不動産の売却を考えたとき、何から手を付ければ良いのか分からない人も多いと思います。不動産の売却は査定を依頼することから始めます。とはいえ「何の準備もせずに今すぐ査定をしたら損をしそう」と心配な方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、賢く不動産査定を受けるために知っておきたい準備について5つのポイントをご紹介します。
- 不動産査定の種類や手順
- 査定額の基本的な算出方法
- 不動産査定に必要な書類
- 査定金額を上げるテクニックや査定前に確認しておくべきこと
- 査定後の流れと気を付けるべきポイント
査定を依頼する前に、ぜひ最後までお読みいただき、きちんと準備をしてから安心して査定を受けていただければと思います。
Contents
1. 不動産査定とは
不動産の査定とは、売却の予想価格を算出することです。しかし、不動産の仲介は、あくまでも不動産会社の意見価格であり、その金額で売却できることを保証するものではありません。
中古車や中古ピアノの査定や見積では、業者が提示する価格がそのまま売却価格になります。しかし、不動産の仲介は、あくまでも不動産会社か買主を探すことをサービスとした業務です。
そのため、不動産査定額はあくまでも「当社で仲介をしたら、これくらいの価格で購入してくれるお客さんを見つけることができますよ」という予想価格を意味しています。
結果的に査定額よりも安くしか売却できない場合もありますし、査定額よりも高く売却できることもあります。仲介を前提とした査定額とは、あくまでも売却予想価格であり、各社の意見価格でもあるということを理解しておきましょう。
不動産の査定には「机上査定(簡易査定)」と「訪問査定」という2つの種類があります。ここからはそれぞれの査定の目的や方法を解説していきましょう。
1-2.机上査定(簡易査定)とは
まず「机上査定」は、実際には訪問せず、その家や物件の情報やデータを活用して、簡単な査定金額を算出するものです。主に、不動産売却の売却を検討する際に一番初めに行うもので、最近では、インターネットの一括査定サービスを利用するかたも増えています。
1-3.訪問査定とは
訪問査定は公的な書類や資料、データに加えて、実際に現地に行って不動産物件の状態を見て、より正確で適正な査定価格を算出するものです。その分、ある程度の時間がかかります。
検討するための時間がある場合は、まずは一度、複数の会社に机上査定を依頼し、その結果からいくつかの会社に絞り込み、訪問査定を依頼することが大切です。売却希望日まで時間がないときは、訪問査定を数社に依頼することからスタートしましょう。
1-4.そもそも査定額はどのように決まるのか
一般的に、不動産の売却では、買主探しに3か月程度の時間がかかるとされています。そのため、査定額で出てくる価格は「3か月程度で売却できる価格」という基準で想定されています。
仮にすぐ売却したいのであれば、値段を思いっきり下げればすぐに買主を見つけることはできます。つまり、即売を前提とする場合、市場相場より安い価格で売却することにつながるのです。
一方で、高過ぎる価格の物件は、1年かけようが、売却することは困難です。「1年かかっても良いから高く売却したい」と相場より高く値付けした物件は買い手がつきづらく、結局値下げをすることになるケースも少なくありません。
査定額は「3か月程度で売却できる価格」ですが、それが最大価格であるということを理解しておきましょう。
「仲介」と「買取」の違いとは?
不動産にも仲介ではなく「買取」というサービスもあります。買取は、不動産会社が転売を目的として下取りを行います。
買取の査定の場合は、不動産会社が直接買い取る価格となるため、不動産会社が提示する査定価格で売却額が確定します。
ただし、買取は不動産会社による下取りですので、買取の価格は当然ながら安くなります。買取の価格目安は仲介の売却価格を100%とした場合、80%程度です。
買取は3か月もかからずに即金・即売をすることができるため、やむを得ない事情のあるときにはメリットとなる場合もあるでしょう。時間的余裕もあり、高く売却したい場合には、仲介を選択しましょう。
NTTデータグループが運営する不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)を利用すると、最大6社の不動産会社にまとめて査定依頼ができます。
完全無料、最短1分の簡単な入力で査定依頼ができるので、ぜひご利用ください。
2.不動産査定の前に準備しておくこと
不動産を売却するためにまず行うことは不動産査定です。
不動産査定の前に準備しておくと、今後の手続きや準備もスムーズに進めることができます。
この章では不動産査定の前に準備しておくことを解説します。
2-1.必要書類を揃える
不動産の査定を依頼するにあたり、さまざまな書類を準備する必要があります。
事前に揃えておくと、査定から契約までスムーズにできるので、余裕をもって準備しましょう。
不動産の査定時に必要な書類は以下の通りです。
- 登記簿謄本
- 印鑑証明書
- 住民票
- 登記済権利証(または登記識別情報)
登記簿謄本は、管轄エリアもしくは最寄りの法務局、郵送で入手可能です。
印鑑証明書と住民票は市町村役場で入手できます。
登記済権利証(または登記識別情報)の発行は、法務局にて手続きを行う必要があります。手続き後すぐ入手できる物もあれば、2週間近くかかるものもあるので、早めに準備を行うことをおすすめします。
また、以下の書類は、戸建てとマンションで必要かどうかが異なります。前述した書類と同じく、査定の依頼前に準備しておきましょう。
戸建ての場合 |
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マンションの場合 |
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他にも、不動産会社によっては上記以外にも書類の用意を求められることがあります。あるいは査定時に必要ないものもあります。査定を依頼するとなったら、依頼先の不動産会社に確認してください。
2-2.住宅ローン残高を調べる
住宅ローンが残っている人は、現時点での住宅ローンの残高を調べましょう。
ローンが残っていても家を売ることは可能です。
ただし、家の引き渡しと同時にローンを一括で完済しなければいけません。
また売却価格を決定する上で大切な指標になります。
住宅ローンの残高は銀行で手続きをすれば残高証明書を発行することができます。
住宅ローンが残っている人は、正確な額を把握しておきましょう。
2-3.戸建ては土地の境界を確認する
戸建ての場合は土地の境界を確認しておく必要があります。
土地の境界が不明のまま売却をしてしまうと、後々買主が隣人との境界に関するトラブルに巻き込まれる可能性があります。
境界の覚書や境界確認書など境界を確認できる書類があれば、売買もスムーズに進めることができます。境界を確認できる書類があるか確認しましょう。
もし土地の境界が不明の場合は、戸建てを引き渡しするまでに土地家屋調査士に依頼し境界を確定させ、境界に関する書類も準備しましょう。
2-4.リフォームは不要
査定時には、修繕は必要ですが、リフォームを行う必要はありません。
リフォームをすると、ある程度は高く売却することは可能ですが、リフォーム費用がリフォーム前の物件価格にそのままプラスになるわけではありません。大抵の場合、上乗せできる価格はリフォームコストより少なくなります。
例えば、リフォーム前の物件価格が3,000万円で、リフォーム費用が500万円だったとします。本来500万円上乗せして、3,500万円で売却したいところですが、実際には3,300万円のような価格となります。すると、300万円しか上乗せすることができないため、リフォームしたことで200万円を損したことになります。
価格に100%転嫁できる保証がない以上、安易にリフォームをすべきではありません。この法則は、築30年以上の物件であっても同様です。築年数が古いマンションや戸建では、購入者が自分で好きなようにリフォームできることから、リフォームをしていない安い物件の方が、むしろ好まれる傾向にあります。
2-5.修繕は原則必要
「壊れたものを修理する」という意味の修繕は、原則必要です。致命的な損傷のある物件は、値引きの対象にもなります。お金の余裕があれば修繕を行い、より高く物件が売れるように工夫しましょう。
【修繕が必要】致命的な破損や損傷の例
- お湯が出ない
- 排水が詰まる
- 空調が効かない
- 浴槽が破損している など
【修繕は不要】軽微な破損や損傷の例
- 畳が変色している
- クロスが電気コード焼けしている
- 網戸に穴が開いている など
気になる部分は査定のときに、実際にプロである不動産会社に見てもらい、修繕すべき箇所と聞いてみましょう。その際には、修繕後に上昇する売却予想価格を確認することが大切です。修繕費用が赤字になる場合、あえて修繕はしないという選択もあります。
不動産会社によっては「修繕しなくても売れます」と言ってくれる会社もあります。しかし客観的に判断するために、査定金額と同様、複数の不動産会社に意見を聞いてみることをおすすめします。
2-6.修繕しない場合は告知書で対応
物件の問題点に関しては、買主に「容認」してもらった状態で売却することがポイントです。物件に問題点がある場合、洗いざらい不動産会社に告げるようにしてください。売主しか知らない問題点に関しては、告知書というもので不動産会社に報告し、最終的には買主へ説明されます。
不動産の売却では、売主は「瑕疵(かし)」や「隠れた破損・損傷」に対して契約不適合責任という責任を負います。瑕疵(カシ)とは通常有すべき品質を欠くことであり、雨漏りやシロアリによる床下の腐食等が該当します。
売却後、瑕疵や隠れた損傷などが発見された場合、売主は損害賠償などの責任を負い、最悪は契約解除をされる恐れがあります。不動産の売却においては、売主が知っている問題点は絶対に隠さないことが重要です。査定の段階でも、不動産会社に問題点は全て告知しましょう。
参照:法務省 民法の一部を改正する法律(債権法改正)について 「売買,消費貸借,定型約款などの契約に関するルールの見直し」
2-7.ハウスクリーニングは不要
査定の段階ではハウスクリーニングは不要です。プロの不動産会社が行う査定は、部屋の間取や設備、庭やバルコニーの方位、損傷箇所等を見ています。部屋が綺麗であっても加点はされませんし、逆に部屋が汚くても減点はされません。
もしハウスクリーニングをするのであれば、売却活動が始まった後の「内覧の前」に行うことが効果的です。内覧とは、不動産会社が購入希望者を物件に連れてきて、実際に家を見てもらうことを言います。わざわざプロの不動産会社に向けてハウスクリーニングをすることは不要です。
3.不動産査定を依頼する方法・手順
それでは、不動産査定を依頼する方法について解説していきます。先ほどもお伝えした通り、まずは複数の不動産会社に査定依頼しましょう。不動産査定の依頼には、以下の2つの方法があります。
3-1.不動産の一括査定サイトで依頼する
不動産の一括査定サイトを活用することで、インターネットを通じて、複数の不動産会社に一度に査定を依頼することができます。以下のようなメリットがあります。
- いつでも、どこでも不動産査定を依頼できる
- 何度も査定を依頼する(話す)手間が省ける
- 各社の査定額や売却プランの比較がしやすい
ただし、インターネットで手続きをする以上、セキュリティ面でもしっかりと信頼ができる不動産サイトを選ぶことが大切です。また、優良な不動産会社を厳選したサイトを使用することもポイントとなります。
信頼できる不動産の一括査定サービスとしておすすめなのが、「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」です。NTTデータグループが運営しており、全国にある2,300社もの不動産会社と提携をもっています。
しっかりと審査をした不動産会社から、エリアと目的に応じて、適切な不動産会社をピックアップしてくれます。「不動産売却 HOME4U」を使って、安全で賢い不動産売却を検討しましょう。
3-2.一社ずつ査定を依頼する
不動産査定を依頼する会社を調べ、訪問や電話をするなどして一社ずつ査定を依頼する方法です。一から始めるとなると、かなりの時間と手間がかかります。すでに依頼先を決めている場合を除いては、なるべく避けたほうがよいでしょう。
4.不動産査定を依頼するときのポイント
不動産査定に失敗しないために、依頼する際に気を付けるべきポイントをご紹介します。事前に知っておくことで、家やマンションなど物件の売却で損をすることを防ぐことができます。
4-1. 損をしないためには複数の不動産会社に査定を依頼するのが鉄則!
先に申し上げた通り、不動産の査定額とはあくまでも売却の予想価格です。予想である以上、査定をする人によって査定額はバラつきます。
下のグラフを見てください。
これは同じ物件を不動産会社A社からD社まで査定してもらった結果ですが、一番安い査定額と一番高い査定額では590万円もの差があります。
不動産査定の場合、1社だけの査定では、その査定額が適切なのかどうか判断することは難しく、「より高く売れるかもしれない」という可能性を見逃すことにもなりかねません。
「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」など、無料で複数の不動産会社に査定を簡単に依頼できるサイトを活用するのがよいでしょう。
4-2.査定額を比較して市場相場を考える
一番高い査定額がほかの査定額と大きな差がある場合も、注意が必要です。実際に市場で通用する売却金額でないと売れ残ってしまい、結局は値下げする羽目になるケースは多くあります。
また売却が完了するまで、予定より長い時間がかかることになるため、複数の不動産会社の査定額から相場を見極めることが大切です。
4-3.住宅ローンが残っている場合は査定額が大切!
住宅ローンの残債が残ったまま住宅を売却する人にとって、査定額はとても重要な位置づけとなります。売却額の予想に客観性を持たせるためにも、必ず複数の不動産会社から査定額を取得するようにしましょう。
住宅ローンの残債が残っている人は、売却額によって残債を返済する人がほとんどです。仮に査定額が住宅ローン残債よりも低ければ、ローンが残ってしまいます。場合によっては売却そのものを取りやめる必要性も出てきます。特に、住み替えを計画する際には注意しましょう。
買い替え編
単純な売却だけでなく、買い替えを検討している人にとっても査定金額、つまり売却予想価格は重要な位置づけとなります。
まず、買い替えでは購入を先行させる「買い先行」と、売却を先行させる「売り先行」という2つの方法があります。以下の図は、売り先行で住み替えをする基本的な流れです。
売り先行は、住みながら物件を売却せざるを得ないため、売りにくいというデメリットがあります。
ただし、次に購入する物件の頭金等を売却額の中から用意することができるため、資金に十分な余裕がなくても買い替えることができます。そのため、多くの人は売り先行を選択します。売り先行を選択する人は、査定額の結果がとても重要です。
もし1社だけからしか査定を受けず、その査定額を妄信してしまうと、ローンの返済や買い替え計画に大きな狂いが生じ、損をする可能性があります。したがって、査定は必ず複数の不動産会社に依頼することが鉄則になるので、注意してください。
5.訪問査定の流れ
訪問査定の基本的な流れは以下の通りです。
- 机上査定の結果から不動産会社を絞る
- 訪問査定を依頼し訪問日時を決める
- 必要書類を用意し当日は立ち合いを行う
- 査定結果を元に不動産会社を決める
それぞれ解説します。
5‐1.机上査定の結果から不動産会社を絞る
机上査定の結果を元に、訪問査定を依頼する不動産会社を絞りましょう。
机上査定とは簡易査定とも呼ばれ、通常オンライン上で行うことができる査定方法です。住所や占有面積、築年数など必要事項を入力すると査定結果を知ることができます。
一括査定サイトを利用すれば、一度に複数の不動産会社の査定を依頼することができます。机上査定の精度の高さはあまり高くはありませんが、ご自身の物件が「どれくらいの価格で売れるのか」を大まかに把握する意味でも、まずは訪問査定を依頼してみましょう。
5‐2.訪問査定を依頼し訪問日時を決める
現地を訪れて査定を行う「訪問査定」を依頼するには、まず訪問する日時を相談し、アポイントメントをとる必要があります。
査定日時を相談する際は、いくつか候補日を伝えておくと日時の調整もスムーズに行うことができます。
また当日は必要な書類もあるため、売主の立ち合いが必要です。アポイントメントをとる際は、必要書類などを確認しておきましょう。
5‐3.必要書類を用意し当日は立ち合いを行う
訪問査定の日時が決まったら、必要書類を事前に揃えてから当日をむかえましょう。
2章で解説した必要書類は、不動産会社からの質問に対応するために必要です。また、査定の精度を上げるのに役立つこともあります。どうしても査定時に必要書類が間に合わない場合は、事前に不動産会社に伝えておくと良いでしょう。
また査定時には担当者が物件の状態を確認しながら査定を行うため、不動産のアピールポイントはもちろん、傷や汚れなどがある場合は査定時に正直に伝えましょう。
売却後に損傷などが発覚した場合、トラブルになる恐れがあるからです。スムーズに査定を進めるためにも、必要書類は可能な限り揃えておきましょう。
5‐4.査定結果を元に不動産会社を決める
不動産会社から査定結果を受け取ったら、内容を見て仲介を依頼するか検討しましょう。
査定の評価ポイントは不動産会社によって異なるため、どの不動産会社も査定額が同じとは限りません。比較検討し、安心して任せられる会社を見極めましょう。
査定結果で重要視するポイントは、査定額だけではありません。査定額の根拠が明確か、訪問査定から査定結果までの対応が良いかなども含めて確認し、依頼するか判断してください。
6.査定の前に最低限確認したいこと
ここからは不動産の査定を行う前に確認しておきたいことを、マンション・戸建て別にご紹介します。
6-1.マンション査定の場合
マンションを売却するかたは、以下のことを確認するようにしましょう。
確認事項:管理費や修繕積立金に滞納がないか?
対処法:
滞納や未納があった場合は、購入者が建て替えることになり、値引き理由となるため、すぐに支払って解消します。売却する日までの支払いは売主が担うこととなります。売却時に、管理費や修繕積立金のお支払い方法に合わせて日割りや月割りなどをして、買主と清算を行います。
6-2.戸建査定の場合
戸建を売却するかたは、以下のことを査定前に確認しておくとスムーズです。
6-2-1.境界確定の有無
戸建を売却する場合、不動産会社から「境界は確定していますか?」と必ず聞かれます。まず、売主には境界明示義務があります。境界とは、近接する土地との境目を意味します。
確認事項:売却をする前に、「境界は全て確定しているか」を確認
対処法:
- 境界が確定しているかどうかを確認する最も簡単な方法は、「境界確定図」または「確定測量図」という名称の図面を見ることです。単純な「実測図」とか「現況測量図」というような名称の図面だけの場合、境界が確定しているかどうかは定かではありません。
- もし確定していなければ、各境界を示す筆界確認書で「どこが確定していないのか」について最低限確認するようにして下さい。
- 境界を確定するために、不動産会社に相談し、測量会社を紹介してもらいましょう。先に境界を確定させておくことで、スムーズな不動産売却を行うことができます。
不動産会社が開発分譲したような戸建住宅地であれば、境界はほぼ確定しているはずです。一方で古くから所有している戸建住宅などの不動産については、注意が必要です。
6-2-2.越境物
境界が確定したら、次に越境物について確認しましょう。越境物とは下記のようなものを示します。
- 隣家の木が境界を越えて入ってきている
- 隣地とのブロック塀が境界の真ん中にある など
越境物は境界ラインが確定している開発分譲された戸建住宅地にも存在する可能性のある問題です。越境物のどの部分が越境しているかを事前に把握するようにして下さい。告知書に記載することで、越境についても買主に容認してもらうことが必要となります。
7.査定後に気を付けること
最後に「査定後」のことをお話ししましょう。査定を依頼した際、重要なことは査定結果に一喜一憂しないことです。査定額はあくまでも売却予想価格です。
低い査定額をもらった場合でも、ひとつの可能性として冷静に受け止めてください。査定額を住宅ローン返済や買い替え計画の参考資料とするためには、特に低い査定額を重視して保守的に計画を立てることをおすすめします。
固めの数字で計画を立てておき、「高く売れればラッキー」という心構えとした方が、売却はスムーズに進みます。
逆に、一番高い査定額を前提に全ての計画を立てると、その価格で売却できなかった場合、計画に狂いが生じてしまいます。学費や老後の蓄えとなる預貯金を大きく切り崩すなどの対応が必要となるケースもあるでしょう。
売却後の資金計画を立てる上では、低い査定額にこそ注目し、しっかりと計画を立てるようにしましょう。
8.不動産の査定に関するQ&A
最後に、不動産査定を依頼する際に、よくある疑問・質問にお答えします。
8-1.不動産査定、また売却にはどの程度の時間がかかりますか?
まず、不動産の査定には2つの段階があり、それぞれ以下の時間を目安にするとよいでしょう。
- 机上(簡易)査定:依頼から返答まで、数時間から1日程度。
- 訪問査定:当日は1~2時間程度。回答がくるまでは1週間程度。
また、不動産の売却までは、目安としては半年程度を目安にしておくとよいでしょう。もちろん、物件によって売却活動の期間に大きく違いが生じるため、住み替えを行う場合などは不動産会社の担当者とこまめに相談するようにしましょう。
「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」など信頼できるインターネットの一括査定サイトを活用することで、よりスピーディに査定を依頼することができます。
8-2.不動産の査定にはお金はかかりますか?
基本的に、不動産の査定を不動産会社に依頼した際には、机上(簡易)査定・訪問査定のいずれも、すべて無料で行われます。その代わり、売却時には仲介を行う不動産会社に仲介手数料を支払う必要があります。
また、不動産鑑定士に「鑑定」を依頼した場合は有料となるため、間違えのないように気を付けましょう。
8-3.査定を依頼する不動産会社を選ぶポイントはありますか?
不動産の一括査定サイトなどを活用して、複数の不動産会社に査定したときに、訪問査定を依頼する不動産会社を選ぶポイントは下記のとおりです。
- 不動産会社の実績や得意分野がご自身の目的にマッチしている(中古マンションの取り扱いが多い、土地付き一戸建ての実績が多い、住み替えの案件が得意など)
- エリアや路線に強みがある
- 見込みのある顧客を抱えている(売り先に心当たりがある場合、スムーズに売却が可能)
- さまざまな売却プランを提案してくれる
また、最後に仲介する不動産会社を選ぶ際には、営業担当者の態度や性格が合っているかどうかを確認することも重要です。
8-4.メールやインターネットだけで査定をすることはできますか?
無料の一括査定サイト「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」なら、無料で複数の不動産会社に査定を簡単に依頼することが可能です。
提携企業には、大手から地域密着型まで2,300社もの不動産会社が参画しており、エリアに強い不動産会社や既に見込み客を抱えている不動産会社をピックアップしてくれます。
個別に不動産会社に出向かなくても、自宅にいながら1分ほどの入力で複数の不動産会社に査定の依頼ができるため、メールよりも簡単に査定依頼が可能です。
8-5.遠方にある物件の査定を依頼するにはどうすればいいですか?
相続などの関係で、遠方にある不動産や土地の査定を依頼した場合、近隣の親戚を代理人に立てることで、立ち合いが必要な売買契約などをすませることができます。
代理人として適切なかたがいない場合は、「司法書士を代理に立てる」「買主の了解を得て郵送等で持ち回り契約を行う」など別の方法もあります。
ただし、不動産の契約は契約内容やこまかな申し送り事項の確認などが重要な場合も多くあります。そのため、契約時にはできるだけ現地に行って、立ち会うことをおすすめします。
また遠方にいる際は、書類や鍵のやり取りなどが多く発生するため、地元の信頼できる不動産会社と専属媒介契約を結ぶことでいろいろな手間を省くことができます。
もしも物件が空き家で、管理会社を活用した賃貸経営を検討している場合は、「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」がおすすめです。簡単な入力をするだけで、複数の管理会社に一括で賃貸経営の相談をすることができます。
まとめ
いかがでしたか。
不動産の査定の前に知っておきたい準備のポイントは下記のとおりです。
- 書類の確認
- リフォームは不要
- 修繕は原則必要
- 修繕しない場合は告知書対応
- ハウスクリーニングは不要
またマンションでは「管理費や修繕積立金の滞納の有無」、戸建では「境界確定の有無」について確認する必要があります。
家やマンションの売却を決めたら、早速、不動産売却 HOME4Uで一括査定を申し込んでみてくださいね。査定金額やプランを比較して、適切な不動産会社を選ぶことが、失敗しない不動産売却の第一歩となります。あなたの目的に合った不動産会社と出会うために、賢く不動産査定を活用しましょう。
- 「不動産を売りたいけど、どうしたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を
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この記事のポイント
不動産査定の前にすべき準備は以下のとおりです。
- 必要書類を揃える
- 住宅ローン残高を調べる
- 戸建ては土地の境界を確認する
- リフォームは不要
- 修繕は原則必要
- 修繕しない場合は告知書で対応
- ハウスクリーニングは不要
詳しくは「2.不動産査定の前に準備しておくこと」で解説しています。
訪問査定の手順は以下のとおりです。
- 机上査定の結果から不動産会社を絞る
- 訪問査定を依頼し訪問日時を決める
- 必要書類を用意し当日は立ち合いを行う
- 査定結果を元に不動産会社を決める
詳しくは「5.訪問査定の流れ」で解説しています。