年収500万円で住宅ローンを組む!借入可能額の計算方法や注意点

年収500万円の住宅ローン 借入額や注意点を解説

額面年収500万円の方の中には、

「今の年収で家が買えるだろうか?」
「買えるなら、住宅ローンはいくらまで組める?」

と疑問に感じている方もいるでしょう。

結論から言うと、額面年収500万円でも、資金計画を綿密に立てれば家を買うことは可能です。

この記事のポイント
  • 年収500万円の方は、1,000万円台後半~3,000万円台後半くらいを目途にマイホーム購入の予算を立て始めるとよい
  • 単独契約とペアローンでは、合算できる年収や税額に差が出る
  • 住宅ローンを組む際には「返済負担率」「頭金」「返済期間」がポイント

自分の年収でどのくらいの住宅ローンが組めるかがわかれば、どのような家が建てられるのかといったイメージづくりが捗ります。

住宅ローンを借りる際の注意点もお伝えするので、ぜひ最後までご覧ください。

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年収別の住宅イメージを比較したい方は「年収別の家を建てるイメージ」の記事もご覧ください。

1.年収500万円で住宅ローンを組む生活イメージ

年収500万円の生活イメージ

まずは、額面年収500万円で住宅ローンを組む状況について整理してみましょう。

年収500万円の場合、所得税や住民税などの税金のほか、健康保険料や雇用保険料などの保険料が引かれることを考えると、手元に残る金額は380万〜400万円程度になります。
単純に12か月で割ると、1か月あたりの手取りは31万~33万円程度です。

国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査結果について」によると、給与所得者の平均年収は458万円。年収500万円は、平均をやや上回る水準といえます。

しかし、総務省の「家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要」によれば、二人以上の世帯における毎月の消費支出は29万3,997円。

1人暮らしではなく、夫婦世帯や家族世帯で年収500万円の場合、老後の資金や子どもの教育資金の蓄えを踏まえると、余裕があるとはいえません。

そのため、年収500万円の方が家を買う場合は、月々の住宅ローン返済額が家計を圧迫しないよう、綿密な資金計画が必要となります。

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2.年収500万円の住宅ローン借入可能額の計算方法と目安

年収500万円で借りられる住宅ローンの目安とは イメージ

額面年収500万円の方が、住宅ローンを組む際に借りられる金額はいくらくらいなのでしょうか。

ここでは、住宅ローンの計算に必要な「返済負担率」の計算方法や、返済負担ごとに借りられる金額目安を解説します。

2−1.返済負担率の計算方法

住宅ローンの借入可能額を計算する際には「返済負担率」を使うとスムーズです。

返済負担率とは

年収に占める、住宅ローンの年間返済額の割合のこと

返済負担率の計算方法は、以下のとおりです。

返済負担率の計算方法

返済負担率=年間の返済額合計÷現時点での年収×100

一般的な金融機関では、この返済負担率を35%以下に設定していることが多いです。
ただし、理想的な返済負担率は20~25%程度と言われています。

2-2.返済負担率ごとの借入金額目安

返済負担率20〜35%の場合の借入可能額を、借入期間ごとにシミュレーションしてみましょう。

【シミュレーション条件】
  • 返済方法:元利均等
  • 返済期間:20~35年
  • 当初金利:1%

※住宅保証機構株式会社「住宅ローンシミュレーション」で試算

■返済負担率35%の場合
借入期間 借入可能額
20年 3,171万円
30年 4,534万円
35年 5,166万円
■返済負担率30%の場合
借入期間 借入可能額
20年 2,718万円
30年 3,886万円
35年 4,428万円
■返済負担率25%の場合
借入期間 借入可能額
20年 2,264万円
30年 3,238万円
35年 3,690万円
■返済負担率20%の場合
借入期間 借入可能額
20年 1,812万円
30年 2,590万円
35年 2,952万円

このように、返済負担率や返済年数によって、借入可能額に大きな差が出ることがわかります。

先述のとおり、金融機関が許す範囲の上限で借りるよりは、理想的な数値と言われている返済負担率20~25%に収めて予算を立てるほうが無難です。

年収500万円の方は、1,000万円台後半~3,000万円台後半くらいを目途にマイホーム購入の予算を立て始めるとよいでしょう。

なお、住宅ローンは契約者の人数によって、住宅ローンの借り方が異なります。

次章より、単独で住宅ローンを組む場合と、ペアで組む場合のポイントを解説しますが、注文住宅を検討中の方で、1,000万円台後半~3,000万円台後半の住宅がどのようなプランになるのか具体的に知りたい方は、無料のHOME4U(ホームフォーユー)プラン作成依頼サービスをご利用ください。

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お家のいろは コラム
住宅ローンを最大限借り入れるのはリスク大!

先述のとおり、年収500万円、返済負担率35%、35年ローンであれば、最大で5,166万円の借入を行えます。
ただし、住宅ローンを上限いっぱいまで借りることは、リスクが大きいため注意が必要です。

住宅ローン契約時は、会社の業績は順調、体も元気で働き盛りかもしれません。

しかし、労働環境や体調、ライフイベント、そしてコロナウイルスのような社会情勢の変化など、想定外の問題が生じて返済計画に狂いが生じることもあるでしょう。

今だけでなく、将来的なライフプランや状況の変化にも目を向けつつ、無理のない資金計画を立てることが大事です。

3.ケース別の住宅ローン借入可能額の考え方

注文住宅を買う際に必要な手付金・頭金・諸費用 イメージ

ここでは、単独でローンを組むときと、ペアでローンを組むときに分けて、年収500万円の方が借りられる住宅ローンの考え方を解説します。

【シミュレーション条件】
  • 返済方法:元利均等
  • 返済期間:20~35年
  • 当初金利:1%

※住宅保証機構株式会社「住宅ローンシミュレーション」で試算

3−1.単独で住宅ローンを組むときの考え方

単独で住宅ローンを組む場合、単身世帯でなく、夫婦や家族世帯である際には、収入を得ているのが1人なのか2人なのかによって計算方法が異なります。

1人で世帯年収500万円の場合(単独契約)

1人で世帯年収500万円の場合(単独契約)のイメージ

単身世帯や、夫婦や家族世帯で収入を得ているのが1人の場合、2章で解説した借入可能額が目安となります。

例)世帯年収の内訳例
  • 契約者:500万円
  • その他:0円
■返済負担率25%の場合
借入期間 借入可能額
20年 2,264万円
30年 3,238万円
35年 3,690万円
■返済負担率20%の場合
借入期間 借入可能額
20年 1,812万円
30年 2,590万円
35年 2,952万円

返済期間35年の場合、2,952万~3,690万円が相場と考えられます。

2人で世帯年収500万円の場合(単独契約)

2人で世帯年収500万円の場合(単独契約)のイメージ

この場合、単独契約を結ぶ際にも、契約者以外の方の収入をある程度合算することが可能です。

契約者以外の方の収入をどの程度加算するかは、金融機関によって基準が異なります。

以下のケースを例に見てみましょう。

例)世帯年収の内訳例
  • 契約者:400万円
  • その他:100万

単独契約であれば、1/2を合算の対象とする金融機関を利用する場合、年収は450万円として審査を受けることになります。(100万円の1/2=50万円)

返済負担率ごとに見ると、借入可能額は以下のように計算できます。

■返済負担率25%の場合
借入期間 借入可能額
20年 2,038万円
30年 2,914万円
35年 3,321万円
■返済負担率20%の場合
借入期間 借入可能額
20年 1,630万円
30年 2,331万円
35年 2,656万円

夫婦や家族世帯で年収を得ているのが2人であるなら、単独契約でも収入を合算して審査を受けたほうが借入可能額を増やすことができます。

3−2.ペアで住宅ローンを組むときの考え方

夫婦・家族世帯の方は、ペアで住宅ローンを組むこともできます。

「ペアローン」と呼ばれる方法で、夫婦それぞれが債務者となるため、合算された世帯年収で審査を受けられます。

単独契約で住宅ローンを組むよりも、ペアローンのほうが審査は有利に進む傾向にあります。

ただし、名義が違うものに対し住宅ローンを組んだり、繰り上げ返済を行ったりすると「贈与税」が発生するケースがあるため注意が必要です。

贈与にならないように、ローンの持ち分に合わせて登記を行っておくなど、事前に対策をしておきましょう。

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お家のいろは コラム
家を買う際に必要な頭金・諸費用

家を買う際に必要な頭金は、住宅価格の2割程度と言われています。

例えば、3,000万円程度の住宅であれば、頭金は600万円程度用意するのが一般的です。

フルローンが組める金融機関であれば、頭金なしでも住宅ローンを組んで家を購入することも可能ですが、頭金を用意しないことには、以下のようなデメリットもあります。

頭金なしのデメリット

  • 借入金が大きくなるため、住宅ローンの返済期間が長期化する
  • 住宅ローンの審査のハードルが上がる
  • 住宅ローンの金利の優遇が受けられない
  • 売却時にローン返済ができないリスクが高くなる

また、住宅購入時には、住宅本体価格や頭金だけでなく、以下のような「諸費用」にも配慮して資金計画を立てる必要があります。

  • 仲介手数料
  • 登録免許税
  • 印紙税
  • 住宅ローンの保証料
  • 住宅ローンの融資手数料
  • 火災保険・地震保険料
  • 不動産取得税

諸費用の相場は、新築物件の場合で物件価格の3〜7%程度です。

原則現金で支払う必要がありますが、諸費用ローンを利用して住宅ローンに組み込む方法もあります。
ただし、金利が上がる可能性があるため、慎重に検討しましょう。

4.年収500万円で住宅ローンを組む場合のポイント

年収500万円で住宅ローンを組む場合のポイント イメージ

ここからは、実際に住宅ローンを組む際のポイントをご紹介します。
主なポイントは、以下の3つです。

年収500万円で住宅ローンを組むポイント
  • 返済負担率20〜25%に収める
  • 返済期間を30年前後に設定する
  • 頭金をなるべく準備する

以下より1つずつ解説します。

4−1.返済負担率20〜25%に収める

住宅ローンを組む際に考えておきたいことは、毎月の返済額がいくらになるかということです。
具体的な返済額を把握することで、入居後の生活のイメージがしやすくなるでしょう。

月々の返済額の指標となるのが、先述の「返済負担率」です。理想値である20~25%程度に収めることで、無理のない範囲の借り入れが可能になります。

4−2.頭金をなるべく準備する

頭金がなくても住宅ローンを借りられることはありますが、デメリットもあるとお伝えしました。

一方、頭金を多く払えば、毎月の返済額を減らせたり、返済期間を短くしたりできるため、そのぶん金利が安くなるケースが多いです。

入居後の収支や急な出費への備えにも考慮しつつ、最適な頭金を考えてみましょう。

4−3.返済期間を30年前後に設定する

住宅ローンは長期にわたって返済を続けていくものです。
そのため、ライフプランや完済時年齢なども考慮しながら返済期間を決めていきましょう。

国土交通省の「令和4年度 住宅市場動向調査」によれば、住宅ローンの平均的な返済期間は30年前後です。

理想は定年までに住宅ローンを完済することですが、借入時の年齢によっては返済期間が短くなる可能性もあります。

平均値はあくまで参考にとどめ、自分の年齢や状況に合わせて資金計画を立てましょう。

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5.住宅ローンを組む場合に注意すべき3つのこと

住宅ローンを組む場合に注意すべき3つのこと イメージ

最後に、住宅ローンを組む際に注意すべきことを解説します。

主な注意点は、以下の3つです。

住宅ローン契約時の注意点
  • 贈与税の特例や非課税枠を利用する
  • 金融機関や金利を比較する
  • 住宅ローンの金利の種類を考慮する

以下より1つずつお伝えします。

5−1.贈与税の特例や非課税枠を利用する

親からの支援を受けて住宅を購入する場合は、贈与税が課されないように「贈与税の特例」や「非課税枠」の利用を検討しましょう。

「住宅取得等資金の贈与の特例」の制度を使えば、父母や祖父母からの住宅購入資金の贈与が以下のとおり非課税になります。

住宅取得等資金の贈与の特例の非課税枠
  • 一般的な住宅の場合:500万円まで
  • 省エネ等住宅:1,000万円まで

また、贈与税では1年ごとに110万円の非課税枠もあるため、毎年110万円の贈与を受けて住宅ローンの返済に充てることも可能です。

参考:国税庁「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」「贈与税がかかる場合

5−2.金融機関や金利を比較する

住宅ローンは、利用する金融機関によって、金利や審査に違いがあります。

例えば、都市銀行のようなメガバンクやネット銀行の場合、金利が安い傾向にあるものの、審査は厳しくなっています。
一方、地方銀行や信用金庫では、金利が高く設定されているものの、審査の融通が利きやすい点が特徴です。

金融機関ごとに事務手数料や保証料などの諸費用も異なるため、自分の条件に適した金融機関を探すようにしましょう

5−3.住宅ローンの金利の種類を考慮する

選ぶ金利によって総支払額も変動するため、どの金利を選ぶかも住宅ローン選びにおいては重要です。

住宅ローンの金利には、次の3つがあります。

住宅ローンの金利の種類
  • 変動金利型
  • 全期間固定金利型
  • 固定金利期間選択型

「変動金利型」は、金利相場に応じて金利が見直されるタイプです。

全期間固定金利型は最初から最後まで金利が変わらず一定の金利で計算されるタイプを指し、固定金利期間選択型は5年、10年など一定期間固定金利が適用されるタイプの金利をいいます。

固定金利期間選択型は、一定期間終了後に変動金利への変更も可能です。

現在は金利水準が低いため、変動金利が最も金利負担は低くなる傾向にあります。
ただし、金利相場の影響を受けやすい点も考慮して金利を選ぶようにしましょう。

【2024年】住宅ローンの金利は今後どうなる?相場や推移についても解説
お家のいろは コラム
金融機関の審査内容は?

住宅ローンを申し込んだ後の、最終的な借入可能額の決定権は金融機関が持っています。

金融機関は、定められた住宅ローンの審査規定に照らし合わせ、事前審査と本審査の2段階でチェックするのが一般的な流れです。

申込者は事前審査に通れば、購入物件の売買契約が締結できます。
そして、本審査通過後に、住宅ローンの条件が確定する仕組みです。

金融機関が重視する主な審査項目例としては、以下のものが挙げられます。

  • 健康状態
  • 完済時の年齢
  • 勤続年数
  • 年収
  • 購入する不動産の担保評価
  • 借入時の年齢
  • 連帯保証人
  • 返済負担率

年収から返済に充てる金額を調べる場合、住宅ローンの返済額以外にも、クレジットカードやマイカーローン、教育ローンなど、ほかの借入金にも配慮しましょう。

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まとめ

年収500万円の方が家を買う際の住宅ローン目安や、頭金、注意点などをお伝えしました。

住宅ローンの借入可能額を考える際には、「返済負担率」がカギになります。
理想値である20~25%に収まるよう意識しつつ、今だけでなく将来的なライフプランも視野に入れながら資金計画を立てましょう。

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