それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。

5-1.元利均等返済方式

元利均等返済方式のメリット・デメリット
メリット 返済計画を立てやすい
デメリット 総返済額が増える

元利均等返済方式は、月々の返済金額が一定の返済方式です。

返済金額がずっと同じであるため、返済の計画や見通しを立てやすい点が大きなメリットといえます。

デメリットは、総返済額が増えることです。
毎月一定の返済金額であっても、その内訳である元金と利息の割合は変化します。

返済開始当初は返済額に含まれる利息の割合が高いため、元金の減るペースが遅くなります。
そのため、元金にかかる利息が多くなり、総返済額が増える傾向にあるのです。

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5-2.元金均等返済方式

元金均等返済方式のメリット・デメリット
メリット 月々の返済金額が徐々に少なくなる
デメリット
  • 返済開始当初の利息金額が高い
  • 取り扱う金融機関が少ない

元金均等返済方式は、毎月返済する元金を均等にし、借入残高にかかる利息を足した金額を毎月返済する方式です。

元金が均等に減っていき、それにかかる利息も減るため、月々の返済金額は徐々に少なくなっていきます。

デメリットは、返済開始当初は利息金額が多く、返済金額も高額になることです。

また、元金均等返済方式を取り扱っていない金融機関もあります。
元金均等返済方式を希望する場合は、事前に取り扱っている金融機関を調べておきましょう。

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6.住宅ローンを選ぶ際のポイント

住宅ローンを選ぶ際のポイントイメージ

住宅ローンにはさまざまな種類があり、注目すべきポイントもさまざまです。

住宅ローンの選択に迷う前に、以下のポイントを押さえておきましょう。

住宅ローンを選ぶポイント
  1. 諸費用も含めた総返済額を考える
  2. 自身の借入可能額を把握する
  3. 付帯特典を確認する

住宅購入にかかる費用は、住宅そのものの代金だけではありません。

住宅購入にかかる費用項目例
  • 付帯工事費用
  • 契約にかかる印紙税
  • 融資事務手数料
  • 保証会社を使う場合の保証料

中古物件を購入後リフォームする場合は、さらに費用がかかります。
このほか、登録免許税や司法書士への報酬、火災保険料の支払いが必要な場合もあります。

最終的に総額でいくら必要なのかを把握しておくことが大切です。

なお、一般的に、住宅ローンを組む際は物件価格の20%以上の自己資金があると理想的と言われています。

その上で、住宅購入の頭金や今後のための貯蓄など、活用の仕方をよく考えておきましょう。

住宅ローンの借入希望金額が、実際に借入可能かを調べることも大切です。
住宅ローンを借りて家を買う場合、借入額の目安は「年収の5~6倍」が無理のない範囲であるといわれています。

住宅ローンに付帯する特典も見逃せません。特典の有無や内容は借入先によってさまざまです。
長い返済期間の中で役立つ特典があれば、ぜひ活用しましょう。

まとめ

住宅ローンを選ぶ際に重視したいポイントは、金利や借入先の種類、ローンの方式や返済方法などです。

自身に合った住宅ローンは人それぞれ異なります。

それぞれの特徴やメリット・デメリットを把握し、自分に合った資金計画を立ててくださいね。

時には無料サポートサービスも活用しながら、効率よくプランを考えると、家づくりの時間を一層充実したものにできますよ。

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