大切な家族の一員である猫と暮らすなら、快適に過ごせる住環境を用意してあげたいものです。そのためにも、猫の習性や性格などを正しく把握し、間取りなどに反映させる必要があります。
この記事では、猫を飼う前に把握しておくべき習性や性格やおすすめの間取り例、おすすめハウスメーカーなどについて紹介していきます。
猫が快適に暮らせる家作りをするメリット |
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猫が快適に暮らせる家作りをするデメリット |
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猫と人が快適に暮らせる家づくりにおすすめのハウスメーカーは5章でご紹介しますが、「猫と暮らす家のおすすめハウスメーカー」の記事も合わせて参考にしてください。
Contents
1.猫と暮らす家に必要なポイントは?
大切な猫と人が快適に過ごす家にするには、まず習性や性格について理解して間取りに反映させる必要があります。猫と暮らす家に必要なポイントは次の5つです。
- 防音や脱走への対策
- ひっかき傷がつきにくい建材を使う
- 猫のにおい対策ができる
- 猫の動線が確保されている
- シャンプーしやすい
ここでは、ポイントごとの詳しい内容について確認しましょう。
1-1.防音や脱走への対策
猫は昼間には眠っていることが多く、夜間に活動する「夜行性」と認識している方も多いかもしれません。しかし、実際には「薄明薄暮性」です。
薄明薄暮性とは、主に早朝や夕方などの薄暗い時間帯に活発になる性質を意味します。そのため、明け方や夕方になると部屋中を走り回る猫も多いです。そのため、人が眠っている時間帯の防音や脱走への対策が間取りにも必要といえます。
1-2.ひっかき傷がつきにくい建材を使う
生まれつき狩りを好む猫は、動くものに飛びかかるケースも多いです。結果として、爪で床や壁などに大きな傷をつける場合もあります。
ただし、狩りの本能を抑制してしまうとストレスが溜まり、食欲不振や便秘になったり、攻撃的になったりすることもあります。特に、室内で飼う場合は、遊びのなかでストレス解消できるような間取りやアイテムが必要です。
合わせて「2-5.爪とぎ専用エリアを設けた間取り」の事例もご参照ください。
1-3.猫のにおい対策ができる
本来単独行動を好む猫は縄張り意識が強い動物です。
猫が家の中で自分の縄張りを作れるような環境を設け、「ここは自分の縄張りだ」と認識できる工夫が必要です。そのため、トイレや食事場所を事前に決めて間取りに反映させ、猫が安心して過ごせる空間を作りましょう。また、トイレを設置する場所には換気機能をもたせることで、におい対策にもなります。
猫のトイレについては、「2-3.猫のトイレを工夫した間取り」でもお伝えしています。
1-4.猫の動線が確保されている
猫は他の動物に比べ、体に「必要なもの」と「不要なもの」を仕分けて尿を作る腎臓の機能が低下しやすく、腎不全によって亡くなるケースも多いです。
猫は砂漠や高山といった水の少ない場所に生息している動物です。そのため、少しの水でも生きていけるように腎臓の機能が高くなっていますが、加齢とともに機能が低下しやすいという特徴があります。
腎不全やそのほかの病気を防ぐためにも、家の中には猫が走りまわったり、隠れたりできるキャットウォークや猫専用ドアなどを設置して、ストレスのない家を目指しましょう。
適度な運動ができる環境やスペースを実現する間取りが知りたい方は、「2-1.吹き抜けとキャットウォークが特徴の間取り」をご参照ください。
1-5.シャンプーしやすい
猫との暮らしでは、お部屋のお掃除はもちろんのこと、適度なシャンプーが必要です。しかし、水をかけられることをひどく嫌がる猫も少なくありません。
そこで、洗面台を深くしたり、ドライヤー台など設置したりといった工夫を間取りに反映させれば、シャンプー時の手間を大きく減らせます。また、シャンプーやボディソープなど猫が誤飲しないためにも、浴室への侵入を防ぐことも重要です。
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2.猫との暮らしを快適にするおすすめ間取り5選
猫と暮らす住宅について、次の5つの間取りをおすすめします。
猫の習性や性格を活かした間取りづくりが日々の暮らしを快適にします。ここでは、おすすめの間取りに関する詳しい内容をみていきましょう。
2-1.吹き抜けとキャットウォークが特徴の間取り
居住者の感想 | 日当たりもよく、猫も日向ぼっこができる家になりました。 |
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世帯(想定) | 夫婦+猫1匹 |
坪数 | 24坪 |
間取り | 3LDK |
費用 | 1,500万円 |
猫の快適な暮らしには、十分な「日当たり」が欠かせません。上記のような階段からホールにかけてのスペースが吹き抜けになる間取りであれば、高い採光性を確保できます。
また、さまざまな居住スペースにキャットウォークを設置すれば、室内でもしっかりと運動することが可能です。キャットウォークとは、猫が室内で退屈しないための設備やスペースの総称です。
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2-2.大きな窓で人もペットも自由にくつろげる間取り
居住者の感想 | 6匹の猫がのびのびくつろげる家で大満足です。 |
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世帯(想定) | 夫婦+猫6匹 |
坪数 | 45坪 |
間取り | 2LDK |
費用 | 2,800万円 |
外の景色を楽しめる大きな窓やウッドデッキを設置することで、人もペットも自由にくつろげる空間を確保できます。また、ベランダやバルコニーの手すりを透明なものを選ぶことでも、猫が外の景色を眺めやすくなります。
ただし、縄張り意識が高い猫にとっては、窓から見える景色が気になってしまうケースも少なくありません。その場合は半透明のスクリーンなどを設置すると、開放感を維持しながら自由な空間を確保できます。
2-3.猫のトイレを工夫した間取り
居住者の感想 | 6匹の猫がのびのびくつろげる家で大満足です。 |
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世帯(想定) | 一人暮らし+猫6匹 |
坪数 | 18坪 |
間取り | 1LDK |
費用 | 約1,700万円 |
1階に水回りを集約し、2階を居住スペースにした間取りです。
猫のトイレは砂状のものが多く、少なからず飛び散ります。また、トイレの匂いについて気になるケースも多いでしょう。
そこで、バスルームと人間のトイレが行き来できる間取りにすることで、糞尿の始末やトイレの洗浄などがしやすくなります。また、縄張りの意識が強い猫はトイレに対しても神経質です。エサを食べる場所とトイレを離した方が、猫の情緒の観点からも安定する可能性があります。
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2-4.ぐるりと回廊できる間取り
居住者の感想 | 子猫が元気に走りまわっていて、楽しく暮らせる家になりました。 |
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世帯(想定) | 一人暮らし+猫2匹 |
坪数 | 20坪 |
間取り | 1LDK |
費用 | 1,000万円 |
薄明薄暮性である猫の性質を考慮し「どこまで自由に出入りさせるか」は重要なポイントとなります。あまりにも制限しすぎれば、生まれつき狩りが好きな猫にとって大きなストレスにもなりかねません。
そこでおすすめするのが、回遊できるエリアを設けた間取りです。猫が自由に遊べる部屋を設けなくても、回遊できる動線を作ることで、運動不足を解消できます。
2-5.爪とぎ専用エリアを設けた間取り
出典:セキスイハイム
居住者の感想 | 子猫と子供が元気に走りまわっていて、楽しく暮らせる家になりました。 |
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世帯(想定) | 夫婦+子供1+猫1匹 |
坪数 | 20坪 |
間取り | 3LDK |
費用 | 1,500万円 |
縄張り意識の強い猫は、爪とぎによって肉球にある強い臭腺のニオイをつけたり、爪跡を残したりすることで、自身の存在をアピールします。また、生まれつき狩りが好きな猫は、爪とぎによってするどい爪を維持しているのです。
そこで、お部屋の柱に爪とぎ専用の場所を設けた間取りにすることで、猫のストレス発散につながります。また、事前に麻のロープなどを巻いておけば、壁や家具を守ることも可能です。
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3.猫の習性にあわせた住まいにするための費用相場
3-1.猫の習性にあわせた住まいにするための費用相場
一般的に設置されるケースの多いキャットウォークなどの設備を注文住宅に設置する費用は、約70万〜150万円です。ただし、設置する内容によって大きく異なります。
また、間取りを大きく変更したり、吹き抜けや庭を設けたりする場合も費用は大きくなるため注意が必要です。
3-2.猫の習性にあわせた住まいにするための費用シミュレーション
運動不足や怪我などを防ぐために必要となる費用シミュレーションを紹介します。
キャットウォークの取付費用 | 約5万円 |
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キャットステップの取付費用 | 約10万円 |
ペットドア付き建具の取付費用 | 約10万円 |
出窓の取付費用 | 約50万円 |
より詳しい内容・方法が知りたい方は、「HOME4U 家づくりのとびら」の無料オンライン相談サービスでプロに費用シミュレーションを依頼できます。
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4.失敗例からわかる注意点
4-1.【設備】壁紙の剝がれ
注意点:傷がつきにくい壁紙を貼る
傷がつきにくい加工されたペット対応の壁紙であれば、壁紙の剝がれるのを防ぐことができます。さらに「撥水性が高い」「消臭効果が高い」といった特徴を持つ壁紙もあるため、部屋の用途によって壁紙の選択が可能です。
爪とぎを制限してしまうと猫にとって大きなストレスになります。爪を立てられない壁紙を選ぶ場合は、別途、爪とぎができるスペースを設けてあげましょう。
4-2.【設備】床の傷や汚れ
床のひっかき傷や汚れが目立ってしまう
無垢の木で作った床ですが、ひっかき傷が多く残ってしまいました。さらに、室内にトイレを設置するため、臭いや衛生面も気になりました。
注意点:ペット用のフローリングやフロアマットを選ぶ
ペット用のフローリングやフロアマットを選ぶことで、無垢の木に比べると傷が残りにくくなります。さらに、撥水性が高い種類を選べば、掃除もしやすくなるでしょう。
また、猫が高い場所から飛び降りたり、走り回ったりした際に衝撃を吸収するコルクマットも騒音対策におすすめです。
4-3.【生活面】猫同士が喧嘩をして困る
あとから来た猫と先住猫との相性が悪く困っています
建築の際は猫が1匹しかいませんでした。しかし、その後は猫が増え、相性の良くない猫同士が喧嘩をしてしまい、初めから専用スペースを用意しとけばよかったと思いました。
注意点:猫専用のスペースを事前に確保する
猫は縄張り意識が強く、自分だけの場所や身を隠せる場所を欲しがるものです。特に多頭飼いの場合は個々に安心できるスペースを設けられるよう、キャットウォークに高低差を設けたり、専用の通路や扉を設けたりするようにしてみてください。
さらに、猫専用の通路は一部を迂回させたり、格子戸を設けたりすることで、猫が増えた場合にも対応できます。
5.猫と快適に暮らす家づくりにおすすめのハウスメーカー4つ
猫の特性を生かした、ペットも人も暮らしやすい家づくりにおすすめのハウスメーカーをご紹介します。さらに詳しく知りたい方は「猫と暮らす家のおすすめハウスメーカー」の記事も合わせて参考にしてください。
5-1.大和ハウス工業
大和ハウス工業をおすすめする理由は、大手グループ企業に属する安心感です。1955年創業の歴史ある建築業界最大手の企業であり、これまでに多くの注文住宅を手掛けてきました。多くの実績をもとに、猫の習性や行動に配慮した心地よい住まいを提案してもらえます。
xevoΣ
xevoΣ(ジーヴォシグマ)は、大和ハウス工業の定番のシリーズといえます。xevoΣをおすすめする理由は「天井高の高さ」です。天井高「2m72cm」という高さによって、空間に広がりをもたらします。また、柱が少ない空間は間取りの自由度が高く、猫が快適に暮らせるようにも変更しやすいでしょう。
5-2.ヤマト住建
ヤマト住建は、兵庫県神戸市に本社を置くハウスメーカーです。ヤマト住建をおすすめする理由は、愛犬家住宅コーディネーターが相談に乗ってくれる点です。
犬だけでなく、猫も暮らしやすい住まいづくりをプロの観点からアドバイスしてくれます。
エネージュSGR
「敷地はないけど庭のある家が欲しい」といった希望を叶えてくれるのがエネージュSGRです。エネージュSGRでは屋上に庭園を作れます。
地上の庭にはない高い安全性やプライベート性、開放感などは屋上ならではのメリットといえます。また、愛犬の専門店と共同開発した「屋上プライベートDOG GARDEN」を設置すれば、生まれつき狩りが好きな猫も自然体で過ごすことが可能です。
5-3.アキュラホーム
アキュラホームは、匠の心で建てる完全自由設計の注文住宅を扱うハウスメーカーです。「カンナ社長で検索」のテレビCMで社名を聞いたことがある方も多いでしょう。
そんなアキュラホームをおすすめする理由は、ペットに特化した「ペット達人チーム」がいる点です。さらに「犬チーム」「猫チーム」「小動物チーム」といった専門チームがあり、猫にも家族にも快適な家を提案してもらえます。
超空間の家Neo
超空間の家Neoの特徴は、24時間365日いつでも快適な室温を保てる点です。寒さが苦手な猫にとって、年中一定の温度ですごせる家は快適であるといえます。
また、超空間の家Neoでは30帖の部屋でも無柱で建築可能です。柱をできるかぎり少なくすることで、爪とぎによる住宅のダメージを軽減できます。
▶【アキュラホーム】などの建築プランを比較する
▷アキュラホームの坪単価・口コミはこちら
5-4.積水ハウス
積水ハウスは、販売戸数や売上高において国内トップクラスのハウスメーカーです。積水ハウスをおすすめする理由は、豊富な建築実績による技術力とアフターサポートの充実性です。
創業以来、240万戸以上の住まいづくりを手掛けている積水ハウスは、会社規模も重要なポイントとする方におすすめします。
シャーウッド
シャーウッドは、自然素材のぬくもりと開放感のある空間が特徴の商品です。「大きな窓」「伸びやかな吹き抜け」「陽の光が射し込むスペース」など、猫が快適に暮らすために欠かせない特徴が随所にあります。
さらに、空間性を支える技術「シャーウッド構法」によって家全体の強度を確保し、より強く自由な家づくりの実現が可能です。
▶【積水ハウス】などの建築プランを比較する
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まとめ
ペットの猫とともに暮らす家づくりには、猫の習性を考えた間取りや工夫が必要です。この記事でご紹介した間取りや費用、注意点、おすすめのハウスメーカー・工務店を参考に、ぜひ猫と幸せに暮らせる家づくりを成功させてくださいね。
この記事のポイント
大切な猫と人が快適に過ごす家にするには、まず習性や性格について理解して間取りに反映させる必要があります。
「1.猫と暮らす家に必要なポイントは?」では、猫の習性ごとに、猫と暮らす家に必要なポイント5つをご紹介しています。
「2.猫との暮らしを快適にするおすすめ間取り5選」で、5つの間取りと特徴をご紹介しています。
「3.猫の習性にあわせた住まいにするための費用相場」では、以下の費用について解説しています。
- キャットウォークの取付費用
- キャットステップの取付費用
- ペットドア付き建具の取付費用
- 出窓の取付費用
「4.失敗例からわかる注意点」では壁紙や床の傷やよごれ、臭いや、猫のストレスになってしまった失敗例と、そのための対策までご紹介しています。
「5.猫との暮らしを快適にする注文住宅を探す方におすすめのメーカー4つ」では、おすすすめのハウスメーカー・工務店を4つご紹介しています。
この記事を猫も人も快適に幸せに暮らせる家づくりの参考にしてください。
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