
思い出のつまった実家や相続で得た一戸建てを売却するか悩み、空き家のまま放置している方は少なくないでしょう。
また、「相続したけど売却方法が分からない」「築年数が古く、立地も良くないため売れるか心配」などと不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。
空き家は放置しておけばさまざまな費用が発生するだけでなく、メンテナンスの手間もかかりますので、早期に売却を進めましょう。売却することで、固定資産税などの費用がかからなくなる、管理が不要になるなどのメリットもあります。
空き家を早く、高値で売却するには、
- 空き家の築年数に適した売却方法を選ぶ
- 空き家売却にかかる費用や税金を押さえる
- 空き家売却の注意点を知る
などの知識が大切です。
本記事を参考に空き家の売却を行うことで、初めての売却でも戸惑うことなく、スムーズに進められるようになるでしょう。
- 「家を売りたいけど、どうしたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を
- 「不動産一括査定」なら複数社に査定依頼でき”最高価格”が見つかります
- 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます
1.空き家を売却する3つの方法
空き家を売却する方法は、以下のとおり3つあります。
- 築20年以下の空き家|現状のまま売却する
- 築20年以上の空き家|古家付き土地として売却する
- 築30年以上の空き家|解体して更地にしてから売却する
それぞれ空き家の築年数によって、最適な売却方法は異なります。自身の所有する空き家が、どの方法に向いているのか確認しましょう。
1-1.築20年以下の空き家│現状のまま売却する
築20年以下の空き家であれば、現状のまま売却することで、高値で売れる可能性があります。
空き家の場合、建物としての価値がなくなるとされているのは築20年を経過してからです。なぜなら、国が設けた木造住宅の法定耐用年数が、22年と定められているからです。
そのため、築20年以下であれば、中古住宅としての価値があり、土地だけで販売するよりも高く売れる傾向があります。
また、築20年以上の場合、原則として住宅ローン控除を受けられないため、買手が見つからず売れ残るケースもあります。なので、築年数が浅ければ浅いほど売却に有利になり、高値で売れる可能性があります。
築10年以内の家を探している買手も多く、仮に、現在売却を検討している建物が築10年以下であれば、早めに活動することでより高値での売却が実現するでしょう。
1-2.築20年以上の空き家│古家付き土地として売却する
築20年以上の空き家であれば、古家付き土地として売却する方法もあります。
古家付き土地とは、価値のない古い家が建てられたまま販売されている土地のことを指します。
築20年以上経過した建物には価値がなく、中古住宅として販売してもなかなか買主が現れず売れ残るケースが多いため、建物の維持費がかかってしまいます。
それならば、初めから「土地」を主体として販売した方が、土地を探している方や、できるだけ安価な物件を探している方の目に留まりやすく、早く売却できます。
注意点として、築20年を超えた建物でもリフォームを施している場合は、中古住宅として販売できる可能性が高いです。自身では、古家付き土地として売るのか、中古住宅として売るのか判断することは難しいため、売却を決めたら不動産会社に相談しておくと安心できます。
1-3.築30年以上の空き家│解体して更地にしてから売却する
築30年以上の空き家であれば、解体して更地にしてから売却するほうが、高値で売れる可能性が高いです。
基本的に解体費用は売主負担の場合が多く、買主に費用がかからないことから、古家付き土地よりも買主が見つかりやすい傾向にあります。
また、建物がなくなることで、メンテナンス費用が抑えられて、空き家があることでのトラブルを回避できるので、売主にとってもメリットがあります。
前述したとおり、売主は解体費用を負担するケースが多いです。しかし、売却活動が長引くことでの維持コストや、時間経過による資産価値の低下を考えると、築30年以上の空き家の場合、更地にしてから売却するほうが高値で売れる可能性が高いです。
NTTデータグループが運営する「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」の一括査定サイトは、物件の情報を入力するだけで、時間をかけずに最大6社の不動産会社に査定の依頼ができます。 買取を希望する場合は、備考欄に「買取希望」と入力してください。
2.空き家の売却にかかる費用
空き家の売却にかかる費用は、以下のとおりです。
費用名 | 費用の目安 |
---|---|
仲介手数料 | 売買額×3%+6万円(+消費税) |
測量費用 | 40万円〜50万円程度 |
抵当権抹消費用 | 不動産1件につき1,000円。土地と建物は別の不動産なので、2件分の2,000円 |
専門家報酬 | 5万円〜10万円程度 |
住宅ローン返済手数料 | 5千円〜3万円程度 |
その他の諸費用 | ごみ処分費用 取り壊し費用 遺品整理費用 |
不動産売却価格や住宅ローンなどによって金額は異なるので、スムーズな支払いができるよう把握しておきましょう。
以下、ひとつずつ解説していきます。
2-1.仲介手数料
仲介手数料とは、売買契約の仲介を依頼した不動産会社に、成功報酬として支払う手数料のことです。仲介手数料には、不動産売却において必要な「不動産情報サイトへの掲載」「買主への物件案内」などの費用が含まれます。
また、仲介手数料の上限は法律によって定められており、大抵の場合、上限で請求されます。
以下の表をもとに、不動産会社から提示された仲介手数料が適切かどうか確認してみましょう。
売買価格 | 仲介手数料 |
---|---|
200万円以下の部分 | 売買額×5%(+消費税) |
200万円を超え400万円以下の部分 | 売買額×4%+2万円(+消費税) |
400万円超えの部分 | 売買額×3%+6万円(+消費税) |
2-2.測量費用
測量費用は、40万円〜50万円程度が相場と言われています。
測量費用とは、不動産売買に必要な測量図がないとき、新たに作成する際にかかる費用のことです。
測量図がなくても、登記簿謄本にある土地面積と比較して、買主・売主が互いに合意の上であれば売買を進められます。しかし、境界杭での実測と登記簿謄本の数字に差異がある、または、境界杭が確認できないなどの場合は測量図が必要です。
過去に測量してから長い年月が経っていると、隣地との境界線が曖昧になり、形状や面積が変化して売買価格に影響する場合もあるので、正確な面積を割り出す必要があります。
不動産売却を始めようと思った際に、隣地との境界線が明確でないことが多いため、測量を実施して境界線を確定させてから売却活動を行いましょう。
2-3.抵当権抹消費用
抵当権抹消費用とは、空き家などの不動産に設定されている抵当権を抹消するために必要な費用のことです。
抵当権とは、債務者が住宅ローン契約などでローン返済ができなくなった際のために、家や土地などの不動産を借金の担保として確保する権利のことです。
抵当権が設定された状態だと、原則は不動産を売却できません。そのため、不動産売却を実施する際は、抵当権抹消の手続きは必須と言えます。
抵当権抹消費用は、不動産1件につき1,000円かかります。土地と建物はそれぞれ異なる不動産と判断されるため、2件分の2,000円の費用がかかります。
2-4.専門家報酬
専門家報酬とは、登記を弁護士や司法書士に依頼した際にかかる費用です。
専門家報酬は、事務所やエリアなどによって異なりますが、一般的に5万円〜10万円程度が相場と言われています。
空き家を相続した場合、自身の名義に変更するために、登記の手続きが必要です。不動産の売却ができるのは、原則物件の名義人のみなので、売却前に登記の手続きを行う必要があります。
登記の手続きは、自身でも行えますが、非常に煩雑で手間も時間もかかるため、専門家に依頼した方が早く確実に手続きを進めてくれます。
2-5.住宅ローン返済手数料
住宅ローン返済手数料とは、住宅ローンを繰り上げて完済する際に、銀行や信用金庫などの金融機関に支払う手数料のことです。
返済手数料は、金融機関や借り入れプラン、支払い方法によっても異なりますが、一般的に5千円〜3万円程度が相場と言われています。
主な金融機関ごとの返済手数料の一覧は、以下のとおりです(2023年5月時点)。
金融機関 | インターネット | 窓口 | 電話 |
---|---|---|---|
三菱UFJ銀行 | 16,500円 | 33,000円 | 22,000円(テレビ窓口) |
三井住友銀行 | 5,500円 | 22,000円 | 11,000円(テレビ窓口) |
住信SBIネット銀行 | 変動金利期間中:無料 固定金利特約期間中:33,000円 |
– | 変動金利期間中:無料 固定金利特約期間中:33,000円 |
また、全額返済する場合と、一部を返済する場合とで手数料は異なります。住宅ローンを完済したい場合は、事前に契約している金融機関の公式サイトや、電話などで確認しておきましょう。
2-6その他諸費用
その他の諸費用は、以下のとおりです。
費用名 | 費用の目安 |
---|---|
ごみ処分費用 | 10万円〜30万円程度 |
取り壊し費用 | 木造住宅:4〜5万円程度/坪 延床面積30坪の場合:120万円〜150万円程度 |
遺品整理費用 | 15万円〜60万円程度 |
ごみ処分費用は、ごみの量にもよりますが、一般的に10万円程度が相場です。ただし、ゴミ屋敷と呼ばれるくらいであれば、追加で10万円〜20万円程度かかる場合もあります。
取り壊し費用は、建築材料や家の面積、周辺環境によっても異なりますが、木造住宅の場合は4〜5万円が相場です。
延床面積が30坪であれば、120万円〜150万円程度の費用が発生することになります。取り壊し前に、解体業者に見積もりを依頼しておくと安心できます。
遺品整理費用は、遺品の量や作業時間によって異なりますが、15万円〜25万円程度が相場です。遺品の量が過度に多ければ、60万円程度かかる場合もあります。
3.空き家を売却する際にかかる税金
空き家を売却する際にかかる税金は、以下のとおりです。
税金の名称 | 金額の目安 |
---|---|
印紙税 | 400円〜60万円(売却価格によって異なる) |
譲渡所得税 | 譲渡所得×所有年数による税率(39.63%、または20.315%) |
売却金額によって、かかる税金や税率が異なります。以下の項目を参考に、自身の売却価格に応じた金額を確認しておきましょう。
3-1.印紙税
印紙税とは、売買契約書に貼る印紙の代金です。
不動産の売却価格によって費用は異なるので、以下の表で確認しましょう。
土地の売却価格 | 本則税率 | 軽減税率 |
---|---|---|
10万円を超え50万円以下のもの | 400円 | 200円 |
50万円を超え100万円以下のもの | 1千円 | 500円 |
100万円を超え500万円以下のもの | 2千円 | 1千円 |
500万円を超え1千万円以下のもの | 1万円 | 5千円 |
1千万円を超え5千万円以下のもの | 2万円 | 1万円 |
5千万円を超え1億円以下のもの | 6万円 | 3万円 |
1億円を超え5億円以下のもの | 10万円 | 6万円 |
5億円を超え10億円以下のもの | 20万円 | 16万円 |
10億円を超え50億円以下のもの | 40万円 | 32万円 |
50億円を超えるもの | 60万円 | 48万円 |
平成26年4月1日〜令和6年3月31日までの期間であれば、「軽減税率」が適用されます。軽減税率とは、標準税率よりも低い税率を適用する措置のことです。
本来の課税額と、軽減措置適用後の課税額の2つがあることを覚えておきましょう。
3-2.譲渡所得税
譲渡所得税とは、不動産売却で発生した「利益(譲渡所得)」に対してかかる税金のことです。
利益(譲渡所得)に対してかかる税率は、空き家を相続、または購入してからの所有期間で異なります。
所有期間が5年以下であれば「短期譲渡所得」の39.63%、所有期間が5年以上であれば「長期譲渡所得」の20.315%が課税されます。
所得税 | 住民税 | 特別復興所得税 | 合計 | |
---|---|---|---|---|
短期譲渡所得 | 30% | 9% | 0.63% | 39.63% |
長期譲渡所得 | 15% | 5% | 0.315% | 20.315% |
なお、不動産売却時に利益が出ていなければ、税金は発生しません。
4.空き家売却の流れ
空き家を売却する手順は、その空き家の所有者の状態によって違いがあります。
実家が空き家になっている場合には、親が存命だけれど住まなくなった場合と、親が他界してしまい空き家になっている場合で売る方法が変わってきます。
また、住んでいる地域から遠い空き家の売却では、必要書類を集めるのが大変なケースもあります。空き家の売却が決まったら早めに必要書類を集めるようにしましょう。
以下、親の状況別に空き家売却の方法を解説します。
4-1.親が住まなくなった空き家を売却する場合
親との同居や介護施設への入所などの理由で実家が空き家になった場合、空き家の所有者である親が売却する必要があります。
しかし、親が売却の手続きができない場合は、代理人が売却を行う必要があります。
それぞれについて見ていきましょう。
4-1-1.親の代理人を決定する
本人が売却できない場合、代理人を立てますが、健康状態によって代理人の選定方法が変わります。
通常の場合 | 配偶者、親、子、または弁護士、司法書士、社会福祉士などに本人が委任状を書いて代理売却してもらう |
---|---|
親が認知症の場合 | 成年後見制度を利用して家庭裁判所が選定した成年後見人に代理売却してもらう |
また、元気なうちに任意後見制度を利用して、家の所有者本人が自分で代理人を決めておけば、万が一、所有者が認知症になっても、あらかじめ選んでおいた代理人が家を売却できます。
4-1-2.不動産会社に査定を依頼する
空き家がいくらで売れるのかの目安となる査定価格を不動産会社に出してもらいます。
不動産会社によって査定価格は変わるため、複数社に依頼するようにしましょう。遠方に不動産がある人でも「不動産売却 HOME4U」のような一括査定サイトを使えば、売却物件に適した不動産会社複数社にまとめて査定を依頼できます。
4-1-3.販売活動を行う
不動産会社を選んで仲介契約(媒介契約)を結び、販売活動を行います。
空き家の売却では、専門家のアドバイスがとても有効です。
不明点はどんどん不動産会社に相談して、その物件にとって最適な方法を選びましょう。また、遠方の空き家で内覧希望がある場合、不動産会社に立ち会いをお願いすることも可能です。
「不動産売却 HOME4U」の一括査定サービスでは、査定だけでなく複数の不動産会社の販売戦略や対応スピードなども比較することができます。空き家の売却について積極的に質問し、各社の回答を比較して信頼できる不動産会社を選びましょう。
4-1-4.売買契約を締結する
購入希望者から「購入申込書」が渡されたら、希望条件(価格、引き渡しスケジュールなど)を確認し、不動産売却を通じて交渉します。
売主、買主双方が合意したら売買契約を行います。売買契約では、販売代金の一部を手付金として受け取ります。
4-1-5.決済・引き渡しを行う
引き渡し日には、売主、買主が対面し、不動産会社担当者の立ち合いのもと、売買代金や仲介手数料の支払いを行います。
売る家に住宅ローンが残っている場合は完済と抵当権の抹消が必要ですが、実家の場合は住宅ローンが完済されているケースが多く、この行程はないこともあります。
ただし、不動産の所有者が変わったことを登記する不動産移転登記は必ず必要です。
4-2.相続した家を売却する場合
親が亡くなってしまい、住んでいた家が空き家になった場合の売却方法は、相続が絡みます。
ケースによって変わりますが、大まかな流れは以下の通りです。
4-2-1.相続人全員の合意を得る
相続した家の売却には、相続人全員の合意が必要です。
空き家を複数の相続人で相続した場合、まずは遺言や遺産分割協議で遺産分割方法を決定し、空き家を売却するのか、それとも売らずに遺産を分配するのかなどを決定します。
相続した不動産の分け方については以下の記事で詳しく解説しているので、併せてご覧ください。
4-2-2.所有権移転を行う
不動産を相続したら、登記簿の不動産所有権を移転する相続登記を行う必要があります。
不動産の名義が亡くなった人のままでは不動産を売ることができないので、必ず相続登記を行ってください。
相続登記には期限がないのですが、そのままにしておくと相続人の人数が増えたり、連絡がつかない人が出てきたり、複雑になる可能性があります。
相続人が複雑になって空き家を売却できなくなり、困っているケースが増えています。
相続人全員の合意のもと、早めに相続登記を行うことは非常に重要です。
4-2-3.不動産会社に査定を依頼する
空き家の査定を不動産会社に依頼し、査定価格を出してもらいます。空き家をなるべく早く高く売るには、不動産会社選びが重要です。
複数の不動産会社に依頼して対応や価格を比較し、よい不動産会社を選びましょう。空き家の近くに住んでいなくても、「不動産売却 HOME4U」のような一括査定サイトを使えば、自宅から不動産査定の依頼を複数社に依頼でき、便利です。
4-2-4.販売活動を行う
不動産会社と仲介契約(媒介契約)を結び、販売活動をスタートします。
空き家の売却は通常の家を売るより難しいケースがあります。不動産会社に相談しながら、一番よい方法で売却を進めていってください。
購入希望者が内覧を希望した場合、空き家であれば不動産会社に立ち合いをお願いすることもできます。
4-2-5.売買契約を締結する
購入希望者が出てきたら「購入申込書」に書かれている希望条件(価格、引き渡しスケジュールなど)を確認して、条件交渉を行います。
売主、買主双方が合意したら売買契約の締結です。このとき販売代金の一部を手付金として受け取り、残金は引き渡し日に受け取ることになります。
これらの作業は間に不動産会社が入ってくれるので、相談しながら進めることができます。
4-2-6.決済・引き渡しを行う
引き渡し日には、売主と買主、不動産会社担当者が集まり、売買代金や仲介手数料の清算を行います。
空き家の場合、住宅ローンが残っていることは少ないですが、ある場合はこの時点で完済し、不動産に付いている抵当権を抹消します。
4-2-7.相続人全員で決定した方法で遺産分割する
不動産売却後は、初めに決定しておいた遺産分配方法に従って、遺産の分配を行います。
分配の方法によって、売却益に対する納税や減税制度の利用方法が変わるので、詳しくは下記の記事を参考にしてください。
5.空き家を売却する際の注意点
空き家を売却する際の注意点は、以下の4つです。
- 空き家の名義人を確認する
- 複数人で相続した場合は全員の同意を得なければならない
- 3年以内に売却する
- 売却期間に余裕を持って確保する
注意点を押さえておかないと、売却を中断しなければならないケースも発生します。スムーズな活動を実施するためにも理解しておきましょう。
5-1.空き家の名義人を確認する
まずは、空き家の名義人が自分であるか確認しておきましょう。
空き家などの不動産を売却する際は、売却できるのは原則として名義人本人だけです。そのため、名義人が被相続人(亡くなられた方)や他の親族になっている場合は、自身での売却ができません。
名義が自分でない場合は、名義変更をする必要があります。空き家の名義変更は、登記所にて最新の登記簿謄本を確認し、必要な書類を揃えてから、空き家の所在地を管轄する法務局で手続きを行います。
法務局での申請は、窓口のほか、郵送やインターネットでも行えますが、書類の作成や準備には時間も手間もかかります。早く確実に名義変更を済ませたい場合は、司法書士に依頼することをおすすめします。
5-2.複数人で相続した場合は全員の同意を得なければならない
複数人で相続した場合は、全員の同意を得なければなりません。
複数人で不動産を共有している共有名義の場合、誰か1人でも反対していれば、売却ができません。そのため、共有者全員で話し合い、同意を得てから売却を始める必要があります。
共有者の人数が多くなるほど難しくなりますが、まとまった売却金額を受け取るためにも、当人達でよく話し合うのが重要です。
5-3.3年以内に売却する
空き家を売却する際に、特別控除を適用させるためにも、3年以内に売却することをおすすめします。
特別控除を適用する際は、相続してから3年以内であることが多く、条件に当てはまれば税負担を軽減させられます。
空き家を売却した際に適用できる主な特例は、以下のとおりです。
- 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例
- 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
- 居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除の特例
出典:国税庁「No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」
出典:国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
出典:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」
空き家を相続したら、「3年以内に売却すること」を目安に、早めの行動を意識しましょう。
5-4.売却期間に余裕を持って確保する
売却期間に余裕を持って確保することも大切です。
不動産売却は、準備から引き渡しまで3〜6ヶ月程度かかることが一般的ですが、空き家の場合はそれ以上かかると理解しておきましょう。
空き家は、買主にとってイメージがあまり良くなく、汚れや損傷が見られるようだと、通常の不動産売却に比べて買い手が見つかるまで時間がかかります。
特例を適用させる観点からも、3年以内の売却を目指して、じっくりと売却活動を進めましょう。
NTTデータグループが運営する不動産一括査定依頼サービス「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」なら、厳選した全国約2,100の不動産会社の中から、最大6社を選んで査定依頼できます。 優良な不動産会社を見つけるために、ぜひ「不動産売却 HOME4U」をご活用ください。
この記事のポイント
空き家を売却する方法3つは、以下のとおりです。
- 築20年以下の空き家|現状のまま売却する
- 築20年以上の空き家|古家付き土地として売却する
- 築30年以上の空き家|解体して更地にしてから売却する
詳しくは『1.空き家を売却する方法3つ』をご覧ください。
空き家の売却にかかる費用の項目は、以下のとおりです。
- 仲介手数料
- 測量費用
- 抵当権抹消費用
- 専門家費用
- 住宅ローン返済手数料
- その他諸費用
具体的な相場は『2.空き家の売却にかかる費用』をご覧ください。
空き家を売却する際の注意点は、以下のとおりです。
- 空き家の名義人を確認する
- 複数人で相続した場合は全員の同意を得なければならない
- 3年以内に売却する
- 売却期間に余裕を持って確保する
詳しくは『5.空き家を売却する際の注意点』をご覧ください。