
壁付けキッチンは空間を有効に活用できるなどのメリットがありますが、家族とコミュニケーションが取りにくいなどのデメリットもあります。ただし、さまざまなアイデアで快適に利用することが可能です。
この記事では、壁付けキッチンについて以下の点を紹介します。
- 壁付けキッチンのメリットやデメリットがわかる
- 壁付けキッチンを快適に利用するアイデアがわかる
- 壁付けキッチンのベースとなるレイアウトがわかる
ぜひ最後までご覧いただき、新築やリフォームの際の参考にしてください。
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Contents
1.壁付けキッチンとは?
壁付けキッチンとは、キッチンの正面が壁面に向いて設置されているキッチンのことで、ウォール型キッチンとも呼ばれています。壁付けキッチンは、リビングやダイニングの一角に設置することが可能で、昔から日本の家のキッチンとして定番です。
最近では、LDK一体型の間取りが主流となり、おしゃれな住まいを求める人から人気が集まっています。壁付けキッチンは省スペースで、水はねや油はねを気にせず作業できるため、料理が趣味な方にとって使いやすいキッチンといえるでしょう。
壁付けキッチンの代表的なレイアウトは、次の4つです。
- 1列型
- 2列型
- L字型
- U字型
それぞれのレイアウトごとにメリットやデメリットがあるため、壁付けキッチンを取り入れる場合は、家族構成やライフスタイルを考慮して選ぶことが大切です。
壁付けキッチンと対照的なキッチンに対面キッチンがあります。対面キッチンでは、リビングやダイニングのほうを向いて作業するため、子どもを見守りながら作業を進められます。
ただし対面式キッチンは、作業台の周りや背面に通路を確保しなければならず、広いスペースが必要です。壁付けキッチンであれば、必要なスペースは一面だけですむため、それほど住空間を圧迫することはありません。
キッチンに広いスペースを割けない場合は、壁付けキッチンがおすすめです。
2.壁付けキッチンの3つのメリット
壁付けキッチンの主なメリットは、以下の3つです。
- 空間を有効活用できる
- 料理に集中できる
- 煙やにおいを防げる
次に、それぞれのメリットを詳しく解説します。
2−1.空間を有効活用できる
壁付けキッチンのメリットは、空間を有効活用できることです。冷蔵庫やシンク、コンロを横一列に配置できるため、空間を無駄にせずにすみます。またキッチンの作業スペースと、リビングやダイニングのスペースを共有できることも面積の節約につながります。
壁付けキッチンであれば、スペースに余裕がない場合でも、必要な設備の整ったキッチンを設置することが可能です。
2−2.料理に集中できる
壁付けキッチンの場合、壁を向いて料理することになるため、余計なものが目に入らず集中できます。料理好きな方や、ひとりで黙々と集中して料理したい方におすすめです。余計な邪魔が入らないため、ササッと作業を終わらせることができるでしょう。
2−3.煙やにおいを防げる
壁付けキッチンは、眼の前の壁に窓や換気扇を配置しやすいため、煙やにおいがこもっても広がりにくいというメリットがあります。においが強い料理をよくする方や、部屋ににおいがこもるのを避けたい方におすすめです。
壁に窓を設置できれば、熱や湯気がこもっても窓を開ければすぐに解消できます。料理をする際も、水や油で汚れる部分が限られるため掃除も簡単です。
眺望のよい家なら、眼の前に広がる景色を見ながら料理を楽しめるでしょう。
ここまで、壁付けキッチンの3つのメリットをご紹介しました。
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3.壁付けキッチンの3つのデメリット
壁付けキッチンは機能的でさまざまなメリットを得られますが、デメリットもあるため注意が必要です。主なデメリットは、以下の3つです。
- 周りに目が行き届かない
- キッチンが外から丸見え
- コミュニケーションが取りにくい
それぞれのメリットを詳しく解説しましょう。
3−1.周りに目が行き届かない
壁付けキッチンのデメリットは、作業をしている間、周りに目が行き届かないことです。赤ちゃんがいる家庭では、赤ちゃんから一時も目を離せませんが、壁付けキッチンでは子どもを始終見守るのは難しいでしょう。
また、ベビーゲートを取り付けるのが難しいレイアウトの場合、子どもやペットがキッチンスペースに入ってきやすくなります。熱いものや油を扱っている場合は、意識して周りに目を配らせる必要があります。目を離したくない家族が同居する家庭では、対面キッチンのほうが安心かもしれません。
3−2.キッチンが丸見え
壁付けキッチンは、キッチンの様子が丸見えとなる点もデメリットのひとつです。キッチンは調理器具やツール、調味料などでごちゃごちゃと雑多になりがちです。普段使いの調理器具を毎日収納するのは難しいため、はたからみると散らかっているように見えてしまいます。
壁付けキッチンの場合、十分な収納を確保し、日頃から整理整頓するように心がける必要があるでしょう。
3−3.コミュニケーションが取りにくい
壁付けキッチンでは、家族とコミュニケーションが取りにくいところも欠点です。調理中は、家族に背中を向けているため、会話がしにくかったり様子がわかりにくかったりします。家族とコミュニケーションを取りたいときは、作業の手を一旦止めて振り向く必要があり、それがいちいち煩わしいと感じる方もいるでしょう。
またひとりで作業をしていると、家族との距離感を感じてしまう場合もあります。家族との時間を大切にしたい方には、ほかのデザインのキッチンがおすすめです。
ここまで、壁付けキッチンの3つのデメリットをご紹介しました。事前に情報を集めたうえで、計画的にマイホームづくりにとりかかることで、後悔のない理想の間取り設計に繋げられるでしょう。



4.壁付けキッチンを快適に活用する4つのアイデア
壁付けキッチンを取り付ける場合は、さまざまな工夫をすることで、より快適に活用できます。ここでは、4つのアイデアを紹介しましょう。
4−1.ソファの背をキッチンに向ける
壁付けキッチンの場合、どうしてもキッチンの様子が、リビングやダイニングから見えてしまいます。そのため、せっかくリビングでリラックスしていても、キッチンが気になり落ち着かないという方もなかにはいることでしょう。
このような悩みがある場合は、ソファの背をキッチンに向けて配置するのがおすすめです。またリビングとキッチンの間にソファを置くことで、空間を仕切る効果も得られます。
4−2.対面式の作業台を設置する
壁付けキッチンを上手に活用するために、対面式の作業台を設置するのもひとつのアイデアです。コンロやシンクを壁付けキッチンに集約し、作業台を設置すれば、アイランドキッチンのように利用できます。作業台の下に十分な収納があれば、物をきれいに片付けられ、理想的なすっきりとした見た目のキッチンを実現できるでしょう。
また作業台を設けることで、複数人での作業がスムーズになります。対面で作業できるため、配膳も格段に容易になります。
おしゃれな作業台を選び、ハイチェアを設置することで、カフェカウンターのような利用も可能です。また、子どもが勉強をしたり本を読んだりするスペースとしても活用できます。料理中も、子どもとコミュニケーションを取ることができ安心です。
4−3.収納を有効活用する
壁付けキッチンでは、収納を有効に活用することが大切です。食器棚を設置するスペースがない場合は、吊り戸棚やキッチン下の収納を上手に活用しましょう。
これから家を建てる方やリフォームを予定している方であれば、ゴミ箱を収納できる設計を検討してみてはいかがでしょうか。シンク下にゴミ箱を収納できれば、シンクからダイレクトにゴミを捨てられるため、周りが汚れることも少なくなります。
収納ユニットを取りつける場合は、ダストワゴンをオプションで取りつけるとよいでしょう。45リットルのゴミ袋にも対応可能な大型の製品もあります。家族の人数にあわせて、ぴったりの容量を選ぶと無駄がありません。ふたがついているゴミ箱であれば、においも気にならないでしょう。
4−4.自分好みの壁にデザインする
壁付けキッチンがリビングやダイニングと同じ空間にあると、キッチンの煩雑さが気になります。しかし、キッチンの壁を自分好みの壁紙(アクセントクロス)やタイルでコーディネートすると、空間全体のセンスアップが叶います。丸見えというデメリットを、おしゃれにデザインすることで、メリットに変えられるのです。
壁をおしゃれにデザインしたあとは、厳選したキッチンツールやお皿、鍋などをセンス良く並べてみましょう。生活感あふれたキッチンが、高級キッチンに早変わりします。
窓のある壁付けキッチンの場合、観葉植物を窓辺において育てるのもよいでしょう。ハーブ類やネギ類を育てておくと、新鮮な野菜を楽しめます。
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5.壁付けキッチンの注意点
壁付けキッチンを設置する場合は、いくつかの注意点があります。小さな子どもやペットがいる場合は、思わぬ怪我をしないように安全対策を施す必要があります。
壁付けキッチンの場合、レイアウトによっては、ベビーゲートを取りつけるのは難しいでしょう。そのため、子どもがキッチンに近づかないように、上述したような作業台を設置するのが効果的です。作業台の上で料理をすれば、コンロへの興味をそらすことができます。また物理的にコンロに近づきにくくなるため、油や熱いもので怪我をする可能性を減らせるでしょう。
作業台で作業することで、リビングやダイニングにいる子どもやペットに目が行き届きやすくなります。壁付けキッチンのデメリットも、さまざまな工夫で解消できます。
6.壁付けキッチンのおしゃれなレイアウト
壁付けキッチンのレイアウトは、以下のように1列型、2列型、L字型、U字型の4種類に分類されます。
シンクやコンロが横一列に並んでいるのが1列型です。2列型は、2列になった作業スペースがそれぞれ壁に接して設置されています。作業スペースの形がアルファベットのL字のように設置されているのがL字型、U字のように設置されているのがU字型です。
次に、それぞれのレイアウトについて詳しく解説しましょう。
6−1.1列型レイアウト(自由なレイアウトを楽しみたい方向け)
1型列レイアウトは、コンロやシンク、作業スペースが横一列に並んでいるのが特徴です。このレイアウトは、食器棚や冷蔵庫を置く位置が難しく、また置く位置によって見た目も変わります。反面、スペースを自由に使えるのがメリットです。1列型レイアウトは、自由なレイアウトを楽しみたい方向けといえるでしょう。
壁付けキッチンは収納不足が悩みですが、真ん中に作業台を置いて対面式キッチンのように活用すると、収納も確保できます。作業台にキャスターがついていれば、必要がないときは端に寄せて広いスペースをつくれます。
子どもが小さいときは、何かと便利な作業台も、子どもが独立し夫婦2人になるとそれほど必要はなくなるでしょう。その場合は、作業台を処分し、また広々としたスペースに戻せます。家族構成の変化に、柔軟に対応できる点が大きなメリットです。
▶【1列型レイアウトのキッチンを含む間取り】など、自分の理想を叶える方法をチェック
6−2.2列型レイアウト(子どもやペットのいる家庭向け)
2列型レイアウトは、独立した空間をつくりやすいため、子どもやペットのいる家庭にぴったりです。キッチンの入口にベビーゲートを設置すれば、子どもがキッチンに入るのを防げます。2列型レイアウトでは、シンクやコンロの位置がキッチンの使いやすさを決定づけるため、家事動線をよく考える必要があります。
このレイアウトで注意すべき点は、通路幅です。あまりにも狭いと、作業がしづらく不便になるため注意しましょう。
一方、通路幅が広すぎると、あちらこちらと移動しなければならず効率が悪くなります。ひとりで作業する場合の通路幅の目安は、90cm以上です。
2列型レイアウトはキッチン専用の作業スペースを確保する必要があるため、キッチンにこだわりたい方や作業に集中したいといった方におすすめです。
▶【2列型レイアウトのキッチンを含む間取り】など、自分の理想を叶える方法をチェック
6−3.L字型レイアウト(家事効率を図りたい方向け)
L字型レイアウトは、作業スペースの両翼にシンクとコンロが設置されているキッチンです。L字であれば、シンクからコンロまでの移動を短くできるため、家事効率が上がります。複数人で料理をする場合も、作業しやすいのが魅力です。パートナーや子どもと料理を楽しみたい方におすすめです。
L字型レイアウトの場合、食器棚の置き方に3つのパターンがあります。作業スペースの対面に置くのか、横並びに置くのか、またコの字に置いてキッチンの目隠しとするのかです。キッチンをどのように使いたいのかを考えてから、食器棚の位置を決定するとよいでしょう。
▶【L列型レイアウトのキッチンを含む間取り】など、自分の理想を叶える方法をチェック
6−4.U字型レイアウト(広めの作業台を欲しい方向け)
U字型レイアウトは、作業スペースを広く確保できるのが魅力です。食器棚を置くのに困りませんが、収納は豊富にあるため、あえて食器棚を置かない選択もあります。
またU字型レイアウトは、L字型と同様にコンパクトに動けるため、家事効率がよいのが嬉しいメリットです。複数人での作業も問題ありません。料理が趣味で、広めの作業台を欲しいという方に向いているレイアウトです。
▶【U列型レイアウトのキッチンを含む間取り】など、自分の理想を叶える方法をチェック
7.理想の壁付けキッチンを実現するには?
理想の壁付けキッチンを含む間取り実現に向けて、設計事務所やハウスメーカーへの依頼をしなければ、と考える方も多いのではないでしょうか。
設計事務所であれば、自分のこだわりを実現できます。ただしその分、費用が高くなりがちなため、予算内に収まるように注意が必要です。
ハウスメーカーは、多様なプランから自分の理想に近いスタイルを選ぶのが一般的です。しかしながら、建材の規格や仕様が統一化されているため、デザインの自由度は設計事務所よりも低くなります。予算内に収めたい方や、ある程度決まったデザインのなかから選びたい方には、ハウスメーカーのほうが安心して依頼できるでしょう。
理想の家づくりを成功させる秘訣は、初めから一社に絞り込まず、複数社のプランを比較検討してみることが重要です。とはいえ、複数の設計事務所やハウスメーカー、工務店へ1件1件連絡して、それぞれに理想像をお伝えするのは大変です。
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まとめ
壁付けキッチンは、空間を有効活用できたりレイアウトを自由に変更したりとメリットがありますが、周りに目が行き届かないなどのデメリットもあるため注意が必要です。壁付けキッチンを採用する際は、家族構成やライフスタイルによって適したレイアウトを選ぶことが大切です。新築やリフォームを予定している方は、壁付けキッチンを取り入れてみてはいかがでしょうか。
ぜひ本記事をご参考にしていただき、理想のマイホームを叶えてくださいね。
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