住宅購入を検討し始めた方のなかには、「家を建てるにはいくらくらいの年収が必要なのだろうか」「みんなはどの程度の年収で家を購入しているのだろうか」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
特に家を建てるには住宅ローンを借り入れる必要があることが多いため、今の年収で希望額のローンが組めるのか、気になるところでしょう。
注文住宅を建てた方の世帯年収を見てみると、600万~800万円が最多ですが、400万円未満で建てている方もあり、必要な年収は自己資金やプラン次第ともいえます。
- 家を建てるために必要な年収、住宅ローン借入可能金額の目安
- 年収別の建てられる家のイメージ
- ローンの負担を減らす方法・費用計画の注意点
本記事を読んでいただければ、住宅購入にあたって必要な資金計画の立て方がわかり、より具体的に検討を進められます。
住宅購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
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家の全国費用平均や予算別の目安、費用項目の内訳を知りたい方は「家を建てる費用」の記事もご覧ください。
Contents
1.家を建てる方の平均年収と住宅ローンの平均返済額
家を建てる方はどの程度の年収があるのだろうか、自分の年収で家を建てられるのだろうかと疑問を持つ方も多いでしょう。
まずは、家を建てる方の年収について以下の内容を解説します。
- 注文住宅を建てた方の世帯年収は600万~800万円が最多
- 住宅ローンの平均返済額は年間174.0万円
参考:国土交通省「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」
1-1.注文住宅を建てた世帯年収は600万~800万円が最多
国土交通省の令和4年度住宅市場動向調査報告書によると、注文住宅を建てた方の全国の平均世帯年収は731万円です。割合で見ると、600万~800万円が最多で400万~600万円が続き、400万~800万の世帯が全体の5割以上を占めています。
年収400万円未満の割合は全体の9.0%で割合としては小さいですが、上手にやりくりすれば家を建てられることがわかります。
なお、三大都市圏(首都圏・中京圏・近畿圏)に限定すると、平均世帯年収は784万円と全国よりも50万円ほど高くなっています。
1-2.住宅ローンの平均返済額は年間174.0万円
国土交通省の令和4年度住宅市場動向調査報告書によると、住宅ローンを組んで注文住宅を購入している方の全国平均返済額は年間174.0万円です。月々にすると14.5万円となります。
一方で、三大都市圏の平均返済金額は、年間183.1万円で月々にすると約15.3万円でした。やはり都市部にある新築のほうが全体の費用がかかる分、住宅ローンの負担は大きくなる傾向にあります。
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2.年収がいくらあれば、住宅ローンを組めるのか
住宅購入の平均年収や平均返済額について解説しましたが、自分の年収でいくらの住宅ローンが組めるのか気になる方も多いでしょう。
そこで、年収と住宅ローンの関係について以下の内容を解説します。
- 住宅ローンは年収の何倍?重要なのは「返済負担率」!
- 年収200万円でも住宅ローンは借りられる
- 金利・返済期間を踏まえてシミュレーションしよう
借入可能額は、年収だけでなく、ほかのローンの有無によっても変わります。現在の借入状況などを踏まえて、シミュレーションしてみましょう。
2-1.住宅ローンは年収の何倍?重要なのは「返済負担率」!
一般的に住宅ローンの借入可能額は年収の5~6倍といわれています。しかし、それはあくまで目安であり、万人に当てはまることではありません。
なぜなら、住宅ローンを組む際に金融機関から見られるのはおもに「返済負担率」だからです。返済負担率とは、年収に占める年間のローン返済の割合で、以下の式で計算できます。
返済負担率=年間のローン返済額÷年収×100
返済負担率が大きくなるほど返済が困難になるため、住宅ローンには返済負担率の上限が設けられています。上限は金融機関によっても異なりますが、おおむね30~35%で、年収に応じて設定されています。しかし、実際に返済していく際に無理のない安全圏は、20~25%といわれています。
つまり、年収400万円の方であれば、年間120万~140万円(月10万~11.6万円)の返済であれば安全ということです。
全期間固定金利型の「フラット35」では、年収に応じて総返済負担率の基準が定められているため、住宅ローンを組む金融機関も慎重に選ばなければなりません。
フラット35の場合、ボーダーラインとなるのが、年収400万円です。
年収 | 総返済負担率 |
---|---|
400万円未満 | 30% |
400万円以上 | 35% |
総返済負担率は住宅ローンだけでなく、ほかのローンも含めて計算します。
現在カーローンやカードローンを組んでいる場合、それらの年間返済額を合算して返済負担率を計算するため、新しく住宅ローンを借り入れできる金額は減ってしまいます。そのため、住宅ローンは同じ年収であっても、人によって借りられる金額が異なるのです。
2-2.年収200万円でも住宅ローンは借りられる
年収400万円未満で注文住宅を建てた方の割合は1割以下であるため、年収が少ないと、そもそも「住宅ローンが借りられないのでは?」と考える方もいるでしょう。
金融機関によっては、住宅ローンの借り入れにあたり最低年収が設定されている場合もあり、年収が少ないと借りられない金融機関もあります。しかし、年収100万円や200万円以上で借りられる金融機関もあり、フラット35なら年収制限はありません。
ただし、年収が少ないと借りられる金額は少なくなるため、ある程度まとまった自己資金が必要です。
2-3.金利・返済期間を踏まえてシミュレーションしよう
住宅ローンを組む際には、金利・返済期間を踏まえてシミュレーションしましょう。同じ金額の借入れでも、金利や金利タイプ、返済期間によって総返済額や月々の返済負担が変わってきます。
住宅ローンは金利によって総返済額が変わるため、組む際には金利に注意しましょう。金利が低ければ低いほど総返済額を抑えられるため、その分借入可能額が増え、月々の返済負担は少なくなります。
例えば、3,000万円を借り入れた場合の返済シミュレーションは、以下のとおりです。
項目 | 金利0.5% | 金利1.0% | 金利1.5% |
---|---|---|---|
月々の返済額 | 約7.8万円 | 約8.5万円 | 約9.2万円 |
利息分の総額 | 約271万円 | 約557万円 | 約858万円 |
総返済額 | 約3,271万円 | 約3,557万円 | 約3,858万円 |
住宅ローンには、契約時の金利が返済完了まで続く固定金利と、市場金利の変動に応じて見直される変動金利があり、2つを組み合わせたものもあります。
現在は超低金利時代が続いており、変動金利を選ぶ方が多くなっています。しかし、今後の景気動向によっては、金利が上昇する可能性もあるため、リスクもしっかりと検討しましょう。
また、返済期間を何年にするかも重要なポイントです。
返済期間を長く設定すれば、借入可能額が増えるうえ、月々の返済額を抑えられます。しかし、完済が定年を過ぎる計画では、現役時代と同様の収入が見込めないため、返済が苦しくなるリスクもあります。
一方で、期間を短くしすぎると、月々の返済額が多くなり、返済が困難になるかもしれません。返済期間と返済額のバランスを踏まえて住宅ローンを組む必要があります。
3.【年収別】建てられる家のイメージ
住宅ローンの借入額に必要な要素がわかったところで、ここからは年収別に建てられる家のイメージについて解説します。ここでは、以下3つの年収帯で見ていきましょう。
- 年収300万円台~400万円台で建てられる家のイメージ
- 年収500万円台~600万円台で建てられる家のイメージ
- 年収700万以上で建てられる家のイメージ
参考:住宅金融支援機構「フラット35利用者調査」
3-1.年収300万・400万・500万円で建てられる家のイメージ
年収300万・400万・500万円の場合、借りられる住宅ローンの目安はそれぞれ以下のとおりです。
年収 | 借入額の目安 | 月々の返済 |
---|---|---|
300万円 | 約2,215万円 | 約5.3万円 |
400万円 | 約2,953万円 | 約7.0万円 |
500万円 | 約3,691万円 | 約8.8万円 |
※返済方法は元利均等を想定
年収 | 借入額の目安 | 月々の返済 |
---|---|---|
300万円 | 約2,036万円 | 約4.8万円 |
400万円 | 約2,715万円 | 約6.5万円 |
500万円 | 約3,394万円 | 約8.1万円 |
※返済方法は元利均等を想定
2021年度の注文住宅の所要資金は平均3,572万円、住宅面積は平均123.8平方メートルです。
金利0.5%、年収500万円の場合の借入額が、注文住宅の平均価格に近い金額に該当します。あくまでもほかのローンがない前提ではありますが、500万円程度の年収であれば、快適な家を建てるため平均的な資金調達ができるといえるでしょう。
しかし、年収400万円に満たない場合であっても、住宅ローンで足りない部分については頭金を支払うなど工夫することで同等の住宅を購入できます。
詳しいやり方は「6.住宅ローンの返済負担を減らす方法」にて解説いたします。
3-2.年収600万円台で建てられる家のイメージ
年収600万円台の場合、借りられる住宅ローンの目安は以下のとおりです。
年収 | 借入額の目安 | 月々の返済 |
---|---|---|
600万円 | 約4,430万円 | 約10.5万円 |
690万円 | 約5,094万円 | 約12.1万円 |
※返済方法は元利均等を想定
年収 | 借入額の目安 | 月々の返済 |
---|---|---|
600万円 | 約5,313万円 | 約12.7万円 |
690万円 | 約6,110万円 | 約14.5万円 |
※返済方法は元利均等を想定
年収600万円台の場合、住宅購入の選択肢も豊富になります。
土地購入と注文住宅の新築を行なった場合の平均費用は4,455万円でした。
つまり、年収600万台だと、土地から購入して快適な家を建てるための資金が十分に手に入るということがわかります。
3-3.年収700万以上で建てられる家のイメージ
年収 | 借入額の目安 | 月々の返済 |
---|---|---|
700万円 | 約5,168万円 | 約12.3万円 |
800万円 | 約5,906万円 | 約14.1万円 |
900万円 | 約6,645万円 | 約15.8万円 |
※返済方法は元利均等を想定
年収 | 借入額の目安 | 月々の返済 |
---|---|---|
700万円 | 約6,119万円 | 約14.6万円 |
800万円 | 約7,085万円 | 約16.9万円 |
900万円 | 約7,970万円 | 約19.0万円 |
※返済方法は元利均等を想定
年収700万円以上の場合、5,000万円以上の住宅を購入できるため、二世帯住宅(三世代同居)などの広い家、広い土地を必要とする大きな平屋、防音や趣味のスペースにこだわった家づくりはもちろん、立地においても都心エリアを選択肢に含めて検討できます。
住宅金融支援機構の調べによると、最も平均資金額が高い「首都圏」において、土地購入+注文住宅の建築での平均購入費用は5,133万円でした。つまり、年収700万円以上であれば、十分に手が届くということがわかります。
首都圏など都市部は共働き家庭も多いため、1人の収入で足りない場合は協力してローンを組むことも可能です。
その他の地域であれば、もちろん、上限まで借り入れを行なう必要はありませんが、自分が建てたい家をほぼ実現することができるということがわかります。
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4.【家の建築費別】どれぐらいの年収が必要か?
年収をもとに組める住宅ローンについて解説しましたが、ここからは家の建築費別に必要な年収について解説します。
- 「3,000万円の家」を建てるために必要な年収
- 「4,000万円の家」を建てるために必要な年収
- 「5,000万円の家」を建てるために必要な年収
なお、ローンの借上金の上限を決めるのは返済負担率30~35%ですが、安心して返済できるラインは返済負担率20~25%といわれています。そのため、この項目では返済負担率25%を基準として計算しています。
4-1.「3,000万円の家」を建てるために必要な年収
3,000万円の住宅を購入する際には、以下のように必要年収を逆算できます。
項目 | 金利0.5% | 金利1.0% |
---|---|---|
月々の返済額 (借入期間35年) |
7万7,875円 | 8万4,685円 |
年間返済額 | 93万4,500円 | 101万6,220円 |
必要年収* | 約374万円 | 約406万円 |
*返済負担率25%とした場合
上記表では必要年収を「約374万~406万円」としていますが、この年収がなければ3,000万円の住宅を購入できないわけではありません。
今回のシミュレーションは3,000万円をフルローンで購入する場合の試算ですが、500万円の自己資金を出せる場合、ローンは2,500万円になるため、以下のような計算となります。
項目 | 金利0.5% | 金利1% |
---|---|---|
月々の返済額 (借入期間35年) |
6万4,896円 | 7万571円 |
年間返済額 | 77万8,752円 | 84万6,852円 |
必要年収* | 約312万円 | 約339万円 |
*返済負担率25%とした場合
このように住宅購入に充てられる自己資金を用意することで、住宅ローンの返済負担が減るため、購入の幅も広がります。
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4-2.「4,000万円の家」を建てるために必要な年収
4,000万円の住宅を購入する際に必要な年収は以下のとおりです。
項目 | 金利0.5% | 金利1% |
---|---|---|
月々の返済額 (借入期間35年) |
10万3,834円 | 11万2,914円 |
年間返済額 | 124万6,008円 | 135万4,968円 |
必要年収* | 約498万円 | 約542万円 |
*返済負担率25%とした場合
必要年収は約498万~542万円ですが、住宅価格の1割(400万円)を自己資金から支払い、3,600万円のローンを組む場合は以下のとおりです。
項目 | 金利0.5% | 金利1% |
---|---|---|
月々の返済額 (借入期間35年) |
9万3,450円 | 10万1,622円 |
年間返済額 | 112万1,400円 | 121万9,464円 |
必要年収* | 約449万円 | 約488万円 |
*返済負担率25%とした場合
このように年収400万円台であっても4,000万円の住宅を購入できるケースがあります。
▶【4,000万円の家】の実際の住宅プランを比較する(無料)
4-3.「5,000万円の家」を建てるために必要な年収
5,000万円の住宅を購入する際に必要な年収は、以下のとおりです。
項目 | 金利0.5% | 金利1% |
---|---|---|
月々の返済額 (借入期間35年) |
12万9,792円 | 14万1,142円 |
年間返済額 | 155万7,504円 | 169万3,704円 |
必要年収* | 約623万円 | 約677万円 |
*返済負担率25%とした場合
必要年収は約630万〜680万円ですが、住宅価格の1割を自己資金から支払い、4,500万円のローンを組む場合は以下のとおりです。
項目 | 金利0.5% | 金利1% |
---|---|---|
月々の返済額 (借入期間35年) |
11万6,813円 | 12万7,028円 |
年間返済額 | 140万1,756円 | 152万4,336円 |
必要年収* | 約561万円 | 約610万円 |
*返済負担率25%とした場合
フルローンの場合、5,000万円の家を建てるには630万〜680万円の年収が必要ですが、自己資金を出すことで年収500万台の方であっても手が届く価格になります。
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5.年収が少ない場合の対処法
年収が少ないと借入可能額も少なくなり、住宅ローンだけでは希望する家を建てられないケースがあります。
そこで、年収が少なくても理想の家を建てたい方に有効な対処法を紹介します。
5-1.頭金を用意する
先に述べたとおり、頭金を確保しておけば、住宅ローンで借り入れる金額を減らせます。年収が低かったとしても、借入希望額が少なければ返済負担率が下がるため、審査に通りやすくなるでしょう。
また、一定割合の自己資金を出すことで金利優遇を受けられる金融機関もあります。例えば、全期間固定金利のフラット35の場合は、頭金が1割以上と1割未満で借入金利が変わるため、頭金があると有利です。
また、頭金があれば、のちの返済負担が抑えられるメリットもあります。
5-2.親からの資金援助を受ける
頭金として使える自己資金がない方は、両親・祖父母からの資金援助を検討しましょう。親からの資金援助は贈与になるため、本来であれば税金がかかりますが、住宅購入に関する贈与では一定額が非課税になる特例が実施されています。2024年(令和6年)1月1日から2026年(令和8年)12月31日までの新築住宅に対する贈与特例は、以下のとおりです。
- 一般的な新築住宅:500万円
- 質の高い住宅:1,000万円
質の高い住宅とは、新築住宅の場合一定以上の省エネ性能や耐震性能、バリアフリー性能を満たす住宅をいいます。制度を有効に活用しながら住宅購入を検討しましょう。
出典:国土交通省「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」
5-3.家の予算を下げる
年収が少なく、頭金の確保や親からの資金援助も難しい場合には、家の予算を下げることも選択肢になるでしょう。予算を下げる=条件に妥協することではありますが、暮らしやすさや快適性を大きく損なわずに、予算を下げる工夫は可能です。
例えば、間取りをシンプルにする、設備のグレードを下げるなどの方法があります。しかし、予算を下げ過ぎると、せっかくの注文住宅なのに後悔することになりかねないため、十分な検討が必要です。
予算を抑えても性能の高い家づくりを実現しているハウスメーカーもあります。複数のハウスメーカーからプランの提案を受けて検討してみましょう。
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6.住宅ローンの負担を減らす方法
住宅ローンを組むにあたって、毎月しっかりと返済できるか、不安な方もいるでしょう。住宅ローンに不安を感じている方は、以下の3つの方法を実践することで住宅ローンの負担を減らせます。
6-1.返済負担率を抑える
住宅ローンの借入可能額は、返済負担率30~35%を想定して計算しますが、実際に借り入れる額は返済負担率を20~25%に抑えた金額に留めておくと、家計の負担が少なくなります。借入可能額いっぱいまで借りると、のちの返済負担が大きくなるため、注意しましょう。
金融機関で考える返済負担率は、一般的に額面年収を用います。実際に30%の返済負担率では、手取りに対する毎月の返済額は大きくなるため、実質的な負担を考慮するためには、手取りで計算してみることも必要です。
注文住宅を建てた方の返済負担率は平均16%前後となっていることからも、多くの方が無理のない資金計画を行なっていることがわかります。
6-2.住宅ローンの返済期間を長くする
先述したとおり、住宅ローンの返済期間は30年よりも35年や40年にすると、総返済額は増えますが、月々の返済額は抑えられ、安定した返済ができます。
特に、近年増えてきた40年の住宅ローンは、定年まで時間のある20代のうちに家を建てたい方に向いています。家を購入するのは、必ずしも年収が上がってくる30代以降がベストとは限りません。老後資金のことを考えると、若い間に長期の住宅ローンを組むのは大きなメリットがあります。
6-3.繰り上げ返済・借り換えを行なう
住宅ローンの負担を減らすためには、返済を開始してからもローンの支払いについて必要に応じて見直すことがポイントです。
具体的には、ボーナスが支給されたときなど金銭面で余裕がある際に、繰り上げ返済を考えましょう。繰り上げ返済をすることで、月々の返済額を抑えられます。また、変動金利の場合、将来の金利上昇への対策にも有効です。
繰り上げ返済には、毎月の返済額はそのままで返済期間を短くする期間短縮方式と、返済期間はそのままで毎月の返済額を下げる返済額軽減方式があります。期間短縮方式のほうが大きな返済軽減効果を得られますが、返済に無理のないほうを選びましょう。
また、金利条件の良い住宅ローンへの借り換えも有効です。ただし、借り換えには、期限前完済手数料や抵当権の抹消・設定費用、融資手数料などの諸費用がかかり、ローン残高によっては、まとまった金額になることもあります。金利軽減による効果が、コストや手間を上回るかどうか、よくシミュレーションをしましょう。また、ライフプランと照らし合わせて無理が生じないかも確認してください。
住宅ローンの返済に不安があるなら、資金計画の時点からハウスメーカーに相談すると安心です。自分に合ったハウスメーカーを探すなら、HOME4U(ホームフォーユー)プラン作成依頼サービスをご利用ください。
7.家を建てる「費用計画」の注意点
住宅ローンの負担を減らす方法について解説しましたが、家を建てる費用計画をする際には、以下のポイントに注意しましょう。
- 貯金は残しておく
- ボーナス返済に頼らない
- 諸費用も予算に入れておく
- メンテナンスにかかるコストも含める
- 将来のリスクも考慮しておく
- 専門家に相談する
それぞれについて解説します。
7-1.貯金は残しておく
毎月の返済額を減らすために、頭金を少しでも多く入れようと考える方もいるかもしれません。しかし、ある程度貯金は残しておきましょう。
怪我や病気など突発的にお金が必要となった際に、現金がないのでは困ってしまうからです。家を建てるための頭金と、普段の生活資金は別物として管理するのがおすすめです。
7-2.ボーナス返済に頼らない
ローンの返済計画をボーナス返済に頼るのは危険です。ボーナス返済を多くすることで毎月の返済額は減らせますが、ボーナスは必ず支給されるとは限りません。
会社の業績によってボーナスが減らされたり、支給されなかったりといったケースもあるため、ボーナス返済を利用する際には、ボーナスが出なかったとしても自己資金から返済できる金額に設定しましょう。
7-3.諸費用も予算に入れておく
注文住宅を建てる際には、建築費のほか、税金やライフラインの引き込み工事、住宅ローンに関する費用など、さまざまな諸費用がかかります。
加えて、新居での生活をスタートするには、引越し費用や家具・家電の購入費なども見ておかなければなりません。資金がギリギリにならないように、余裕を持った資金計画を立てることが必要です。
7-4.メンテナンスにかかるコストも含める
住宅は経年劣化するため、一定期間で外壁や屋根などの修繕や、給湯器など設備のメンテナンスが必要になります。メンテナンスの目安はおよそ10年前後のサイクルのため、その都度、まとまった費用が発生する点も想定しておかなければなりません。
家を建ててからの資金計画では、住宅ローンの返済だけでなく、メンテナンスコストを含めて積み立てておくことが大切です。
7-5.将来のリスクも考慮しておく
住宅ローンは長期の借り入れになるため、返済期間中に収入や支出が大きく変動する可能性があります。例えば、子どもの進学に予想以上の費用が必要になったり、思ってもないタイミングで転職しなければならなかったりすると、ローンの返済資金が不足するおそれが出てきます。
今の年収をもとにするのでなく、先々起こり得るライフイベントを想定して資金計画を立てましょう。
7-6.専門家に相談する
家を建てる際の費用計画は、専門家に相談するのがおすすめです。
住宅の購入資金の内訳や、住宅ローンの仕組みは複雑であるため、家族だけでの話し合いでは見落としが発生してしまいます。
また、住宅への憧れから予算オーバーの計画を立ててしまうことも少なくありません。適切な計画を立てるためにも、第三者の専門家の意見を聞くなど、客観的な視点を取り入れることをおすすめします。
誰に相談するべきかわからない方は「HOME4U 家づくりのとびら」の無料オンライン相談サービスをご利用ください。専属のアドバイザーが、資金のシミュレーションや希望を叶えられるハウスメーカーの紹介などを行なっています。
まとめ
本記事では、家を建てるために必要な年収や、住宅ローン・建築費用の目安について解説しました。
住宅ローンの借入可能額の目安は、年収の◯倍と表現されることが多いです。しかし、実際に組める額は返済負担率によって決まるため、年収だけでは正確に計算できません。
また、金利や返済期間によっても借りられる金額が異なります。現在支払っているほかのローンや、毎月支払える金額をもとにシミュレーションをしてみましょう。
借入可能な住宅ローンだけでは購入できない価格帯の住宅でも、頭金を入れることで購入検討できる場合もあります。住宅ローンに頼るだけでなく、自己資金や贈与なども踏まえて購入を検討しましょう。
実際に資金計画を立てる際には、長期にわたり無理なく返済できるかという点も重要になります。正確なシミュレーションをするために、専門家を交えて話し合うのがおすすめです。
この記事のポイント
注文住宅を建てた世帯年収は600万~800万円が最も多く、一般的といえます。
住宅ローンの平均返済額は年間174.0万円です。
詳しくは「1.どの程度の年収から家を建てられる?家を建てる方の平均年収は?」で解説しています。
一般的に住宅ローンの借入可能額は年収の5~6倍といわれています。しかし、年収だけでなく年間の「返済負担率」も考量する必要があります。
返済負担率は一般的に20~25%が安全圏といわれています。
詳しくは「2.年収がいくらあれば、住宅ローンを組めるのか」をご覧ください。
建築費用のみでいうと、一般的に500万円程度の年収であれば、全国の平均費用の住宅(快適な家)を建てられます。
年収ごとの建てられる家のイメージについては「3.【年収別】建てられる家のイメージは?」で、詳しく解説しています。
また、家の建築費から必要な年収目安が知りたい方は「4.【家の建築費別】どれぐらいの年収が必要か?」をご覧ください。
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