
共働きの夫婦が当たり前になりつつある近年では、「ペア連生団信」が注目されています。
これは、夫婦どちらかに万が一のことがあった場合、残りの住宅ローン残額が保険金で支払われる制度です。加入することで残された家族は住居を失う心配がなくなり、生活費や教育費などの負担も軽減されます。
- ペア連生団信の基礎知識
- ペア連生団信のメリット・デメリット
- ペア連生団信の加入におすすめのハウスメーカー
これからペアローンを検討するご夫婦は、ぜひ最後までお読みいただき、ご自身に合った選択を見つけてください。
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住宅ローンを組む際の全体像を把握しておきたい方は「住宅ローンの流れ」もご覧ください。
Contents
1.ペア連生団信とは
ペア連生団信とは、夫婦や親子などのペアで加入することで、万が一の事態に保障を受けられる保険です。
加入できるタイミングは、住宅ローン契約時や借り替え時に限られます。なお、ペア連生団信は投資用の物件には使えません。
ペア連生団信は、「連生団信」「夫婦連生団信」と呼ばれることもあります。「ペア連生団信」は住宅金融支援機構の商品名ですが、同様の保険商品全般をまとめて呼ぶときにも使われる名称です。本記事でも、同様の保険商品をまとめて「ペア連生団信」として取り扱います。
以下では、夫婦で家を購入する際に知っておきたいペア連生団信と、利用できるローンの種類についてみていきましょう。
1-1.ペア連生団信の定義と基本的な仕組み
ペア連生団信は、ペアローンや連携債務型の住宅ローンを組む夫婦のうちどちらかが死亡または高度障害状態になった場合に、2人の住宅ローン残高が0円になる保険です。
団信とは、ローンを契約した本人が返済できなくなった場合に、残額の返済が免除される仕組みのことです。ペア連生団信はローンの残額について、返済できなくなった本人だけでなく、配偶者の残額についても保障を受けられます。
1-2.従来の団信との比較
従来の団信は、加入者はローンの契約者のみであり、契約者が死亡した場合などに配偶者の返済が免除されるものです。
単独ローンや収入合算型のローンは、1つの住宅に1つのローンであったため、大きな問題はありませんでした。
しかし、夫婦共働きが一般的になるにつれて、ペアローンを組む夫婦も増えてきました。ペアローンで団信に加入することは可能ですが、夫婦の一方に不測の事態が起こっても、もう一方のローン残高についての保障は受けられません。
ペアローンを組む夫婦の一方が死亡した場合でも、もう一方のローンは残るのが、従来の団信の仕組みです。
一方、ペア連生団信ではペアローンを組む夫婦2人が一緒に加入することで、どちらに万一のことがあった場合にも備えられます。例えば、妻が死亡した場合は妻のローンだけでなく、夫のローンも返済する必要がなくなります。
近年の需要の高まりによって、ペアローンで加入できるペア連生団信を取り扱う金融機関が増えてきました。
1-3.共働き夫婦が利用できる住宅ローンの種類
共働きの夫婦が増えている近年では、単独ローン以外のローンを組む人も多くなっています。
以下では、共働きの夫婦が利用できる主な住宅ローンの種類を3つ紹介します。
ペアローン
「ペアローン」とは、1つの住宅について夫と妻がそれぞれローンを組む方法です。
ローンは2本となり、それぞれ借入額や返済期間をバラバラに設定することも可能です。
ペアローンは、夫婦のどちらかが単独でローンを組むよりも多くの金額の借入が可能です。ただし、ローンは2本になるため、事務手数料や印紙代は2本分かかります。
基本的に、一方が死亡した場合は一方のローンが免除され、残された配偶者のローン残高は残ります。しかし、ペア連生団信に加入しておくことで、一方に万が一のことがあった場合に2人のローン残高が免除となるため安心です。
とはいえ、ペアローンでペア連生団信に加入できる金融機関は多くありません。2025年2月時点でペアローンのペア連生団信に対応しているのは、PayPay銀行・りそな銀行・みずほ銀行・auじぶん銀行の4行です。
収入合算契約(連帯債務型)
「収入合算契約の連帯債務型」とは、夫婦の収入を合計して審査を受ける形式のうち、夫婦の一方が主債務者、もう一方が連帯債務者となる方法です。
連帯債務型では、夫婦の双方が平等に返済義務を負い、住宅ローン控除も両方が受けられます。
連帯債務型の場合は、ペア連生団信に加入できる金融機関が多くあります。例えば、住宅金融支援機構が提供するフラット35、三井住友銀行やJAバンクなどのメガバンクなどです。地方銀行や労働金庫でも、ペア連生団信を取り扱っている場合があります。
収入合算契約(連帯保証型)
「収入合算契約の連帯保証型」とは、夫婦の収入を合計して審査を受ける形式のうち、夫婦の一方が主債務者、もう一方が連帯保証人となる方法です。
連帯保証人は、主債務者が返済できなくなった場合のみ返済義務を負います。住宅ローン控除は受けられません。
連帯保証型では、基本的にペア連生団信には加入できません。団信は基本的に主債務者のみが加入でき、主債務者が死亡した場合には連帯保証人のローン返済は免除されます。ただし、連帯保証人が死亡した場合でも、主債務者のローンは免除されません。
単独でローンを組むと借入額が足りない場合に、配偶者の収入を足すことで借入額を増やすためによく使われる方法です。
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2.ペア連生団信のメリット
ペア連生団信に加入することで、経済的・精神的に安心できます。
どのようなメリットがあるのか、具体的にみていきましょう。
2-1.万が一の際に夫婦両方の住宅ローン残高が大幅に軽減される
夫婦でペアローンを組んでいる場合、ペア連生団信に加入していれば、一方が死亡したり働けなくなったりした場合に2人のローン残高がゼロになります。
ローンを返済し続ける必要がないため、配偶者の経済的な負担が軽減されます。
もし、夫婦の一方が死亡したり働けなくなったりすれば、もう一方が1人で仕事や家事、子育てなどをしなければなりません。1人で家庭を回すからこそ、必要な出費も増えるでしょう。しかし、ローンが残っていればその分負担が大きくなります。
ペア連生団信に加入しておけば、返済の負担から解放されるため、経済的に楽になるでしょう。
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2-2.リスクの軽減になる
ペアローンを組む夫婦がペア連生団信に加入しておくことで、万が一の事態への備えができます。
従来の団信では、片方の配偶者に万が一のことがあった場合、本人のローンは免除されるものの、残された配偶者の住宅ローンは全額残ります。「もしものことがあったらどうしよう」という不安が、精神的な負担になることもあるでしょう。
ペア連生団信に加入していれば、一方に万が一のことがあっても、2つの住宅ローンの全額が免除されます。経済的にも精神的にも、安心して日々を過ごせるでしょう。
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3.ペア連生団信のデメリット
もしものときの備えとなるペア連生団信には、デメリットもあります。
ペア連生団信に加入するタイミングは、基本的にローンの新規契約と借り換えのときのみです。以下で紹介するデメリットを踏まえて、ペア連生団信に加入するかどうかを検討しましょう。
3-1.通常の団信よりも金利が上乗せされる場合がある
ペア連生団信に加入するには、ローンの返済額に金利を上乗せして支払わなければなりません。上乗せされた金利分が、保険料となるためです。
月々の返済額が増えるため、「月々の返済額を少しでも安く抑えたい」という場合は、慎重に検討する必要があります。
ペア連生団信ではなく、生命保険によって万が一の事態に備えることも、あわせて検討しましょう。
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3-2.利用できる住宅ローンの選択肢が限られる
住宅ローンの中には、ペア連生団信に対応していないものもあります。
ペア連生団信は、収入合算で連帯債務型の住宅ローンに対応していることが多いものの、ペアローンに対応しているものは限られています。
ペアローンでペア連生団信に加入したい場合は、加入できるのかを事前によく確認しておきましょう。加えて、借入額や返済期間、金利などもあわせて考えることが大切です。
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4.ペア連生団信の加入でおすすめのハウスメーカー3選
ペア連生団信への加入を検討している場合は、以下の点を考えてハウスメーカーを選ぶとよいでしょう。
- 希望するローンやペア連生団信を取り扱う金融機関と提携している
- 家づくりの費用を抑えられる
- 建築後のメンテナンス・修繕費用を抑えられる
ハウスメーカーが提携しているローンであれば、手続きのサポートを受けられたり、優遇金利が適用されたりする可能性があります。
ただし、代行手数料の支払いが必要となることや、希望するローンや保険商品を選べないことも考えられます。
ペア連生団信へ加入するには、返済額に金利を上乗せする形で保険料を負担しなければなりません。そこで、家づくりやメンテナンス・修繕にかかる費用を抑えることで、返済の負担を軽減できるでしょう。
ハウスメーカーを選ぶ際は、上記の観点にも注目して考えることをおすすめします。以下では、ペア連生団信に加入したい場合におすすめするハウスメーカーを3つピックアップし手紹介します。
4-1.セキスイハイム
セキスイハイムは、60年と長期にわたる無償点検のある大手ハウスメーカーです。点検は新築後2年目までに3回、5年目以降は5年に1回の点検を無償で受けられます。
定期的にメンテナンスを行うことで、大掛かりな修繕が必要となる前に対処できるでしょう。
ペア連生団信に加入することでローンの返済額は大きくなります。家を建てたあとにかかる費用を抑えるためには、保証の充実しているセキスイハイムがおすすめです。
電話やメールで24時間365日問い合わせができる体制も整っています。
加えて、セキスイハイムはフラット35を手掛ける住宅金融支援機構から業務の委託を受けている、「日本住宅ローン株式会社」と提携しているハウスメーカーです。提携会社限定のプランが準備されているため、お得にローンを組める可能性があります。
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出典:セキスイハイム 公式HP
4-2.ポラスグループ
ポラスグループは、埼玉・千葉・東京エリアで質の高い注文住宅を手掛けるハウスメーカーです。
ペアローンの契約者がペア連生団信に加入できる、りそな銀行と提携しています。
ペア連生団信に加入できるのは、多くの場合で収入合算型ローンの連帯債務型です。ペアローンでペア連生団信に加入できる金融機関は、2025年2月時点で4行しかありません。ポラスグループは、そのうちの1つであるりそな銀行と提携しています。
ハウスメーカーと金融機関が連携している場合、手間のかかる手続きをサポートしてもらえたり、金利が優遇されたりする可能性があります。ポラスグループで家づくりをすることで、こうしたメリットを享受できるでしょう。
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出典:ポラスグループ 公式HP
4-3.タマホーム
タマホームは、良質な住宅を低価格で提供することを大切にするハウスメーカーです。ペアローンや連帯債務型のローンでペア連生団信に加入する場合は、保険料として金利が上乗せされます。
上乗せ金利分を含む月々の返済費用を抑えるためには、ローコストで家を建てられることは嬉しいポイントです。
費用を抑えて家づくりができるからといって、品質が劣るわけでは決してありません。中間業者を挟まず、独自の効率的な流通システムを構築することで、長く安心して住める家づくりを実現しています。
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出典:タマホーム 公式HP
これから長く暮らす家だからこそ、ハウスメーカー選びは重要です。
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まとめ
ペア連生団信とは、ペアローンや連帯債務型のローンを夫婦で組む場合に加入することで、もしものときの備えとなる保険です。
夫婦の一方が死亡したり、高度障害によって働けなくなったりしても、夫婦2人分のローンが全額免除となります。
なお、ペアローンで加入できるペア連生団信は、2025年時点ではまだ少ないのが現状です。
また、連帯保証型のローンでは基本的に加入できません。ローンによって制度や要件が異なるため、検討の段階でペア連生団信についてよく調べておきましょう。
万が一の備えとなるペア連生団信には、月々の返済額が増えるというデメリットがあります。ローンの返済は毎月しなければならず、長期間続きます。
この点をカバーできるという観点で、ハウスメーカーを選ぶことも検討しましょう。