廊下なしの間取り例と費用相場|失敗例に見る3つの注意点

廊下なし 間取りや費用相場を解説

注文住宅の間取りを考える際、廊下が無駄なスペースではないか、削減して他の部屋のスペースにしたほうがいいのではないかと考える方は多いでしょう。

廊下なしの間取りには多くのメリットがあるので、気になる方が多いようです。

廊下なしのメリット
  • 部屋として使えるスペースが増える
  • 短い動線ですむ
  • 住宅内でのコミュニケーションがとりやすい
  • 費用削減につながる(理由は2章コラムで解説)

このように、部屋の数を多くとりたい方や、家事動線、家族とのコミュニケーションを大事にしている方、なるべくコストを抑えたい方にとって、廊下なしの間取りは魅力的なプランといえます。

今回の記事では、坪数別に廊廊下なしの間取り例を解説します。

【坪数別】廊下なしの間取り

・廊下を削る代わりに「広いリビング」を設けた廊下なし間取り
約20坪で間取りを考える際には、廊下を削って広いリビングを設けるのはいかがでしょうか。
リビングを通って各居室に移動できる動線にすれば、家事や移動が楽になるだけでなく、家族間でのコミュニケーションも気軽になります。

1-1.【約20坪】廊下なしの間取り

・「リビングイン階段」を設けたおしゃれな廊下なし間取り
約25坪であれば、リビングイン階段で空間に一体感を持たせると格段におしゃれな空間になります。
スケルトン階段を採用したり、大きな吹き抜けを採用したりすると、開放感の演出にもつながりますよ。

1-2.【約25坪】廊下なしの間取り(1)

・廊下の代わりに「ホール」を設けた廊下なし間取り
約30坪という広さを確保できるのであれば、各フロアのホールが廊下の代わりになるかもしれません。
部屋をたくさん設けたい方は、廊下をなくすことで圧迫感が出ないように配慮する必要があります。ホールがあれば、ある程度の開放感を確保しやすいでしょう。

1-4.【約30坪】廊下なしの間取り(1)

各間取り例の費用相場や、廊下なし間取りの失敗例・対策などもお伝えします。
より住み心地のよい家にするためにも、ぜひこの記事を最後までご覧ください。

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1.廊下なしの間取り例

こだわりの間取りを考える際には、実際にそのこだわりが採用されている間取りを参考にするとイメージしやすいです。
まずは、廊下なしの代表的な間取り例を、延床面積の坪数別に5つ紹介します。

以下より、間取り図と詳しい内容をみていきましょう。

1-1.【約20坪】廊下なしの間取り

家族のコミュニケーションが取りやすい広いリビング

【約20坪】廊下なしの間取り

世帯(想定) 夫婦+子供1人
延床面積 約20坪
間取り 平屋 2LDK+納戸

こちらは廊下がない代わりに、リビングを広くした間取りです。
空間の半分程度をLDKに設定することで、限られた面積の中でも広々とした空間を作ることができます。

また、リビングを通って各居室に移動できるため、家族のコミュニケーションがとりやすく、動線も短くて便利です。

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1-2.【約25坪】廊下なしの間取り(1)

リビングイン階段で生まれる空間の一体感

【約25坪】廊下なしの間取り(1)1F
【約25坪】廊下なしの間取り(1)2F

世帯(想定) 夫婦+子供1人
延床面積 約25坪
間取り 2階建て 2LDK+シューズクローク+テラス+書斎

1階は完全に廊下なしにし、2階は必要最低限の廊下のみを配置した間取りです。

リビングに2階への階段を付けるリビングイン階段を採用することで、異なるフロアでも一体感が生まれ、おしゃれな印象がグッと上がります。さらに、階段をスケルトンにすれば、大きな吹き抜けとの相乗効果でより開放感を演出することができるでしょう。

また、玄関からすぐリビングがあり、その間にはトイレや洗面所などの水回りも配置されているため、コンパクトな動線も特徴です。

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1-3.【約25坪】廊下なしの間取り(2)

家の中に通り道を作る斬新な発想!

【約25坪】廊下なしの間取り(2)

世帯(想定) 夫婦+子供1人
延床面積 約25坪
間取り 平屋 3K+通り道スペース+テラス

廊下をなくす代わりに、家の中に「通り道」が作られた間取りです。
住まいを寝室と水回りの2種類のスペースに分け、その間に通り道としてのスペースが確保されています。

廊下やリビング、ダイニングではなく、通り道として作られているため、大胆な開放感を演出することができます。

また、テラスに向かってラッパ状に広がっているため、大開口が叶い、陽光をしっかり居住空間に入れることができます。

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1-4.【約30坪】廊下なしの間取り(1)

廊下の役割を果たすホールを各フロアに配置

【約30坪】廊下なしの間取り(1)1F
【約30坪】廊下なしの間取り(1)2F

世帯(想定) 夫婦+子供2人
延床面積 約30坪
間取り 2階建て 4LDK+階段下収納+収納コーナー

廊下がない間取りであっても、玄関ホールや階段ホールがあれば廊下のような役割を兼ねることができます。

この間取りでは、空間の中央にリビングや水回り、階段を配置することで、廊下がなくても使い勝手がいい動線が作られており、階段下収納や収納コーナーによって、十分な収納場所も確保されています。

部屋がたくさんあっても圧迫感が出ないよう、吹き抜けが設置されているのも特徴です。

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1-5.【約30坪】廊下なしの間取り(2)

採光・風通しに考慮した「コの字型」平屋

【約30坪】廊下なしの間取り(2)

世帯(想定) 夫婦+子供2人
延床面積 約30坪
間取り 平屋 4LDK+シューズクローク+テラス+ウォークインクローゼット

平屋で廊下なしにした場合、デザインがシンプルになりがちですが、こちらは中庭を囲むようなコの字型の建物になるように作られており、居室の数や収納スペースに富んでいます。

平屋の場合、部屋が多いと日当たりや風通しが心配ですが、上図では、各居室を南西に配置し、LDKと中庭をつなげることで、採光・風通しに考慮しています。
また、全体的に開放感を与えたい場合は、天井を高くするとよいでしょう。

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2.廊下なし間取りの費用相場とシミュレーション

廊下なしの間取りのイメージを掴んだら、廊下なしの間取りの家にかかる費用相場について確認しましょう。

2-1.廊下なし間取りの費用相場

廊下なし間取りは、坪単価でいうと50万~80万円が費用相場になることが多いです。

廊下なしの費用相場一覧
坪数 費用相場
20坪 1,000万~1,600万円
25坪 1,250万~2,000万円
30坪 1,500万~2,400万円

もちろん、上記一覧表はあくまで目安であり、坪単価だけで判断することはおすすめしません。
また、住宅設備・性能のグレードや、木造なのか鉄骨造なのか、平屋なのか2階建て以上なのかなどによっても費用相場は変動します。

2-2.廊下なしの間取りで家を建てる際の費用シミュレーション

【例】各フロア廊下なしの2階建て・延床面積30坪の場合

基本情報

  • 工法:木造軸組
  • 家族構成:夫婦+子供2人
  • 間取り:2階建て 3LDK

家づくりにかかる費用

  • 本体工事費:1,280万円
  • 付帯工事費:220万円
  • 諸費用:170万円
  • 土地代:1,300万円

合計:約2,970万円

ただし、費用相場やシミュレーションはあくまで目安です。

注文住宅は1戸1戸住宅プランが異なるため、人によって総額が異なる点は念頭に置いておきましょう。

「思った以上に費用がかかった」「予算オーバーした」など、せっかく建てるマイホームで後悔しないためにも、注文住宅を検討する際には、注文住宅のプロに資金計画を相談しておきましょう。

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お家のいろは コラム
廊下なしの間取りは廊下ありよりもお手頃!

一般的には以下のような点から、廊下なしの間取りは、廊下のある家よりもコスト削減を叶えることができます。

廊下なし間取りがコスト削減につながる理由
  • ●壁を少なくできる分、室内建具の数を減らすことができる
  • ●ドアの枚数を減らせる
  • ●廊下分の床面積が浮く分、狭い延床面積でもよい
  • ●将来リフォーム工事を行う場合、壁紙張替えや建具交換などの費用が少なくすむ

若年層でローンの返済に不安がある方や、なるべく費用を抑えたい方、予算オーバーしてしまった方にも、廊下なしの間取りはおすすめです。

3.廊下なしの家を建てる前に!失敗例からわかる注意点

完成したマイホームで快適に過ごすためにも、実際に廊下がない間取りで住んでいる人の失敗例を確認し、注意すべきポイントや対策を把握しておきましょう。

3-1.住まいにゆとりが感じられない

無駄と思ったスペースは必要な「ゆとり」だった

廊下がない間取りにしたことで、住まいにゆとりが感じられない。
効率ばかりを追い求めてしまったが、住み始めてみると、ある程度の「ゆとり」は必要だったと感じている。

注意点:暮らし方によっては廊下が必要な場合もある!

実際に暮らしてみてから、廊下の必要性に気付く方もいらっしゃいます。
「廊下は無駄に感じるけれど、ゆとりがなくならないか心配」という方には、廊下をなくしてしまうのではなく、廊下に他の機能性を持たせることをおすすめします。

例えば、廊下に本棚を置いたり、物を飾ったりするのはいかがでしょうか。移動するスペースとだけ捉えるのではなく、書斎やアートギャラリーのような感覚で設置すれば、無駄な場所に感じなさそうです。

3-2.【失敗例2】水の音が気になってしまう

来客時のトイレが恥ずかしい…

客間のすぐそばにトイレがあるので、来客時のトイレの音が丸聞こえで後悔しています。
年頃の娘もいるので、お客さんを呼ぶ時間にはとても気を遣っています…。

注意点:生活音や客人からの見え方も考慮しよう!

廊下をなくした分、部屋と部屋とが直接つながり、トイレやお風呂など水の音が気になったという失敗例も多いです。

生活音が伝わりやすいため、家族間で生活時間帯が異なる場合、特に、寝室とリビングが直接つながっていると、普段の生活でも不快な思いをしてしまうかもしれません。

寝室やトイレなど、他の部屋との音の影響が気になる部分については、クローゼットや家具などを配置して音をできるだけ遮断できるように気を付けるとよいでしょう。

3-3.【失敗例3】外からの目線が気になってしまう

ちょっとドアを開けるのにも気を遣う

廊下をなくした分、玄関から直接リビングなどが見えてしまうため、玄関ドアを開けた際の外からの目線が気になってしまいます。配達の荷物を受け取るだけでも気が抜けないので大変です…。

注意点:シンプルな分、セキュリティ面は要チェック!

レイアウトにもよるものの、廊下なしの間取りの場合、1つの扉を開けただけでいろいろと丸見えになってしまう可能性があります。

特に、お風呂上りや朝起きたばかりなど、気を抜いているときにドアを開けて、前の道路を歩く人と目が合ってしまうと、気まずくなってしまいますし、防犯面・セキュリティ面においても家の中の様子が外から見えるのは危険です。

L字型の玄関にするなど、目線が気になりにくい玄関にするのがおすすめです。

以上が、廊下なし間取りの3つの失敗例と注意点です。夢のマイホームを建てるなら「絶対に後悔したくない」ですよね。

注文住宅を理想に近い形で建てられるかどうかは、ハウスメーカー・工務店選びにかかっているといっても過言ではありません!

しかし、ハウスメーカー・工務店は全国に数万社あるといわれており、自分たちだけで情報を集め、整理しながら比較していくのは非常に大変です。

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4.廊下なしの注文住宅でおすすめのハウスメーカー3社

廊下なしの住宅に限らず、家づくりで一番重要なのはハウスメーカー選びです。

ハウスメーカーはそれぞれ特徴や得意分野が異なるため、しっかり複数社を比較し、自分の理想を叶えてくれそうなメーカーを選ぶ必要があります。

ここでは、廊下なしの間取りでおすすめのハウスメーカー3社の特徴を紹介するので、ぜひハウスメーカー探しの際の参考にしてください。

4-1.ユニバーサルホーム
4-2.パナソニック ホームズ
4-3.タマホーム

以下より、1社ずつ解説します。

4-1.ユニバーサルホーム


ユニバーサルホーム

ユニバーサルホームでは、さまざまな要望に応えられるように、世帯1つひとつに合ったライフスタイルの提案をしています。

例えば、名前のない家事を解決する住まいや子育て世帯にぴったりな住まい、機能的な収納スペースがある住まい、憧れを形にできる住まいなど、さまざまな提案が可能です。

おすすめの住宅商品「フラットワン」

ユニバーサルホームの平屋住宅「フラットワン」であれば、廊下なしの間取りでも、広々とした開放的な空間や、無駄のない生活動線を確保できます。

外観デザインは、都会的なフラットルーフタイプや、高級感と落ち着いた印象を演出できる寄棟タイプなど、オーナーの好みに合わせて選べます。

出典:ユニバーサルホーム 公式HP

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4-2.パナソニック ホームズ


パナソニック ホームズ

パナソニック ホームズでは、安心・快適が続く住まいづくりを積極的に提案しています。

自宅で利用できるネット相談サービスでは、プロがアドバイスしてくれるサポートを設けているので、気軽にプランに関する内容を相談できます。

おすすめの住宅商品「こどもっと」

子育て世帯にぴったりなのが「こどもっと」です。

廊下なしの間取りでありながら、子供が学ぶ空間・環境をしっかり確保しており、リビングとつながる広い土間では親子のコミュニケーションも取りやすいです。

出典:パナソニック ホームズ 公式HP

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4-3.タマホーム


タマホーム

タマホームでは、顧客の悩みを真摯に受け止め、専任スタッフが的確なアドバイスを行っています。

より良いものをより安く提供するという理念で家づくりを行っており、1,200万円以下で建てる家づくりのプランも用意しています。

おすすめの住宅商品「木麗な家」

木のぬくもりが感じられる「木麗な家」は、低価格でありながら長期優良住宅に対応した自由設計の注文住宅です。

実際の建築事例には「キッチンの隣りにパソコンを置いたワークスペース」や「クローゼットと物干ポールのある廊下と直結した洗面室・バスルーム」など、家事動線に優れたものも多数あります。

出典:タマホーム 公式HP

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5.廊下なしを本格的に検討する前のチェックポイント

廊下なしの間取りを本格的に検討する前に、知っておきたいポイントを押さえておきましょう。

そもそも家の廊下の役割とは、スムーズな動線や部屋と部屋のクッション、ゆとりを作ることにあります。従来、日本で住宅を建てる際には必ず廊下を作っていたため、ある程度の部屋数や延床面積がある住宅に廊下は付き物でした。

しかし、近年では廊下なしの間取りの家づくりが増加傾向にあります。
廊下なしの間取りを希望する人には、「廊下は移動しかしないスペースのため、なくして部屋の面積を多くとったほうが無駄なく暮らせるのではないか」という考えがあるようです。

確かに、廊下がない間取りにすることには冒頭でお伝えしたようなメリットがありますが、デメリットもあります。

廊下なしのデメリット
  • 間取りの自由度が低い
  • 音やにおい、光などが他の部屋から漏れやすい
  • プライバシーが確保しづらい

特に、2階建て以上の場合は、階段の位置が限られてしまうでしょう。
また、移動の際に必ず他の部屋を通らなければならなくなるため、例えばゴミ捨ての際に居室などを通っていく必要が出てくると家族が不快な思いをする可能性が出てきます。

他にも、音やにおい、光などが他の部屋から漏れてきてしまう可能性が高くなってしまう点にも注意が必要です。
玄関からすぐに部屋につながることになるため、間取りによっては来客時にプライバシーが気になることもあるでしょう。

廊下なしの間取りを考える際には、こういったデメリットにも考慮しながら住みやすいプランを立てる必要があります。

まとめ

廊下なしの注文住宅に関して、代表的な間取りや費用相場、注意点などをご紹介しました。
それではおさらいです。

この記事のポイント

廊下なしの家の間取り例は?

この記事では、以下5つの間取り例を紹介しています。

  • リビングイン階段がある間取り
  • ホールが廊下代わりの間取り
  • リビングを広くした間取り
  • 家の中に通り道がある間取り
  • コの字型平屋の間取り

間取り図や詳しい内容は「1.廊下なしの間取り例」をご覧ください。

廊下なし間取りで後悔した事例は?

廊下なしの間取りにして「失敗した」と感じた人の後悔事例には、以下のようなものがあります。

  • 住まいにゆとりが感じられない
  • 水の音が気になってしまう
  • 外からの目線が気になってしまう

詳しい内容や、上記からわかる注意したいポイントは「3.廊下なしの家を建てる前に!失敗例からわかる注意点」で解説しています。

廊下なし間取りにデメリットはある?

廊下なしの間取りを検討するのであれば、以下のようなデメリットも加味して考えなければなりません。

  • 間取りの自由度が低くなる
  • 音やにおい、光などが部屋から漏れる 他

詳細は「5.廊下なしを検討する前のチェックポイント」で解説しています。

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