あきらめないで!不可能ではない市街化調整区域の不動産売却

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あきらめないで!不可能ではない市街化調整区域の不動産売却

不動産はその土地の利用規制が厳しいほど、活用が難しく利用価値が低くなります。
規制の厳しい不動産は、欲しいと思う人が少なくなり、売却がしにくい傾向があります。

土地の利用規制が厳しく、売却しにくい不動産の代表選手と言えば「市街化調整区域」です。
市街化調整区域の規制の内容は、所有者でも知らない人が多いです。

市街化調整区域の土地の所有者の中には、「なんでこんな規制がかかっているのだ」と嘆く人も少なくありません。

市街化調整区域内の土地は、原則として建物を建てることができません。
そのため、売却が難しい部類の不動産になります。

しかしながら、市街化調整区域にかかっている規制を理解することで、売却の可能性や兆しが見えてきます。

市街化調整区域の土地を売却するのであれば、まず自分の土地がどのような規制がかかっているかを知ることから始めることをお勧めします。

この記事では、市街化調整区域にはどのような規制があるのかを紹介した上で、売却しやすい物件や売却しにくい物件、買ってくれそうな人等を解説 します。
ぜひ最後までお読みいただき、今後の売却の方針に役立てて頂ければ幸いです。

1.市街化調整区域とは

市街化調整区域とは、「市街化を抑制すべき区域」と定義づけられています。
市街化とは、都市化とか宅地化という意味です。
市街化するとは、「人がたくさん住む街にする」ということになりますが、「人が住むような街づくりは抑制してください」というのが市街化調整区域になります。

調整という名前から、現在調整段階中というイメージを持つ方も多いのですが、特に何かを調整しているわけではありません。
おそらく、「市街化抑制区域」という名称にすると、かなり聞こえが悪いため、「苦肉の策で市街化調整区域という変な名前になったのだ」と言う人もいます。

市街化調整区域の目的は、農地を守る ことです。

全国の土地は、都市計画法という法律により、土地の利用規制が定められています。
都市計画法では、まず全国を「都市計画区域」、「準都市計画区域」、「都市計画区域外」の3つに分けています。
このうち、人が多く住んでいるエリアは、都市計画区域に指定されています。

さらに、都市計画区域は、「区域区分の定められた地域」と「非線引都市計画区域」に分かれます。
この2つの中では、「区域区分の定められた地域」が、さらに人が多く住んでいるエリアです。

市街化調整区域イラスト

市街化調整区域は、この一番人口の多いエリアに分類される「区域区分の定められた地域」の中に存在します。

「区域区分の定められた地域」の区域区分とは、「市街化区域」と「市街化調整区域」の区域に線引されていることを意味しています。
一方で、「市街化区域」と「市街化調整区域」に線引されていない都市計画区域を「非線引都市計画区域」と呼んでいます。

区域区分の定められた地域の中にある「市街化区域」とは、「すでに市街化を形成している区域または概ね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」のことを指しています。
都市計画上の中では、市街化区域は最も都会という表現ができます。

市街化調整区域は、この都会である市街化区域に隣接 しています。
そのため、全国的に見ると、比較的都市部の農村地帯が市街化調整区域に指定されているという特徴があります。

全国の政令指定都市の中にも市街化調整区域はあり、都市近郊の農家の農地を守っているというのが市街化調整区域 です。

つまり、裏を返すと、市街化調整区域は人口が密集している都市部に隣接しているため、放っておくとすぐに街が開発され、あっという間に農地が無くなる懸念があるようなエリアになります。

よって、市街化調整区域は、土地の利用規制が非常に厳しい です。
市街化調整区域の不動産を売却するには、土地の利用規制を理解する必要があります。
そこで次章で規制の1つである開発許可について解説します。

2.開発許可とは

市街化調整区域の土地は、原則として建物を建てることができません。
建物を建てるには「開発許可」と呼ばれる許可を取る必要があります。

許可とは、原則やってはいけないことを、行政のお許しを得て行う行為です。

開発という言葉のイメージから、大規模な戸建分譲開発を想像しますが、市街化調整区域では、40坪程度の敷地に小さな家を建てる場合でも開発許可を必要とします。

都市計画法上、開発とは以下の3つのいずれかのことを指します。

都市計画法上の開発

  1. 土地の区画の変更 ・・・ 広い土地を分割し、道路なども作って戸建分譲開発する場合に該当します。
  2. 土地の形状の変更 ・・・ 山を切り開き、切土や盛土等の造成工事を行う場合に該当します。
  3. 土地の性質の変更 ・・・ 農地等から宅地への地目の変更する場合に該当します。

市街化調整区域では、土地の面積に関わらず、上記開発を行う場合は、許可が必要となります。

このうち、建物を建てる行為は、「土地の性質の変更」に該当します。
宅地とは、「建物が存する土地または建物を建てる目的の土地」のことを指します。

市街化調整区域内の土地は、小さな土地でも建物を建てようとすると宅地への変更となる ため、許可が必要となります。

但し、行政の許可は一定の要件を満たせば、許可を得ることができる一方、市街化調整区域内のどこでも得られるわけではありません。

例えば、市街化調整区域内でも、開発許可が得られるような土地というのは、都市計画法上、以下のように定められています。

開発許可が受けられる土地

市街化区域に隣接し、又は近接し、かつ、自然的社会的諸条件から市街化区域と一体的な日常生活圏を構成していると認められる地域であっておおむね50以上の建築物(市街化区域内に存するものを含む。)が連たんしている地域のうち、政令で定める基準に従い、都道府県の条例で指定する土地の区域内

イメージとすると、市街が区域と市街化調整区域の境界付近にあり、すぐ近くには多くの人が住んでいるような土地であれば、市街化調整区域内でも開発許可を得られる場合が多いです。

開発許可が受けられる土地

つまり許可を受けて建物を建てることができる土地となります。

一方で、同じ市街化調整区域内でも、周囲に全く家がないようなエリアであれば、許可を受けることができません

許可が得られる土地は、建物を建てられる土地であるため、土地の利用価値が高くなります。
反対に、許可の得られない土地は土地の利用価値が低くなります。

開発許可が得られるかどうかは、市街化調整区域の不動産の売却しやすさや価格に大きな影響 を及ぼします。

市街化調整区域内の不動産を売却するにあたっては、自分の不動産が開発許可を取得して建てた建物か、もしくは開発許可を得られるエリアの土地かが重要な要素になります。

同じ市街化調整区域内の土地でも、売却しにくい土地と売却しやすい土地がある ということを理解しておきましょう。

3.市街化調整区域で売却しにくい不動産

市街化調整区域の物件は、一般的に売却しにくいです。
その中でも、特に売却しにくい物件が存在します。
そこで、この章では市街化調整区域で売却しにくい不動産には、どのようなものがあるかについてご紹介します。

3-1.農地

市街化調整区域内の土地でも、農地は特に売却がしにくいです。農地
農地はさらに農地法の規制 を受けます。

農地法では農地の売却自体に許可を必要とします。

農業は人によっても成果が異なります。
農業を全くやる気のない人に売却してしまえば、結局、農地を減らすことと同じです。
そこで農地法は農地を農地として売却する場合でも、許可を必要としています。

市街化調整区域が農地を守っているだけですが、農地法は農業そのものを守っており、売却も許可を必要とします。

また、国内ではそもそも就農者が減少しており、農地を買いたいと思う人自体が少ないです。
市街化調整区域に関わらず、全国の農地は購入需要がかなり低いです。

また、農地法では農地を農地以外にするための売却においても許可が必要です。
さらに市街化調整区域では、農地を宅地にすることに開発許可も必要となっています。

農地を農地以外にする売却は、農地法と都市計画法の2つの許可が必要となり、非常に売却しにくい土地である と言うことができます。

3-2.無許可で建物が建っている不動産

市街化調整区域においても、建物が建っている土地は多くあります。

市街化調整区域では、許可を受けなくても建築できる建物が存在します。
許可を受けなくても建てられるような建物とは、以下のような建物です。

  • 農林漁業を営む者の居住用建築物(農家の自宅)
  • 畜舎
  • サイロ
  • 温室
  • 農機具収納施設

上記以外の建物は、建てるのに開発許可が必要となります。

ところが、「区域区分の定められた地域」が定められた当時、割と手続きがあやふやだった時期がありました。
当時、手続きをうやむやにしたまま建ててしまった建物もあり、市街化調整区域の中では、無許可で上記以外の建物が建ってしまっているものが残っています。

このような建物は、再建築をすることができないため、市場価値が著しく劣ってしまいます。
市街化調整区域内の不動産は、許可を受けた建てられた建物であるかどうかが非常に重要になってきます。

無許可の建物の中には、建築当時の建築主とは代が変わってしまい、当時のことをあまり知らずに建物を利用し続けている人もいます。

売却する前に、自分の不動産が合法的な建物であるかどうか、一度、確認する ようにしてください。

但し、市街化調整区域に参入される前に建てられた建物は合法的な建物になります。

3-3.開発許可が得られない土地

市街化調整区域内の多くの土地が、開発許可が得られない土地 に該当します。
開発許可が得られるような土地というのは、市街化区域に隣接しているようなエリアで、周辺に住宅が密集しているような土地です。

そのため、市街化区域から離れた市街化調整区域の土地は、ほとんどは建物を建てることができない土地になります。
典型的な市街化調整区域の土地は、基本的に建物を建てることができません。

建物を建てることができない土地は、資材置き場か駐車場としての利用が考えられます
資材置き場といっても、世の中に置き場に困るほど資材があるわけではないため、その需要は限定的です。

一方で、駐車場としての需要はたまにあります。
市街化調整区域内でも、開発許可を得て建てられた工場などは、従業員駐車場等が必要となるケースが多く、周辺事業者が駐車場用地として購入するというケースがあります。

いずれにしても、建物建築を前提としないとなると、利用価値としては低くなるため、高く売却することがあまり期待できません。

市街化調整区域内の土地は、原則として売りにくい土地である ということを理解しておく必要があります。

4.市街化調整区域で売却しやすい不動産

市街化調整区域内の不動産であっても、全ての不動産が売却しにくいわけではありません。
利用できる不動産であれば、売却もしやすくなります。
ケースとしては例外的ですが、市街化調整区域で売却しやすい不動産にはどのようなものがあるかについて解説します。

4-1.開発許可を取って建てられた不動産

市街化調整区域内の不動産であっても、開発許可を取得して建てている建物とその土地は売却しやすいです。

理由としては、開発許可を取っている建物については、購入者が同用途・同規模の建物であれば、再建築することができるためです。
また、市街化調整区域では、新たに開発許可を取得すること自体が難しいため、既に許可を取ってある建物は、価値が高くなります。

市街化調整区域では、開発許可を取得して、工場や倉庫、店舗等の事業用建物が建っている場合があります。
このような不動産は、同業者がそのまま使えるというメリットがあります。

市街化調整区域の不動産は、一般的に売却が難しいとされていますが、全ての物件が難しいわけではないです。
合法的に開発許可を取得している不動産は、売却しやすい物件と言えます。
市街化調整区域は土地価格が安いため、物件を安く購入したい人にとっては、開発許可を取得している建物は、魅力的です。

市街化調整区域内の建物付きの不動産を売却する場合、まずは、今の建物が開発許可を取っているかどうかを確認 するようにして下さい。

合法的な建物の場合、買主候補としては、今の建物を継続的に利用する人となるため、同業者が基本です。
同業者の中に、購入してくれる人がいかいかどうかを探してみるのも良いかもしれません。

4-2.開発許可が得られる土地

市街化調整区域の中でも、建物を建築しようとした場合、開発許可を得ることができる土地 というのがあります。

開発許可が得られる土地は各市区町村レベルで条例によって定められています。
基本的には都市計画法の基準にのっとっており、以下のような規定を定めている市区町村が多いです。

開発許可が得られる土地

市街化区域に隣接・近接し、市街化区域と一体的な日常生活圏を構成し、おおむね50以上の建築物が連たんする地域のうち、条例で指定する区域内で行う開発行為

開発許可が得られる区域は条例で指定されるという点がポイントです。
市区町村によっては、条例で開発許可が得られる土地を全く定めていない市区町村もあります。

市街化調整区域内で更地を保有している人は、その土地が開発許可を得られる土地に含まれるかどうかが大きなポイント になります。
開発許可が得られる土地であれば、その土地は、隣地の市街化区域並の価格で売却することもできます。

尚、開発許可が得られる土地かどうかについては、市区町村町役場の都市計画課や街づくり推進課といったような名称の課で誰でも確認することができます。
自分の土地が、どのような位置づけにあるのか、一度確認してみるのも良いと思います。

特に、土地の所有者には親切に教えてくれますので、土地の所有者であることを名乗り、開発できる土地に含まれているかどうかを確認してみましょう。

4-3.用途地域内の土地

1970~1980年代にかけて、郊外の土地は住宅開発が盛んに行われました。
その当時、市街化調整区域内でも戸建開発が行われたエリアがあり、今でも住宅街として残っています。

このように、市街化調整区域内でも大規模開発が行われた土地の中には、第一種低層住居専用地域と呼ばれる用途地域となっているエリアがあります。

用途地域とは、このエリアは住宅、このエリアは店舗等、エリアによって建築できる建物を定めた都市計画法上の規制です。
通常、用途地域は、最も都市部である市街化区域に指定されています。

但し、かつて大規模に開発された団地の中には、例外的に市街化調整区域内でも用途地域が指定されていることがあります。
市街化調整区域内で定められている用途地域としては、第一種低層住居専用地域が多いです。

第一種低層住居専用地域とは、低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するために定められた地域で、用途地域の中でも最も規制の厳しいエリアです。

このように、市街化調整区域の中でも、第一種低層住居専用地域のような用途地域が定められている地域は、問題なく売却が可能 です。

市街化調整区域の第一種低層住居専用地域が受ける規制は、基本的に人が多くする街である市街化区域の第一種低層住居専用地域と同じです。
購入した人は、第一種低層住居専用地域の規制の範囲内で、建物を再建築することが可能です。

第一種低層住居専用地域のような用途地域が指定されている市街化調整区域は、市街化区域の物件と遜色なく売却が可能 です。

5.市街化調整区域の不動産を買ってくれそうな人

市街化調整区域の中には、一部売却しやすい不動産が存在しますが、大多数は売却しにくい不動産に含まれます。
ところが、売却しにくい不動産であっても、買主によっては問題なく購入してくれる人がいます。
そこで、本章では、市街化調整区域の不動産を買ってくれそうな人はどのような人かについて解説します。

5-1.農家

市街化調整区域の土地であっても、農家の人が自宅を建てる場合、開発許可は不要 です。
そのため、農家の人なら、市街化調整区域内にどこでも家を建てることができます。

市街化調整区域内では、たまに農家の息子が家を建てるために新たに土地を購入するような取引も見られます。

また、最近では脱サラして農業を始める人もいます。
市街化調整区域は、大消費地に近い農村地帯であるため、脱サラ組の就農者には比較的人気があります。
無農薬野菜を都市部のイタリアンレストランに直販するようなスタイルも、都市に近い市街化調整区域ならではの農業です。

新たな就農者も市街化調整区域の土地を購入してくれる候補者の一人と言えます。

5-2.農産物加工業者

農産物加工品

市街化調整区域においても、要件を満たす建物であれば、開発許可が得られる建物が存在します。
その一つが、農林水産物の処理・貯蔵・加工に必要な建築物 です。
近隣の酪農家から仕入れた牛乳から、ヨーグルトやチーズを作るような工場が該当します。

このような農産物加工業者は、市街化調整区域の土地を購入しても、開発許可を取得して工場を建てることができます。
そのため、土地の購入者としてはかなり有力候補となります。

普通の人ならば開発許可が得られない土地であっても、農産物加工業者なら開発許可が得られるという点がポイントです。
そのため、農産物加工業者にとっては、市街化調整区域の土地は、建物が建てられる普通の土地と同じになります。

近年は、農林漁業者(1次産業従事者)がこれまでの原材料供給者としてだけではなく、自ら連携して加工(2次産業)流通や販売(3次産業)に取り組む6次産業化(1次産業×2次産業×3次産業で6次産業)が盛んに行われるような流れです。
6次産業化については、地方創生の起爆剤となることから、国もバックアップしており、促進を促しています。

市街化調整区域の土地を売却したい人にとっては、この6次産業化の流れは良い流れです。
農産物加工業者は必ずしもエリア外の人とは限りません。
近隣の農家の人たちでも、農産物加工をやってみたいという人たちも存在します。

近隣農家も含めて、農産物加工のニーズがないかどうか、探してみるのも良いでしょう。

5-3.市街化調整区域内で事業を展開している事業者

市街化調整区域内では、既に工場や倉庫、店舗等を営んでいる事業者が存在します。
このような事業者は、事業拡大のために近隣の土地を探しているケースがあります。

市街化調整区域内の土地は非常に安いため、コストを抑えて事業展開することができます
既に成功している事業者の中には、市街化調整区域内にとどまりたいと思う企業も多いです。

市街化調整区域から出たくない事業者は、事業を拡大するためには市街化調整区域内の土地を探すしかありません。
工場や倉庫等が点在しているようなエリアは、周辺の企業が市街化調整区域内の土地を購入しているようなケースが良く見られます。

周辺に企業がある場合、その周辺企業に売却の打診をしてみても良いかもしれません。

尚、企業による土地購入は、隣接している市街化区域内の企業も購入する場合があります。
典型的な例としては、資材置き場としての購入です。
一時的に資材を置く必要のある企業にとっては、安く購入できる市街化調整区域の資材置き場は、有力な購入候補となります。

市街化調整区域の土地を売却する場合は、個人だけでなく、法人も有力な買主として考えるようにして下さい

5-4.隣地所有者

売りにくい土地は、隣地所有者へ売却打診すること が鉄則です。
この鉄則は市街化調整区域においても、同じです。
隣地所有者は有力な購入候補者となります。

隣地所有者は、隣地を購入することで、土地の形が良くなる、間口が広がる、下水道に接続できる等のメリットが出てきます。
また、隣地が道路に接していない土地で、隣地を購入することで道路と接道できるようになる土地であれば、隣地所有者にとって、かなりメリットがあります。

また市街化調整区域では、下水に関して特に隣地所有者への売却が効果を生む場合があります。

下水については、開発許可を取得するために排水で以下のような要件が定められています。

排水路その他の排水施設が、下水を有効に排出するとともに、その排出によって開発区域及びその周辺の地域に溢水等による被害が生じないような構造及び能力で適当に配置されるように設計が定められていること。

上述した農林水産物の処理・貯蔵・加工に必要な建築物は、排水施設が確保できる土地でないと開発許可を得ることができません。

例えば、自分の土地が、下水の本管に接続できる土地でも、背後地が下水の本管に接続できないような土地となっているケースがあります。

このようなケースの場合、自分の土地を背後地の人に売却することによって、背後地が下水に接続できることになり、開発許可を取得できる土地に変わる可能性があります。

排水が確保できないため、農林水産加工業者が開発許可を得ることができないということは、たまにあります。
これは市街化調整区域ならではの土地の特徴です。

自分の土地を隣地に売却することによって、隣地の利用可能性が大きく向上するケースもあるということも知っておきましょう

5-5.今の建物をそのまま使う人

市街化調整区域では、既に建物が建っている不動産を売却 するのはかなり有利です。
市街化調整区域以外では、更地の方が売却しやすいケースもありますが、市街化調整区域においては建物付きの不動産の方が売却しやすいです。

売却しやすい理由としては、購入者が新たに開発許可を取得する必要が無いというのが理由です。
中古の戸建住宅や、工場、倉庫等であっても、購入した建物をそのまま使う人にとっては、安くて良い買い物になります。

特に開発許可をきちんと受けて建てた建物であれば同用途・同規模の建物が再建築可能であるため、価値は十分にあります。

尚、かつて市街化調整区域に参入されたときに既に宅地であった土地は、許可を受けずに建物を建てられる既存宅地と呼ばれる制度が存在しました。
これは、市街化調整区域の弊害をなくすための経過措置として存在しましたが、2006年に廃止されています。

市街化調整区域に参入される前のことを「線引前」(市街化区域と市街化調整区域との線を引く前という意味)と呼びます。
線引前に建てられた建物に関しては、再建築可能かどうかは行政によって扱いが異なります。

古い建物でも再建築が可能であれば、価値は高くなりますが、再建築不能となると、価値は低く売却しにくくなります。

市街化調整区域内で建物付きの不動産を売却する場合は、今の建物が再建築できるかどうかきちんと調べた上で売却活用を始めることがポイント になります。

6.市街化調整区域の売却の心構え

市街化調整区域の不動産を売却する場合の心構えとしては、「気長に行う」ということです。

特に、開発許可の見込みがない市街化調整区域の更地は、すぐに売却できるわけではないため、焦らず売却活動を行ってください。

また、市街化調整区域内も土地相場は、価格にかなりの幅がある世界です。
たまたま売却できているような事例も多く、近くの土地が坪5万円で売却できていたとしても、自分の土地が坪5万円で売却できるとは限りません。

更地の場合は、「ちょうどここに資材置き場を欲しかったから」等、偶然にも買主側に特殊な事情があったがゆえに売却できている場合が多いです。

開発許可の見込みがない更地の場合は、このような買主の偶発的な需要を気長に待つことがポイントです。

また、市街化調整区域の更地の物件は、実際の売出価格よりも大幅に値下げして取引が決まっていることも多い です。
あらかじめ、どこまで値下げをしても良いか、ある程度の覚悟をしておいた方が良いでしょう。

尚、市街化調整区域は全国的な観点からすると、比較的都市部に近接した立地条件が良いエリアです。
そのため、めちゃくちゃ売却が難しいかと言われると、そこまで難しくはありません。
隣接している市街化区域には、人口が多いため、隣接エリアからの需要 もあります。

よって、市街化調整区域でも、それなりの取引量が存在します。じっくり売却活動を継続すれば、「いつか売れる」物件も多いです。

また、数はあまりないかもしれませんが、こちらのサイト(http://urbanization-control.selfdoor.co.jp/sale/index.html)のように、売却相談を受け付けてくれるところもありますので、インターネットを駆使して調べてみると良いかもしれません。

いずれにしても、売却活動はあきらめずに気長に継続するようにして下さい。

まとめ

いかがでしたか?

市街化調整区域の不動産売却について見てきました。
市街化調整区域は、基本的に建物を建てることができないエリアです。
そのため需要は低く、一般的には売却しにくいと言われています。

但し、同じ市街化調整区域内でも、既に開発許可を得ている建物や、開発許可を得られる可能性のある土地等、売却しやすい物件も存在します。
市街化調整区域内の物件をお持ちの方は、自分の物件がどのような状態にあるのか、把握しておくことが良い でしょう。

また、市街化調整区域内の不動産でも、土地活用できる人が存在し、購入する可能性のある人たちがいます。
時間はかかるかもしれませんが、市街化調整区域内の物件でも欲しいという人が現れる可能性は十分にあります
気長に構えて、売却活動に取り組むようにしてください。

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