
2025年4月に改正・建築基準法が施行されました。
今回の改正は主に、省エネ基準の厳正化と木材利用の推進を図るためのものです。
建築物に関する敷地や構造、設備などに関する基準を定める法律で、1950年に制定。
建築物の安全を確保することは、国民の命や財産を守ることにもつながるため、建築基準法は重要性の高い法律といえる。
今までにも何度も建築基準法は改正されてきました。
1981年には耐震基準が厳正化され、2006年にはアスベストの使用が規制されました。(参考:国道交通省「共同住宅ストック再生のための技術の概要(耐震性)」)
これから家づくりをする方なら、「2025年の建築法改正によりどのような影響があるのか?」という点は気になるところではないでしょうか。
- 改正・建築基準法の要点
- 住宅建築への影響
- 改正・建築基準法を踏まえた家づくりの注意点
これから家づくりを行う方は、ぜひ最後までご覧ください。
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※この記事は国道交通省「改正建築基準法について」を参考に作成しています。
1.2025年施行・改正建築基準法の概要
2022年6月17日に公布された改正建築基準法は、以下のスケジュールで施行されてきました。
施行日 | 施行内容 |
---|---|
2022年9月1日 |
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2023年4月1日 |
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2024年4月1日 |
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2024年4月1日からは、個人の住宅建築にもかかわる以下の内容が施行されます。
- 省エネ基準の厳正化
- 簡易構造計算で建築可能な3階建て木造建築物の範囲拡大
- 建築確認対象となる建築物の範囲拡大
以下より詳しく見ていきましょう。
1-1.改正の背景
日本政府では地球温暖化対策の実現を目指し、次の目標を打ち立てました。
- 2030年度までに温室効果ガスの排出量を2013年度比46%削減
- 2050年までにカーボンニュートラルの実現
なお、カーボンニュートラルとは、二酸化炭素やメタンガスなどの温室効果ガスの排出量から、森林管理や植林などによる温室効果ガスの吸収量を差し引いてゼロにすることです。
人々が生産活動を続ける限り、温室効果ガスの排出量をゼロにすることは困難といえますが、吸収量を差し引いてトータルでゼロにすることは実現不可能とはいえません。
温室効果ガス排出量の増加により、地球温暖化は進んできました。砂漠化が進み、海面は上昇し、人が住める場所は減少しています。
美しく暮らしやすい地球を次世代に引き継ぐためにも、早急に温暖化防止対策に取り組むことが必要です。
1-2.改正の目的
エネルギー消費の約3割は、家庭や業務などの建築物分野が占めています。
つまり、建築物から排出されるエネルギー消費を削減すれば、大幅な省エネが見込めます。
2025年の建築基準法改正では、エネルギー消費量の削減を目的とした省エネ基準の厳正化を実現する取り組みが盛り込まれました。
また、温室効果ガスの吸収量を増やすためには、木材を使用し、植林と伐採を繰り返すことが必要です。
今回の改正では、木材需要の約4割を占める建築物分野での利用を促進することを目的に、簡易構造計算の適用基準を拡大し、木造建築物を建てやすいルールが制定されます。
2.2025年改正建築基準法の要点
2025年改正建築基準法の要点を再度紹介します。
- 省エネ基準の厳正化
- 簡易構造計算で建築可能な3階建て木造建築物の範囲拡大
- 建築確認対象となる建築物の範囲拡大
上記の要点は、いずれも個人住宅に関係するものです。各内容について詳しく説明します。
2-1.省エネ基準の厳正化
従来の建築基準法では、延べ面積300平米以上の非住宅のみ、省エネ基準に適合していることが求められていました。
そのため、個人住宅には省エネ基準の説明義務あるいは届出義務のみ課せられ、省エネ基準に適合していることが必須条件とはされていませんでした。
しかし、2025年の改正建築基準法施行後は、延べ面積や建物用途にかかわらず、すべての建築物に省エネ基準の適合が義務付けられます。
延床面積 | 2025年3月31日以前の着工 | 2025年4月1日以降の着工(全ての建物) |
---|---|---|
小規模(300平米未満) | 住宅・非住宅:説明義務 | 適合義務 |
中規模(300平米以上2,000平米未満) | 非住宅:適合義務 住宅:届出義務 |
適合義務 |
大規模(2,000平米以上) | 非住宅:適合義務 住宅:届出義務 |
適合義務 |
今後は建築確認の時点で、構造安全規制等の適合性審査と同時に省エネ基準適合性審査が実施されることになります。
2-2.簡易構造計算で建築可能な3階建て木造建築物の範囲拡大
高さ13m以下かつ軒高9mの建築物は、二級建築士が設計できる簡易な構造計算(許容応力度計算)で建築できます。しかし、高さが13mを超える建築物や軒高が9mを超える建築物に関しては、構造耐力関係規定等の審査を省略できないため、高度な構造計算が必要でした。
2025年に改正建築基準法が施行された後は、高さ16m以下かつ3階建て以下の建築物なら、簡易な構造計算で建築できます。
そのため、ほとんどの3階建ての木造建築物が簡易な構造計算で建築できるようになり、木造建築物を建てやすい環境が構築されます。
2-3.建築確認対象となる建築物の範囲拡大
都市計画区域や準都市計画区域、準景観地区などのエリアに、2階以下かつ延床面積500平米以下の木造建築物を建てる場合は、建築士が設計・工事監理を実施したケースなら建築確認審査を省略できました。
また、木造以外の建築物については、平屋かつ延床面積200平米以下の建物のみ、建築士が設計・工事監理を行ったことを条件に建築確認審査の省略が可能でした。
2025年の建築基準法改正後は、構造規定等の審査を省略できるのは、木造・木造以外を問わず、平屋かつ延べ面積200平米以下の建物に限られます。
そのため、2階建て以上の建物、あるいは延べ面積が200平米を超える建物は、すべて建築確認審査が必要になります。
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3.2025年建築基準法改正の影響
建築基準法が改正されることで、個人住宅の建築に次のような影響が生じると考えられます。
- 建築・リフォームにかかる期間の長期化
- 建築確認申請時のコストが増加する
- エネルギーコストの削減
それぞれの影響について解説します。
3-1.建築・リフォームにかかる期間の長期化
2階建て以上の建物、もしくは延べ面積が200平米を超える建物は、すべて建築確認審査が必要になりました。
また、階数・延べ面積を問わず、すべての建物は省エネ基準に適合している必要があるため、省エネ基準適合性審査を実施しなくてはいけません。
これらの審査には、時間がかかります。着工までの期間が長引くことで、建物完成までの期間も長期化し、入居できる時期が遅くなってしまうかもしれません。
また、建築確認が必要な工事は新築だけではありません。増築や改築、大規模修繕なども対象のため、リフォームにかかる期間も長期化する可能性があります。
3-2.建築確認申請時のコスト増加
建築確認の対象建築物や確認内容が増えることで、申請にかかるコストが増加すると予想されます。
また、建築確認にかかる作業が増えることで人件費も増加します。いずれも建築コストに上乗せされるため、従来よりも住宅建築にかかる費用が高額になるかもしれません。
改正建築基準法の施行後は、建築確認以外にもコストが増加する可能性があります。
従来は省エネ基準に合致した住宅を建てる義務はなかったため、省エネ住宅を建てるかどうかは、あくまでも「こだわる方のみこだわる」というスタンスでした。
しかし、改正法施行後は、すべての住宅は省エネ基準に合致していなくてはいけません。省エネ基準を満たす設備や資材を導入する必要が生じるため、建築にかかる費用が高額になる可能性があります。
3-3.エネルギーコストの削減
省エネ基準に合致した住宅を建てることには、メリットもあります。
住宅の断熱性能や気密性が向上するため、光熱費を削減できるかもしれません。太陽光発電システムや蓄電池システムを導入すれば、さらに光熱費を削減でき、月々のコストを抑えられる可能性もあります。
しかし、省エネ設備・資材の導入コストがかさみ、家づくりの費用も高くなるリスクがある点には注意が必要です。
予算内でご希望の住宅を建てられるのか不安に感じるときは、予算に合うハウスメーカー・工務店をあらかじめ絞り込んでおくのはいかがでしょうか。
時には無料サポートサービスも活用しながら、賢く家づくりを進めましょう。
4.建築基準法改正後のハウスメーカー・工務店の選び方
改正建築基準法に則った住宅を建てるためにも、従来よりもいっそう、ハウスメーカー・工務店選びが重要になります。
最後に、ハウスメーカー・工務店を選ぶ際に押さえておきたいポイントを紹介します。
4-1.木造建築の実績豊富なハウスメーカー・工務店か確認する
木造住宅において建築確認審査を省略できる範囲が縮小されたため、従来よりも建築時の手続きが増える可能性があります。
スムーズに着工まで進むためにも、木造住宅を建てるときは木造建築の実績豊富なハウスメーカー・工務店に依頼するようにしましょう。
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4-2.省エネ住宅の実績豊富なハウスメーカー・工務店か確認する
すべての住宅において、省エネ基準に合致していることが求められます。
- 一年中、快適な室温
- 周辺の音が聞こえにくい静かな住空間
- 光熱費の大幅な削減
- ヒートショックが起こりにくい室温差の少ない空間
- 災害時の電力確保
省エネ住宅の建築実績が豊富なハウスメーカー・工務店なら、基準をクリアした住宅を建てられるだけでなく、以下のような暮らしやすさに注目した住宅を建てやすくなります。
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4-3.信頼できる営業担当者か確認する
信頼できるハウスメーカー・工務店であっても、担当者が信頼できる人物とは限りません。オーナーが話した内容をしっかりと把握していなかったり、間取りプランに希望が反映されていなかったりするケースも想定されます。
また、担当者と相性が悪いケースもあります。担当者の人間性には問題がなくても、なんとなく波長が合わないことや、提案内容が気に入らないこともあるかもしれません。
しっかりと話し合って家づくりを進めていくためにも、信頼できる営業担当者が欠かせません。しかし、営業担当者の指定は難しく、場合によってはフィーリングが合わない営業担当者と家づくりを進めることにもなってしまいます。

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まとめ
建築基準法が改正されることで、より安全かつ環境に配慮した住宅を建てられるようになります。
しかし、着工までの時間が長引くことや、建築コストがかさむことも想定されます。信頼できるハウスメーカー・工務店に相談し、慎重に家づくりを進めていくようにしましょう。
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